2008年9月23日に本スレが立ったパロディ・バトルロワイアルスレがある。
そのパロロワの企画名は多ジャンルバトルロワイアル。
アニメ漫画ライトノベルゲーム特撮実写ドラマなど幅広いジャンルから作品を集めたパロロワだ。
2013年4月7日現在は投下数164、生存者10名。
明確なマーダーは姿を消し、いよいよ主催との決戦に挑もうかというクライマックスを迎えようとしている。
まさに脂の乗ったパロロワ企画である。

この多ジャンルバトルロワイアルに所属する書き手が一人、この場に居た。
書き手トリップは◆ew5bR2RQj.、32作のSSを投下し投下数では多ジャンルバトルロワイアル書き手2位の中軸書き手だ。
そしてこの書き手バトルロワイアル4thでの名を、【ライダー】エウーゴ―――という。

「さて、どうするかね……」

屈伸運動をしながら、ぼんやりと呟く。
エウーゴはパロロワメモリによって上等なスーツを纏った長身痩躯の姿へと変化していた。
変身した後の姿、いわゆる『ガワ』となったキャラクターの名前は北岡秀一。
仮面ライダー龍騎という作品のキャラクターだ。
このエウーゴは二つ名の通り、仮面ライダーのキャラクターを書くことを得意としている。

「あんまり確固とした目的とか思い浮かばないんだよねぇ、俺。
 ほら、スーパー書き手だからなんでも出来ちゃうの」

エウーゴは自己評価の高いと言えば聞こえがいいが、見知らぬ人間には自惚れとしか取れない独り言を呟く。
そして、くるりと身体の向きを変えて、『誰か』へと話しかける。

「だからさぁ、参考までにアンタの意見でも聞かせてくれない?」

エウーゴは背後から漂う気配を感じ取っていた。
その言葉につられて現れたのは奇妙な書き手であった。

「背後の人間に気づく……最低限のラインは超えてる書き手なんじゃねーの」

その書き手の『ガワ』は、筋骨隆々の黒い右腕と軍服で隠された左腕というチグハグな腕を持った美少年だ。
美少年は不敵な笑みを浮かべてエウーゴの前に立ち塞がる。

「まっ、このオレ様の隠し切れないオーラってのを感じるなってのも無理な話だろうがな」
「おたく、名前は?」
「アーン? オレ様を知らねえとは……さてはモグリだな?」

やれやれと大げさに歪な両腕を使って肩をすくめる。
エウーゴは先ほど自称したスーパー書き手という偉そうな称号を無視して、なんだ偉そうなやつだな、と思った。


「オレ様は新々漫画バトルロワイアルの◆wKs3a28q6Q……麻雀超人『様』とでも呼びな」


新々漫画バトルロワイアル。
2013年1月13日に予約開始された真新しいパロディ・バトルロワイアル企画だ。
独特な展開が多く、いずれもそのキャラクターとキャラクターの特色を組み合わせた良クロスオーバーSSの多いパロロワスレである。


「オレ様は投下数トップでも2位でもないが……ま、この手の祭りにオレ様を外すなんて選択肢はねえよなぁ、アーン?」
「なーんかひどく偉そうじゃないの」
「実際に偉いんだよ、文脈を読み取るってのが出来ないのかスカタン?」

その中でもこの◆wKs3a28q6Q、麻雀超人はその名の通り麻雀を使った名SSを書き上げた書き手だ。
(SSタイトルが非常に長いため、そのSSのタイトルはここでは省略する。)
その代表SSに登場するキャラクターを相混ぜにした姿を『ガワ』として現れたのだ。

