アリスが引き金を絞ると、雲を割り、天空に巨大な炎の鳥が出現する。わたしの銃身の下
に、緑色の光で描かれた円塔筒のようなものが現れる。筒から緑色の光線が放たれる。アリス
は光線をゾォードに当てたが、何も起こらない。これは測定器だからだ。
《駿馬》によって遅く見えるはずなのに、フェニックスが超高速で急降下していき、口か
ら無数の火の玉を吐き始める。数発、どころの話ではない。数百いや、数千発だろうか。翼か
らも巨大な炎球を透過する。炎球は空中で分散して、空を覆う炎のカーテンとなって降りそそ
ぐ。標的は──緑色の光線の先にいる、ゾォードだ。