〈ドレッドノートドレス〉

作品名:叛逆のドレッドノート
使用者:新宮百華、岩代零

叛逆のドレッドノートに登場する武器。
煉機器の一つ。形状はドレス。
“自由”の制限特性を持つドレス




武器についての詳細

来歴

  • 史上最高のマイクロマシン数を内蔵した煉機器
    • 常人の50倍以上の煉気を持つ使用者ですら使いこなせない。
「あぁ……。どこからを、できる、というかによるけど。わたしでさえ、ママの大傑作〝単一
煉機器として史上最高の構成マイクロマシン数を誇る〟〈ドレッドノートドレス〉の全性能を
引き出せてる気はしないし。でも、扱いやすい汎用煉機器なら、基本的な操作くらい零ならあ
まり手間取らないでしょ」
  • 未来を見たことで本来より先んじて作られた
「一花と俺のチームが〈ドレッドノートドレス〉や〈ドゥームズデイダークネス〉に代表され
る強力な煉機器──あぁ、一花の〈ドレッドノートドレス〉の基本設計を米国の関係機関に流
すことでイレーネの〈ドゥームズデイダークネス〉を完成させたのは、俺だよ。俺は、一花も
了承していたが、特定の機関に忠誠を誓ってるわけではないからね。とにかく、強力な煉機器
をいくつも開発できたのも、俺が〈キャンセラー〉や〈ドミネイター〉などで、いま、トレー
デキムだけじゃなく世界中の関係機関から熱烈なアプローチを受けはじめているのも、そうや
って未来の百華の記憶を〝見た〟おかげだな。そもそもDDは百華が死ぬいくらか前にようや
く完成するはずだったし」

形容

  • ブラウスとのツーピースに見える赤いドレス
    • 通常時は使用者が好んでこの形にしておく。
    • ただし自在に形状の変化が可能なため、ぬいぐるみやそのほかの物体にも変わりうる。
〈ドレッドノートドレス〉はマイクロマシンの集合体である煉機器なので、その気になれば自
在に姿を変えられるし、分離だってできるし、外に持ち出すときは〝赤いリボンのぬいぐるみ〟
といったコンパクトな縮小形態にもできるが、通常形態はあくまでも〝ブラウスとのツーピー
スに見えるデザインの、ひとつながりドレス〟であり、百華は基本的に脱いでもその可憐な姿
のままにしておくのを好む。どのみち傷まないし汚れもしない。

〝自由〟

  • 自由に形を変え、エネルギーを生み出すことができる
    • 使用者の意思とイメージに応じて形とエネルギーを生み出す。
 正確には、百華はDDの翼で羽ばたいてではなく、百華の煉気をDDが変換して生まれるエ
ネルギーで飛行しているので、そういう動作自体、百華のイメージ力を補完する意味合いがお
おきい。

+ 飛翔翼
  • 飛行・浮遊を可能にする翼
    • 何らかの力場が発生しており、浮力を生成している。
 運動エネルギーが無理やりせき止められる衝撃が駆け抜けて、それが収まると、今度はゆる
りゆるりと心地よい遅さで落下が再開する。視線をめぐらせると、零の首根っこを摑んだまま
の百華が赤いドレス──彼女専用煉機器〈ドレッドノートドレス〉から再び、鳥のようでもな
く皮膜でもない無機質な匂いのする赤い翼を生やしている。零は単に翼の空気抵抗だけではな
く、目には見えない力場にやさしく抱きとめられていることを感じた。
  • 高速飛行を可能とする
    • 衝撃波やGなどの負荷も〈ドレッドノートドレス〉が軽減していると思われる。
 零が目を離したわずかなあいだに、百華は砲形態を解除しいったいどれだけの速度で飛んで
移動したのか。《学園》の生徒たちが持つ煉機器の制限特性に飛行関連のものが非常に少ない
のは、空を飛ぶ蛇の種類がかなりかぎられているためでもあるが、煉機器に高機動で飛行する
能力を与えることはできても、使用する〈子供たち〉の人体のほうが対応しきれないからとい
うのがおおきいらしい。あんな急加速で飛んだ百華に通常だったらどれだけの負担がかかるの
か、それを〈ドレッドノートドレス〉でどう抑え込んでいるのか、身体能力自体は超人でもな
んでもない百華の意識と五感がどうやって対応しているか、それぞれ零には予想もつかない。
とにかく、暴れながら海面をすべるようにして飛ぶ蛇の背で、百華は右手をその皮膚が焦げて
剝き出しになった肉へ押し当て──。


