鎮守府慰安労働 小ネタ 18-790

790 :鎮守府慰安労働 小ネタ:2016/03/25(金) 01:58:24 ID:zt1KVnD2

鎮守府に夜が訪れた。
普段は出撃で忙しない鎮守府も、この時ばかりはそれぞれ落ち着いた時間を過ごす。
夜戦や夜間遠征を行う部隊を除けば、艦娘たちは思い思いに自分の時間を楽しんでいた。

姉妹艦たちと談笑にふけったり、座学に勤しんでみたり。
己の技術を磨くために夜間演習に励んだり、秘書艦として提督と共に過ごしたり。
東は鳳翔のもとで夕食後の手伝いをするなど、艦娘だけに限った話ではない。
時間の過ごし方はそれぞれでも、憩いのひと時である。
普段の戦闘が嘘のようなのどかな時間が約束されていた……はずだった。

「そんな……こんなものが、どうして東さんの部屋に!?」
「これはびっくりですね。スクープです!」
「あ、こら! 青葉っ!」

東の部屋から掘り出された宝物を手に、喜々として青葉が走り出した。
止める古鷹の声も気にしないまま、その手には数冊の本が握られている。
青葉の背中を見送ることしかできない古鷹だったが、自身の手にもある本を見やった。
それは東の部屋に落ちていた本、しかしただの本ではない。

「男の子なら普通って言いたいんだけど、これは違うよね?」

思わず独り言をこぼしてしまうほど、東の部屋に落ちていたものは衝撃的だった。
健康な青年の部屋から出てくるのは何ら疑問も持たない、早い話が春画本である。
そうだとしても一冊一冊が薄く、同時に内容が古鷹の言葉を奪い去った。

「みなさ~ん! スクープです、東さんの部屋から拾ってきましたよ~!」
「い、いやああぁぁ! 何てものを持ってくるのよ、バカ!」

青葉の声に続いて廊下から響いたのは五十鈴の絶叫にも似た声。
勢いあまって殴られないか気を配っていると、続けて別の声が響く。

「何々!? 夜戦の話だったら私に、も?」
「あ、川内さん! これ、東さんの部屋から見つけてきたんですよ!」
「うわぁ……」
「思ったよりドン引きですねぇ!」


夜戦大好きな川内がドン引きする声と、ますます楽しそうに声をあげる青葉。
今の調子なら明日にもこの話題は鎮守府中の噂となるだろう。
翌日の東に同情を覚えながらも、古鷹の目は本に向けられていた。

「逆レイプ、東さんもこういうのが好きなんでしょうか」

手に持っている本だけではなく、青葉と共に掘り出した本の全てがそういった趣向のもの。
男が女に責められる本、女に道具で責められる本、明らかに妖怪じみたものと交わる本。
恐ろしい冊数の極めてニッチな本が、これ見よがしに部屋に置かれていた。
個人の嗜好と言ってしまえばそれまでだが、問題は慰安労働を行う東の部屋にあったこと。
黙って見過ごすに見過ごせないしこりが、古鷹の中にあり続けた。

その頃、東の部屋が見える廊下の窓の外。

「フフフ、計画成功。これも艦娘たちの戦意高揚のため、悪く思うなよ、東」

怪しい笑みを浮かべ、提督は一人夜闇に消えていくのだった。


+ 後書き
792 :名無しの紳士提督:2016/03/25(金) 01:59:40 ID:zt1KVnD2
以上、機会があればまた。それでは

793 :名無しの紳士提督:2016/03/26(土) 23:49:01 ID:cm1DQCjY
艦娘の力なら逆レイプなんて容易いことなんだろうな。


これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2016年10月05日 16:10