提督×大鯨「し・あ・わ・せ 幼妻大鯨ちゃん」18-151

150 :名無しの紳士提督:2015/11/03(火) 19:44:04 ID:LCrcYi5I

大鯨のSSを投下します
今回も今回で独自設定や独自解釈、
ローカルなネタが多々含まれていますのでお気を付けください


151 :し・あ・わ・せ 幼妻大鯨ちゃん:2015/11/03(火) 19:45:28 ID:LCrcYi5I

「ただいまっ」
「あっ、司令官さん。おかえりなさいです」
「提督代行ご苦労様です、鳥海さん」
「大鯨さんも司令官さんのお守りご苦労様です」
「お守りだなんて……私はただ、この人の妻としてついていっただけで……」

大鯨と呼ばれた艦娘はそう答えた。
潜水母艦大鯨、その艦娘である彼女は俺の最愛の妻である。

「俺の家族のお墓参りという私的な事に彼女はついてきただけさ」
「だけど司令官さんお一人で遠出をさせた場合何かあったら大変です。
 できればどんな場合でもなるべく艦娘が護衛についた方がよろしいですし……」
「確かにそうだが……公的な用件での遠出ではないから艦娘を連れてはいけないよ」
「だから司令官さんの奥様である大鯨さんなら、
 司令官さんの私的なことについていってもおかしくありません」

別に艦娘が提督の私的な事についていったって何ら問題はない。
と思ったが男女である以上周りから妙な誤解をされる事もあるだろう。
ましてや俺は既婚者である。近場で外食なり買い物するならまだしも、
俺の家族のお墓参りに他の女性を連れていっては凄い誤解を生みかねないだろう。

「どっちでもいいでしょう」
「リタさん」

背後から食欲をそそるいい香りをさせながら一人の女性が声をかけた。
彼女は艦娘リットリオ。改造することによりイタリアへとパワーアップする艦娘だ。
改造して名前が変わっても混乱しないようリタと呼んでいる。
リットリオの愛称っぽさがあり、イタリアでも文字的に愛称にできるのもあるが、
何よりも彼女自身の本名という事が大きいだろう。
リットリオとイタリア、両方に通ずる言葉が本名な辺り
彼女も艦娘となる運命にひかれていたのかもしれない。
まあ公的な書面では艦名で書かなければならないだろうけど……

「提督、おかえりなさいませ。お食事の用意は出来てます。
 今日はパスタ三昧です。どうぞ召し上がれ」
「ありがとう」
「わあ、パスタだらけ…」
「だって今日はパスタの日ですから」
「10月25日……パスタの日……」
「どうしたんですか鳥海?」
「いえ……気にしないでくださいリタ」
「……ごめんなさいね、はしゃいじゃって……
 どうやら貴女にとって大事な日だったみたいね。よくわからなくてごめんなさい…」
「いえ、本当に気にしないでください……」
「みんな、早く食べてくたさあい。冷めちゃいますよう……」

微妙な空気をふにゃふにゃとした感じの声が切り裂いた。軽巡洋艦の艦娘、阿武隈である。
頼りなさげな印象を受けるが、こう見えても歴戦の艦娘の一人である。

「あたしがせっかく腕によりをかけて鮭のはらこパスタを作ったのに……」
「ご、ごめんなさい!それではいただきます!」

困り顔な阿武隈を見てさすがにこれ以上面倒な事になってほしくないと思ったのか、
鳥海はリタが持ってきていたパスタを食べはじめた。
それを見て俺も冷めかけていたパスタを受け取って食べはじめた。

「うん、おいしいですね」
「うまいなこれは」
「あたしの故郷に流れる阿武隈川で捕れた鮭を使っているんですよ」

阿武隈は阿武隈の川流れる東北出身であり、苗字も大隈である。
大隈はかつて阿武隈川の別の名前として使われていた言葉だ。
彼女もまた、阿武隈の艦娘となる運命だったのだろう。

