提督×扶桑1-628避

執務室の布団の中で扶桑と二人、一糸まとわぬ姿でまどろんでいた時の事だ。
彼女は激しい行為を好む性格ではなく、時折はこうして何もしないことさえある。
昨日の彼女の戦果は幸運艦に相応しいものだったが、僚艦の被害が著しく、俺はその処理に追われた。
彼女もまた疲れていたためこのように抱き合って寝るだけにしようとなった。
足音を感じ、また青葉かと思い警戒するが明るい「見ちゃいました」と言う声もない。
ならば荒潮かとも思ったが彼女はドックだ。
そして、顔を上げた瞬間見えたのは白い服を着た女の子。同じ顔をしたその子が部屋を埋め尽くさんばかりに。
「ふ、扶桑起きろ。何かおかしい」
眠そうに目をこすった彼女は俺の肩越しに話しかけた。
「山城、どうかしたのかしら?」
まるで、情事を見た妹をとがめるように。
あたかも、在りし日と同じように。
「な何を言ってるんだ扶桑……山城はこの間の海戦で……」
その言葉に扶桑の表情が変わる。
「うそ、嘘、ウソ、だってほら、だってそこに山城がいるの。姉様って言ってるのよ。呼んでいるのよ」
それから先は良く覚えていない。ただ、半狂乱に陥った俺たちがいつになく激しく事に及んだのは分かった。
扶桑の全身には情事の跡が、布団には赤と白が、俺の腰には痛みが。
ところで、扶桑が見た山城は分からなくはないが俺が見たのは何だったのか。
青葉に依頼したが芳しくない。俺には思い当たる節はない。
誰か知っていたら教えてくれ。もぐもぐと喋る幼げな女の子だ。


これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2018年05月05日 08:06