タブンネハザード 2回目

あの事件の後、しばらくはタブンネを見なくなったという。よかったよかった。…と言いたいが、またタブンネが繁殖したという。正直どこにそんな繁殖力があるのかと呆れている。だが、今度はそうはいかない。前回も勝手に増えていたりしたが、今度の敵は、お前ら自身だ。
友人「タブンネをあの研究施設に放り込んでおいたぞ」
俺「ありがと。それじゃ、始めるかな」
友人「なあ、今回こそは毒ガスお披露目だよな?」
俺「当然。更に、毒ガスが出る仕掛けを押すのは…」
友人「押すのは?」
俺「いや、ネタバレはよそう。今は豚が起きるまで待つんだ」
友人「面倒だし、これで起こすぞ」
持っていたのは眠気覚まし。もとい目覚まし時計だ。となれば…
俺「耳栓も忘れずにっと」
友人「鳴らすぜ?」
俺「良いよ」
準備万端だ。
友人「スイッチオン!」
ジリリリリリリリリリリ!!スピーカーから研究所全体に目覚ましが鳴り響いた。

ジリリリリリリ!!
目覚ましの凄まじい音が施設に響き渡る。耳がいいとか言われる生き物なら、確実に起きるだろう。
「ミイ!?」「なんだミイ!?」「ここどこミイ!?」
豚も目を覚ますか。ちなみにこのカメラは原作で毒ガスを発生させるための部屋だったところを映している。オリジナルは毒ガスで敵のHPを減らせるが、代わりに表で撒いたら裏では毒モンスターができたらしいが…豚にはそんな設定関係ない。
「ミイイ…。なんなんだこの機械は…ミイ」「よく分からんミイ」「触らない方がいいミイ?」「さわらぬ格闘ポケモンにインファイトなしって言うミイ」
んなことわざあるか、豚が。まあ、そのスイッチを押すのはお前らの…「みんな何してるんだミイ?」
「タブネ―!どこに居たんだミイ!?」「気づいたら外に居たんだミイ」「この機械は何ミイ?」「それは押してみても問題ないミイ。安全は保障するミイ」
毒ガスを早く撒くように急かすタブネ―。まあ、当たり前なんだがな。あいつには「毒ガスのスイッチを入れても影響が出ない場所や毒ガスの効果を消してくれる解毒剤の場所」を教えていたのだから。そして、その場所や情報をもらっている事実を他のタブンネに教えたら、あいつは殺されるようになっている。更に、毒ガスをまかないと、あいつは殺される。完璧だ。
「じゃ、じゃあ、押すミイよ?」「押しても大丈夫ミイ」 カチッ
「対タブンネ用ガス、通称T・D・G。散布開始」
突然緑色の毒ガスがまき散らされ始める。今の毒ガスレベルは1。つまり、長時間吸い続けないと意味が無いレベルだ。
「なんだミイ!?この煙は!?」「タブネー!ホントに問題ないのかミイ!?」「タブネ―、どこに行ったミイ!?」
当のタブネ―はスイッチを押されると同時にとっとと逃げ出していた。逃げ足早いなー。
タブンネの裏切りと疑念を描くタブンネハザード2回目はまだまだプロローグだ。これから、研究所を使ったタブンネドラマが展開される…。