「司令官さん、サンマのパスタもあるのです」
「春雨パスタもあります」
「味噌煮込みスープパスタもあるよ~」

しばらくして電と春雨と文月も料理を持ってやってきた。

「あれ?まだ食べてたの~?」
「ちょっと色々とあってな」
「あの……一緒に食べてもよろしいでしょうか」
「一緒に食べたらいけない理由なんてないだろ」
「ええ。ところで雷ちゃんは?」
「今大漁旗を作ってる最中だから勝手に食べてていいって」
「仕方ないな……大鯨、雷の分は別けておいてやれ」
「はーい」

雷の分だけ別によそっておき、俺達は電と春雨と文月を交えて再びパスタを食べはじめた。

ズルズルズル、もぐもぐもぐもぐ、ごっくん
ズルズルズル、もぐもぐもぐもぐ、ごっくん……

「んー、おいしいねー」
「文月、もうちょっと静かに食べるのです」
「だっておいしいんだもん」
「まあ身内だけなんだし…」
「でも司令官さん、外でつい出てしまうかもしれませんよ」
「あ…ああ……」

確かにな。普段からちゃんと行儀良くしていないとつい癖で出てしまう時もあるだろう。
俺は自分の甘さに『もし子供が生まれてもちゃんとしつけられるか』と少し不安になった。

「でも司令官だってああ見えてちゃんと音をたてずに食べてるのよ。
 だから文月、あなたもちゃんとしなさいね」
「は~い」

微妙に馬鹿にされた気がせんでもなかったが文月が考え方を改めたからよしとするか。

「ふう…やっぱりパスタはおいしいわね。ごちそうさま」

俺達が文月をしつけている(?)間にリタは既に食べ終わっていた。

「この春雨パスタもなかなかおいしかったわよ春雨」
「あ、ありがとうございます」
「本当おいしかったですよ。私ももっといろんな料理について知っておかないと」
「大鯨さんに褒められるなんて………」

大鯨からの言葉が意外だったのか春雨は少し照れていた。

「それにしても平和ね。外海は大変だけど、少なくとも陸は大丈夫ね。
 きっとあの時に戦った皆さんもこんなふうにゆったりとできる平和な時が来ることを信じ、
 命をかけて戦っていたのでしょうね、鳥海……」
「…………ええ……」

イタリアはあの時のあの場所での戦いを知らない。
知らないながらもそういう気持ちで戦っていたのという感じのリタの問い掛けを
裏付けるかのように鳥海は同意していた。

「でも今の私たちは平和な時間をただ過ごしているわけにはいけないわ。
 私たちが戦わなきゃ多くの人達がこんな時間を過ごせなくなるわ。もちろん私たちもね」
「そうなのです。秋刀魚だって、私達が漁船の護衛をした結果手に入ったものなのです」
「私たちが漁船の護衛をしなければ日本中のみんなが秋刀魚を食べられなかったわ」
「雷ちゃん」
「大漁旗作り、今日のノルマは終わったわ。
 パスタ食べて一休みしたら、漁船の護衛に行くわ」

いつの間にか戻って来ていた雷が話に加わっていた。

「そうよ、あたしたちもがんばるよー」
「輸送任務も護衛任務も、頑張ります」

そして他の駆逐艦娘達も雷に呼応していた。

「みんな頑張ってね。私は潜水母艦だから戦う力はほとんどないけど、
 みんなが帰ってきた時のためにおいしい晩御飯を作っておくわね。
 それが今私にできる仕事だから…」

潜水母艦の力が必要なく、秘書艦としての仕事も開発以外ほとんどない今、
彼女が一番にできる事は、おいしいご飯を作る事である。
彼女は駆逐艦でも巡洋艦でも、ましてや戦艦でもない。彼女には戦う事以外の役割がある。
俺もそうだ。提督とはいえ艦娘ではなくただの人間である以上戦う力はない。
だが世界を守る為に艦娘を動かす力がある。
艦娘が成すべき事を指し示す事、それが提督である俺の成すべき事だった。

