「やや!そこにおわすわ完璧な饅頭繋ぎ師と◆CppH18E08cか!いきなり
ニコロワ書き手ktkr!!」
夜の闇の中を唐突に現れた男が繋ぎ師と◆CppH18E08cの会話に割って入る。
突然現れた参加者に二人は一瞬身構えたが、男が同郷のニコロワ書き手である
HALのバトルマスターである事を確認すると、ほっと緊張を解いた。
「マスター……あんたの外見ってKASなんだな。書き手ロワに出るなら外見は神(笑)がいいって言ってたのに」
「KASも書いてて楽しいからいいっさ!そう言うお前こそどう見ても変態な格好ジャマイカ!」
「私もレムーなのか咲夜なのかよく分からない外見だわ。どうでもいいけど」
元々同じロワの書き手である三人は打ち解けるのも早かった。定番である情報交換もしないで、しばらく雑談に耽る。
◆CppH18E08cは繋ぎ師に冷たく撥ね退けられた質問を、HALマスターにもしてみる事にした。
外見はKAS、口調もKASのそれなのでどう見ても頭がパッパラパーンに思えてくるが、彼とて繋ぎ師と同じくニコロワ1stで活躍した偉大な先人だ。
経験豊富な彼ならば、ロワ内でどう行動すれば個性的(外見は除く)になれるか、その問いに応えてくれるかもしれない。
「マスター……いや、◆jVERyrq1dU。俺は何でもいいからこのロワで個性を見せたいんだ。
個性的なキャラになれるなら、死んでも構わない。試しに聞いてみるが、どうすればいいと思う?」
唐突に真面目な質問をぶつけてきた◆CppH18E08cをHALマスターは指をさしてゲラゲラ笑った。
「充分個性的だろ(外見的な意味で)wwwwwwwどう見ても変質者wwww」
「違う!そうじゃない!例え裸で登場しようがその後空気になるかもしれないってのがロワじゃないか!
確かに俺は変態的格好で……まあ、掴みはOKだろう。でもこのまま何もしなければ、個性を見せられるとは思えない。
外見とは関係のない、何か個性的な要素……こいつが必要だろう?」
半ば必死に訴える◆CppH18E08cを見て、HALマスターもさすがに真面目に考え始める。
外見はKASなので、一見真面目に考えているようにはとても見えないのだが……
「◆CppH18E08c、マーダーはいいぞ」
HALマスターは◆CppH18E08cに向かって答えを示す。
「なんだかんだでロワで一番目立ち安いのはマーダー、つまり悪役っていう。いい悪役がいたら物語が引き立つ。
キバくんと銀様があそこまで熱く死ねた理由の一つに、TASさんがナイス悪役だったからってのがあるっていう。
対主催を活躍させようとすれば、それに比例してマーダーも目立たせる必要がある。闇があるからこそ光が映えるのさ。
対主催とマーダーを比べるとどうしても後者の方が少ないから、対主催よりは目立てると思うのサ」
マーダー好きのHALマスターらしい答えだ。確かに一理ある。
「マーダーってのはある意味ロワの主役なんだぜ!?よく考えてみろ!
誤爆スレとかでよく話題になるのは対主催よりもマーダー、もしくは変な思考の危険人物だろ!?
例えばニコハルヒとか神(笑)とかHALとか真・神聖究極魔神とかな!」
全員同一人物じゃないか、と◆CppH18E08cはあえて突っ込まなかった。HALマスターのHAL好きは彼も知っている。
一々突っ込んでいればツッコミキャラのレッテルを張られて個性的になれないかも……
「全員同一人物じゃない!」
「wwwwwwwww サーセンwwwwwwwwwwww」
さすがは繋ぎ師だ。場の雰囲気を察してツッコミを入れた。いつも繋ぎに徹するその態度。そこに痺れる!憧れるぅ!
「まあ、神(笑)はさておき、確かにマーダーになるってのは個性を見せるための近道かもしれないな……」
だろ!と目をキラキラさせて喜んでいるHALマスター。この人は分かっているのか?
