提督×翔鶴7-691「どこかが違う世界で」

689 :684:2014/02/23(日) 22:32:58.35 ID:mrYJQkGB
じゃ、これから投下します

注意事項
  • 史実パロ、とは言ったもののシリアスではありません。むしろギャグ・・・なのか?
  • 被害者は新妻空母翔鶴さん。カッコカリ後。言葉攻め
  • ブロック? フーン

タイトルは『どこかが違う世界で』



 フタフタマルマル――夜も深まり、気の早いものは明日の予定を確認しだす時間、ここ鎮守府の執務室からはまだ明かりが漏れていた。
 全金属製の無骨な机の上で書類を広げ、確認と決済を繰り返す男が一人。内容に不備を認めたときにその手は止まり、眉間に皺をよせて何事かを書き込み『再確認ヲ求ム』の籠へと分類する。

「提督、まだ続けていらしたのですか。少し休んでください」

 風呂からあがった翔鶴が若々しさの中に艶かしい空気を携えて入ってくる。櫛を通す時にまったく抵抗を感じることのない銀糸の髪をしとやかに湿らせ、艤装と胸当てを外したその姿は普通の女性とまったく変わることがない。
 だが彼女は艦娘。深海から来るものとの戦いのためだけに存在する兵器。この鎮守府の『装備品』――意思を持ち思考するという言葉が付くが、あくまで小銃や高角砲などと同じ――なのである。

「そろそろ切り上げるところだ。お前の安全に関わることなのでつい、な」
「私の事ですか?」

 そう言って押しやられた書類を、しかし翔鶴はあえて見ようとはしなかった。

「提督。あの……そういうのは」
「逆に見てもらわなくては困る。今度運ばれてくるQAエンジン搭載の新型機の報告だ」

 雄国で開発された新型の液冷24気筒エンジンは、その小ささと大出力から帝国も相当な数を輸入したエンジンである。当然ながら大きな期待がかけられたこのエンジンは――存分に取り扱いが難しいものだった。
 著しく燃費性能が悪いのは序の口として、オイル漏れや回転がざらつくなんてのは可愛い方、燃料供給が上手くいかなくて火を噴いたり始動時に爆発したりととにかく嫌なことばっかり。

 ただし、出力に対する排気量、重量比はすばらしい以外に言葉がなかった。
 そのために零戦の後継機の一種としてこのエンジンを搭載した新型機が開発される予定――だった。

「……すごく、大きくて、硬そうですね」
「……そうだな。……ゴホン。零戦と比べれば一回り以上大きいが、軍令部の新型機と比べればほぼ同寸だ。陸上での使用も考えられている、というかそっちがメインになる」
「えっと、私の見間違いでしょうか。500kg爆弾×2または魚雷と書いてあるような」
「事実だ。我が部隊にはこういった多用途機が必要だからな。まぁ、爆装が主となるだろうが」
「これ、戦闘機ですよね?」
「軍令部の新型機並みの速度はでるぞ」

 ううん、と形のよい眉をひそめて翔鶴が考え込む。テーブルデータから読み取れる性能から、機体の運用や効果的な編成に頭を悩ませているのだろう。
 彼女との関係が特別なものとなった今、そういった仕草一つ一つが以前以上に可愛いらしいと思うようになったのは自然なことだった。

「今日はもう終わりだ。さ、翔鶴。先に部屋に戻ってなさい」

 その言葉に反応して頬に染める姿は初々しく、いつまでも少女の面影を残す彼女をどう虐めようかという欲望が首をもたげるのを、彼は抑えることができなかった。

 余談ではあるが帝国はこのQAエンジンのライセンスと治具一式を購入し、幾多のトラブルと「ドルイドエンジンのほうがよかったです」との現場の声を受けながらも信頼性を高め、発展させていくこととなる。
 D型までは始動時の爆発癖がおさまらず、扱うものたちにとっては危険な、それでいて独特な排気音からたいへん夢のあるエンジンだと評された。
 その後のE型以降は帝国が誇る高い技術力と勤勉性、南方からの安定した資源の輸送のおかげで次第に信頼性を確立していくのである。

 なお、このQAであるが、歴史に偉大足跡を刻んだ雄国の英雄クイーン・アーサーからとられたものである。
 あるのだが、このエンジンの呼称は艦娘たちにはえらく不評で、いろいろなモデルを総括して『剣型』発動機と呼ぶものも多かったそうな。

