提督×??1-396避

396 :名無しさん:2014/06/09(月) 22:29:33 ID:PqeTn3I.
「お前たちに何が分かる」

そう言った提督が何を考えているのか、確かに分からない。だが、それを悪い事だとは思わない。
目の前に広がるのは、白。恐らく提督が吐き出したであろう欲望。
その海に溺れるように、死んでいた。
欠片も腐臭のないソレを死んでから犯したとは思えなかった。
つまり殺しながら犯した。あるいは犯したから死んだ。
例えば金剛、あるいは陸奥、それ以外に何人も提督が好きだった。
だからこそ許せなかった。なんでそんな事をしたのか、その疑問だけが頭の中を渦巻く。

「分かるはずがない、どうして」

虚ろな目で提督は同意した。だろうな、と。

「女に囲まれて、手も出せないとあればおかしくもなるさ」
「続けて、」
「ああ。元から俺が普通とは違うのは分かっていた。だが、ここへ来る前は春画で我慢出来ていたんだ」

普通と違う部分、それはもしや、

「不知火のスパッツに精液を流し込んでそのまま履かせたい、若葉のシャツを奪い素肌にタイを締めて欲しい、弥生の無表情を歪ませたい。なぁ、おかしいだろ?」

確かにおかしいかも知れない。だけどその程度なのかい。
なら、なんでこんな事をしたんだ。

「直に、憲兵が来る」

それは、そうかも知れない。
けど、隠す事だって出来る。日にいくつ死んでいるか知らないわけではないだろう。

「俺が呼んだ」

耳を疑った。先ほどおかしいと理解したのとは別に提督の正気を疑った。
見れば提督は葉巻を取り出し、火を探していた。
そんな癖はなかったはずだし、そんな場合でもないはずだ。

「ああ、君たちに悪いからね。止めてたんだ。マッチまで捨てなきゃ良かった」

葉巻を掠めるように銃弾を放つ。深く吸い込んだ提督の表情が和らぐ。

「恐らく、すぐに新しく提督が来るだろうな。ウチは航空戦力がないから教えてやってくれ」

提督が望む別れをしよう。ボクにはもうそれしか出来ないだろうから。だけど、別れまでだよ。

「君には失望したよ」
「そうだろうな」
「このキャットレイパー」
「ああ、そうだ」

執務室の扉がけたたましくノックされる。
さよなら、提督。さよなら、ボクの初恋。

「さあ、一緒に来てもらおう」

きっと、会いに行くさ。

「懲罰部隊か?」

構わないさ、直ぐに追いかける。
死ぬと分かっていてもね。
だから、少しの間、さよなら。

「横須賀には沢山の猫がいる。君にはこの猫のようにしてもらうだけだ」


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最終更新:2025年06月21日 08:32