俺がマーダーになったら、あんたをこの場で殺すかもしれないんだぞ?ちょいとメタ思考が暴走して、危機察知能力が欠落してないかい?
書き手ロワはお祭りだが、普通に死ぬかもしれないんだぞ?
「そういえば、マスターはどういうスタンスなんだ?」
「俺?うーん、どうしようかなあ……」
「喋るのを躊躇うって事はマーダーか……いや、ステルスかな」
◆CppH18E08cが断定しようとすると、HALマスターは手を振って慌てる。
「いや、確かに優勝したいけど今のところ単純なマーダーになるつもりはないよ!俺はただ神(笑)をゲットしたいだけっていう!」
また神(笑)か。よっぽど好きなんだなあ。あんな外道なんてどう考えてもゲットしたくないだろう常識的に考えて。
HALマスターのハイテンションに押されながらも、◆CppH18E08cは彼と話し合う。
やはりてっとり早く目立つには特殊な危険人物になるのがいいだろう。
ニコロワで言うと阿倍さん、闇つかさ、神(笑)。他ロワで言うとアカギとかなのはとかkyonとかか……?
HALマスターの言うとおり、毒吐き別館で話題になるのは特殊な思想を持ったキャラが多い。
そしてそれらのキャラのだいたいはマーダー、もしくは危険人物だ。
よし────マーダーになろう。問題はどんなマーダーになるか……
「今思ったら繋ぎ師、レムーの格好じゃないか!すげえ!」
HALマスターは視点を繋ぎ師に移し、彼女の姿を見て大いに喜んでいる。
あまりにも今更過ぎる。頭までKASになってどうするつもりだろうか。
「そして俺はKASの格好だぜ!?この序盤にニコロワ屈指の名コンビ霊KASが再現されるってわけだ!すげえ!」
「残念ながら服装はレムーでも中身は咲夜よ?」
テンションが跳ねあがったHALマスターに向かって繋ぎ師はぴしゃりと言った。相変わらず繋ぐ事以外にはあまり興味がないらしい。
しかしHALマスターは彼女の台詞を聞いて、猛然と突っかかって来る。
「馬鹿野郎!!ニコロワ書き手とあろうものがそんな細かい事を気にしてどうするんだっていう!!
繋ぎ師は咲夜じゃなくてレムー!これでおk!」
「……細かい事を気にするなって言うけど、貴方やCMさんが突飛な展開を書いてる裏でガチムチ兄貴が
──微力ながら私も──色々細かいところをフォローしてたってのに……」
「あ……なんかすまない。キニスンナ!」
繋ぎ師の顔少しだけ影が差すのを見てHALマスターは平謝りする。
「まあとりあえず繋ぎ師!俺とコンビを組もう!
あんたはニコロワ書き手だし繋ぎ専門の書き手だからまさに俺が探していた人材にうってつけっていう!」
そう言うとHALマスターは繋ぎ師と組んでどんな事をするつもりなのかを説明し始めた。
彼の行動方針は山場を作って他の参加者達に勝手に死んでいって貰う事。分かりやすい言葉を使うと、所謂扇動マーダーって奴だ。
この行動方針を実行するためには、山場まで持っていく事が出来る繋ぎ手が必要らしい。
そう考えると確かに繋ぎ師はまさにこれ以上ないほどうってつけの人材だ。
繋ぎの能力は元より、彼女はHALマスターと今までに何度もチャットで他愛もない雑談をしており、親交を深めている節がある。
HALマスターがジアース戦までの繋ぎを書いてくれないかと、繋ぎ師に頼んだ事だってある。
繋ぎ師はその頼みを受け入れ、読み手のwktkを煽るような繋ぎを書いたのだ。
これらの過去があるので、HALマスターが彼女とコンビを組みたがる気持ちはよく理解できる。
「だが断る」
繋ぎ師の返答があまりに予想外だったらしいのでHALマスターは地面をぶん殴って何故だあああ!!と叫んだ。
ていうかHALマスター、まんまKASになりきってるな……。
「何故だ!まさか繋ぎ師は対主催なのか!?そんな馬鹿な!」
「いいえ。私はマーダーにも対主催にもならない。ひたすら繋ぐだけよ。
空気なキャラがいたらその人を救ってあげて、フラグを成就させるために力を添えたり、混乱した場があるなら次の行動をとり易いように纏めてあげたり、ね。
それにしても……そんな対主催の方が異常みたいな言い方やめなさい!異端なのはマーダーの方なんだから」
「馬鹿な!理解不能理解不能!!どう考えても俺と組んだ方がいい事は確定的に明らか!」
「ブロントさんの台詞をパクるのはやめなさい!」
「KASは次から次へと他のキャラの口調を吸収して行ったんだからブロント語も吸収して悪い事はにい」
HALマスターは必死に繋ぎ師へと顔を寄せ、自分と彼女が組むことのメリットをつらつらと述べる。
「いいか饅頭繋ぎ師!さっきも言ったけど俺はKASでお前はレムーだっていう!俺達が組んだら霊KASコンビを再現できるんだっていう!
