あを

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 色の名。五色の一つ。七色の一つ。三原色の一つ。本来は、黒と白との中間の範囲を示す広い色名で、主に青、緑、藍をさし、時には、黒、白をもさした。 ※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「青(アヲ)珠赤珻(あかたま)をば」
② 植物の葉の青々とした様子。 ※Wee(1924)〈細田源吉〉「五月の末らしく鮮(あざや)かな青が、庭園中を充(み)たしきって」
③ 馬の毛色が青みがかった黒色であること。また、その馬。青毛。青毛の馬。 〔日葡辞書(1603‐04)〕
④ 青本のこと。草双紙の類をさす。 ※黄表紙・玉磨青砥銭(1790)序「青(アヲ)のたね本は出来ましたか」
⑤ 青銭のこと。寛永銭をさす。 ※歌舞伎・吉様参由縁音信(小堀政談)(1869)五幕「文久銭(ぶんきう)か青銭(アオ)位はくれてもいいに」
⑥ 野呂松(のろま)人形の中で、主要な役に使われる人形。頭は平らで、顔の色が青く、一座の中の主要な人形遣いがつかう。よろく。 ※滑稽本・八笑人(1820‐49)四「チョイとおまけの御愛敬、縦(たと)はば江戸節の会へ雇(やとは)れし能呂間人形(のろまにんぎょう)、それさへ青はつかはねば」
⑦ うなぎの一形態。背色の少し青みがかったものをいう。 ※洒落本・通言総籬(1787)一「あを、白、すじみなうなぎの名なり。うなぎくひのつう言也」
⑧ カルタ用語。
(イ) 天正ガルタ四八枚のうち、ハウ(棍棒)の札一二枚をいう。その図の棍棒に青色の彩色が施してあることからいう。青札。
※浄瑠璃・大職冠(1711頃)道行「火をくはっくはっとかきたて、加番見れども青もなくあがりもしらぬひらよみに」
(ロ) 「あおたん(青短)」の略。 ※花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上「三十間堀辺の奥二階にての骨牌(かるた)遊び〈略〉『なんだ其の青を占めたか』と思はず高声になれば」
⑨ 「あおしんごう(青信号)」「あおでんしゃ(青電車)」などの略。 ※波(1928)〈山本有三〉妻「まだ赤か、うまく行けば青が来るだらうと思って」
接頭辞 ① 木の実などが、十分に熟していないことを表わす。「青びょうたん」「青ほおずき」など。
② 年が若く十分に成長していないこと、人柄、技能などが未熟であることを表わす。「青二才」「青侍(あおざむらい)」など。
[語誌](1)アカ・クロ・シロと並び、日本語の基本的な色彩語であり、上代から色名として用いられた。アヲの示す色相は広く、青・緑・紫、さらに黒・白・灰色も含んだ。特にミドリとは重なる部分が多く、「観智院本名義抄」の「碧・緑・翠」には「アヲシ」「ミドリ」などの訓が見える。
(2)色名としてのアヲは、ミドリ(これも若やいだ状態を表わす意が早い)が緑色の色名として定着するにつれ、狭く青色を示すようになるが、なお、青色以外の色にも使われ続けている。
広辞苑 名詞 (一説に、古代日本語では、固有の色名としては、アカ・クロ・シロ・アオがあるのみで、それは明・暗・顕・漠を原義とするという。本来は灰色がかった白色をいうらしい)
①七色の一つ。また、三原色の一つ。晴れた空のような色。
「空の―、海の―」
②緑色。 「―田」
③青信号の略。
青毛 (あおげ)の略。俗に、馬一般の代表名としても用いる。
⑤青本の略。
⑥青銭の略。
⑦㋐天正カルタの青札 (あおふだ)の略。
㋑花札の 青短 (あおたん)の略。
⑧ある語に冠して「若い」「未熟の」の意を表す語。→青い 「―二才」「―くさい」
大言海 名詞 〔倭名抄、九「靑木、 安乎 (アヲ)木」〕
(一){七色ノ一。晴天ノ空ノ如キ色。
「靑空」靑雲」
(二){(アヲ) (ミドリ)ノ泛稱。 萬葉集、二十 五十八 「水鳥ノ、鴨ノ羽色ノ、靑馬ヲ、云云」
「靑海」靑貝」靑(セン)」靑鷺」靑蛙」靑草」靑葉」
(三)六位ノ()(ハウ)ノ、深綠ナルヲ云フ。 靑侍 (アヲサブラヒ)」(八雲御抄、三、下「六位、あをきころも」)
(四) (アヲ) ()ノ馬ノ略。其條ヲ見ヨ。
(五)未熟ノ(コノ)() 「靑梅」靑(スモモ)
(六)人柄、技前ノ、未熟ナルコト。 「靑道人」靑書生」靑二歲」(なまなまノ博士)

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最終更新:2024年05月06日 18:53