血の伯爵夫人

エリザベート・バートリー
作品名:Dies irae
使用者:ルサルカ・シュヴェーゲリン=マレウス・マレフィカルム、遊佐 司狼

神座万象シリーズに登場する武器。
聖遺物のひとつ。形状は日記。
エリザベート・バートリーの拷問日記。
拷問に関する妄念が詰まっており、"形成"位階では複数拷問処刑器具の形態も特異な形を取る。
ルサルカが使用する場合は事象展開型の聖遺物として遠隔で虚空から複数の拷問器具を出現させる
遊佐司狼が使用する場合は人器融合型の聖遺物として人体から拷問器具を発する
作中で登場した拷問機具は鎖,針,車輪,桎梏,短刀,糸鋸,毒液,椅子,漏斗,螺子,仮面,石板,振り子型のギロチン。




武器についての詳細

来歴

  • エリザベート・バートリーの日記
    • 拷問器械(ペインアート)を使った拷問の日々を綴っている日記。
    • "形成"位階では日記に記載された拷問器械を操ることが可能となる。
 名を血の伯爵夫人──血を抜き、集めることに特化した、狂った伯爵夫人
のコレクション。
 晩年、窓一つない自城の密室に幽閉されて、死に直面した彼女が綴った悪
夢の手記だ。
 あらゆる拷問具と拷問法が網羅された、それは血と絶叫に彩られた阿鼻叫
喚の呪書である。

共通性能

  • 総ての拷問具を破壊されなければ聖遺物の破壊にならない
    • "形成"位階ならばダメージのフィードバックがある。
    • "創造"位階以降ならばダメージは皆無。
「でしょうね。まあそれでも、形成位階の頃は顕現させた拷問器具のダメー
 ジも、あたしの肉体にフィードバックしてたから、さほど万能ってわけで
 もないのよ」

 (中略)

 視界を埋め尽くした鎖の波濤を寸断していくものの、まるで効いている気配
 がない。


事象展開型時の能力

拷問具召喚

  • 日記に記されている情報から拷問具を召喚する
それ自体を武器として振り回すのではなく、それを魔道たらしめている記載情
報を用いて発現するイカレた絵本。そう考えた瞬間、俺の中で一気に全ての辻褄が合い始めた。
鉄の処女。拘束用の鎖。赤黒い棘。
今までルサルカが出した獲物、その全てに共通していたのは──
「拷問具っ……そうか、そいつに記されているのは!」
「ええ、ご明察。わたしの聖遺物はエリザベート・バートリーの日記なのよ」
「彼女が晩年、それらの拷問器具を使用して愉しんだ経歴が赤裸々に書き綴っ
 ているわけ。だから、ねえ、あとはもうわかるでしょう?」

召喚した拷問器具

+ 車輪
  • 直径五メートルの車輪
    • スパイクが付いているため、道を砕きながら移動する。
    • 時速360~600キロメートルで移動している相手に追いつく
 車輪である。そうとしか説明できない。
 直径五メートルにも達するそれは、禍々しいスパイクでアスファルトを噛
み砕きながら、やはり前方の存在を追っていた。

+
  • 長く伸びる鎖
    • 追跡して対象を捕らえる。
現れたのは、長く歪な鉄の鎖。まるでそれ自身に意志があるように、加速し
た俺の動きを追尾してくる様は、情念にも似た念を感じさせた。

+ 石板
  • 圧殺と刺殺の石板
    • 石板は棘で覆われている。
      • 左右から2枚の石板で押し潰して圧殺する。
      • 石板で押し潰すことで棘を刺し、刺殺する。
疑問は一瞬。出現した表面を棘で覆った巨大な石壁を前に霧散する。
右側と左側に一つずつ、刺殺と圧殺を両立した処刑具が高速で閉じきる前に、渾身こめて跳躍した。

+ 鋼鉄の処女
  • 対象を捕食するアイアンメイデン
    • 対象を抱擁して串刺しにした後にそのまま喰らう。
影の中から、鋼鉄の塊が実体を持って立ちあがってくる。それは乙女を模し
た拷問具で、抱擁するように腕を開いて……

+

巨大な石板と、針と呼ぶにはあまりに長く鋭い槍のような金属塊が襲い掛か
る。石板を躱し、針を振り払おうとした俺の左腕から肉が消えた。

(中略)