霊KASコンビはニコロワが完結した後も『こいつらの今後が気になるw』とか色々読み手に言われてきたのサ!
俺達が霊KASに成り切る事でニコロワ住民が期待した『霊KASの今後』って奴を実現出来るかもジャマイカ!!
もし実現したら住民はビビる。俺もビビる!そして喜ぶ。楽しめる!俺達だってエンターテイナーの端くれなんだぜ!?
これはやるしかないだろう!!」
要するに霊KASコンビを再現してニコロワ住民を楽しませようと言う事らしい。
だが繋ぎ師は乗り気ではない。
「でも貴方はどっちかと言うとマーダーでしょ?霊KASがマーダーコンビになっちゃったら、悲しむ人も多いと思うわ。
ある意味原作(ニコロワ)レイプよ?」
「バターロール!!豚蹴るな!!だがそれがいいんだ!!霊夢とKASがマーダーになる、その意外性が素晴らしいと思わんかね?」
なおもしつこく食いついて来るHALマスター。次第に繋ぎ師の口調も荒くなってくる。
「嫌!私は繋ぐんだから!あんたはKASで神(笑)でハイテンションだから繋ぐ必要ないわよ!
私とあんたがいるメリットがない事は確定的に明らか!」
「そんな事言わないで~繋ぎ師ちゃ~ん。俺、神(笑)をゲットしたいんだよ自分のために……!繋ぎ師も協力してくれよ!
チャットで雑談した仲じゃんかっていう!」
「ま た 神 (笑) か!!あんたの頭の中にはそれしかないの!?」
「失礼な!俺は神(笑)以外のキャラだって普通に書いてるじゃないか!ただ単に神(笑)が好きで好きでたまらないだけだ!!」
なんだかんだで霊KASの雰囲気を再現しているような気がする……
このままでは俺の個性を見せるどころの話ではない。さっきから俺は会話に参加すら出来ていないじゃないか……!
これはやばいぞ。このままではHALマスターと繋ぎ師の陰に隠れてしまうかもしれない。
それだけは避けないと……
「あ、あのぅ……」
「なんだ!」「なによ!」
興奮している二人が俺に目を向ける。
「か、考えたんだけど、俺、マーダーになるよ。そうする方が個性を発揮できそうだ」
「ああ……うん。そうだなっていう。マーダーは素晴らしいものなのサ」
「じゃあ何? 私達を殺すの?」
繋ぎ師が警戒しながら見てくる。
「いや、あんた達もマーダーになりそうだし、ここで殺すのは勿体ないかな、と。
それに同じニコロワの書き手を殺すなんて、いくらロワでもしたくない……」
「ちょっと待ちなさいよ。私はマーダーなんかにはならない。ただ繋ぐだけよ?」
「いい心がけだぜ◆CppH18E08c!!やっぱりニコロワ出身のマーダーはニコロワ的に考えて協力すべきだよな!!」
「だから私、マーダーにはならないってば!」
「じゃ、じゃあ俺もう行くから……マーダーになる俺がこんな事言うのもなんだけど、死なないでくれ……」
HALマスターはおう、と返事し、繋ぎ師はなおも自分はマーダーではないと主張してくる。
そんな主張を退けて、俺は二人の元から去った。早く2人から離れなくては……
なんといっても今の二人はあの霊KASだ。空気になる前に俺は逃げる。絶対に個性を発揮するんだ……!