「……それで、最初の質問に答えてくれちゃったりする?」
「オレ様がこれからどうするか、か?」

麻雀超人は、フッ、と端正な顔に笑みを浮かべる。

「マーダーをやらせてもらおうじゃねーの!」

そして、言うが早いか走るが早いかと言った速さでエウーゴへと突進する。
その黒い右腕――――ウォーズマンの右腕からベアクローを突き出した。

「問答無用ってわけ? 面白いじゃないの!」

少々カマっぽい言葉遣いながら、その動きは機敏だった。
後方へと下がるわけでも横へと逃げるわけでもなく前へと走りだし、空中前転でベアクローの一撃を回避する。
そして、素早く振り返り変身アイテムを手にとった。

「ハッ、やるじゃねえか!」
「そいつはどうも…………変身ッ!」

光が包み、エウーゴは姿を変える。
緑色のボディースーツの上に銀色のアーマー身につけた変身ヒーローの姿である。
名前を仮面ライダーゾルダ、エウーゴにとって縁の深い仮面ライダーである。

「さーて、それじゃ行きま――――」
「先手必勝ッ、紫外線照射リィィィィチ!」
「うぉ!?」

今から攻勢に移ろうか、そう言おうとした瞬間に麻雀超人から光が照射される。
これはナチスのサイボーグ軍人シュトロハイムの身体に仕込まれた紫外線照射装置の力!
単純に言えば、エウーゴは麻雀超人の目眩ましを喰らってしまう。

「せ、せこいな……って、何処行った!?」
『真正面からしか殺し合いしないほうがマヌケなんだよバーーカ!』

その言葉通り、麻雀超人は姿を消していた。
目眩ましはあくまで目眩まし、次の攻撃へと移るための準備行動に過ぎないのだ。
静寂が場を支配する。

『マーダーっ……マーダーっ……!』

しかしその瞬間、地鳴りめいた声が聞こえた!

「そこか!」

エウーゴは声の響く方角へと自身の銃器、マグバイザーからビーム弾を発車する。
だが、しかしそこに麻雀超人の姿はない。

「……どういうことだ?」
『麻雀超人……っ! 勝者はマーダーっ……!』
「そっちかッ!」

エウーゴは再び声の響いた方向へとマグバイザーで射撃を行う。
しかし、いや、やはりと言うべきか、そこに麻雀超人の姿はなかった。

「……えっ、なになに!? 何が起こっちゃってるわけ!?」
『圧倒的書き手……! 負けるのは対主催……!』
「ハッ、こいつがオレ様の『コール』だッ!」

麻雀超人の技の一つ、『コール』。
どこからか響き渡る『コール』によって自らの
その完全に裏をかかれた形だ。
エウーゴはバックステップを行いながらベルトのバックルに仕込まれたデッキからカードを取り出す。
このカードをマグバイザーに読み込ませることで、盾を召喚できるのだ。
しかし、その『カードを読みこませる』という動作で生まれる隙を麻雀超人は逃さなかった。

「甘いぜッ!」
「痛ッ!?」

軍服に包まれた右腕―――――シュトロハイムの右腕から何か小石めいたものが発射される。

「ま、麻雀牌!?」
「俺様の美技にブギウギィ!」

そう、麻雀超人は支給品の麻雀牌を親指で弾き、エウーゴの持つマグバイザーを弾き飛ばしたのだ!
シュトロハイムの吸血鬼の肉すら抉り取る握力で弾き飛ばされた麻雀牌はもはや銃弾といっても差し支えないのだ!

「チッ……」

迫り来る麻雀超人へと前蹴りを喰らわせようとする。
マグバイザーを拾い上げるよりも格闘で迎え撃つ方が早いと判断したのだ。

「ハッ! 甘い甘い、ツルスケだぜっ!」

しかし筋肉の動きすら見通す『眼力(インサイト)』能力の前に苦し紛れの攻撃はむしろ逆効果だ。
ましてや無我の扉の半ドア状態まで精神を集中させている麻雀超人の前では!

「喰らいなッ、紫外線照射クロォォォォ!」
「うぉ、眩しッ!?」

紫外線照射クローとは単純な技である。
右腕のシュトロハイムの腕から紫外線を照射して目潰しを行い、左腕のウォーズマンのベアクローで突き刺すという技だ。
単純な技ではあるが、それ故に回避不能。
ましてやカウンターの形となった紫外線照射クローを避けることなど……被弾不可避!

