書き手という顔

名前を与えられる。それは個を持つ存在が生まれたという証。
たとえそれが「元々個として存在していた者」にだとしても、だ。
元々一つであったものなのに、元々名前があったというのに。
"エド"と呼ばれたかつての書き手から"分離した彼"は、今はこの名で新たなる生を受けた。

「ちょっと待て……どうなってる? どういう事だこれ!」

というわけで、ここに黒スーツを着たアルス(DQ3男勇者)が光臨なさっています。

【東京都・一日目・深夜】
【むっつりラ

「待て待て待て待て待て! 待て地の分!」

なんスか。

「解説をしろ。何故こんな事になった!」

え? 解説しないと駄目?

「当然だろ! 気に入らないし訳がわからない。理不尽極まりないしな!」

……了解。じゃあ回想シーンに移りますかね。


       ◇       ◇       ◇


ある日、FFDQ3rdにて「エド」と呼ばれていた男がいました。
彼は既にその名前でラジオを何度も行い、その地位を確立させていました。
しかし彼はある日の書き手紹介で「むっつりラナルータ」という異名を頂いたのでした。
エドは「ちょwwwねーよwwwww」と思いながらも、かなり喜んでいました。
しかし問題はここからです。彼には既に「エド」という名前があったのです。
ついでに「◆O0LqTosP8U」というトリップだって持っています。

え? 別に普通だろうって? 甘いですよ皆さん。

実はFFDQ3rdには予約制もトリップ取り付け義務も存在しません。
ですからエドはこのトリップと名前を「書き手として使用したことが無い」のです。
それでも彼は新たなる名前を授けられ、書き手ロワに呼ばれてしまいました。
ですが「エド ◆O0LqTosP8U」という名前はラジオの為だけにしか使用されないもの。
つまり、ラジオMCとしての顔を持っていると同時に書き手としての顔を持っていない。
ですからある意味で「書き手ではない」エドが書き手3に呼ばれる為には、「書き手としての顔」が必要だったのです。

さて、ここで元々特例的に「個」を持つ彼が新たなる個を手に入れた場合はどうなるでしょうか。
――――思い出してください。
例え同一人物であってもトリップの数だけ人格が生まれる。
書き手2ndでも書き手1stでも真・書き手1stでもそれは必然です。
だからその場合はまさに「分裂する」とでも言うべきでしょうか。
つまりはトリップの数だけ個の存在が増えていくわけです。

ですがFFDQ3rdにはトリップがないから、人格など生まれるはずは無かったはず。
その癖してエドは特例的に個を主張することが出来るものだから、この辺非常に面倒くさい。
このままでは彼をここで呼ぶことなど不可能です。そう、そのはずだったのです。
しかし彼は「むっつりラナルータ」という名を与えられました。これは、つまり、そう。

書き手3の主催者はその現象を「"書き手がトリップを増やした"と同義」として扱ったのです。

ですから、エドから新たな人格と肉体が出現しました。言ってみれば「エドの書き手用の顔」です。
突然もう一人の自分が出現したのを見た「互いのエド」は驚いたことでしょう。
しかも現れたばかりの「書き手の方」は書き手3へと収集されて消えたのですから、余計に。
これが、真実。「むっつりラナルータ」が戸惑っている理由なのでした! チャンチャン!

       ◇       ◇       ◇


「つまりは、エドが他所で軍曹と名乗った時と同じような事だと言われたわけか。
 あの時もエドと鬼軍曹は別人であると扱われていたからな。ソースはしたらばだ」

そうだね。

「おかしいと思ったんだ。この名前を貰った瞬間にまるで分裂の壷に入った時のような気分になって……。
 気付いたらこんな場所に召還さ。人使いが荒いというか……随分と面倒なプロセスを踏んだものだと思うよ」

気付いたら分裂ですからね。びっくりしたんじゃないですか?

「ああ。ヘッドセットを着けたままセージも……いや、"エド"も驚いていたからな」

補足しておくと、どうやらエドの方の見た目はFFDQ3rdのセージお兄さん(DQ3の男賢者)であるらしい。
見た目が違うのは官能小説を音読する勇者を書いた所為だろう。まぁエドの方もラジオで色々音読しているのだが。
本格的にトリップが違う人扱いされているらしい。

「さて、しかしこうなると拙いな。僕が書き手であるならばここでラジオをするなどご法度だ。
 エドに連絡は……取れないだろうしな。しかしながら自分から自分へ連絡とはまたシュール過ぎる」

書き手3に参加していない側の自分(しつこいが「エド」の人格の方)とのコンタクトは難しいようだ。
外部介入など、対主催ENDが確定した瞬間まで取っておかれるべき展開だから当然である。
少なくともこの場所の彼はエドではなく、むっつりラナルータという一人の書き手なのだ。

「では、これからどうするかだな……クク」

あれ? むっつりラナルータさん? その邪悪な笑顔は何ですか?
FFDQ3rdのアルスはそんな顔はしてませんでしたけど?

「馬鹿かお前は。話題にならなくなって久しい昨今のFFDQ3rdの知識が何の役に立つ。
 今から自分のやりたい様にやる。元のキャラなど関係あるか。僕は僕の人格でやるべきことをやるぞ」

どういう事ですか。

「教えてやろう、地の文よ。僕は今からマーダーとなり、そこらじゅうで火種を撒いてやる!
 そして状況を変革させることで他の奴らに教えてやるのだ……FFDQ3rdの力をな! あわよくば目立ってやる!」

なん……だと……?

「そうと決まれば、こんなギャグ調の地の文など必要ない。消え失せろ……ギガデイン!」

ちょっと待って! 聞いてな――――ガッ!


       ◇       ◇       ◇


古豪。そう呼ばれることは男にとって悲しい事だ。
実際にそう言われたことなどなくとも、盛況ロワの名に挙がらなくなったことを悲観していた。
だからこそ彼は、自分の所属するロワを盛り上げる為、最大の支援を行うことにした。

「僕はラジオなどという生温い支援をするつもりなど無い。僕は書き手としてFFDQ3rdの力を見せ付ける!
 エドがいれば二人で作業を分担できるがまぁ仕方ない。思う存分目立ってやるさ、そうさ……僕はあいつじゃない。書き手なんだ」

ラジオMCとしてではなく書き手として行動する。それは書き手3の主催者としては狙い通りだ。
手のひらの上で踊っている。そう言っても差し支えは無いかもしれない。
それでも彼は行く。何故なら彼は知っているのだ、人の掌など小さいものであると。
今まで話題に上らない日は無かったロワが"そうではなくなった瞬間"から、理解していたのだ。

「支給品は……ほう、斬鉄剣か。悪くないじゃないか……」

未だ伝説に残るかつての盛況ロワ出典の得物を持ち、書き手として彼は歩く。
全ては自ロワの為に。

【東京都・一日目・深夜】
【むっつりラナルータ@FFDQ3rd】
【状態】:健康
【装備】:斬鉄剣@アニロワ1st
【持物】:基本支給品
【思考・行動】
基本思考:マーダーとして火種をばら撒き、FFDQ3rdの力を思い知らせる。かつ目立つ。
1:まずは移動
【備考】
見た目はタークスの黒スーツを着たアルス(DQ3男勇者)です。
FFDQ3rdラジオMCのエドから生まれた完全な別人格・肉体です。


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むっつりラナルータ 115:絶対運命交差点

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最終更新:2009年03月26日 14:50
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