【一日目・黎明/山梨県】
【
◆CppH18E08cは大変な支給品を出していきました@ニコロワβ】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】基本:個性を出せるならどうなってもいい
1:とりあえずマーダーになるか。どんなマーダーになろう……
2:空気には絶対なりたくない
3:ニコロワ書き手はあまり殺したくはない
【備考】
※外見ミクの格好をした馬岱です
「もう……◆CppH18E08c、私はマーダーじゃないってちゃんと理解したのかしら……」
「いいや、繋ぎ師はマーダーになるんだっていう!!」
「うるさい!私は繋ぎよ!完璧で瀟洒な繋ぎ師なの!マーダーにはならないし霊KASコンビを演じるなんて論外よ!
私は書き手ロワでも繋いで繋いで繋ぎまくるのよ」
繋ぎ師は俺の申し出を拒否し続ける。だがここで引くほど俺は諦めが良くないんだぜ。
「何故っていう繋ぎ師!だいたいロワ内で繋ぐって具体的に何するのサ。俺には全然想像できないってヴぁ」
「だから、空気な参加者に動きやすい役割を与えてあげたり、一向に進行がない面子を動かしてあげたり……」
つらつらと自分がする事を並べる繋ぎ師。
「それはSSを書く書き手だから出来る事だ!忘れちゃいかんけど今俺達は実際にロワに参加しているんだぜ!?
繋ぐ繋がないは『書き手』の話であって『参加者』には何の関係もねぇ!
そんな難しそうなスタンスにつくより俺と一緒にマーダーになった方が千倍イイっていう!」
「甘い!あんたは何にも分かってない!繋ぐという行為は私の中で何よりも優先される事なの!
自分を犠牲にしてでも他人を生かす……ロワ内でも『繋ぐ』行為は可能よ!」
「むむむむ……ああ言えばこう言うなあ!絶望した!まさか繋ぎ師の頭がここまで固いとは!」
「まさかHALマスターがここまで繋ぎに理解がないとは!こっちこそ絶望したわ!」
「いや、だから俺達はロワの参加者なんだから繋ぐも糞もないだろうと言ってるわけで」
「うるさいうるさいうるさいうるさい!!」
声を張り上げて怒鳴り合う二人。周りに危険人物がいるかどうかなんて完全に意識の埒外だ。
このままでは一向に話が纏まらないのを理解し、HALマスターは説得の方法を変える事にした。
「だいたい俺は厳密なマーダーになるつもりじゃねえ!俺はちょいと山場を作って、そこで他の参加者達に勝手に死んでもらうって戦法でいきたい訳だ!
