リライト

 rewrite
 re(再び)write(書く)であり、つまりは「書き直し」のことでる。

 このページではライトノベル作法研究所におけるリライトについて語る。

 普遍的な意味でのリライトは、あくまで上記に準じ、「書く前の文章が誰のものか」及び「誰がその文章を書き直すか」を指定しない。「作者が自分の作品を見つめなおして改稿する」こともリライトであるし、「批評人が他人の文章を『こうした方がいい』と書き直す」こともリライトである。
 しかし、ライトノベル作法研究所、及びそのヲチ板においてリライトという言葉を使用した場合は、後者を指す場合が多い。
 また、これを行うものをリライターと呼ぶ。

ライトノベル作法研究所におけるスラングとしての「リライト」

 先に述べたが、ライトノベル作法研究所、及びそのヲチ板においてリライトという言葉を使用した場合は、「批評人が他人の文章を『こうした方がいい』と書き直す」ことを指すことが大半である。

 ただし、こうして用いられる場合、この言葉には多かれ少なかれ侮蔑の意味が込められる。
 ゆえに、同じく「批評人が他人の文章を『こうした方がいい』と書き直す」ということを行っても、その批評人に元の作品への敬意が感じられるなど、反感を誘発しない体裁が整えてあるものであれば、これを用いない。
 あくまでここで使われる「リライト」という言葉は、これを行った批評人の態度や人間性を批判するためのものである。
 すなわち、「けっ!へったくそな文章書いてやがんな。ほーらオレ様がもっといい文章書いてやんぜ、ありがたく受け取りやがれ」などという真意が透けて見えたりすると、使用されるのである。

実際のリライト

 ただ「書き直し」と言っても、それはピンからキリまである。
 それらで「リライト」に該当するもの、しないものを、大雑把にだが分類する。

該当しないもの――誤字・誤用・誤変換の指摘

 例えば

彼女はその釣りあがった相貌に殺意を込め、以上とも言える熱心さで男の後を追った。

 という文章があったとする。
 ここに含まれている明らかな日本語としての誤りを指摘し、

彼女はその釣りあがった双眸に殺意を込め、異常とも言える熱心さで男の後を追った。

 と書き直して見せることは、リライトには該当しない。
 本来の文章を尊重し、基本的な部分に改変を加えていないからである。

該当するもの――独自の改変

 例えば同じく

彼女はその釣りあがった双眸に殺意を込め、異常とも言える熱心さで男の後を追った。

 という文章があったとする。
 これを「情報が少なくて物足りない」「もっと別の書き方もある」と述べ、

少女はその美しい顔に不釣合いな、ギラギラとした殺意の色を双眸に浮かべて、執拗に、執拗に、ひたすら執拗に、憎っくき男の追跡をした。

 と書き直して見せることは、リライトに該当する。
 本来の文章を尊重することなく、明らかな改変が加えられているからである。
 これは前者と後者でどちらの文章が上手か下手かということを問題にはしない。
 作品は、ただ一行の文章のみで作られるわけではない。前後、あるいは作品全体にとってその一行の役割というものがあり、その中でのバランスというものがある。批評人の自己満足でそれを勝手に改変したところで、それは「本来の作品」というものをないがしろにしているだけである。

  • 例・Sour Grapesが初めて登場した際の書き込み

Re: 序章の批評・添削をお願いします (No.4557 への返信) - Sour Grapes

 薫風は初夏の風、気候によりけりですがセーターは暑いかも。
 麗らかは、空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさま。どちらかと言えば春。それには少し風が強すぎるかも。


 暖かい風が、撫でるように丘を吹き抜けていった。さわさわと草が擦れ合う音は、優しく穏やかな旋律を紡ぐ小さな音楽になる。

 優しく撫でるように一陣の風が丘を吹きぬける。さわさわと揺れて音をだす草はまるでやさしい音色を紡ぐ楽器のようだ。

 そんな麗らかな丘に、一つ影が落ちていた。

 よく見るとそんな草原に一つの黒い影があった。

 黒いハイネックのセーターと濃紺のスラックスを身につけた、髪の長い少年だった。大人びた雰囲気を持っているが、まだ少し外見に幼さが残っている。

 黒いハイネックのシャツと濃紺のスラックスに身を包んだその人物は長髪を肩までたらした若い男だ。大人未満、少年以上、まだひげが柔らかい。

 肩に掛かる髪を押さえていた腕を、風が止むのと同時に下ろした少年は、伸びをしてから丘の傾斜にゴロンと寝転んだ。空には太陽が白く輝き、大小様々な雲がビュンビュンと行き交う。

 男は風がやむと髪が乱れるのを恐れるように押さえていた手を離した。そして暖かさを確認するように伸びをしたあと仰向けに寝る。彼の目にはまぶしい太陽と流れる様々な雲が映っていた。上空は風が強いのだろう。

「……いい天気ですねぇ」
 のんびりと、男子にしては高い声で呟いた。誰に向けるでもなく放ったそれは、再び吹いた薫風に流れて消えた。

「良い天気ですねえ」
ゆっくりしたやや甲高い声のつぶやきは誰も聞くものとてなかった。いや彼は再び吹いたさわやかな風に呼びかけたのかもしれない。


[No.4566] 2009/01/07(Wed) 10:37:15


リライターの話題

 リライトを行うものは、鍛錬投稿室の感想、添削用掲示板のレスの両方に出現する可能性がある。
 しかし、より簡単に発見されるのは、添削用掲示板のレスであることが圧倒的に多い。これはアクセスが容易であり、また掲示板の目的が最初から「添削」であるため、他に埋もれにくいためである。鍛錬投稿室で行われても、作品投稿者以外は目にしない感想はザラにあるため、発見されにくい。
 とはいえ、それは鍛錬投稿室の感想においてリライトが皆無であるということを意味しない。
 詳細は過去のものとなってしまいここで詳しく述べることはかなわないが、鍛錬投稿室の感想欄にその作品の全文をリライトする狂人も、過去に存在する。


関連

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年07月28日 22:43
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。