今日は11月3日、文化の日だ。
俺の誕生日だが祝日なせいで親以外に祝ってもらった事はなかった。
山城に愚痴ったら『私は姉様に祝ってもらえるだけで満足』とか言っていたなあ。
さて、祝日だからといって提督の仕事も休みにはならない。
11月18日には新たなる作戦もある。作戦の詳細こそ未だに不明だが、
何にせよ俺の鎮守府の役目は東海・東南海方面の守りである事に間違いはないからだ。
俺はみんなからのお祝いの言葉もそこそこに仕事を始めた。

「新しい潜水艦娘は来るのでしょうか」
「海女をモチーフにした新しい潜水艦娘は来ないだろうな。提案するのも無理だろうし」

意外と仕事が早く終わったので、今度の作戦でどんな艦娘が来るだろうかと話していた。
新しい艦娘はだいたいが一度はこっちに来る為だ。
駆逐艦はともかく、分類的に珍しい艦は艦隊の運用に大きく響く事だし、
海外艦もドイツとイタリアならともかくその他の国の艦娘が来るかもしれないし。

「どうしてですか?」
「来年伊勢志摩サミットがあるから志摩市が海女をモチーフにした萌えキャラを作ったけど、
 それが海女さん達からいかがわしいとか反発の声があがっていてな。
 だから俺もちょっと前は海女をモチーフにした潜水艦娘のアイディアを出そうとしたけど、
 そんな事したら人々のいらない反感を買うだけだろうからな。
 だから今いる潜水艦娘の特別な衣装という形も無理だな」
「そうですね。ただでさえ私たち艦娘はごく一部とはいえ反感を持たれていますし」
「女性を戦わせているという事もあるが、
 この国は武力を持つ事をよしとしない感情があるからな。
 武力を持つ事によって多国を侵略して過ちを犯した過去を繰り返す未来を恐れて……」
「今は力がなければ大変なのに……」
「だから確固たる意思を持たなきゃいけない。
 戦争の悲惨さを艦から受け継いだ君達艦娘が平和を願う意思を……」

ゴーーン…………

「あ、夕飯の時間ですね」
「今日は長良と木曾がカレーを作っていたな」
「あの子たちが?」
「彼女達も結構料理はできるさ。さあ行こう」

任務は既に終えていて後片付けも終わっていたので
夕食が出来たという知らせを聞いた俺達は食堂に向かった。

「今日は豚肉と牛肉のカレーなのですね」
「いわゆる天下分け目の桑名カレーだ。
 ライスが桑名の長島を表し、両隣のカレーは長良川と木曽川を表しているんだ」
「西日本では牛肉を入れ、東日本では豚肉を入れるんですね」
「長島では牛肉を入れる家庭と豚肉を入れる家庭とで半々くらいでしたね」
「長良川と木曽川で東西が分かれているらしいのよね」

そういえば長良は牛肉派で木曾は豚肉派だったんだよな。
長良は長良川西で生まれ育ち牛カレー文化に馴染み、
木曾は木曽川東で生まれ育ち豚カレー文化に馴染んでいた。
彼女達もそれぞれ長良、木曾の艦娘になる運命だった、と考えるのはちょっと強引かな?

「けど揖斐川の影の薄さはなんだろな。
 一級河川だから無名ってわけではないだろうけど
 長良川と比べたらマイナーだしな」
「仕方ないよ、揖斐川は軍艦の名前にも選ばれなかったんだし……」

長良が少し寂しそうに言っていた。

「あ、いけない。カレーが冷めちゃう!」
「そいつはそうだ。じゃ、いただきます」
「いただきます」

俺達は二人が作ったカレーを食べた。
少し冷まっていたけど、辛さ的にこれくらいが程よかった。

「今日も一日平和でしたね。
 文化の日は晴れが多いって聞きましたけど、
 ちゃんと晴れてましたし」
「そうだな。ただこれが嵐の前の静けさにならなければいいんだがな……」
「そんなこと言わないでくださいよ」