「ミイ、ミイ、ミイ、ミイ…」
タブネーは必死に逃げているな。「臆病な性格」「逃げるのが早い」まさにそのまんまじゃないか。素早さの個体値もかなり高いらしい。
「ミイ?」「タブネー何してるんだミイ?」「変な奴ミイ…」
周りのタブンネはタブネーをスルーしているようだな。あいつが逃げる先は電気機関車の中だろう。ガスが入らない上、他のタブンネは気づかないだろう。それに…
「あの中には、鍵をかけるシステムもあったはずミイ…。それを使えば、絶対に逃げ切れるミイ…」
電気機関車の中には食料が置いてあるしな。オレン(眠らせたこいつらから奪い取った)が普通のポケモンなら10日は持つほどの量だ。解毒剤もあるしな。
「た、辿りつけたミイ…後はここに入れば…」「タブネーはどこに行ったミイ!?」「こっちに逃げたって聞いたミイ!」「出てくるミイ!」
あいつらが来たか。でももう遅い。
「ここをこうして…鍵をかけて…ミイ」 カチャ 「よし…開かないミイ…これで安心ミイ…」
「あいつはどこに行ったミイ!?」「あの大きなドア(エレベーターです)の方が怪しいミイ!」「あいつの性格からしてあんなでかい物体には近づけないミイ」「探してガスを止めるミイ!」
ククク…。予想通りだな。だが、タブネーだけが裏切りタブンネだと思うなよ?他にも、争いの火種はあるぞ?さて、他の部屋を見てみるか。

「タブネーめ、どこに行ったミイ…」
一匹の豚が2階にやってきたようだな。2階は今頃修羅場になってるかもな…。
「なにか言い争う声が聞こえるミイ…。一体何が起きてるんだミイ?」
重そうなドアを開けてタブンネが入ると、中は緑色のガスで充満していた。
「こ、これは一体どういうことだミイ!?」 突然毒ガスが充満しているエリアに来たため、驚くタブンネ。そこに「誰か来たのかミイー!?」「リフトをどうにかしてくれミイー!」という叫びが届く。
「な、何かあったのかミイ!?」
慌ててリフトに乗って下に降りるタブンネ。そこに居たのは、緑色のガスに体を蝕まれたタブンネ数匹とそれを看病するタブンネだった。
「こ、これは一体どういうことだミイ!?」「突然タブラスの奴が機械を操作して、上に行ったんだミイ。そしてすぐに、緑色のガスが噴き出てきて仲間が倒れたミイ」「出口がどこにも無かったミイ。タブラスを見なかったミイ?」「見てないミイ。それより、そいつらをこっちに運ぶミイ。ここは危険ミイ」
救援に来たタブンネによって絶滅を免れた2階のタブンネたち。だが、そのきっかけもまた、仕組まれた罠によってタブンネが自ら引き起こした物だった…。

タブネーを探して豚がくる前に2階で何があったか、説明しておこう。何、大したことじゃない。タブラスの性格を使ったものなのだよ。
「あれ、なんだミイ?」「何かの乗り物ミイ?」2階のタブンネたちがリフトについて話しているとき、一匹のタブンネが飛び出した。
「乗りたいミイ!」タブラスだ。タブラスは「せっかちな性格」「好奇心が強い」というタブンネだ。乗らずにはいられない。
「タブラス、待つミイ!」「危険だミイ!」「戻ってくるミイ!」大人タブンネが止めるが、タブラスは聞くわけない。
「ここを入れるミイ?」 ガチャ ウイーン… 「タブラス!」「戻ってくるミイー!」
タブラスを乗せたリフトは上の階に。そして、そこには紙切れが。
「これにそって動けば、面白いことができるミイ?」
直感的にそう判断したタブラスはのこのこと毒ガスのスイッチの近くに。そして…。
「これをこうして…ここを…5にするミイ?」 ピッ ・・・
「何も起きないミイ…。つまらないから外に出るミイ」
そして、タブラスが出て行ったあと、部屋は毒ガスまみれになったのさ。エレベーターでタブラスが別の階で降りた後、豚が入れ違いで入ってきたんだ。だから豚はタブラスを見なかった。そういう事だ。
ちなみにタブラスが拾った毒ガス散布方法を書いた紙には「この通りに動けばすごいことが起きる!」なんてメッセージをつけてやった。好奇心が強いって馬鹿だよねえ。

