桜島火口の活動が収まり、煙が薄くなり始めた早朝のこと。
その山の中腹をものすごい速度で駆け抜けていた緑の影は、ふと信じ難いものを目にして急停止した。
「何よ……あれ……」
緑の影――――メレの姿をした書き手、
夜明けのイエローが見たのは、独りでに動き出す屋久島であった。
しかし彼女とていつまでもここで呆けているほど馬鹿ではない。すぐに思考を切り替え事態の把握に努める。
(常識的に考えるなら島は動いたりしない……誰かの意志が働いているのは間違いなさそうね。
参加者か主催者かわからないけど、行ってみる価値はありそうね! もしかしたら
戦隊ロワの書き手もいるかもしれないし……)
一瞬イエローの姿が歪み、入れ替わるようにしてフェニックスの意匠を持つ怪人へと変貌する。
幻獣フェニックス拳の使い手となったイエローは、すぐさま屋久島めがけその黄金色の翼で飛んでいった。
◆
それから一時間ほどしたあと、彼女は屋久島で二人の書き手と遭遇した。いや、遭遇というか実際は遠くから見かけただけなのだが。
――――だーかーらー! もう時間がないってさっきから言ってるでしょうが!
――――いーやーだー! 下僕探すのー!
叫んでいるのは二頭身の赤い男と、桃色の美少女。その二人を見てイエローはすぐさまある事を思いつく。
もしかしたら戦隊組めるんじゃね? と。
目の前の二人は赤と桃、どちらもスーパー戦隊シリーズに数多く参加している色だ。後者は白などに置き換えられている場合もあるが、それでも多いことには変わりない。
そして自分は緑、あるいは金。
緑も前二つほどではないがこのシリーズを語る上では欠かせない色、金も近年のマジシャイン、ゴーオンゴールドのように第六の戦士として株を上げてきている。後シンケンジャーにもこないだ出たし。
後は青、そして黄などの色が揃えばあっという間に戦隊の完成だ。なれば早速同盟を持ちかけねば……
「ね、ねぇあんた達……」
――――なかなか見所のありそうな面構えだな。私の弟子にならないか?
イエローの言葉は、彼女よりも二人に近くにいた参加者によって阻まれた。
いったいどこのどいつだとにらんで、彼女は絶句した。下半身だけの男が地面から突き出て、それが喋っていたのだから。
そこから先は、彼らの話で語られた通り。二人も絶句して、みんな旅の扉通って、はいおしまい。
「な、何なのよアレ……」
いつの間にか変身も解け、その場に座り込むイエロー。いくら戦士怪人巨大生物になれている特撮系の住人でも、下半身だけ突き出しているのは少々インパクトが大きかったか。
が、すぐにこんなところで止まっている場合じゃないと気づき立ち上がる。とりあえずは旅の扉をくぐって、あの二人に戦隊の話を持ち掛けなければならないのだから。
「待ってなさい、今に私が追いついてやるんだから!!」
【1日目・早朝】
【新フィールドへ】
【夜明けのイエロー◆Z5wk4/jklI@戦隊ロワ】
【状態】健康、2時間獣人体への変身不可
【装備】なし
【持ち物】基本支給品×2、レフトハンドソード@
サガロワ、不明支給品1~5
【思考】
基本:戦隊ロワのために戦い抜き、その魅力を知らしめる
1:ウィスクゥと
さすらいのヒーローを追い、戦隊へ引き込む。
2:強い怒り。ロぉぉぉン……じゃない、主催者ぁああ!
3:何あの下半身……
※外見はメレ@獣拳戦隊ゲキレンジャー。出血するかどうかは、後続の方に任せます。
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最終更新:2009年10月08日 18:56