「で、用件ってのは?」
何もない空間へと問う。いや、何もないというのは不適切だろうか。
「簡単に言うと、貴方に放送役を頼みたいの」
何もないはずの場所から言葉が帰ってくる。
そんな奇妙な光景にも動じず、一人の人間は動く。
「放送って主催者が自分でやるもんじゃないのかな?」
「それがそういう訳にも行かなくってね、コレを見て欲しいんだ」
そして天井から降ってきたのは一枚の紙。
※あの子@書き手2、ネコミミスト@書き手2はこちら側の書き手3の大筋に干渉する気はありません
「なるほど……ね、出来るだけ関わりを断ちたいと」
人間は紙を丸め、空間へと投げる。
投げられた紙は地へと落ちず、どこかへ吸い込まれていった。
「だったら、他にも適任はいるんじゃない? あまり話題に上がらない完結ロワよりいい人がいると思うけど?」
「貴方を選ぶ……理由が、ある」
人間の問いに空間が答える。
人間は腕組をしながら空間の答えをただひたすらに待つ。
「……生きているロワに止めを刺さないのは傲慢だから」
その言葉に人間の眉がわずかに動く。
「聞いたことあるでしょう? そう、貴方はあのアケロワという生きているロワに完結という止めを刺した。
生きたまま放って置く、dat落ちさせるのはどういう理由があっても読み手や書き手の傲慢だから」
誰もいないはずの空間からわずかに溜息のような音が聞こえる。
生暖かい風が人間を襲うがそれでも人間は動じない。
「そう、あなたなら最後の一人になっても完結させてくれる。
誰かの言葉を借りるならば黄金の精神の持ち主だから、って事だね」
空間が喋り続ける、人間は一度も動かない。
「それに、あなたがパロロワでのラジオの元祖だから。
あなたがラジオを始めたから三人のDJが生まれた。
そこで元祖にラジオを頼みたくってね……」
「残りの三人は?」
人間がそのタイミングで空間へと問う。
自分以外の三人のDJ、彼らに頼めばいいと思ったからだ。
「一人は貴方の最後のラジオ以降消息がつかめなくってね。
もう一人は参加者として中にいるわ。そしてもう一人は……」
その瞬間天井から降って来る死体。
鈍い音を立てて地面に落ちた「それ」は、表現することが出来ないほどの形をしていた。
「DQ4のアリーナ……まさかッ!」
「聞いたことがあるみたいだね。そう、その死体はまさしくR-0109の物だ」
流石に人間の顔に焦りの色が見えた。焦る人間をよそに空間は喋り続ける。
「なんでも、「オレはラジオツアー終わった後に書き手3を始めるつもりだったんだ!」とか何とか訳分からないことを言われてね。
ま、協力してくれない上に刃向かってきたんでついうっかり……ね」
「ついうっかり」が目の前の状況なのだろうか?
人だったとは思えないほどの死体が目の前にある。
これが「ついうっかり」?
「ご安心を、刃向かわなければこうすることもないんでね」
空間のその言葉は人間には聞こえない。
人間の頭の中に響くのは、一つの言葉。
――生きているやつに止めを刺さないのは傲慢なんだそうだぜ?
「……分かった、その放送役。引き受けよう」
「話が分かるねー、こちらとしてもありがたいよ。
じゃあ用件だけど普通にロワ内に紛れてもらって、定刻になったらそのインカムで喋って欲しいんだ。
放送内容のメモは放送時に支給品の袋に入るようになってるからソレを読み上げてくれるだけで良い。
あと、気分次第で臨時放送とかやっても別に構わないからね」
その言葉と同時に机の上にインカムが降って来る。普通のインカムとなんら変わりのない物だ。
「質問、私が死んだ場合は?」
「貴方に手を下した人に放送権が移るわね。そこらはこっちでなんとかする」
「私が放送をしなかった場合は?」
「自由、放送をしようがしまいが貴方の自由だけれど。どうせなら盛り上げて欲しいね。つまりは空気嫁ってことさ。
ま、他にも何か質問があったらインカムのスイッチ切り替えでこっちと通信できるからその時に聞いてよ」
そう言われ、インカムを装着すると空から地図が降ってきた。
「さて、スタート地点だけど。ダーツで決めてもらっても良いかな? 刺さったと同時に転移が始まるから後は頑張ってね」
――六代目さん。
そして地面に突き刺さる一本のダーツ。
空間から気配が消えたことを確認すると人間、六代目はそのダーツを投げる。
「で、たどり着いた場所がここって訳か」
あたり一面に広がる海。そう、ここは。
「沖ノ鳥島……か」
ダーツも奇妙な場所に刺さったものだと六代目は思う。
さて、ここに来てしまった以上は自分の仕事をやらなければならない。
決意を込めた拳を、天空へと突き上げる。
傲慢なやつに、ならないために。
「導いてやるよこの書き手ロワとやらを。……GAME OVERにな」
【R-0109@所属不明 死亡】
【一日目・黎明/沖ノ鳥島】
【FLASHの人 六代目◆FHFOUvdj5Q @アケロワ】
【状態】普通
【装備】放送用インカム(放送用、主催通話用の切り替えスイッチあり)
【持物】基本支給品、不明支給品0~2
【思考】
基本:この書き手ロワをGAME OVERへと導く
1:さて……どうする?
2:ひとまず放送はまじめにやる
※外見はニーギ・ゴージャスブルー@式神の城2ですが、男です。
※主催側の人間ですが、普通の参加者となんら差はありません。首輪もしています。
※放送を任されています、六代目の気分で放送の有無が変わります。
※六代目が殺害された場合「止めを刺した人間」に放送権が移ります。
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最終更新:2009年03月21日 11:54