天守閣の一角。
足元で騒がしくなりつつある大阪の街を眺める一人の男。
口元に咥えた煙草に火を灯すと、存分にその煙を体内に取り込む。
身体中に張り巡らされた血管の脈動が、朦朧としていた生の味を取り戻す。
「バトルロワイアル……良い響きだ」
二本目を咥える男の顔に、摩天楼の光が反射する。
照らし出されたのは◆guAWf4RW62こと
死闘秘法だった。
当初、この場所で一人穏やかに大阪の街を眺めていた死闘秘法だったが、
やがて地上でドンパチが始まるにつれ、その表情は刻々と変貌していった。
そしてその顔は、一つの感情へと固着する。
喜びでなく。
怒りでなく。
哀しみでなく。
楽しみでもなく。
浮かび上がった顔は、産まれたての赤さんのような顔。
まさに外道スマイルである。
(王道である対主催の中核を担うと思った? 誰がやるかよそんな出涸らしキャラ!)
実にさわやかな微笑みでビリケン像を蹴り飛ばす死闘秘法。
確かに死闘秘法も、熱血対主催は張り切るポジションだと理解しているし、
慣れてない書き手からみても、非常に動かしやすいキャラ筆頭と言えよう。
だが、ここは書き手ロワイアル3。三度目なのだ。
仏の顔だって三度なる諺もあるように、熱血一辺倒は面白みに欠ける。
だからといってマーダーになるのも、場の空気に流されたようで嫌だ。
そんな死闘秘法の視界に飛び込んできたのが、売店に置かれていた一冊の本。
『自分探し検定準2級~絶対合格するヒケツ!!~』
民明書房臭プンプンな本だが、死闘秘法の目には聖書にしか見えなかった。
光の速さで読み終えると、支給品袋から一本の剣を取り出す。
その名もデルフリンガー。
「チェストォォォォォォロリイイイヤッッッホーーーーう!!!」
薩摩示現流よろしく豪快に叩き切った。
前半のシリアスが台無しだ。
「ふぅ」
そしてデルフリンガーを惜しみなく投げ捨て、代わりに売店にあったエロ本を持つ。
ちなみに隣にあった小悪魔ag○haは、見苦しいので全て燃やしておいた。
死闘秘法が売店でモゾモゾしている内に、いつの間にか呼んだエレベーターが到着する。
箱の中に足を踏み入れた死闘秘法は、一瞬だけ後ろを振り返ると、またも無邪気な表情を浮かべた。
「殺し合いの中、武器を持たずに自分探しをする人間がいてもいい。自由とはそういうことだ」
エレベータの扉が閉まるその瞬間まで、同じ顔をしたまま。
【1日目 深夜/大阪府通天閣エレベーター内】
【死闘秘法@
ギャルゲロワ2】
【状態】自分探しへの希望
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】
1:自分探しの旅をする
2:出会った参加者に自分探しの旅を勧める
【備考】
外見は『棗恭介(21)』です。
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最終更新:2009年05月24日 17:46