タブラスが毒ガスをまき散らしたから2階はパニックに陥っていたが、豚の救援で全滅は免れたらしい。じゃあ、そのころ地下ではどうなっているのかな?
「く…苦しいミイ…」「身体が焼け付くように痛いミイ…」「誰か助けてくれミイ…」
大惨事になっている電算室。どうやら殴られてできた傷のようだが…?どれ、少しここの映像を見てみよう。
~30分ほど前~
「あいつだ!あいつだミイ!」「よくも毒ガスをまいたなミイ!」「逃がすなミイ!」「ち、違うミイ!」「僕たち何もしてないミイ!」「冤罪ミイ!」
3匹の豚が6体ほどの豚に追われていた。どうやら別の部屋のようだな…。もう少しさかのぼる必要があるな。
~45分前・活性処理実験室~
「なんだか騒がしいミイ」「僕たちは平和を愛する種族ミイ」「ここで穏やかに過ごすミイ」「長老様の所に居れば、心配ないミイ」「その通りだミイ…。争うなど、無意味なことミイ…」
長老タブンネが居る。ここが一番豚の数が多いな。…争いの火種は一見無さそうだが…。
「…なんでよりにもよって長老タブンネの所に入れられてるんだミイ…」「僕たちの嫁を奪い取って(この前の虐待で減ったからタブンネを増やすため)汚した糞タブンネミイ…」「何が長老ミイ…このエロタブンネめ…」
ほう。こいつらは長老タブンネに恨みがあるのか。なるほどな…。この前の駆除で減ったからってメスンネを攫って自分がヤッた長老タブンネを恨んでいる…そういう所かな?
「ほら、そこの3人。さっさと食料を探しに行ってくるミイ!」「長老様がおなかをすかしていらっしゃるミイ!」「長老様に何かあったら一大事だミイ」
嫌いな相手のためにわざわざ働かないといけないのか…。これは苦痛だな。
「「「さっさと行くミイ!」」」「…分かったミイ」「行けばいいんだろミイ…」「言われなくても出ていくミイ…」
これはまた、面白いことになってきてるな。長老がどんなことをしたのかは想像つくが、それに恨みを持つとはな…。観察するかね。

「くそ!あの傲慢豚が!」「あんな糞豚死ねばいいミイ!」「なんであんな糞豚をみんな崇めるんだミイ!」
出て行った3匹のタブンネ。どうやらこいつらがこの後何らかの手段で長老を殺すのだろう。でもな、お前ら自分もその糞豚だってことわかってるか?
「忌々しいミイ…」「食料は探すミイ…」「ここに何かあるミイ?」
培養実験室に来たようだな。そこにはオレンもあるし、万が一の解毒剤も置いてある。
「ここは食料庫かミイ?」「誰もいないミイ…」「もし、ここの事を長老に伝えたら…どうなるミイ?」
もちろん、全部没収されるな。俺が長老なら、全部ひとり占めするだろう。それか、身内であるあの側近には与えるが、お前たちには与えないな。
「これ、なんだミイ?」「何かのスイッチミイ?」「押さない方がいいかなミイ?」
毒ガスのスイッチがある。だが、その毒ガスはこの部屋には出ない。その毒ガスの噴出先はあの長老のすぐ下だ。
「押してしまえばいいかミイ?」「少し待つミイ!ここに紙があるミイ」「何が書いてあるミイ?」
毒ガス噴出先…活性処理実験室。毒ガスの濃度…レベル10。噴出時間…6秒。
「毒ガス…なんでそんなものがあるんだミイ?」「活性処理実験室って…」「長老のいる部屋ミイ…」
その時、遠くから誰かの声が。
「あいつらは本当に屑ミイ」「あんなゴミ屑死ねばいいミイ」「長老様に逆らおうなんて罰当たりミイ」「長老様は大丈夫ミイ?」「恐らく誰も来ないミイ」「あんな豚死んでも誰も悲しまないミイ。長老様さえ無事なら安泰ミイ」
遠くで豚が自分たちを見下している。この発言を聞いた時、この3匹の今まで我慢していたものが爆発した。
「押してやるミイ…!」「もう、許さんミイ…!」「死んで、詫びるミイ!」 カチッ