全然マーダーじゃないっていう!だから繋ぎ師が言う『繋ぐ』行為だって俺と一緒に行動しながらでも出来るかも知れないぜ!?」
「世間ではあんたのようなスタンスのキャラを扇動マーダーっていうのよ。立派なマーダーじゃない」
「いやでも俺は積極的に人を殺すつもりはにい。最終的には優勝したいけどね」
繋ぎ師はふう、と溜息をつき、HALマスターの目を見つめた。
「やっぱり、私はあなたと一緒に行動できないわよ。確かに貴方は同じニコロワ書き手でチャットでダベった仲だけどね。
でもスタンスがあまりに違い過ぎるもの……それに私はどちらかと言うとマーダーより対主催、鬱より熱血の方が好きだし」
きっぱりと断る繋ぎ師に、さすがのHALマスターも反論できなかった。
明らかに拒否されている。さっきまでのギャグっぽい拒否ではなくマジな拒否だ。なんてこった……
「それじゃあ私はもう行くわね」
繋ぎ師が歩き出す。HALマスターはすかさず、彼女の肩を掴んだ。
「ちょっと……何よ」
「繋ぎ師、俺は神(笑)が好きだ。だから死んでも優勝して神(笑)をゲットしたいんだ。だから協力してくれよ……!」
「そんな勝手な……」
「それにKASな俺と霊夢な繋ぎ師が組むのはどう考えても美味しいだろう常識的に考えて。
ニコロワ住民へのファンサービスだぜ?繋ぎ師だってこんな美味しい展開が目の前に転がっていたら書きたいだろう?」
「うーん……私なら、繋いで名探偵やガチムチ兄貴とかに書いて貰おうかしら……」
「むむむ……」
やはりHALマスターは山場を書くのを得意とする書き手であり、そして繋ぎ師は繋ぎを書くのを得意とする書き手。
互いのスタンスはある意味で彼らの書き手としての性質を現したものであり、互いに妥協する事は出来ない。
だが、終わらない口論が続くのも、HALマスターのデイパックからある支給品が飛び出してくるまでの事だった。
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしていってね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
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_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
「!?」
「あ、コラ!勝手に飛び出してくるなっていう!!」
HALマスターは突然飛び出してきたゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙を捕まえ、デイパックの中へ戻す。
ふと、繋ぎ師を見ると、ゆっくりを見た彼女の顔はまるで幼い少女のようにキラキラと輝いていた。
「ハハハハハハハHALマスター……いいいいい今のってもしかして(平常心平常心)」
「慌て過ぎだろjk ただのゆっくりっていう文句あっか」
「デデデデデデイパック見せてよ……」
動揺しまくる繋ぎ師を怪訝そうに見ながら、HALマスターはデイパックの口を開き、彼女に中身を見せる。
中で蠢いているゆっくりを見ると、彼女の顔はまたも明るくなった。
「か、可愛い。実物のゆっくりがこんなに可愛いなんて……まさかゆっくりに会えるなんて……書き手ロワ最高」
「そうか。そう言えばあんたの別名はゆっくり饅頭だし。度々ゆっくり可愛いって言ってたもんな。
ニコロワβでゆっくりがなかなか出ないのを見て焦って予約してたもんなあ……」
「ね、ねえ……触っていい?」
息を荒くしながら繋ぎ師がこちらに近づいてくる。まるで変態のようだとHALマスターは思った。
断れるはずもなく、彼女にデイパックを渡す。すぐさまデイパックに手を突っ込み、ゆっくり達を優しく撫でた。
「ゆ、ゆゆゆ!?」
「ハァハァ……!ゆっくり可愛いよゆっくり」
デイパックの中で驚いているゆっくりを見てさらに興奮する。
彼女、完璧で瀟洒な繋ぎ師には一つだけ譲れないものがあった。それはゆっくりに対する愛。
ゆっくりキャラ達とはまるで関係のない内容のSSの題名を【ゆっくりしていってね!!!】にしたり、
HALマスターの言葉通り、ニコロワβでゆっくりが出ないのを見て慌てるなど、彼女のゆっくりに対する愛は本物だ。
だから、彼女はHALマスターに向かって今まで散々断ってきた申し出を彼女側からぶつける。
「HALマスター、組みましょう。私がレムーで貴方がKASよ」
「ひょ?」
間抜けな顔で何を言ったのかもう一度訪ねるHALマスター。繋ぎ師はもう一度、「組みましょう」と言った。
今度はHALマスターの顔が紅潮する。笑顔で繋ぎ師の手を取りヤッタヤッタと跳ねまわる。
「なぁにこの超展開wwwwいや嬉しいけどさwww」
これで間違いなく神(笑)ゲットに一歩前進したはずだ。繋ぎ師は頼りになるし、おそらく裏切らない。
ねんがんの繋ぎ手をてにいれたぞ!!!
