「普通の対主催にしか興味ありません!」←お前が言うな

「ふう、こんなもんでいいですかね」
「ああ、これなら彼女も浮かばれるだろう」

熱く主催者打倒宣言(偽)を行ったおよそ二十分後、後方支援と喪失は死んだ親愛の物語の墓を作り上げていた。
初めは「僕が責任を持って……」と喪失の物語が一人で穴を掘っていた。
しかし、何の力もない彼が人一人入る穴を掘るにはかなりの時間、そして労働力を使わなければいけない。
よって、彼が穴を掘り始めて数分後、生来の性格もあり、遅れてきた後方支援もそれを手伝っていた。
後方支援にも特別な力はないがその身体はウォーズマン、生身の人間よりははるかに頑丈な腕で穴を掘り進めていく。
そしてついに……

「貴方がなぜ俺を襲ったのかは分かりません……
でも、こんな殺し合いに呼ばれなければ……俺たちは友達になれていたかもしれませんね
俺は貴方の命を無駄にはしない、絶対にこのゲームを止めて見せます!」

見せしめがいなかったから、自分が殺人という罪を乗り越えた熱血対主催の役をやってみたかったから。
そんな理由で親愛の物語を殺した喪失の物語がいけしゃあしゃあとそんなことを言ってのける。
だがそれは、何も知らない者が見れば彼が死んだ彼女の分まで強く生きていこうとする対主催だと思わせるのに十分な光景だった。

「今も、罪無き弱者が残忍なマーダーに襲われているかもしれない!
行くぞ、喪失の物語よ、俺たちの手でこのゲームをぶっ壊すぞ!」

「分かってます、後方支援さん、でも、その前に支給品の確認でもしませんか?
僕は貴方と違ってなんの力もありませんから 」

「いや、こんな姿で申し訳ないが……実は俺も何の力もないんだ」

「えっ…………大丈夫ですよ!
何か良い支給品が入ってるかもしれないし、あなたの熱い心があれば百人力です!」
(おいおい、また一般人か……ここで殺しても良いけど、同じような展開はマンネリだしなぁ
身体はウォーズマンだから壁にはなりそうだしねえ)

言っていることと思っていることが反対どころか既に別次元である。
だが、それをおくびにもださない喪失の物語。
恐ろしきはその演技力、後方支援のような単純な人間には見破ることはできないだろう。
メタ的な理由で殺されることを免れた後方支援、しかし彼はそんなことを知るよしもなく

「いやあ、熱い心だなんて照れるなあ
俺はただ、君のような落ち込んでいる人間を放っておくことができないだけさ」

呑気に目の前の殺人鬼と談笑している。
間違いなくロワでは長生きできないタイプだろう。
そして、彼らは支給品の確認を続ける。

「俺の支給品は……おお、これは核鉄!」

こうほう は かくてつ「しるばーすきん」 を てにいれた!

そんな文字が流れそうなほど、ゲットだぜ!と大げさにポーズを決める後方支援。
だが、かれに支給された核鉄、シルバースキンはかなり当たりの部類に入る。
これを身にまとえば、例え一般人だろうが超人の攻撃ある程度は受け流すことができる、絶対の盾。
一般人な彼らには持っているといないでは大違い、生命線にもなりえる物である。
しかし……

「俺は十分固いからな!
これは喪失の物語にやるよ!」

あっさり当たり支給品を他人に渡す後方支援。
さっき喪失の物語に持ち上げられたことでいい気になっているのだろう。
大事なことなので二回言うが彼は間違いなくロワでは(ry

「俺の方は……ミニ八卦炉、というみたいですね」

LSロワで少女の右腕を完膚無きまでに炭化させ、罪無き少年少女を焼き払った“悪魔”の魔具。
使いこなせれば大きな戦力となるだろうが……残念ながら彼らは魔力なんぞ持ち合わせていない。
このままでは死蔵品としてデイパックに眠ることになっただろう。
しかしその時……

「あー!?それはミニ八卦炉!
ぜひぜひ、譲ってほしいんだぜ!」

見知らぬ少女が大声を出しながらいきなり彼らの前に姿を現した。

「えっ?いや、あの、そのぅ……」

「え、ええと……?」

しかし、彼らは彼女を見るやいなや、妙に視線を泳がしつつ、歯切れの悪い返事を返してくる。

「?……ああ、私は普通の名探偵、ゲームに乗ってないから安心して良いぞ、証明はできんが!」

そうして胸を大きく張る竜宮レナ、いや、ニコロワの書き手、普通の名探偵。
しかし、そんな彼女の仕草に男達はますます気まずそうに視線をそらす。
さすがに不安になる名探偵。

「あれ、私なんか変なことしたっけ?」

「変なことというか……変な格好というか……」

「もしかして、気付いてません?貴方の今の格好、なんというか……変態チック?」

そこまで言われて普通の名探偵はようやく気付く。


己が殆ど何も纏っていないことに


「キャ……キャアアアアアアアアアアァァァ!?」

森に、少女の悲鳴と少し遅れて二発の鋭い音が鳴り響いた


◇ ◇ ◇


「いやあゴメンゴメン、身体が熱いとは思ってたが、まさか服が燃えてるなんて思いもしなかったぜ」

「間違いなんて誰でもありますよ、それよりも情報交換を進めませんか?」
(見かけ倒しの馬鹿の次は痴女かよ……もしかして、俺ってロワに嫌われてる?)