~活性処理実験室~
「全く、忌々しい糞豚じゃ。わしの命令を聞かんとは。じゃが、お前たちがたとえ何を見つけてきても、お前たちにはやらんからな!」
やっぱりこういう考えか。まあ、嫌いな奴に餌を与えるなんて普通は無いだろうな。
「あいつらは大体何様のつもりじゃ!わしは長老タブンネじゃ!集落で一番偉いタブンネ様じゃ!そのわしに従わぬタブンネなぞ、タブンネではないわ!」
随分偉そうなタブンネだな。傲慢不遜とはこいつのために用意された言葉だな。
「全く、忌々しい!奴らのメスンネを汚してやって正解じゃ!わしに逆らうとは…屑以下じゃ!」
むしろそれがきっかけになってる気がする。でも面倒だし、お前はもうすぐ死ぬから言わない。
シュー(毒ガス噴出音)
「なんじゃ?この音は…」
突如、自身の前に緑の煙が。いや、自身の足元から噴き出ているのだ。レベル10、要するに、2秒浴びればほぼ即死の毒ガスが。
「ミグアアアアアアアアア…!」ドタッ 「噴出完了」
あーあ、殺されちゃったか。まあ、恨まれる奴がリーダーやるからこういう時に痛い目に遭うんだよな。自業自得自業自得。

なるほど。やっぱりあいつらが殺されるのかな?と思うだろ?俺も思ったさ。でもな、現実は違ったんだ。
「ミグアアアアアアアアア…!」ドタッ 「噴出完了」
「やったミイ…」「これで忌々しい長老は死んだミイ」「当然の報いだミイ!」
流れ的にこいつらが殺されるのが当たり前…だと思ったんだが…。
「このスイッチを下ろして入れなくしておくミイ」「ここは僕たちの砦だミイ」「安住の地を築くんだミイ」
あれ?戻らないのかよ?というか、シャッター下ろして守りを固めちゃったよ。
「ここにはおそらく毒ガスは来ないミイ」「なんで分かるミイ?」「食料があるところに毒ガスをまくわけにはいかんだろうミイ」
まあ、その理論も間違いではないが。でも、戻らなくていいのかよ?
「もうあいつらを見るのは嫌ミイ」「あんな奴ら、死ねばいいミイ」「消えてしまえミイ!」
散々な言い方だが、まあ、正論ではある。ゴミは消えてしまった方がいいしな。
「ミイヤアアーーー!?」「長老様ー!?」「そんな、嘘だミイ!」「しっかりしてミイ!」「誰がやったミイ!?」「よくも長老様を!」
あいつらが気づいたようだな。さて、ここから面白くなるかな?

「何があったんだミイ?」「騒がしいけどどうしたんだミイ?」「何事だミイ?」
長老タブンネを殺されて悲嘆にくれるアホどもの所に別のタブンネ3匹がやってきた。
「長老様が…」「殺されたんだミイ…」「何者かに…」「許さんミイ…」「絶対殺してやるミイ…」「…」
各々怒り狂う寸前の豚ども。だが、それを見ていた3匹の顔に怪しい笑みが浮かんでいたのが俺には見えた。だんだんおかしくなってくるぞ…。
「その犯人に心当たりがあるミイ」
やってきた3匹のうちの一匹がそういった。その瞬間、6匹の目の色も変わったな。
「誰だミイ!?」「教えろミイ!」「絶対に許さんミイ!」
口々に恨み言を言う6匹にその豚が言ったのは、本当の犯人とは全く異なる、別タブンネであった。
「「タブリア」「タブトル」「タブフ」こいつら以外に犯人は居ないミイ」
そいつらは、この3匹の属するグループとは対立するグループのタブンネだった。♀を巡って争っていたり、オレンの取り合いになった時にこいつらに3匹は毎回敗れていたらしい。体よく使われることになったのか。
「どこにいるミイ!」「必ず殺すミイ!」「許さないミイ!」「長老の仇を取るミイ!」「天罰を下すミイ!」「長老に手をかけたこと、後悔させてやるミイ!」
なるほど、だから冤罪で体よく殺されるのか。その3匹は哀れだなあ。

