僕は、頭を抱えた。
「してやられた」
ため息をつき、そう漏らす僕をニヤニヤと笑みを浮かべながら見ている男がいる。
彼はセブン。この探偵事務所の…まあ、雑務担当と言ったところか。
彼はセブン。この探偵事務所の…まあ、雑務担当と言ったところか。
「はっはっは、依頼人だと思ったら犯罪予告だったってか。そりゃしてやられたな、おい」
「他人事のように笑うな、ボケナス」
「でも良いんじゃねーの?さっき言ってたろ、推理の鉄則の三要素。
そのうちのフーダニットがもう判明してんだぜ?」
そのうちのフーダニットがもう判明してんだぜ?」
其れはそうだ。
まだ犯行に及ばれていない状態で、誰が誰を殺すか解っているならこんなにやりやすいことは無い。
しかし
まだ犯行に及ばれていない状態で、誰が誰を殺すか解っているならこんなにやりやすいことは無い。
しかし
「こういうのは警察の仕事なんだよ……」
そう。
彼女の話の通りにいけば、僕は彼女を警察に突き出すだけで事件が解決してしまうのだ。
正直言って仕事になっていない。
彼女の話の通りにいけば、僕は彼女を警察に突き出すだけで事件が解決してしまうのだ。
正直言って仕事になっていない。
「が、そうすんなりは行かないだろうな」
「ウチの事務所、警察の信用ねーもんなー」
彼女の犯行予告は書面やデータなどの証拠として残されていない。
口頭での犯罪予告を警察に証言したところで、信頼してもらえるかどうか。
先にセブンが言った通り、うちの事務所はいろいろとスレスレな事をやっているのもあって、警察の信用が無いのだ。
無論、これから彼女が殺すと言っている婚約者についても同様。
いきなり見知らぬ人物から「貴方の婚約者が貴方を殺そうとしている」などと言われても、まず信用しない。
というか、こちらが不審人物扱いだ。
口頭での犯罪予告を警察に証言したところで、信頼してもらえるかどうか。
先にセブンが言った通り、うちの事務所はいろいろとスレスレな事をやっているのもあって、警察の信用が無いのだ。
無論、これから彼女が殺すと言っている婚約者についても同様。
いきなり見知らぬ人物から「貴方の婚約者が貴方を殺そうとしている」などと言われても、まず信用しない。
というか、こちらが不審人物扱いだ。
結果として。
「アシュリー、彼女の部屋の戸締りは厳重にしておいてくれよ。魔術だのなんだの駆使してさ」
こうするしかないのだ。
殺人を宣言している以上、このまま彼女を帰すわけにはいかない。
かといってさらっと警察に突き出すことも出来ず、手をこまねいてる今は、とりあえず彼女を厳重に「管理」しておく必要がある。
空いている個室に放り込み、窓と入り口には外からしか開けられないように南京錠。
身体検査は済ませてあり、おおよそ凶器と呼べるものや脱出に必要そうな物は無い。
かといってさらっと警察に突き出すことも出来ず、手をこまねいてる今は、とりあえず彼女を厳重に「管理」しておく必要がある。
空いている個室に放り込み、窓と入り口には外からしか開けられないように南京錠。
身体検査は済ませてあり、おおよそ凶器と呼べるものや脱出に必要そうな物は無い。
携帯電話なんかは没収させてもらい、彼女の素性も把握している。
「仙堂 萌葱」。邪気街在住の女子大生であり、薬品開発で有名な仙堂グループの会長令嬢。
ここまで解っていれば婚約者を割り出すのも簡単そうだ。
とはいえ、最終的にはやっぱり警察に頼るしか道はなさそうなのだが。
「仙堂 萌葱」。邪気街在住の女子大生であり、薬品開発で有名な仙堂グループの会長令嬢。
ここまで解っていれば婚約者を割り出すのも簡単そうだ。
とはいえ、最終的にはやっぱり警察に頼るしか道はなさそうなのだが。
「とっとと引き渡しちまおうぜ?それで警察が信じなくったって、事件が起こっちまえばそれは向こうの落ち度だぜ」
「そんなことしてみろ、ウチの面目丸潰れだよ。明確な犯人に接触しておきながら、事件を防げなかった探偵事務所。
おまけに国家権力に頼ってると来たもんだ」
おまけに国家権力に頼ってると来たもんだ」
商売ってのは公的機関よりメンツが大事なんだ。
探偵なんて妖しい家業、実績に少しでも傷がつけば速、畳まざるを得なくなる。
探偵なんて妖しい家業、実績に少しでも傷がつけば速、畳まざるを得なくなる。
「しっかし、なんだってあの女、わざわざウチに来て犯行予告なんかしたんだろうな」
それも疑問だ。
単なるいたずらにしたって身体を張りすぎてるし、犯行計画が事実だったとしても彼女に何のメリットもない。
ウチの事務所に対する陰湿な嫌がらせなんだろうか。
彼女は「婚約者を殺害する」以外は頑なに喋ろうとはしないし。
フーダニットが解っているのに、それ以降が頓挫している。
単なるいたずらにしたって身体を張りすぎてるし、犯行計画が事実だったとしても彼女に何のメリットもない。
ウチの事務所に対する陰湿な嫌がらせなんだろうか。
彼女は「婚約者を殺害する」以外は頑なに喋ろうとはしないし。
フーダニットが解っているのに、それ以降が頓挫している。
「ま、考えたって仕方ねーっしょ。俺は考えるのやーめた。テレビでも見ながらせんべい齧らせてもらうわ」
僕が文句を言う前に、セブンはどかっとソファに腰をおろし、テレビの電源を付ける。
ワイドショーでも見るつもりだったのだろうが、僕はテレビのチャンネルはいつも国営放送局で固定して切っているので
否応なく、最初はニュース番組が目に飛び込むことが多い。
案の定、この時間帯はもう夕方のニュースが放映していた。
ワイドショーでも見るつもりだったのだろうが、僕はテレビのチャンネルはいつも国営放送局で固定して切っているので
否応なく、最初はニュース番組が目に飛び込むことが多い。
案の定、この時間帯はもう夕方のニュースが放映していた。
驚愕する。
「………誘拐事件?」
ニュースの内容はシンプル。
仙堂グループ会長の娘、仙堂 萌葱を誘拐したとの手紙が、その婚約者の下に届けられたとのこと。
どうやら仙堂嬢はもう2週間以上行方が解らない状態だそうで。
仙堂グループ会長の娘、仙堂 萌葱を誘拐したとの手紙が、その婚約者の下に届けられたとのこと。
どうやら仙堂嬢はもう2週間以上行方が解らない状態だそうで。
「……………………してやられた」
僕は、頭を抱えた。