確かに上に立つ人間が下の者達を不安がらせるのはまずい。
私人としての言葉だとしても常に口にしてしまえば
公人としての時につい出てしまいかねない。

「しかし俺もまた一つ歳をとったな……」
「でもまだまだ若いじゃないですか。
 その年齢で提督になった人間はあまりいませんよ」
「そうだけどさ……俺は数年前までどこにでもいるような一般市民だったんだよな。
 それが偶然に偶然が重なっていつの間にか提督になってしまったよ。
 たった一つの功績しか立てていなかったのに」
「でもそこから努力して今に至ったんでしょう」
「提督の名に恥じたくはなかったからな。
 だけどそれでも思うんだ。電や文月、如月や弥生とか、
 あの子達と同じ年齢だった頃の俺は彼女達とは違って
 何もしてなかったんだなって思ってしまってね。
 将来の事なんて考えずに遊びほうけてばかりだったさ。
 君や鳥海だって彼女達と同じ年頃には結構有名だったみたいだし、
 それと比べたら昔の俺は本当に何をしていたのか……」
「別に昔のことなんていいじゃありませんか。
 そんなに取り返しのつかないことをしたわけじゃないし。
 それに……私ちょっとあなたを羨ましいと思っているんですよ」
「俺を?」

意外な言葉に俺は驚いた。

「だって子供の時に子供らしい生き方をしていたじゃないですか。
 私や鳥海さんは時々ですけどもうちょっとだけ遊んでいたかったって思うことがありますし」
「…」
「それにあの子たちに至っては子供らしく振る舞える時間がほとんどないんですよ。
 暁ちゃんは無理して大人みたいに振る舞おうとしてるし……」
「そう考えたら俺自身でこれは駄目だったって生き方も
 他人からしたら羨ましい生き方だったんだろうな。
 ただ自堕落な人間にならずに立派な人間になっていたのだから尚更に…」
「でもあなたのおかげであの子たちが子供らしく生きて行けるんですよ。
 他の提督たちを批難するわけじゃありませんけど、
 真面目に勉強ばかりして育ってきた提督たちの鎮守府は何というか、
 この鎮守府と比べて堅苦し過ぎる感じがしますから」
「まあそういった鎮守府に所属している艦娘は同じように
 真面目で大人な艦娘ばかりみたいだけどな」
「その分この鎮守府に幼い駆逐艦娘が集中してますよね。
 もしかしたら幼い子供を兵として扱ってそれで批難を浴びることがないよう
 この鎮守府に一極集中させたのかもしれませんね。
 戦闘任務はほとんどなくて基本的に護衛・防衛任務が主ですし、
 艦娘の数はここが一番多いということで
 結果的に特定の艦娘に負担がかからないようにしやすいですし」
「確かにな」
「それにあなたの艦隊が一番駆逐艦娘たちが精神的に子供らしさも残した上で
 安定していたってデータもありましたよ。
 艦娘はただでさえかつての艦船の記憶を受け継いで戦うという、
 精神的に辛さを感じやすく肉体にも影響が出る存在ですし、
 ましてや自分というものが出来上がっていない幼い子供なら尚更ですよ。
 だからいい意味でも悪い意味でも子供らしく育ってきたあなただからこそ
 今のこの鎮守府があると思いますよ。
 だからあまり昔のことで考え込まないでくださいね」
「そうだな……君だって昔の苦しかった事と、
 それによって受けた優しさがあるからこそ今の君がいる」
「ええ」

