絶望。彼女の中には、それしかなかった。
仲間を失い、視力も失い、彼女は全てを諦めていた。
だがそんな彼女の心と体に、再び輝きが現れる。
希望という名の光が放つ輝きが。
「信じられない……」
断崖道は、思わずそう呟いていた。
彼女は、
悪魔のフラグ建築士にその目を潰された。
もう二度と何かを見ることはない、そう思っていた。
だが今、彼女の視覚はたしかに眼前の少年を認識していた。
「まだあまり無理はしない方がいいですよ。ゴールド・エクスペリエンスの能力は、厳密には回復じゃなくて再構築。
傷を治すんじゃなくて新しくパーツを作って埋め込むだけですから、痛みまでは消えないんです」
断崖道の目の前の少年……フォティは、彼女に対し丁寧な解説を行う。
彼は自らの支給品であるゴールド・エクスペリエンスの力で新たに「眼球」を生み出し、それを断崖道の潰れた目に埋め込んだのである。
え? そんなので本当に目が見えるようになるのかって? 原作では手首切断されても同じ方法で元通りになってるんだから問題ない。
「さて、それじゃあそろそろ行きましょうか。ここは寒いですしね。なるべく他のエリアに移動しましょう」
「え?」
断崖道の手を取り、歩き出そうとするフォティ。その行動に、断崖道は思わず戸惑いの声を漏らす。
「どうかしました?」
「私なんかを……連れて行くの?」
「当然ですよ。バトルロワイアルの中で、女の子を一人置き去りにしていくなんてできるわけないじゃないですか」
「けど私は……仲間が危ない時に何もできなかった。本当に何の役にも立たない、足手まといなのよ?
私なんかといたら、あなたが……」
断崖道の言葉は、鋭い音に遮られた。同時に、彼女の頬を痛みが襲う。
「え?」
一瞬空白になる、断崖道の思考。数秒の間を置いて、彼女は自分が平手で頬を打たれたのだと理解する。
「何の役にも立たないなんて……。そんなこと言うなよ! 君だって生きている以上、何かできるはずなんだ!
何の役にも立たない存在なんて、あるはずがない!」
まだ呆然としている断崖道に向かって、フォティは熱弁を振るう。
そして、改めてその手を断崖道に差し出した。
「君が自分を役立たずだと思っているのなら……僕が君にできることを見つけてあげるよ。
だから、一緒に行こう」
断崖道の目をまっすぐに見つめながら、フォティは言う。その言葉に、断崖道は強い既視感を覚えた。
『まずは私について来ればいい。君に新しい道を見せてあげよう』
(ああ、そうか)
既視感の正体に気づき、断崖道はわずかながら口元に笑みを浮かべる。
(なんで私は、こういう前向きなバカに縁があるんだろう)
心の中でそんなつぶやきを漏らしながら、断崖道はフォティの差し出した手を握った。
「そこまで言うんだったら、一緒に行ってあげるわ。約束……ちゃんと守ってくれるんでしょうね」
「もちろん! 必ず、君が生きる意味を見つけてあげるから」
手を握られたフォティは、朗らかに笑う。その笑みは、いかなる光よりもまぶしく輝いていた。
【一日目・朝/スノーフォレストエリア】
【【輝く】フォテイ (◆40jGqg6Boc氏)@
漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ゴールド・エクスペリエンスのDISC@書き手ロワ2nd
【道具】支給品一式、不明支給品0~1
【思考】基本:殺し合いには乗らない
1:漫画ロワ書き手(ワンキュー優先)、対主催の人と合流する。
2:断崖道にやれることを見つける。
【備考】
※容姿は何故かマシロくん@漫画版舞乙-HiMEです。ちなみに男の子です。
※仮面ライダーZX@仮面ライダーSPIRITSに変身出来ます。
一回の変身は十分間持続し、次の変身には二時間の時間を要します。回数制限は特になしで。
※【輝く】の称号は周りに光を出す効果があるようです。でも自分でも周りが見れない。その他の効果について不明。
【メカポッポ@
マルチジャンルバトルロワイアル】
【思考】基本:フォティについていく
※参加者と出会ったり施設に近づくとそれに関する情報が与えられるようです
【断崖道<◆d3hAP9FFr2>@オリロワ】
【状態】両目に痛み
【装備】ゴスロリ服。S&W M60
【道具】支給品一式。
【思考・行動】
1:フォティについていき、自分にできることを見つける。
2:
カラオケボイスが心配。
※少なくとも、怪我を治せるような特殊能力は持っていません
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最終更新:2009年08月25日 22:45