簡単な話だ。ゆっくり達を元の世界へ連れて帰りたい。それをするには優勝するか、もしくは対主催を実現するしかないのだ。
つまり、死ぬわけにはいかなくなった。書き手ロワでも繋げばいいと考えていた彼女だが、
実物のゆっくりに出会った事によって何が何でも生きなければならなくなった。
生きるためには仲間が必要。HALマスターとは仲がいいから、ピンチになってもまず自分を見捨てはしないだろう。
マーダーになる事に若干の抵抗はあるが、HALマスターと組むメリットを考えると些細な事だ。
「ゆっくりへの愛ゆえに、私はあなたと組みたいの。私と貴方で霊KASコンビを再現して見せようじゃないの。
でも本家霊KASみたいな恋愛展開は期待しないでよね。私の愛はゆっくりと萃香にだけ捧げられるのよ」
「うはwwwwwwwツンデレイム来たwwwwもうレムーになりきってやがるwwwwさすがwwww」
「ツンデレじゃないわよ!本心からよ」
HALマスターの頭をスパーンと叩く。
「それだったら俺も同じだ!恋愛展開なんてなりっこないっていう!俺の愛は神(笑)にだけ注ぐもんだからな!
神(笑)は俺の嫁であり娘であり全てなのだよ……!」
「その発言はさすがの私でも引くわ……」
ニコロワ書き手らしく見事に霊KASコンビ的な会話をこなしつつ、
二人は手を取り、必ず愛しの彼女と饅頭をゲットする事を誓いあう。
「私はゆっくりを自分の家に連れて帰りたい。何が何でも生き残ってやるわ。
優勝でも対主催でも何だっていい。ゆっくりを連れて帰る」
「こんな生首のどこがいいのか分からねえけどなwwwwwあーあ、神(笑)も支給されてたら良かったのに。
俺も実物の神(笑)に会ってみたいぜ!絶対ゲットするwwwww神(笑)は俺の嫁www」
それにしても意外と簡単に繋ぎ手をゲットできた。後は繋ぎ師の繋ぎスキルと俺の山場メーカー的スキルを使って殺し合いを促進させるだけだぜ。
そしたらいつの間にか優勝してHAL様ゲットみたいなwww
HALマスターは神(笑)と触れ合うのも妄想して、一人で鼻血を垂らしにやにやする。
その隣では繋ぎ師がデイパックに顔を突っ込み、ゆっくりを凝視してにやついていた。
二人ともどう見ても変態です。本当にありがry
「よーしそれじゃあ行くぜ!目指すは神(笑)とゆっくり饅頭っていう!」
(実際のところ神(笑)の何がそんなにいいのかしら……頑張って漸く出会えてもただ食われるだけだったりして……)
HALマスターが神(笑)に食われる様子が容易に想像できてしまう繋ぎ師であった。
かつてのジアース戦のように、二人で協力して山場を作る事が出来るだろうか。
今の彼らは書き手ではなくロワ参加者。以前より難易度が上がっている事は間違いない。
【一日目・深夜/山梨県】
【
完全で瀟洒な繋ぎ師◆jU59Fli6bM@ニコロワ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3、ゆっくり霊夢、ゆっくり魔理沙@ニコロワβ
【思考】基本:生き残り、ゆっくりを元の世界に連れて帰る
1:HALのバトルマスターと協力して火種を撒き、場を繋いで山場を作って殺し合いを促進させる。(要するに扇動マーダーみたいな感じ)
2:ハァハァ……ゆっくりかわいいよゆっくり
【備考】
※外見は博麗霊夢の服をきた十六夜咲夜
【HALのバトルマスター◆jVERyrq1dU@ニコロワ】
【服装】KASのマリオ服
【状態】健康
【装備】無し
【持ち物】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:優勝して神(笑)をGTEするっていう。
1:完全で瀟洒な繋ぎ師と協力して火種を撒き、繋ぎ師に繋いで貰い山場を作って殺し合いを促進させる。(要するに扇動マーダーみたいな感じ)
2:ハァハァ……神(笑)かわいいよ神(笑)
【備考】
外見と口調はまんまKASです。身体能力が上がっているかもしれません。
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最終更新:2009年04月09日 18:26