無に帰した本来のブリテン島からしてみれば、
気持ち悪くて仕方がない。
それこそ、『厄災』をバラまいてでも、
根絶したくなるほどの。
とはいえ、ケルヌンノスは別だ。
アイツはアレでも妖精擁護派だった。
アイツが消えてくれないかぎり、
俺は地上には出られない。
モルガンはケルヌンノスを倒すのではなく、
封じる事で妖精國の"前提"にした。
細長い体、すべてが空洞になっていて、頭(というか、上部分)から掃除機のようにいろんなものを『かみ砕く・吸い上
げ』て体内に通し、食べられたものはそのまま永遠に落下し続けていつか塵になる、というイメージ。
なので『頭』部分はありますが、『尾』の部分は霞んでいて描写されません。地平線の向こうに霞んで見える、ぐらいでし
ょうか。
とはいえ、見ての通り概念の虫だ。
ブリテンを滅ぼし、星を裏返す無限の穴。
まあ、果ての無いウロだと思えばいい。
はい。我々の方が……
空間そのものが、あれに向かって落ちている。
仮に、我々がこの空域から離脱できたとしても
意味はありません。
『栓』が開いた以上、地上にあるものは
すべてあの『穴』に落ちていく。
まさに"落穴"───ピットフォールだ。
世界そのものを落とす『穴』とは、
予想だにできなかったが。
奈落の虫……ヴォーティガーンにとって、
聖剣は糧であり、同時に毒になる諸刃の剣。
あの傷では、二度と這い上がってくる事は
ないでしょう。
ここでは簡易召喚もできない。
なにしろ『人類史なんて絶対見ない空間』だ。
英霊なんて一ミリも記録していない。
あれ? 生きてた?
おっかしいなあ。ここ、奈落なんだけどな。
もしかして君、『失意』をもう乗り越えてる?
なら目を開けられるのも分かる。
まあ、そっちのがきつい死に方だと思うけどね。
いま、君たちは果ての無い空洞を落ちている。
『奈落の虫』の胴体は無限なんだ。
呑まれたものはどこまでも落ちていく。
終着点はない。永遠に。
無限だからな。一度呑まれたら、
『入口』も『出口』もない。それで終わりだ。
どんなに強い生命、どれほど優れた生命だろうと、
この『空洞』から出る事はできない。
俺を殺さないかぎりは。
だがここで目を覚ますヤツもいない。
みな、『落ちていく夢』の最中だ。
目を覚ませば君のように見えるようになるが、
たいていは落下し続ける。
俺はそっちの方が幸せだと思うけどね。
下手に意識があると地獄だよ。
+ | 宝具としての性能 |
俺はおまえたち汎人類史が創りあげた空想、
妖精王オベロンのカタチでこの姿になったもの。
神秘の時代の終わりと共に、
自らの破滅を望んだブリテン島の意思の具現。
───名をヴォーティガーン。
だが皮肉なことに、島は『古妖精オベロン』として出力したが、モルガンによって混入してしまった汎人類史の影響で
『妖精王オベロン』としての霊基を被ってしまった。
オベロンがモルガンに対して辛辣な態度を取るのはこれが原因だ。
「そりゃあ君、文句の一つも言いたくなるだろう? 本来ならアルビオン級の竜として生まれていたかもしれないのに、
嘘しか吐けない下級妖精なんだぜ?」
*1 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第29節
*2 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第29節
*3 Fate/Grand Order material ⅩⅢ P236
*4 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ
*5 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第30節
*6 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第30節
*7 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第30節
*8 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第30節
*9 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第30節
*10 Fate/Grand Order 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 第29節
*11 Fate/Grand Order material ⅩⅢ P236