両儀(空の境界)

作品名:空の境界
使用者:両儀 式

奈須きのこ作品空の境界に登場する能力。超能力の一つ。
多重人格者が人格ごとに能力を専門化することで汎用性を極める能力




能力についての詳細

来歴

  • 旧い退魔の一族
    • 人間以上の人間を作りつつ、普通の人間として社会に溶け込もうとした一族。
      • その結果、将来的に両儀式のような存在が生まれると確信したため両儀と名乗った。
 両儀家は浅神や巫条といった旧い家柄の一つだ。
彼らは人間以上の人間を作ろうとする一族で、それ
ぞれの方法と思想で跡継ぎを産み出した。自分達の
家の〝遺産〟を継承させる為にな。
 とりわけ両儀の家はおもしろい。彼らは超常的な
能力ではいずれ文明社会から抹殺されると解ってい
た。だから表向きは普通の人間として生活できる超
能力を考えた。(以下略)

多重人格能力

  • 人格一つに専門的な能力を与えてあらゆる分野のプロフェッショナルになる能力
    • 中東の暗殺者が全く同じことをしている。
      • こちらは後天的に人格を増やす手法。
「それはどんなに優れた肉体・素質をもっていて
も、一つの人間には一つの事柄しか極められないか
らだ。高所に行けば行くほど、それ以外の山は登れ
なくなる。
 両儀家はそれを解決した。一つの肉体に無数の人
格を与える事によってな。パソコンと同じだ。式と
いうハードウェアに幾数幾百というソフトを入れれ
ば、あらゆる分野でのプロフェッショナルが誕生す
る。だからアレの名前は式なんだ。式神の式。数式
の式。決められた事だけを完璧にこなすプログラ
ム。無数の人格を持ち、道徳観念も常識も人格ごと
に書き換えられるカラの人形―――」

根源接続者

  • 汎用性を極める人格を生み出すために全てと繋がる肉体を作った
    • 人格ではなく肉体が根源と接続している。
      • 太極である『 』から得意な分野に通じる人格を生み出そうとして肉体が根源と接続している。
 両儀式。両儀家は汎用性を極めた人間を作り出す
為、器としての肉体はカラの者を産み出そうと年月
を重ねてきた一族だった。カラという事は「 」と
いう事だ。彼らは自分達がどれほど危険な事をして
いるかも気付かず、式という「 」に通じる肉体を
生み出してしまった。

+ 肉体の人格
  • 根源と繋がる肉体が持っていた人格
    • 通常ならば脳を形成した時点でなくなる肉体の知性が両儀の特性で残り続けた。
      • 人格交換も肉体を介して行われるため、肉体から式・織を呼び出しているに過ぎない。
「つまりはそういうコトよ。わたしは知性が作り出
した人格じゃなくて、肉体そのものの人格なの。
 式と織は、結局『両儀式』という大元の性格の中
で行なわれる人格交換。それらを全て司っているの
は『両儀式』よ。彼女たちが両儀であるのなら、太
極があるのは道理でしょう? 太極をかたどるも
の、円という輪郭がわたしなの。
 わたしは、わたしと同格のわたしを作った。い
え、意志という方向性がある以上、彼女たちはわた
しより高位なわたしかしらね。ふたりが異なる人格
であろうと思考回路が同一だったのは、彼女たちが
結局『両儀式の中の善と悪』だったから。発端はわ
たしであり、また、その結論もわたしにある。そう
しなければ異なる方向性の彼女たちが両立できるは
ずはないものね」


使用者との関連性

式の祖父

  • 人格同士で殺し合いの末に発狂した
    • 基本的に相容れない人格が潰し合い、自己を曖昧にしてしまう。
 自らの内に異なる人格を持つ祖父は、そのために
自らを痛めつけ、潰し合い、否定して、自己が曖昧
になってしまった人物だ。
 長く。もう、二十年近く座敷牢に幽閉されていた
祖父は、今際の際に私を呼んで、遺言を告げた。

両儀式

  • 殺人衝動の織と殺人嗜好の式の二重人格
    • 衝動の織を理性である式が抑圧することで殺人行為を抑えていた。
      • 起源が『虚無』なので式も殺人行為への渇望はある。
    • 事故で織を亡くし、式であった頃の記憶さえ他人の物としか実感できなくなった。
 かつて、私の中には殺人を嗜好する抑圧された人
格である織がいた。同じシキという発音を持つ彼
は、私の中での悪だったのだと思う。
 彼にとって、『殺害』という意志は関わる物すべ
てに抱く初めの感情だった。とにかく、知り合った
者は分別なく殺したがる。私はそんな彼を何度も何
度も心の中で圧し殺してきた。
 一人の人間が一つの人格の中で自己の欲望を抑圧
するのではない。本当に、私は私と同じ私を殺して
きたのだ。


元ネタ

両儀
『易』の宇宙生成論において万物の根源である太極から生じた二極のこと。
天と地だという説と陰と陽だという説がある。
両儀は『周易』繋辞上伝において
「易有太極 是生兩儀 兩儀生四象 四象生八卦 八卦定吉凶 吉凶生大業」
(易に太極あり、これ両儀を生じ、両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず。八卦は吉凶を定め、吉凶は大業を生ず)
と記載され、根元の太極から万物を象徴する八卦に至る中間の過程として表れる。


関連項目

中東の暗殺者の能力。
同じく人格を増やすことで万能に到ろうとした。

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最終更新:2023年11月08日 22:16