書き手の業

滋賀県某所、国道一号線を一人の男が歩いていた。
夜闇の中ぼんやりと浮かび上がるのはその右腕が抱える一本のMARUTA……ではなく丸太。
「さすがにミニチュアだっつっても、こうも歩けばさすがに疲れるわね」
漏れ落ちる苦笑混じりの呟きは、男声ながらも女性口調。
とはいえ、決してオネエキャラぶっている訳ではない。彼女からすればこれが基本なのだ。
誰しも一度は目にした事があるだろう、お笑い芸人であるネプチューンの原田 泰造の姿を模した
◆8eDEaGnM6sこと芸人的戦闘の伝道にとっては。


かつて行われ、途中で終わりを告げた書き手ロワに於いて、芸人ロワの書き手の中で唯一の死者となった彼女、芸人的戦闘の伝道は
今回この騒ぎが始まると、一人黙々と西を目指していた。
他の書き手と遭遇していないから名言はできないが、今度の書き手ロワも終焉を迎えた書き手ロワや
彼女が読み手として見届けたかつての書き手ロワ2のように、ぶっ飛んだ展開とチート合戦となっていくのだろう。
その中で、現実設定である芸人ロワの人間に一体何ができるというのだろうか。

とはいえ、チートの度が低い序盤ならば、立ち回り次第では彼女の二つ名にある芸人的戦闘をもってして戦果を上げる事もできるかも知れない。
あるいは過疎ロワチャットで面識のある他のロワの書き手の手を借りれば、人の身でありながら丸太を振り回せる
現状以上のチートも身につくかも知れない。
けれども芸人的戦闘の伝道はそれをせず、支給品の一つである丸太を携えて歩いていた。


芸人的戦闘の伝道の目指す先はこの道の先、三重のとある場所にある墓だった。
尤も、このミニチュア日本もそこまで正確な再現は成されているかはわからないけれど、
ともあれ、その墓にはある芸人が眠っている。
彼は芸人ロワの参加者としてピックアップされ、芸人的戦闘の伝道が芸人ロワ独特のシステムに則って『予約』していた芸人であった。
彼の急逝は彼らの笑いを好いていた芸人的戦闘の伝道に多大なショックを与えたという。
彼のコンビの予約を解除し、プロットの変更を余儀なくしたのは些細な余波に過ぎない。

「それでも」

彼女は歩を進めながら小さく呟く。
胃痛や喪失感に苦しみながらも、それでも彼女はロワを書く事を止められなかった。
それどころか、今も尚芸人として歩き続ける彼の相方がもし新たにロワに巻き込まれたらどうなるだろうか……最近ではそんな夢想すらする始末。
やはり相方を失った経験のある人間として正論を掲げて対主催になるのだろうか。
それともいよいよ許容範囲のボーダーを超えて発狂するのだろうか。
どちらにせよ芸人的戦闘の伝道の手に掛かれば何かしらの物語は紡ぎ得る。

ロワの書き手の因果と言えばそれまでであろうけれど、芸人的戦闘の伝道自身、そんな自分にどこかで思う所はあったのだろう。
故に、芸人的戦闘の伝道は一人歩く。
目指す場所にたどり着いた所で、別に何をするアテはないけれど。
素直にロワに乗らず、まるで大喜利に答えるが如く登場人物達が各々好き勝手な事をはじめだす芸人ロワの書き手らしく、
そして感想より雑談より保守の書き込みが多勢を占める中、淡々と話を投下し続けてきた姿のまま、
確実に芸人的戦闘の伝道は彼女の道を進んでいた。








【一日目・深夜/滋賀県】

【芸人的戦闘の伝道者@芸人ロワ】
【状態】健康
【装備】丸太@動物ロワ
【持物】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:三重県を目指す。

※外見はネプチューンの原田泰造@現実or芸人ロワです


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芸人的戦闘の伝道者 君は僕に似ている、かも知れない。

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最終更新:2009年03月20日 08:35
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