いやいや、ロワはきっとツンデレなんだな、と意味の分からない解釈をして己を誤魔化す喪失の物語。
ロワが始まってからマーダーにも会っていないが、まともな強対主催とも出会えていない現状である。
こんな烏合の衆ではいつ強マーダーに襲われて親愛の物語の後を追うか分からない。

(今死者スレに行ったら、フルボッコされかねないな……)

という意味の分からないことまで考える辺り、彼もすこしずれているような気もするのだが……突っ込んだら負けである。

「それにしても、あんたが服を支給されてて良かったよ、全裸ってのはさすがに乙女として……ねぇ?」

全裸で登場した彼女であったが、後方支援と喪失の物語を反射で思いっきりぶっ叩いた後、
喪失の物語の最後の支給品、キャスターのローブを譲り受け、身に纏っている。
男性読者の方はブーイングされるかもしれないが……チラリズムも良くね?
彼女が着ているのはあくまでローブのみ、下着も着ていない今は、少し油断すると大事なところが見えかねない。
そして、そんな彼女の手には、ミニ八卦炉が握られている。
今はもう残骸しか残っていないが、彼女が最初に纏っていたのは霧雨魔理沙の衣装。
やはり魔力は持ち合わせており、彼女が使うのが最適だと判断されたのだ。

余談だが彼女は服と一緒に自身のデイパックも燃やし尽くしてる。
ミニ八卦炉に加え、キャスターのローブまで半ば強制的に彼女にあげた喪失の物語。
それとなく彼女から代わりに何か貰おうと画策していたのだが、何も持っていない彼女に当てが外れて内心がっかり……
(ふん……まあいいさ、彼女は戦力になりそうだし、俺とロワのために頑張って貰おうじゃないか)
……ここまでいくと、もはやポジティブシンキングの使い手だとしか思えない。頑張れ外道王!

「ところでこれからどうするんだ?やっぱり市街地を目指すか?」

そう言ったのは遅れてきた後方支援。
名探偵の全裸を見てから
「駄目だっ、俺はロリ一筋と……いや、たまにはお年頃の娘も良いよね!」
などとほざいていたが、名探偵から追加で一発いいのを貰い、今は真面目に話に参加している。
彼はウォーズマンの身体なのでパンチはそこまで効いてはいないはずなのだが……心の問題だろう。

「市街地もいいけど、とりあえずラーメン鍋を作りたいんだぜ!
皆で騒ぎながら鍋をつついて熱く燃え上がる、想像するだけで燃えてきたぜ!」

「また燃えたら、もう替えの服はありませんよ、名探偵さん。
少しは落ち着いてください」
(皆で騒いで飯を食う?明らかな大虐殺フラグって分かって言ってんのか!?
もっとまともな、普通の対主催はいないのか!?)

残念ながら、彼らよりは幾分マシだっただろう親愛の物語は喪失の物語自身が殺している。
なんという自業自得、本当にどうしようもない。

(それにしても……市街地に向かえば人も多いだろうがマーダーに会う危険性も増して俺の身が危ない
しかし、このまま適当にぶらぶらしててもロワを盛り上げるなんて不可能だ
これからどうすべきか……)

思慮に暮れる喪失の物語、ロワを愛する彼がとるべき選択とは?


「ミニ八卦炉にはこういう使い方もあるんだぜ!」

「おお、なんと温かい、これがニコロワの力だというのか!?」

「確かに温かいですね、これなら冷え込む夜も風邪を引かずに済みそうだ」
(ウォーズマンのあんたが温かいとか分かるのかよ?っていうかニコロワ関係ないだろ……
俺の愛するロワよ、頼むからまともな対主催に会わせてくれ!)


まだまだ、彼らの行く末は前途多難である。


【一日目・黎明/岩手県】
【◆0RbUzIT0To 普通の名探偵@ニコロワ】
【状態】普通
【装備】キャスターのローブ@ギャルゲ2、ミニ八卦炉@LSロワ
【持物】なし
【思考】
  基本:熱血対主催として、ヘタレ対主催やステルスマーダーや発狂キャラを覚醒させて熱血展開をするんだぜ!
  1:こいつらと熱血展開をしたいぜ!
  2:市街地でもどこでもいいからラーメン鍋を作りたいぜ!
※支給品一式は、人体発火により燃えました、来ていた服も燃えました
※青森県の一部の雪が、普通の名探偵の熱さによって溶けました
※今の外見はキャスターのローブを着た竜宮レナ
※魔力があるようです、どのくらいあるのかは不明

【遅れてきた後方支援@kskロワ
[状態]:健康、熱い思い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2(本人は確認済み)
[思考]
基本:この下らないゲームをぶっ壊す!そのために仲間を集める
1:とりあえず、保護できる一般人を保護(ロリは最優先)
2:俺はやっぱりロリ一筋だぜ!
【備考】
※外見はウォーズマン、しかし完全なる一般人です
※もしかしたらロワ内で強くなるかも……

【喪失の物語@ラノロワ】
【状態】健康、叩かれた頬が少し痛い
【装備】S&W M38@現実、核鉄「シルバースキン」@漫画ロワ
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロワを盛り上げる、手段は問わない(ただし自身の命は最優先)
1:まともな対主催に会わせてくれ!
2:この後どうするかな
【備考】
※外見は折原臨也です
※特にこれといった能力はありませんが、頭は回ります
※ロワを愛するが故に、様々なロワの情報を知っています

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ゆっくりあつくなっていってね!! 普通の名探偵 死の運命は理不尽に
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最終更新:2009年03月26日 11:36
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