潜水母艦大鯨は起工から僅か7ヶ月で進水した。
人間と一緒には出来ないが、早く進水した理由を考えたら
未熟児と言ってしまっても間違いではない。
未熟児は育ちきらない内にこの世に生まれる為、身体が出来上がってなくて、
そのせいで様々な困難に見舞われるわけであり、
理由は違えど潜水母艦大鯨と同じく7ヶ月でこの世に生まれてきた彼女も
未熟児として様々な困難に会ってきた。
奇しくも彼女は潜水母艦大鯨がこの世に出てきた11月16日にこの世に生まれた。
そんな彼女が大鯨の艦娘となるのは定められた運命だったのかもしれない。

「ふふふっ…………ごめんな、変に暗くなってしまって」
「私に色々と吐き出してスッキリしましたか?」
「ん……スッキリしたよ」
「じゃあもっとスッキリしましょうか」
「え…」

そう言うやいなや、彼女は爪先立ちをしながら俺に抱き着いて唇を重ねてきた。
ただ唇を重ねただけでなく、舌まで入れてきた。
俺も舌で応戦し、彼女と舌を絡め合った。

「ぷはぁ……」

永く深いい口づけが終わった時、互いに強く抱きしめ合っていた。
彼女は顔と声に似合わず意外と大人びた体つきである。
胸だってとても大きい。顔付きが幼いから身長が少し高くてもロリ巨乳と言って間違いないだろう。

「今日は私をあなたの好きにしていいですよ」
「いいのか?」
「遠慮しないでください。私の口でズボズボしても構いませんよ」

そうは言われても言葉通りに好き放題してもいいわけではないだろう。
だが遠慮し過ぎるのも考え物である。
俺は意を決して、既に硬くなっていたちんちんをズボンから出し、
皮を剥いて鈴口を彼女の唇にキスさせて、そのまま突っ込んだ。

「んんっ!」

彼女が一瞬苦悶に満ちた顔をした。
彼女からされる時は彼女自身がフェラチオを自分のペースでする事もあってか
幼く愛らしい顔を女の悦びに満ちた顔をしながら、
輪をかけて幼さを持った、天使のようなかわいい声を奏でる口で淫靡な音を立てていた。
しかし最初からイラマチオを完全に俺のペースで行うのは初めてである。
彼女がそのような顔をするのもやむなしだろう。
俺から言い出したのなら止めていただろう。だが彼女から言い出した事だ。
そう自分に言い聞かせながら俺は彼女の頭を掴みながら腰を前後に振った。

ジュボ…ジュボ……

最初は彼女を気遣ってゆっくりとやっていたが、
セックスのような気持ち良さが俺から理性を奪っていった。

ジュボッ…ジュボッ…

いけない事をしているという自己嫌悪感がますます快楽を生み出す。

ジュボッ、ジュボッ

性感が高まると共に俺の腰の動きも徐々に強くなっていった。

ジュボッ!ジュボッ!

彼女の唇の締め付けが強くなる。だがこれは恐らく拒絶感から来るものではないだろう。

ジュボジュボジュボッ!

唇の締め付け、粘膜同士が絡み合う強く速い刺激に俺は限界を迎えようとしていた。

ジュボッ!!

射精前の最後の突きは全力だった。
掴んでいた彼女の頭を自分に寄せ、腰を思いっきり前に突き出し、
ちんちんは口内だけでなく喉すらも蹂躙していた。

どびゅるっ

彼女の喉奥で俺の欲望は解き放たれた。
俺の亀頭が射精の度に彼女の喉の締め付けに反抗し、それが凄く気持ちがいい。
イラマチオはまだしも、ディープスロートは相手がとても苦しいだろうと思い、
あまりしようとは思えなかったが、快楽の前にはそんな理性などどこにもなかった。

びゅるっ、びゅるっ

「おうっ…あぁっ……ううっ……」

精液を吐き出す度にえもしれぬ快感が身体に伝わっていた。

「んんんーっ!!」

突如彼女の抵抗に合った。彼女が俺の下半身を押したのだ。
その時に力を込めたのか、その一瞬が一番気持ち良かった。

「うおっ!?」

じゅぶっ!