「QAエンジンって何かの略なんでしょうか?」
「それはあの有名なクイーン・アーサーからだろうな」
「クイーン? キングではないのでしょうか」
「アーサー王って言えば女だろう」
「え」
「え」
「なにそれこわい」



「はっ……んぅっ、っく、……っ、……っ!」

 明かりの落とされた提督の自室で、翔鶴は枕を噛み締めて必死に声を殺しながら後ろから貫かれる衝撃に耐えていた。
 最初は緊張で余裕のなかった行為も、何度も重ねるうちに慣れほぐされ、頭が痺れる快感が絶え間なく送り込まれてくる。
 それは彼女を四つんばいに這い蹲らせながら腰を使う彼も同じで、彼女の膣を擦り上げる弩張の熱と大きさ、そして何より時折漏れ聞こえる嗜虐心を含んだ笑いと熱の篭った視線が雄弁に興奮の度合いを教えてくる。
 さらさらと布団の上に扇のように広がる翔鶴の銀糸。絹のような手触りを感じながらそれを一房持ち上げた彼は優しく口づけ、耳元に口を寄せる。

「相変わらず翔鶴の髪は触り心地がいいな。甘い香りがして細くてすぐ手から逃げてって、いつまでも遊んでいたくなる」
「ふっ、くっ!」
「大変だろうがこれからも丁寧に手入れしていてくれよ。……俺のために」
「~~~~!! っ! っっ~~ぁッ!」

 耳朶を甘噛みされ頬をなぞられながら囁かれた征服欲。女として求められているという理解が脳に届くと段違いの快楽が全身を駆け巡り、彼女はあっさりと絶頂してしまった。

「ははっ、今締まったぞ。もしかして、イッた?」

 獣のように深くつながった今の体勢では、お互いの状態がいつもよりもわかりやすく伝わってしまう。痴態をからかう軽い声が翔鶴の羞恥心を激しく刺激するが、震える体では反論するだけ無駄だった。

 こうやって彼女を抱くたびに全くしょうがないな、と提督は思うのだ。
 見られまいと布団に押し付けられる美貌。きつく握り締められたせいで皺ができたシーツ。不規則に跳ねる女体。懸命にこらえている嬌声。
 普段の清楚で凛とした姿とはかけ離れた姿を見せられて――昂ぶらない男などいるのだろうか。

 あるいはこれが彼女なりの誘いで、実はこちらがいいように操られているのかもしれないが、こんな姿を独り占めできるのなら喜んで踊ってやろうというものだ。

「どうしたんだ翔鶴。さっきからお前のかわいい声が全然聞こえてこないぞ」
「ッァッ! ……くぅぅっ」
「それにかわいい顔も見えてない。私はさみしいな」
「ゥッ……ぅぅっ!」

 初めて抱いたときから彼女は行為の最中の顔を見られるのを好んではいなかった。それに口を固く結んで声を出すのも堪えている。強い自制心ゆえに乱れる姿を見せたくないのだろうが、それではこちらも『面白くない』
 さて、どうやって理性の殻を剥ぎ取ってしまおうか。小刻みに腰を動かしながら少しだけ思案する。

 そうだ。今日はちょっとばかり無理矢理にしてしまおう。

「っ、んぅっ……、ひゃぁん!?」

 手のひらからちょっとこぼれる程よいサイズの胸を揉みしだき、奥まで突き入れた一物をぐりぐりとねじまわす。たまらずに抵抗が緩んだ隙をついて下からすくいあげて快楽に歪んだ顔を露にした。

「て、とく、ダメ……ダメで、あぁん。あ、だめ、ダメです」
「なにが駄目なんだ?」
「こえ、声がでてしまって……あっ! ダメです! そんな、激しくされたら、やぁっ、あっ、あっ」
「声を聞きたいって言ってるのに黙ってる方がよっぽど駄目だろう? ……ココはどうだ?」
「んくぁっ! あ、ああっ」

 逃れようとする翔鶴をしっかりと両手で引き寄せ、彼女の最深部に激しく突き入れる。硬く尖った乳首を指で挟み、恥骨沿いに指をはしらせるたびにその声が高く短く変わっていった。

