黄金体験

 JOJOロワ2nd書き手、ジョルノ・ジョバァーナは思考する。

 自分達は今、書き手ロワに参加させられているらしい。これは果たして不幸なことだろうか?
 否、逆に考えるんだ。今後の作品には実際にロワに参加した経験を活かせてラッキーと考えるんだ。
 作品の為ならばクモすら食べる、極限までリアリティを追求する露伴先生を見習うんだ。
 しかし、経験を活かして作品を書くには、まずは今回のバトルロワイアルを生き残る必要がある。
 そこで問題だ! このバトルロワイアルをどうやって生き残るか?

3択―ひとつだけ選びなさい

答え①ハンサムのジョルノは全員殺して生還する
答え②仲間とともに主催を倒し生還する
答え③生き残れない。現実は非情である。

 考えろ――考えるんだ。今の自分はポルポルくんのように死が間近に迫ってはいない。
 だから、今後のことを考える時間は充分にある。絶対に考えるのをやめてはいけない。
 考え――「隙ありィィィッ!」――!?

 突然飛んできた何かを、すんでの所で横に跳んで回避する。
 振り返ってみれば、先程まで自分が寄りかかっていた木に何かがめり込んでいた。

「こいつは――野球のボール?」
「その通り!」

 声の方を向けば、襲撃者が姿を現していた。
 襲撃者は、身長は自分と同じくらいの野球帽を被ったユニフォーム姿の男で――なぜか、二頭身だった。
 いきなりの状況に少々ポルナレフっていた自分に、襲撃者は律儀にも名乗りを上げる。

「パワポケロワ書き手が一人、◆n7WC63aPRk……またの名を、ラブハンター

 パワポケロワ……ああ、あの野球ゲームのバトルロワイアルか。

「メルシーボークー(ありがとう)、自己紹介恐縮のいたり。僕の名前はジョルノ・ジョバァーナ。JOJO2nd書き手の一人だ。
 念のため聞くけれど、君はバトルロワイアルに乗っているんだな?」

 僕の問いにラブハンターは首肯し――ピッチャーのように、足を大きく振り上げた。
 何処から出したのか、その手には野球のボールがしっかりと握られている。

「自重しないことで有名なゲームのロワの書き手が、せっかくの晴れ舞台で自重してどうするよ! 今度こそ喰らいなッ!」

 ラブハンターの右手から、二球目が放たれる。野球ゲームらしい豪速球。たしかに速いけれど――避けられなくは無い。
 武器がボールならば、距離を詰めれば無力! ギリギリのところで横に躱して、一気に近付こうと足を踏み出そうとし――

「残念、カーブだ」
「がはッ!?」

 突然軌道を変えたボールが、腹部を直撃した。
 カーブ……? 畜生、変化球まで投げられるのか。骨が何本かいったじゃないかこの野郎。
 腹の痛みと、逆流しようとする胃袋の内容物を必死で堪えて顔を上げ――

「動作が鈍い!」

 カキーンと、フルスイングしたバットに打たれて僕の体は空中に舞い上がり、数十メートル後ろの地面へと叩きつけられる。
 だから、そのバットは何処から出したんだよ!
 そんな僕の気もしらずに、ラブハンターはユニフォームの中にバットをしまうと、代わりに取り出したグローブを腕にはめて、一歩一歩こちらに近付いてくる。

「最後はこのグローブで頭を握り潰し――ゲームセットだ」
「……野球の道具を人を傷つけるために使うなんて、お前それでも野球人か!」
「だってパワポケって本編でもこんな感じだし」
「マジで!?」

 クソ……どこまで自重しないんだ、パワポケ! 本当に野球ゲームか!?

「いいえ、野球バラエティです。そんなわけで――死にな」

 奴のグローブが、僕の頭部に伸びる。
 対して僕は、全身を思いっきり叩きつけられたせいで、腕一本まともに動かせない。
 哀れ、ジョルノ・ジョバァーナの物語はここで終わってしまうのか? 第三部完!なのか?
 ああ、でもここで死んでしまった方がある意味楽かもしれない。
 もしかしたら、ここで生き残ったせいで、後々バトロワ名物の鬱話に巻き込まれるかもしれないし。
 それを考えたら、今ここでこいつに殺される運命を選んだ方が、絶対にマシだろう。

「『だが断る』」

 今にも僕の頭部触れようとしていた、グローブに包まれたラブハンターの左手を――一本のスパゲッティが貫いた。

「え゛……?」

 突然の出来事に硬直するラブハンター。
 次の瞬間、その体は黄金の拳によってブッ飛ばされる。

「ぐおッ! な、何が……!?」

 ガードもできないまま、数メートルブッ飛ばされたラブハンターは、受け身も取れずに地面に墜落する。
 そして、ぎこちない動作で立ち上がり――彼の体をブッ飛ばしたものを、その瞳に映すのだった。

「イカ墨入りのスパゲッティは黒かろう……。パワポケロワの書き手である君の武器が野球の道具であるなら、JOJOロワ2ndの書き手である僕の武器は!」

「スタンド名『ダイアーの黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス・ダイアー)!!』」

 威勢よく言ったところで、僕自身の体はロクに動かないし、ダイアーの黄金体験の能力は、
本物の黄金体験にダイアーのイカ墨攻撃をミックスして2で割った程度。決して、強いスタンドでは無い。

 けれど……生きようとする意志は、何物にも負けることは無い!
 僕は決めた! まずはこいつを倒し――主催者すらも、撃破する!

「さあ、第二ラウンドだ、ラブハンター!」

【一日目・深夜/茨城】
【ジョルノ・ジョバァーナ@JOJOロワ2nd】
【状態】ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】
基本:主催者を撃破
1:目の前のラブハンターを倒す
※外見はジョルノ・ジョバァーナです

【ラブハンター@パワポケロワ】
【状態】ダメージ(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】
基本:自重なんて知らない
1:目の前のジョルノを倒す
2:ラブコメしたい
※外見は、パワポケ2主人公(二頭身)です

【ダイアーの黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス・ダイアー)】
ジョルノ・ジョバァーナのスタンド『ゴールド・エクスペリエンス』と、ダイアーさんが融合したスタンド。
外見は、首から上がダイアーさんなゴールド・エクスペリエンス。イカスミ攻撃が得意。

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ジョルノ・ジョバァーナ ジョルノ・ジョバーナVSラブハンター
ラブハンター ジョルノ・ジョバーナVSラブハンター

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最終更新:2009年03月18日 12:57
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