予想外の行為に俺は彼女の頭から手を離してしまい、
彼女が押していた事もあって口からちんちんが快楽と共に外れた。
押し飛ばされて思わず腕を後ろの壁にぶつけてしまったが、
幸いにも木製の壁だったので怪我はしなかった。しかし……

げほっ、げほっ

びゅるっ、びゅるっ

まだ射精が終わってなかった為、目の前で咳込んで座り込んでいて動けなかった彼女に精液がかかった。
愛らしい童顔も、鯨のヒレのようなはねた髪型の藍色じみた黒髪も、
全てが俺の汚らわしい白い欲望に染め上げられていった。
天空に輝く蠍の心臓、アンタレスの如く輝く紅い瞳だけは
彼女が瞼を閉じていた事により守られていた。

びゅっ………びゅっ…………びゅっ…………………………

永かった射精が終わった。半ば呆気に取られていた俺は動く事が出来ず、
同じく動けなかった彼女を穢してしまっていた。
俺は段々と罪悪感、それも快楽を感じさせぬものが沸いてきたが……

「ごめん……なさい……」

彼女は俺に詫びていた。

「全部、飲めなくて……あなたを受け止められなくて…………
 ……あの……気持ち良かった……ですか……?」
「…ああ…………」

俺は正直に答えた。本当は彼女が苦しんでいるのにそんな事を言いたくはなかったが、
俺を気持ち良くしようと精一杯受け止めようとして、
結局失敗してしまい、それでも俺を責めようとせず
自分の責任と感じていた彼女を思えばそれだけを答えるしかなかった。
彼女にそんな態度をさせてしまった事がよっぽど苦しかった事を隠しながら……

「そう……よかっ……………ううっっ!?」
「!?」

突如彼女が口を押さえた。そしてなんと彼女は吐いたのだ。
口の中に残った精液を吐き出したとかではなく、
胃の中にあったものを逆流する感じだった。
昔俺がアホみたいに焼きそばを食べ過ぎ、
烏龍茶を飲み過ぎて勢いよく吐いてしまったように、
彼女はカレーを精液共々吐き出していた。

「はぁ……はぁ……………ごめんなさい………」

彼女は再び謝ったが、俺はそれどころではなかった。

「早く明石に!あいつは医学にも詳しかったはずだ!」
「え…でも……」
「はや………あっ…………」

一刻も早く明石の所へ連れていこうとしたが、彼女に止められてハッと気付いた。
彼女は精液まみれだった。こんな格好じゃ何を言われるかわからない。

「大丈夫か……」
「なっ……なんとか……」
「先に顔とかを洗えるか…」
「ええ…」
「わかった。俺は掃除するから」

俺は彼女を隣の浴室へ連れていった後、汚れた部屋の掃除をした。

「心配しないでください。色々と検査した結果、悪い異常はありません」
「そうか……」

明石の言葉に俺は安堵した。

「それどころか喜ばしい事がありましたよ」
「喜ばしいこと?」
「そう…………おめでたですよ」
「…………本当か!?つまりつわりだったわけか」
「ええ」
「よかったぁ…………」

明石の言葉に木曾と長良が喜んだ。
自分が原因で大鯨に異変があったかもしれないと責任を感じでいたのだろう。
…………さすがに俺の性行為が原因で大事になったなんて事は口が滑っても言えないな。

「でも……大鯨さん、自分が妊娠していたことわからなかったの?」
「生理周期のズレとかでだいたい予想はつくと思うのだけど……」
「ごめんね、生理周期はいつも乱れていたから……」

そういえば艦娘になった女性は精神的にも肉体的にも
何かしらの影響が出るかもしれないとか言っていたな。
大鯨の場合艦娘という戦う力を持った存在でありながら、
強い力を持たない潜水母艦という自分に思い悩み、
それが肉体的にも悪影響を及ぼしたのだろう。
龍鳳にしようとしなかった俺の責任でもあるかもしれないが……