+ 金属の赤い薔薇:「砲撃」
  • 薔薇の花弁状の「砲口」
    • 分裂すら赤色の光条を放つ。
      • 分裂後の軌道は不規則で回避困難。
(前略)その右腕に、真
紅の片翼が無数の蔓のように変化してしゅるりと巻きつき、金属の赤い薔薇の花を咲かせて形
成されたそれが、琥玲子の〈イモータルファイア〉のような〝砲〟であることも。
 それでもその蛇は咄嗟に回避行動を取ったのかもしれなかったが、加速しすぎていたのと、
なにより百華が右手から撃ち出した真っ赤な光線が一条ではなく十数条にわかれ不規則な螺旋
を描いて走ったためにかわせるはずもなかった。


+ 竜の鉤爪
  • 抉る金属の爪
    • 対象を大きく抉る破壊力を持つ。
 そのときにはすでに〈ドレッドノートドレス〉は姿を変えて、真っ赤な竜の鉤爪と化してい
た。それをイレーネの、こちらも鉤爪状に変化した〝闇〟が受け止め、激しい金属音と衝撃波
がまき散らされる。イレーネは百華のその一撃をふせいだようだったが、代償に〝闇〟はおお
きくえぐられた。


+ 巨大な鎌
  • 大斬撃の鎌
    • 高速回転と共に薙いで刈り取る。
 真っ赤な片翼が岩石でも刈り取りそうな巨大な鎌となって、半泣きになった百華の高速転回
に合わせてイレーネの〝闇〟の盾をおおきく薙いだ。〝闇〟の一部が半ばまで切断され、黒髪
がばらばらと散るが、空中戦の風圧であっという間に吹き飛ばされる。


+ 障壁
  • 防盾
    • 攻撃を弾くシンプルな防御。
 百華が業平に叫びながら、しかしまずはそちらを対処しなければどうしようもないと思った
のか、イレーネが背から伸びる〝闇〟を──長く広くうごめく髪の一部を巨大な鎚に変えて振
るってくるのを赤い障壁で弾き飛ばし、イレーネへと急降下する。


+ 光の槍
  • 光と熱の投槍
    • 着弾して焼き尽くす。
    • 使用者は触れていても平気だが、同行者は影響を受ける。
(中略)いつの間にか百華の右手に
は巨大な光の槍が握られている。百華に守られていてなお零が頰にちりちりしたものを感じた
ほどの熱量。百華はそれを容赦なく真下のイレーネへ投げつけた。無尽蔵かと思える〝闇〟が
両サイドからイレーネを覆ってその熱の槍を受け止めた。〝闇〟が焼け、槍のほうも一瞬でエ
ネルギーを使い尽くして消滅する。


自動修復&洗浄

  • 使用者の煉気をエネルギー源に修復、洗浄する
    • 戦闘や経年による劣化、破損、汚染を無視できる。
 服越しに伝わってくる、どくん、という百華の鼓動。「DDはわたしの煉気をエネルギー源
に自己修復できるから。それでわたし、DDを常に代謝するように設定してるから。汚れても
すぐに新品どおりよ。じゃなかったら、いくらなんでも毎日着てるわけにはいかないでしょ」

快適環境構築

  • いかなる環境でも快適な状態を維持する
    • 猛暑の南国でも着たまま過ごせる。
「──あっつぅ。冷水のシャワーでも浴びたい……。百華はいいな。その〈ドレッドノートド
レス〉で体感温度調整して、暑くなくしてるんだろ?」
「あれ? 前に言ったっけ? いいでしょ? このランプ島でひとりだけエアコン状態よ。つ
いでに余分な紫外線もカットしてる」


使用者との関連性

新宮百華の場合

  • 桁違いの自由度を制御する莫大な煉気が必要
    • 制御が可能な煉気の持ち主でも自分の意志に慣らし運転が必要。
 零が目にしただけでもその機能は多岐にわたりすぎる。ほかの煉機器とは一線を画しすぎて
いる。以前、百華のCIとともに聞いた。その制限特性の内容は、圧倒的な構成マイクロマシ
ン数とそれを操るに足る百華の強大な煉気があってはじめて成立する、百華の意志に〝ならし〟
を加えて完全なマニュアルよりは扱いやすくする、というだけのもの。

岩代零の場合

  • 同じ波長の煉気の持ち主
    • 分裂した〈ドレッドノートドレス〉の切れ端を操作できる。
 この世でただひとり、零にしかできない芸当だ。百華の専用煉機器化しているDDを、自身
の煉気で操作する。世界最強の煉機器。百華のためだけのワンオフ品。共振錯覚を起こすほど
そっくりな波長を持っているから。百華が自身の制御下から離した、ごく一部なら、零程度の
煉気でもなんとか操れる。DDを操る百華の感覚を、零は〝見た〟直後で我がものにしていた。



関連項目

〈ドレッドノートドレス〉の武器分類。

〈ドレッドノートドレス〉を模して作られた煉機器。

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最終更新:2019年04月29日 14:11