――雨の中、傘を差さずに踊る人間がいてもいい。自由とはそういうことだ――
空――翼なき人が焦がれ、追い求める場所。その中心に戴くは、広く玉姿を見せつける黄玉の如き月。
湖――対岸も見えず海かと見紛うそれは、夜の静寂をどこまでも深く受け止める。
今暗き闇の中、天地に二つ。たしかに存在する望月を眺める男が一人。
男は漆黒のスーツに身を包み、その手にトレードマークのサングラスを弄びつつ思案する。
「……なるほど。つまり、俺はバトルロワイアルの参加者としてここにいるという訳か」
ロボットゲー板の片隅に位置する【
第二次スパロボバトルロワイアル】スレ。
このロワに数いる(今は片手で数えられるほどとかツッこんじゃダメッ!)書き手の中でも質・量ともにまさにエース書き手と呼ぶ他ない書き手である。
その投下数――実に30。
現投下作品数約180の内、実に六分の一を占める量である。
バトル・考察・交渉・フォロー、熱血・鬱・ギャグなんでもござれ。
まさに二次スパ界のSRXと言わんばかりのオールラウンダー。平に見習いたいところですホント。
そうそう、その上絵板に自分で描いた絵を投下したり、携帯まとめを運営していたりする多才っぷり。
SRXどころじゃねえや、バンプレイオスだなこりゃ。
……ゴホン。さて、そんな彼も何の奇縁かこうしてロワに参加することになった。
何故自分が、等と言うつもりはない。
自分以外の二次スパ書き手が二人、既に出ているのだから、己がそこに加わったとて何の不思議があろうか。
問題は、そう。どう行動するべきか。
前述したとおり、彼は大概どんなスタンスでもこなせる。
対主催、マーダー、ステルス、危険対主催……なんであろうと30作投下した彼に隙はなかった。
だからこそ、迷う。どのようなスタンスで動くべきか。
そう言えば、戦友たちはどう動くだろうか。
◆YYVYMNVZTk、「連撃の修羅神」。通称
れんげ(彼は知らないが何故か女の子キャラである)。
◆ZbL7QonnV.、「
脱力の救世主」。あの伝説とさえ言えるコーヒーブレイクを仕掛けた男。
彼らもまた、◆7vhi1CrLM6に負けず劣らずの猛者。
一時期過疎っていた二次スパをほぼ三人のみで支え続けた、ゲッターチームもかくやという絆で結ばれた朋友たちだ。
彼らと出会い、力を合わせることができれば……脱出も決して不可能ではないだろう。
「しかし――それは決して巧手とは言えない。何故ならば早い段階で合流した仲間は早々にフラグを叩き折られるのがロワの常だからだ」
呟く。声は小さかったが深夜の水辺のこと、自分でも驚くほど辺りに通るものだった。
「ではマーダーか? ――いや、違うな。俺がこの姿をしている理由、そこに求められる役割。それは、」
水辺へと立つ。水面に映る、その姿――パラダイムシティのMr.ネゴシエイター。
交渉を生業とし、言って分からぬ相手にはとりあえず鉄の拳をお見舞いして言うことを(物理的に)聞かせるお仕事。
対主催でもマーダーでもない。交渉人のすることは一つ……
「そう、交渉だ。相手が誰で、どんなスタンスであれ、依頼されたならば。俺の話術で(たまに腕力で)説得するのみ……!」
高々と掲げるその左腕には腕時計。そう、ロジャー・スミスがビッグオーを呼び出すアレだ。
これを取り上げないとは主催者も気が利いている。そして、目前には湖。
となればこれはもうあの展開しかないだろう。
「さあ……行くか。ビッグオー、ショータァァァァイム!」
◆7vhi1CrLM6の目前でどこぞのヒーローロボットよろしく湖が割れ、メガデウス・ビッグオーがその力強き威容を見せつけ
なかった。湖面には波紋一つ起こってはいない。
「あ、あれ? っかしいなー、なんで来ないんだ?」
カチカチと腕時計をいじる。そしたらいきなり盤面が開いた。
そこにあったのは、つい「ポチっとな」と言いたくなること請け合いの赤いまんまるスイッチ。
数秒、凝視する。だけどまあ、登場話でそんな無茶なことはしないだろうという楽観とともに押し込んだ――ポチっとな。
だが、相変わらず何の変化もない。
ため息をついて空に在る満月を見上げる◆7vhi1CrLM6。ああ、月はいつもそこにある――って。
「……ちょっとちょっと。何か、何か飛んで来たんですけど!?」
点のような月から深く尾を引いて、何かがこちらへと突き進んでくる。
いやいや、グラヴィオンの超重剣じゃあるまいし。多分どっか別の場所へ行くんだろう。
そんな儚い願いは届かず、『ソレ』は来た。
それは◆7vhi1CrLM6の目前で停止する。
そう――
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全長約13m。
先端に雄々しい角を有し、閃く体躯はレッドカラー。
風を切る、流線形の先端。そして、危険を示す独特のマーク。(原文ママ)
言わずと知れた『核 ミ サ イ ル』である。
二次スパでシャア・アズナブルの乗機として登場したこれを、当初『ネタかよw』と侮った人は多いだろう。かく言う筆者もその一人である。
だがそんな核ミサイルも◆7vhi1CrLM6の手にかかればアラ不思議!
その壮絶な散り様はネタキャラ一直線だったシャアを一気に熱血カッチョいいキャラへと押し上げた。
垣間見える――どころではなかった、まだ投下二作目の新人だった◆7vhi1CrLM6の実力の片鱗。
『星落ちて石となり』――彗星の如く舞い降りた石はやがて、二次スパそのものを支える大地にまで成長したのだ。
◆7vhi1CrLM6といえば核ミサイル。核ミサイルといえば◆7vhi1CrLM6。
◆7vhi1CrLM6にビッグオーではなく核ミサイルが支給されたのは至極当然、そうあって然るべき。
運命(デスティニー)、とさえ言えるかもしれない。
だがしかし、己を一番上手く扱える男へと巡り合えた核ミサイルとは対照的に、◆7vhi1CrLM6の表情は明るくない。
その理由はもちろん――
「――手のない核ミサイルで……どうやって交渉しろっつーーーーんじゃああああああああああああああああああああッ!?」
◆7vhi1CrLM6が月に吠える中、核ミサイルはただその背のシートに主が座るのを待ち続けていた……
【1日目 深夜/滋賀県 琵琶湖畔】
【◆7vhi1CrLM6(不屈のACE ATTACKER)@第二次スパロボバトルロワイアル】
【状態】:健康
【装備】:核ミサイル@二次スパ
【所持品】:支給品一式。不明支給品あり
【思考・行動】
基本:依頼されればどんな交渉も請け負う
1:えー・・・これに乗るの?
【備考】
外見はロジャー・スミス@THE ビッグオーです
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最終更新:2009年06月13日 12:48