「でも艦娘の妊娠って初めてでしょう。これからどうなるのかしら……」
「艦娘は普通の人間と変わりません。
 でも艦娘であることがどのような影響を及ぼすか……」
「でも大鯨さんは潜水母艦だからよかったですよ。
 潜水母艦だったらわざわざ戦闘に出す必要もないでしょ」
「ごめんなさい…今まで役に立てなくて……」
「別に責めたりはしてねえよ。大鯨には大鯨の役割がある。
 潜水母艦としての役割がなくても、提督や俺たちを支えるって役割がな。
 今までも十分大鯨には世話になってきたさ」
「そもそも戦う力でいうなら司令官はどうすればいいのです」
「そうですよ。だから司令官は司令官にしかできない役割を果たしているのです。
 大鯨さんには大鯨さんだけにしかできない役割を果たしてください」
「ありがとう……みんな…………」

大鯨は涙を流しながら感謝していた。

「でもこれからどうやって他の皆さんに説明するべきでしょうか」
「あくまでも夫婦関係にある中でのことだから隠すことでもないでしょ。
 隠し通せるものでもないでしょうし」
「でもでも、もし上層部が変な考えでも起こしたら……」
「そうね、艦娘の子供なんて初めてだから色々とされちゃうかもしれないし……」
「そんな事はやらせはしないさ」
「ええ、もし上層部が何かをしてくるんだったらその時はその時ね」
「私たちが二人をお守りするのです」
「すまないな」
「みんな……本当に…ありがとう…………」

俺達を思ってくれるみんなの気持ちが本当に嬉しかった。

「司令官!おめでとうございます!」

遠征に出かけていた青葉が勢いよく部屋に入ってきた。

「青葉さん!?」
「いやー、間に合いましたよ。今日中に司令官におめでとうって言うことができました」
「今日中って…」

ふと時計を見た。時計はちょうど午前零時になった。

「青葉さん……あなた、司令官を祝いに来たの……?」
「大鯨さんじゃなくて……」
「えっ、何々、何の話?」

青葉は何も知らないようだ。
どうやら大鯨妊娠というスクープを知ってここに来たわけじゃないようだ。
俺達は事情を青葉に説明した。

「そんなことが……大鯨さん、おめでとうございます」
「ありがとう青葉さん」
「ところで今何ヶ月ですか?」
「今……そういえば何ヶ月かは聞いてなかったな。明石」
「今三ヶ月よ」
「三ヶ月……うなぎを食べた土用の丑の日にでも」
「如月…」
「ふふっ」
「まあそういうことはデリケートなことなのであまり聞かないようにしましょうね」
「青葉さんったら、意外と礼儀をわきまえているのね」
「信頼が大事ですからね。
 さて……司令官、今のお気持ちは?」
「嬉しいに決まっているじゃないか」
「そうですよね。では大鯨さんは?」
「聞くまでもないと思いますけど……」

尋ねられた大鯨は一旦間を置いて答えた。

「し・あ・わ・せ。幸せです」


―終わり―


+ 後書き
166 :名無しの紳士提督:2015/11/03(火) 20:12:01 ID:LCrcYi5I

以上です。今回長い上にエロも少なくてすみません。
その分いつも書かないような内容で濃い目にかいたつもりです。
パスタの日については鳥海のSSを書いていた時点では知らなかったのでそこに入れられず、
今回無理矢理に近い形で入れました。
まあパスタの日を知らないままでもカレーの話が入っていたでしょうけど……

エロを考えるのが微妙に苦手で時事ネタとか絡めたりして書いていたので
もしこれから書くとしたらマンネリにならないようにしないといけないので結構むつかしそうです。
それでもネタが出てくる限り書き続けるでしょうけど。

もし今度のイベントで心の琴線に触れるような艦娘がいなかったら
次の長編は鳥海ちゃんの別設定のお話になるでしょう。それではまた。

これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2016年08月01日 16:41