「ぐっ……うぉぉおおおお!?」

麻雀超人のベアクローによってエウーゴは肩の肉を抉り取られる。
麻雀超人の圧倒的有利!
エウーゴはこのまま為す術もなく倒れるのか!?

「ハーッハッハ! 大したことねえ書き手だなぁ、お里(所属ロワ)が知れるぜ!」
「……調子に乗ってんじゃねえぞ」

いや、そうではない。
エウーゴとて一人の書き手、プライドというものがある。
今まで積み重ねてきたSSは、この程度の困難など乗り越えてみせる!と前を向かせるプライドを作った!

「こっからが、本番だ……!」

エウーゴが、変身を解いて『仮面ライダーゾルダ』から『北岡秀一』へと変身していく。
そして、もう一度『変身』を行った。

エウーゴの黒い髪は傷んだ金髪へと色を変え、
怒髪天を衝くと言わんばかりに髪が逆立ち、
上等なスーツは安っぽいヘビ柄のシャツへと様変わり、
腰元のバックルは緑色のモノから紫色のモノへと変化していく。

「アーン?」
「イライラするぜぇ……!」

ここで初めて麻雀超人が、僅かにではあるが怯んだ。
この姿は『浅倉威』というキャラクターだ。
『北岡秀一』がエウーゴにとっての『秩序』であるなら、『浅倉威』はエウーゴにとっての『混沌』。
対主催思考書き手でもないがマーダー思考書き手でもないが、同時に両方の思考を持ちあわせている。
そう、エウーゴはまさしく二重人格書き手なのだ!

「変身……ッ!」

さらに、もう一度変身を行う。
『浅倉威』が紫のボディースーツの上にメタリックなプロテクターをつけた『仮面ライダー王蛇』へと姿を変えた。

(こいつ、『キレ』やがった……作戦の練り直しだな)
「喰らいなっ、紫外線照射リーチ――――リ・バース!」

明らかに様変わりしたエウーゴに悪寒を覚えた麻雀超人は、再び姿を隠そうとする。
今度は目の前の鏡へと紫外線を照射し、反射した光でエウーゴの目を潰そうとしたのだ。
紫外線照射リーチリ・バースとは鏡面を利用した目眩ましなのだ!

―― AD VENT ――

だが、その瞬間、機械音が響き渡った。

「なっ……!?」

鏡の中から巨大な赤紫色のエイが飛び出してきたのだ。
麻雀超人はとっさに両腕で腹部をガードする。
しかし、その巨大なエイ型モンスターのタックルは凄まじく、殆ど虚を突かれて防御が不十分であった麻雀超人は弾き飛ばされる!

「ハハハハハ、どうしたぁ! 情けないじゃないか、麻雀超人『様』よぉ!」
『マーダーっ……! マーダーっ……!』
「お前の技も俺を後押ししてくれてるぜ……そうだろ?」
「……ッ」
「ハハハハハ!」

高笑いを上げながらカードを一枚抜き取る。
そして、手に持ったコブラを模した杖、ベノバイザーにカードを読み取らせる。

―― FINAL VENT ――

鏡の中から、今度は紫色の大蛇――――ベノスネーカーが現れる。
ベノスネーカーはエウーゴの背後へと周り、同時にエウーゴとともに走りだした。

麻雀超人へと迫り来る仮面ライダーと大蛇!
エウーゴが麻雀超人の二メートルほど手前まで迫った瞬間、突然エウーゴ自身の後方へと向かって月面宙返りを行う!
月面宙返りを行ったエウーゴをベノスネーカーが受け止め、そして吐き出すようにしてエウーゴを『射出』する!
勢いのついたエウーゴは脚を激しく動かせながら、麻雀超人へと迫り来る!

