「せっかくだから俺は優勝を目指すっていう!」
ここは脈々と連なるミニチュア山の中腹。突然、とある男の声が響き渡った。
「俺にできないことはあんまりないっていう!
バトルや駆け引きは結構書いてきた。100BKを軽く越える作大だって書き上げてきた!」
一見率先して死亡フラグでも立てているかのような言動。
だが、その赤と青の服と特徴的な帽子は、死にそう死にそうと言われながらも全然そんなことはなかった
ニコロワの生存者、KASの物である。
そして本人もいたって真面目であった。
その男――◆jVERyrq1dUは少し声のトーンを落とし、すかさず戦略を練るため脳内会議を始める。
「俺はギャグ展開が好きだが、山場を書くのも得意だっていう!
山場と言えば限界バトル!みんな満身創痍になって、そして鬱死に熱血死……。
つまり俺が山場を作ってとんずらすれば、他の奴らが潰し合ってくれるはずだっていう!」
優勝するために、これからどうするべきか?彼の頭は高速で回り始める。
対ファンタスティックフォー、対ジアース、対HAL。
勝ちかと思えば負け、燃えかと思えば絶望展開、あれ死んだ?いやまだ生きてた?
そんな彼の作り出す先の見えない展開と"駆け引き"は、多くの読み手を惹きつけ、その長さを忘れさせる。
いつしか、彼はニコロワ屈指の山場メーカーとして知られるようになっていた。
「山場にもっていく為には火種と繋ぎが必要可不欠。まずは書き手科繋ぎ目な奴を探すっていう!」
そう言うなり彼は一気に山を駆け上がる。
別に彼が繋ぎを書けないということはないのだが、やはりここは繋ぎが得意な書き手に任せたい。
その間に火種はいくらでも撒けるだろう。
「ニコロワシリズーとらきロワの奴らと会えたら上手くいきそうなんだがな……。
繋ぎ師とか、ゆっくりしている事を除けば饅頭で瀟洒で顔見知りでいいんだけどな」
まあ今は人を見つけなければどうしようもない。
そう思って彼はひたすら頂上を目指す。
そしてその一方で、全く別の事を考えていた。彼が愛して止まない、あるキャラの存在を。
「……神(笑)」
最早説明は不要か。それはニコロワで一番嫌われたであろう有名キャラの成れの果て。
その愚神は彼の作品の中で一際強く輝き、嫌というほど――実際罵倒の嵐を起こすほど――住人にその存在を刻み付けた。
故に付いた彼の異名は「
HALのバトルマスター」。
彼の能力は「神(笑)を扱う程度の能力」
だから優勝を目指すついでに、バトルマスターは考えていた。
「HAL神を俺のものにできたらいいなあ……」
ニコロワも終盤戦に差し掛かってきた頃。
元々マーダーをよく書く彼は、次第に彼女の大暴れを書くのが楽しくて仕方なくなるほど、神に入れ込むようになっていた。
それは彼女にちょっかいをかけるために対主催支援MADを作るほどに深く。
彼女が死んでからもその続きを書くほど強く。
神(笑)を書きにらきロワに突撃するほど激しく。
今の言葉だって他の人にとっては罰ゲーム以外の何物でもない。
しかし、バトルマスターは違っていた。
書き手である限りHALを扱う力を持っているのだ。そして彼の能力がそれを証明している。
HAL神を俺の手で暴れさせたい。もっと厨二な言葉を喋らせたい。また最凶(笑)な悪役として君臨させたい――。
そんなとても人前では言えない思いを胸に秘めながら、彼は走る。
だが彼は気づいていなかった。
扱う側のはずの彼が、逆に"神"の信者となっていた事実に。
愛着から始まったその愛情は愚神を増長させ、いつしか新しい神は育ての親さえも取り込んでいた。
ニコロワで死んだはずの神(笑)は、実はロワ界隈全体で息づいていた。
その悪意は、未だ留まる事を知らない――。
【1日目 深夜/長野県の山中】
【HALのバトルマスター@ニコロワ】
【服装】KASのマリオ服
【状態】健康
【装備】無し
【持ち物】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:優勝して神(笑)をGTEするっていう。
1:火種を撒き、山場を作って殺し合いを促進させる。
2:繋ぎ手が欲しい。
3:知り合いどんくらいいるかな?
【備考】
外見と口調はまんまKASです。身体能力が上がっているかもしれません。
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最終更新:2009年03月20日 01:19