擬音語や擬態語などをまとめてオノマトペと呼びます。日本語に豊富ですが、韓国語にはより豊富にあります。逆に、擬態語について言えば、フランス語はジグザグなどの例を除いてほとんど皆無です。言語によってオノマトペの量は異なります。ただ、擬音語がない言語というのはないようなので、オノマトペの中で最も原始的なのは擬音語なのでしょう。
アルカは「ドキドキ」など、擬態語(正確には擬情語)を持ちません。「トロトロ」などについても同様です。緊張しているとか、心拍が早いとか、粘度が高いなどという表現をします。言語学ではこのような性質を「分析的」呼びます(ほかにも分析的と呼ぶ対象はあります)アルカは、従って、分析的な言語です。
なぜこうなったかというと、少なくとも28もの異なる母語話者で
アシェットが構成されているからです。
古アルカ時代にオノマトペを作る動きがありましたが、感覚を統一することができず、オノマトペが乱立しました。そこで分析的な表現を使うことで誤解なく意思疎通を図るようになり、オノマトペは軽視されました。その性質を
制アルカも引き継いでいるため、オノマトペは特に持っていません。
ところが、そもそもアルカは
音象徴からできた語が多いので、単語自体がオノマトペ由来であることが多いです。
pax(光)、
pal(白い)などは、光を指す「パ」というオノマトペから来ています。日本語は「ピカ」ですが、アルカでは「パ」です。こういう語が多いので、アルカは単語そのものがオノマトペ的だということもできます。英語に近いですね。
英語jingleというのはオノメトペjingの繰り返しです。ベルなどの音に使われます-leは繰り返しを表します。よって、jingleはjing jingという音を表します。日本で鈴は「チン、チン」「ちりん、ちりん」ですかね。実は似てたんですね。やはり同じ人間同士です。
でも英語話者はjingleがオノマトペだと自覚しながらこの単語を使ってはいないでしょう。英語話者は英語にはオノマトペが日本語より少ないと考えがちですが、そうでもありません。日本語はオノマトペと非オノマトペが別々の単語になりがちですが、英語は両者が癒着していて区別がつきにくいことが多いです。
そのような例が英語ではオノマトペとして計上されないため、英語は一見オノマトペの少ない言語とみなされます。前世紀まではその特徴をもって日本語は子供の使う非論理的な言語などと言われていましたが、意外と英語もオノマトペ満載です。
アルカは要するに英語と同じく、元々の単語そのものがオノマトペというパターンが多いです。さて、ところでアルカのオノマトペの使い方ですが、これはそのまま単語を利用します。泣くは
enaですが、これは古アルカでも同じで、語源は心の水です。これはそのままオノマトペとして使えます。日本語でいう「しくしく」ですが、アルカでは
enaenaです。2度繰り返すと連続性を指します。
同じオノマトペでも付加するものによってニュアンスを帰ることができます。たとえば
paxは単体だと「ピカ」で、中止調とともに使うと「ピカッ」になります。長音符と合わせると「ピカー」で、
paxpaxにすると「ピカピカ」(電飾のチラチラした明かりのこと)を指します。さりげなくレインや紫苑にオノマトペ表現が出ていたりするので、探してみると面白いかもしれません。
ちなみに、アルカではオノマトペはやや幼稚な表現方法とされ、口語的です。日本語と同じく、会議など公の場では、分析的な表現を好みます。
なお、擬声語ですが、猫の鳴き声
uniを除いて、ほとんど皆無です。動物は鳴き声がそのまま単語になっていません。その上、擬声語もないとなると、アルカはどうやって動物の声を表すのか。
これは右脳任せです。言い換えれば、鳴きまねです。アルカの場合、聞こえた通りに真似をします。勝手に犬を「ワンワン」と言っても、日本人以外には恐らく通じないでしょう。アシェットでは鳴きまねのほうが効率良かったのです。もっとも、動物の鳴き声を表現しなければならない機会というのは現代では極めて少ないので、鳴きまねをすることすらまずないですが。
ちなみに、その鳴きまねを文章で表す場合、どうすればよいか。これは
omaxiv、
ketsxivのように、「~の声」と指定して表します。台本の「ここは~で読んでください」という指示と同じです。
なお、注意事項ですが、元々古アルカで音象徴としてできた単語以外はオノマトペになりづらいです。
paxはオノマトペになっても
pixで闇のオノマトペにすることは、事実上ありません。
pixは
paxの対でしかないので、
pixという音に私たちは闇を感じないからです。
古アルカを知らないとどうしてもオノマトペは使いこなせませんが、これはアルカでのオノマトペの発達の歴史上、仕方のないことですね。とりあえず、むやみやたらとどんな語でもオノマトペ化できるわけではないということを押さえておくのが重要です。
lferlferとか、ありえません。
最終更新:2007年11月13日 20:44