一つ、麻雀超人の右腕を蹴り上げる。
一つ、逆の脚で麻雀超人の左腕を蹴り上げる。
一つ、ガードの空いた麻雀超人のボディーを蹴り上げる。
一つ、僅かに宙へと浮いた麻雀超人へととどめの一撃を蹴りこむ!

これがエウーゴの持つ必殺技の一つ、ベノクラッシュ。
麻雀超人の胴体を残し、機械の両腕は爆散した。


    ◆   ◆   ◆


「それがテメエのマーダーとしての仮面かよ……ライダーさんよぉ」
「いや、こいつは自由とか混沌とか……マーダーと言うよりは敵意というか」
「ハッ、なんだそりゃ」

そこまで言うと麻雀超人は、ごふッ、と血を吐き出す。
エウーゴが放った必殺技によって、麻雀超人は今、死を迎えようとしているのだ。

「……オレ様の、行動方針だったな」
「はい?」
「オレ様がマーダーになったのは、お前が迷ってたからだ……
 ここで一つ、バトルでも繰り広げれば美味しいんじゃねえかと思っただけだ……」
「そんだけ?」

不思議そうにエウーゴは首を傾げる。

「美味しいSS……どうせ死ぬなら、そんなSSで死にてえだろ……アーン……?」

しかし、麻雀超人は当然のように言い切った。

「ふん……精々、このバトルロワイアルにオレ様を殺したテメエのコールが響き渡ることを……祈っておくぜ……」

そして、その言葉と同時に、麻雀超人は息絶えた。
一瞬、しかし閃光のように散った書き手。
この書き手は、いや、この話は面白かっただろうかとエウーゴは考える。

「いや、そうじゃないか……」

正しくはそうじゃない。
多ジャンルバトルロワイアルと新々漫画バトルロワイアルはリレー企画だ。
リレー企画とはすなわち、誰かの作品を別の誰かが更に面白くする企画なのだ。
この麻雀超人の死をどうするかは、すなわち別の誰かであるエウーゴの仕事なのだ。

「……うん、いいね。やってやるよ、マーダー。
 駄目だったら……ま、それもロワでしょ」

エウーゴはここで決意をする。
本来はエウーゴにとっての秩序の仮面であるはずの北岡秀一の状態でもマーダーとして動くことを。

「ステルスでも扇動でも無差別でも奉仕でも……とにかくマーダーやってみるよ、麻雀超人」


【麻雀超人(◆wKs3a28q6Q)@新々漫画ロワ  死亡】


【一日目・深夜/B-4/街】
【【ライダー】エウーゴ(◆ew5bR2RQj.)@多ロワ】
【状態】肩に傷
【装備】仮面ライダーゾルダのデッキ@多ロワ、仮面ライダー王蛇のデッキ@多ロワ
【持物】基本支給品×2、麻雀牌セット@新々漫画ロワ、不明支給品1~4
【思考】
基本:マーダーをやっちゃおうかな。
1:無差別か扇動かステルスか奉仕か……まあ、後は流れで。
[備考]
※変身についての制限は後続の書き手に任せます。



004:遊園地でとあるテニスプレイヤーととある銀河皇帝は観覧車の外をチラ見しながら思った。 『頂きに立つものただ一人である』と。しかし、そうなると上下関係をはっきりさせないとな。 この近くにテニスコートがあったし、試合用のテニスラケットもあった…………テニスの時間だああああああああwwwwww ◆時系列順に読む 006:革命ロックンローラー
004:遊園地でとあるテニスプレイヤーととある銀河皇帝は観覧車の外をチラ見しながら思った。 『頂きに立つものただ一人である』と。しかし、そうなると上下関係をはっきりさせないとな。 この近くにテニスコートがあったし、試合用のテニスラケットもあった…………テニスの時間だああああああああwwwwww ◆投下順に読む 006:革命ロックンローラー
【ライダー】エウーゴ 088:End of World
麻雀超人 死亡

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最終更新:2013年05月11日 06:04