「おっと」
「あっ! 提督、声が、本当に、これ以上は……あっ、あっ、やぁぅっ、あああっ!」
「口を塞ごうとしても許可はしない。そらっ、これが好きなんだよな、翔鶴は」
「ひうっ! あうっ! やっ、はずかし、恥ずかしいです、提督、んんんんんっ!!」

 乱暴な動きも十分に開発された翔鶴の女性器は抵抗なく受け入れ、途切れることなく粘液を吐き出して布団をぐちょぐちょに濡らしていった。
 ノンストップで高まっていく快感にある種の恐れを感じた彼女は制止を求めて手をぱたぱたと動かすが、両の手首を掴まれた状態では空を切るだけ。間違いなく今彼は嗤っているだろう。
 いいように弄ばれて喘がされているという事実に涙が溢れる。そこに含まれているのは雀涙にも満たない屈服感と、圧倒的な絶頂感。

「ああ、やっぱりいい顔だな。今の翔鶴は」
「やっ……」
「別にもっと啼いてくれてもいいんだぞ。どうして嫌がる?」
「それは……それはっぁっ、はしたなく、ふしだらに乱れるなんて、こんな声、提督に嫌われたらって思うと……んぁぁあああっ!! あっ、んむぅっ…・・・」

 全てを言い切る前に貪るように唇が塞がれ、ぬめった舌が口腔内に進入し蹂躙を開始する。同時に打ち付けられる腰の動きが激しく直線的なものになり、きつく抱きしめられた。
 望んだのとは違った形でも声を封じてもらったことに安堵した瞬間、散々に嬲られて雌の悦びを溜め込んだ身体が彼女の意思に叛旗を翻した。
 強烈な快感が背筋を一気に駆け上がり、

「んんぁぁぁぁっ!! ぃあぁぁぁっ!!」
「んっ、っはっ! 出すぞ、翔鶴……っ!」

 中に熱い液を注がれる感覚を最後に、彼女の意識は電源が落とされたように沈んでいった。

698 :どこかが違う世界で 8/8:2014/02/23(日) 22:42:30.12 ID:mrYJQkGB
「本日ヒトロクマルマルに到着予定の輸送船団だが、翔鶴は護衛の艦を率いヒトマルマルマルに出航。上空に航空機の傘を広げてもらう。なお、現在のところ差し迫った危機は確認されていない。これはあくまで訓練の一環である」
「わかりました。通達はいかがいたしますか」
「事前に通達しては訓練の意義が薄れる。ただし船団長とは密に連絡をとり事故のないように努めてくれ。内容に関しては一任する。後で報告書を提出するように。なお翔鶴不在の間、基地航空隊の指揮は瑞鶴が執るものとする」

 あの激しく交わった日からしばらく経ち、待望の新型機がその他の物資共々運ばれてきた。
 次の日にえらく拗ねてしまった翔鶴を宥めるのは中々難儀したが、彼女も本気で困らせようとしたわけでもなくお互い笑顔でその日の軍務に励むことができた。

 『マリアナの後も提督と一緒に』と彼女は言う。マリアナが何を示しているのか彼にはわからない。マリラオ諸島の事かと思っているが、そのときの彼女の瞳を見て今も聞けずにいる。
 本来ならば問い詰めて把握しておかなくてはいけないのだろう。だが、それは絶対に踏み込んではいけない領域であるような気が、彼にはしていた。愛し合う仲だからこそ触れてはいけないという確信が。

 まあ、別にいいじゃないか。艦娘たちには少し謎めいたところもあるが、真剣にそして懸命に戦ってくれている。そんな彼女たちを欠くことなく勝ち続けることが私の使命なのだから。


 長きに渡る深海棲艦との戦いの前線。とある基地の日常は今日も続いている。


699 :名無しさん@ピンキー:2014/02/23(日) 22:51:46.50 ID:mrYJQkGB
以上です
久しぶりのSS投下なのでお見苦しい点もございますが御笑読ください

艦これの世界は地名がちょっと違っているという点から
史実からどこかがちょっとづつずれていてもおかしくないよね、とこの話を思いつきました
このくらいずらしてしまうと蝶々がいっぱい飛ぶことになるので、好評なようならもうちょっと書きたいかなと思ってます
最終更新:2014年02月24日 00:02