針は触れるだけで、まるで酸のように服を溶かし肌を焼く。

+ 振り子型のギロチン
  • 縦に人間を断つギロチン
    • 弓型の振り子刃の拷問器械。
 獣の身体が崩れ、その内部から現れたのは、弓形のやいばを持つ、振り子型のギロチンだった。
ルサルカがギロチンの背に乗る。中空より出現し、ぶらぶらと揺れるギロチンは、十字架の
モンロー目掛け、大きく揺れる。

+ 拷問具のレギオン
  • 形成で出せる拷問処刑機具の集合体
    • 各拷問処刑機具を鎖で繋げ、更に自身の創造と組み合わせることで捕まえることも容易くなる。
 獣の四肢であった。
 影の中から出現したのは、刃の如き爪と強靭な脚。爪が引き寄せた魔女の肉体を、容易に
切り裂いた。

(中略)

 獣の爪は腹かっさばく刃であり、獣の四肢は人を叩き撚る道具の数々であり、獣を繋ぐのは、
人を捕らえる鎖と人を喰らう食人影。
 ルサルカが呼び出したのは、拷問器械で創り上げた鉄と血の魔獣だった。黒円卓には巨大な
聖遺物を使い、破壊的な創造を振るう者がいる。彼らに対抗し追いつくために、このような術
式をルサルカが考案していたのは、ごく自然なことだ。
 獣は次々と魔女を喰らっていく。喰い続け、動き続ける。この獣を動かすには、人並み以上
の魔力や魂を持つ獲物が大量に必要なのだ。


人器融合型時の能力

拷問器具の放出

  • 人体から拷問器具を具現化させる
    • 手から鎖、腹から鋼鉄の処女等、人体の至るところから拷問器具を出せる。
    • 所有している銃の弾丸等に拷問器具の力を付与できる。

+
  • 一息で射程距離限界まで伸びる鎖
 鎖が走る。蛇行するそれは一息で二十メートルまで伸びきった。裏を返せ
ば、それが現時点における射程距離の限界なのだが。
  • 10トンの張力に耐える。
 徐々に、徐々にだが引き寄せられる。実にこの時、鎖にかかる張力は悠に
十トンを超えていた。

+ 聖遺物の弾丸
  • 毒液、針の銃弾
    • 毒液は触れた対象を融かす。
    • 針は命中までに爆裂して針の散弾となる。
 ただの弾丸なら躱すまでもないのだが、これはまったくの別物だ。
 一発一発に、聖遺物の特性を乗せている。
 まだ癒えきっていない腕の銃創こそがその証。

(中略)

 散弾のように飛び散ったそれは、数十を超える針と化した。一撃の殺傷力
こそ低いものの、目にでも中ればただではすまない。当然、狙いはそこだろ
う。

+ 鋼鉄の処女
  • 体内に作り出せる口
    • 口の内部は鋼鉄の処女のように無数の牙が生えている。
      • 口に入ったものを串刺しにして血肉を喰らう。
 呟く司狼の胸には、巨大な穴が開いていた。外周に無数の牙を生やしたそ
れは、さながら魔物の口である。そこに入った者は串刺しになり血を搾り取
られ、比喩ではなく食い殺される死の顎。
 血の伯爵夫人の代名詞とも言うべき、最悪の拷問処刑具──
 その名を、鋼鉄の処女。
  • 喰らったものを糧にして回復できる
    • 破壊された他の拷問処刑具も復元可能。
    • 回復・復元には時間が必要。
 胸に攻撃を受けたのも、ここへ誘い込むための罠にすぎない。おかげで安
くない傷を負ったが、食い千切ったヴィルヘルムの腕を糧にすれば復元する
ことも可能になるのだ。


元ネタ

エリザベート・バートリー
チェコのハンガリア城に住んでいたという伯爵夫人。
拷問器械で多くの少女を殺し、その血を啜ったことから吸血鬼のモデルにもされたことがある。
有名な拷問機具のひとつ、「鋼鉄の処女(アイアンメイデン)」も彼女が製作させたとされている。


関連項目

血の伯爵夫人の武器分類。

血の伯爵夫人から発動する"創造"

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最終更新:2020年04月19日 16:32