君のような人材を求めていたんだ! (弟子的な意味で)

グラスエリアを移動中にかえるの人をぷちっと殺ってしまった勇者・変態閣下はそのまま隣のタウンエリアへと足を踏み入れた。
エリアを移動したのは、草原よりも街中の方が弟子にスカウトできそうな人材と出会えそうな気がした為。
人気のない街中で朝食代わりにとパン屋の軒先にあったBLTなサンドイッチを足でひょいとゲットしてみたものの、
犬神家状態の現状でどうやってサンドイッチを食して良いのか思いつかず、
勇者・変態閣下は片足にサンドイッチを携えたままそのままタウンエリアを散策していた。

そもそもどうやって移動しているのだという疑問はあるけれどもそこら辺は考えるな、感じろの世界なのだろう。
あるいはこれすらもゆで理論の一種なのか。


ともあれ、そうこうしているうちに、勇者・変態閣下はタウンエリアの隅にある建物へと引き寄せられていた。
太平プロレスと書かれた看板が掛けられたその建物の中から、びだん、びだんと物音が聞こえているのだ。
その音に勇者・変態閣下は聞き覚えがあった。
いや、聞き覚えがあったなんてモノではない。

故に勇者・変態閣下は気配を殺しつつ建物へと近づくと、無防備に開けっ放しになっている扉から中の様子をうかがってみた。
犬神家状態のどこに目があるのかはわからないが、まぁ勇者・変態閣下の視界が捉えたのは
建物の中に設置されたプロレスのリングとその上でロープを使って往復しつつ受け身を取る練習をしている上半身裸の男。
「くっ……はぁっ………!」
流れる汗など構わずに、呼吸と共に声を漏らしながら男がリングに倒れる度にびだんと音が響き渡る。


「……素晴らしい。それに」
超人が行う超人レスリングと人間の行うプロレスとは似て非なるモノではあるが、やはり目の前の風景に血が騒ぐのか、勇者・変態閣下は言葉を漏らした。
「何といい面構えだ。ティンときた!」
あなたはどこの芸能プロダクションの社長さんですかというツッコミはさておき、勇者・変態閣下はセルフで決心すると
すたすたとリングサイドへと歩を進めていく。犬神家スタイルで。

「君っ! そこの君っ!」
そして立ち止まってリング上の男性へと声を掛けようとした、その瞬間。


リングの上を往復し、今はタイミング良く勇者・変態閣下の方へと走ってきていた男はロープの反動で付いた勢いそのままに跳躍し、
トップロープを飛び越えてリングサイドの勇者・変態閣下へと体当たり……いや、プランチャ・スイシーダを敢行してきた。

「…………!!!」

そりゃ不意に視界に犬神家スタイルでにょきりと生えた脚が飛び込んできたら、攻撃の一つも仕掛けたくなるという話。
けれども奇襲気味に発された男……芸人的戦闘の伝道者の技は。
真剣白羽取り宜しく勇者・変態閣下の両脚でばしりと捕らえられていた。

何せ高速落下してくるかえるの人をキャッチできたのだ。今更跳躍してくる人間なんて何て事はない。
ただ、手にしていた……というか脚にしていたサンドイッチが伝道者の脇腹でぐしゃりと潰れ、
トマトが崩れてちょっとした大惨事になってしまってはいたけれど。





「……という訳で、私は弟子として鍛えられそうな参加者を捜していたのだ」
「そうでしたか。それなのにいきなり攻撃してしまって何か本当にすみません」
数分後。
勇者・変態閣下の両脚から解放された伝道者はリングのエプロンサイドに腰掛けて勇者・変態閣下の話を聞き終えるとハァと溜息をついた。
「いやいや、バトルロワイアルという現状を考えると先手必勝という考えも当然であろう。気にしてはおらぬ」
多分上半身が伺えるならば鷹揚に頷きつつなのだろう口調で勇者・変態閣下は伝道者に答える。

「こっちは旅の扉を通過したのは良いんだが、その時に甲賀さん……一緒にいたオールロワの甲賀騎兵ひぐらしさんとはぐれてしまったみたいで。
 気がついたら俺だけここにいて……とりあえず手持ちの世界樹の葉で胸の傷を治療して様子を見てたんですけど、そろそろ身体を動かせるかなと」
「そのリングで慣らし運転をしていたのだな」
「……はい。ちょっと憧れもありましたしせっかくなんで」
勇者・変態閣下にこくと頷いて伝道者ははにかむように笑みを浮かべた。
元々芸人とプロレスとは親和性が高い所がある上、伝道者がこれまでロワで書いてきた芸人の中には西口プロレス所属だったり
京都の学生プロレスの王者経験者だったりとプロレスとの関わりが特に強い者もいる。
書き記した作品が書き手に影響を及ぼすこの空間で、伝道者が目の前のリングに心が揺れたとしても仕方のない所ではあるのだろう。
それに、先ほどの放送で同郷の情景の書き手の名が告げられた、そのショックを身体を動かす事で何とか拭おうとしたのかも知れない。


「で、身体の回復具合はどうだったのかな」
「思ったより悪くはないですね」
ちょっと腹が減ってるのを思い出しましたが、と脇腹のトマト汁に目をやり、伝道者は苦笑する。
「ならば朝食前に実力試しも兼ねて軽くスパーリングと洒落込むか」
その返事に対しからからと豪快に笑いだした勇者・変態閣下を前に伝道者は目を丸く見開いた。
「………へ?」
「安心しろ。もちろん私は力を極力制限するぞ。せっかく見つけた弟子をいきなりミンチにする訳にはいかないからな」
「……はい?!」

一般人と超人がスパーリングって何ですか! とか、何か既に弟子認定されてるし! とか、ツッコみたい事柄は多々あれど、
いつの間にかどんな仕組みかリングに入ってHURRY!HURRY!HURRY!HURRY! と急かす勇者・変態閣下の犬神家スタイルと
凄ましいまでのカリスマからくる威圧感に伝道者にはもう言葉を発する事は出来なかった。





スパーリングの結果?
もちろん今後の行動に支障が出ない程度に伝道者がフルボッコられたに決まってるじゃないですか!

【一日目 朝/タウンエリア西部】

【勇者・変態閣下@kskロワ】
【状態】健康・上機嫌
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】基本:対主催
1:見込みのありそうな者を鍛え、立派な悪魔超人にする(鍛えた後の弟子のスタンスは問わない)。
2:あの二人(ウィスクゥとヒーロー)をもう一度見かけたら、とっ捕まえて説教する。
※外見は 悪魔将軍@キン肉マン です。
 ただし、頭から腰までが地面に埋まり、両足だけが出ています。そのまま移動、会話できるようです。

【芸人的戦闘の伝道者@芸人ロワ
【状態】ダメージ(小)・疲労(中)
【装備】丸太@動物ロワ、村正@お笑いバトルロワイアル(2002年版芸人ロワ)
【持物】支給品一式
【思考】基本:特に決めてない
    1:何か弟子にされてるし!
    2:甲賀さんと合流したい…。
※外見はネプチューンの原田泰造です
※甲賀騎兵ひぐらしの布教により、バジリスクに関して多少の知識を得ました


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ロワ会場の上空でアイを叫んだかえる 勇者・変態閣下  ?
SIMPLE 書き手ロワ3 THE 煽動マーダー 芸人的戦闘の伝道者  ?

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最終更新:2009年06月21日 10:21
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