一方的で身勝手な恨みと醜い嫉妬を復讐の刃とし、奴ら6体はやってきた3匹についていき、タブリア、タブトル、タブフ(血だらけで電算室に倒れていた豚)の元に。場所は毒ガスが噴き出てパニックになった仮眠室(もうガスは止まっているが)の隣の休憩室だ。言ってなかったが、ガスは一定時間経つと自動で止まるんだよ。そこに生きているタブンネが居ない間はな。だってもったいないだろ?
「なんだミイ!?」「タブリア、タブトル、タブフはどこだミイ?」「確か、下の階に行ったはずだミイ…」
それを聞くとさっさと出て行ってしまった6匹。早すぎだろ。ありえないけど、隠れてたらどうするつもりだったんだ。
「この下かミイ」「そうミイ」「許さんミイ!」
ダクト(タブンネに梯子は登れないので螺旋階段にした)を降りながら標的を探すタブンネs。ダクトの下のドアを開けた通路の所に、そいつらは居た。
「タブリア、例の電車は動きそうかミイ?」「ダメミイ。エレベーターで行ける上の階も毒ガスが酷いって聞いたミイ」「タブフ、あの子たちの様子はどうミイ?」「毒が回って、酷い状態ミイ…。薬がどこにあるかもわからない状態ミイ」
この状況でも結構しっかりしていて、タブンネにしておくのがもったいないくらいの奴らだな。人間なら、こういうやつらはどんな時でも頼りがいのあるいい人なんだろうけど…。
「見つけたミイ…!」「よくも長老を…!」「生かしておかないミイ!」「!?…なんだミイ!?」「誰ミイ!?」
勝手な妄想街道を突っ走る復讐豚、嫉妬に狂う妬み豚には丁度、恨まれる材料がそろってまして…。
「「「「「「生かして帰さないミイ!長老の仇、いざ取らん!」」」」」」
突然、電波に取りつかれたようにシンクロして雄叫びを上げる豚ども。
「な、なんだミイ!?」「とりあえず、離れるミイ!」「ま、まずは落ち着くミイ!」
いや、気の狂った豚に落ちつけるはずがないからな。言いたいことは分かるけど。
「「「「「「殺してやるミイ!」」」」」」
こうしてあの鬼ごっこが始まり、その結果電算室で無残な状態になったのか。かわいそうに。冤罪でアホに殺されて死ぬなんて最悪の死に方だぞ。
「「「くっくっくっ…。上手くいったミイ。ヒャーーーハハハハハ!!!ざまあ見ろミイ!!」」」
けしかけた豚は大喜びだった。

「や、止めるミイ!「黙るミイ!」ミギャア!」「や、止め「死ねミイ!」ミガッ…!」
先ほどから一方的なリンチが行われている。気の狂った糞豚9匹が3匹のタブンネを一方的に殴り、蹴り続けている。
「オラ!死ね!糞豚が!」ドスン!「ミグアッ…!」
タブリアは押さえつけられ、糞豚のかいりきや捨て身タックルを食らい続けていた。先ほどまで殴られ続けていたのか、顔ははれ上がり、瞳の片方が見えなくなるほどだ。エグイ。
「死ねミイ死ねミイ死ねミイ死ねミイ死ねミイ!」ばきっドカッべしっゴスッ「バキ!」「ミアアアアア…!」
タブトルは顔を徹底的に殴られ、先ほど鼻の骨を折られた。その前に腕と足をへし折られていたようだ。
「長老様の痛みを思い知れミイ!はかいこうせん!」ドーン!「ミギャアアアアーー!」「もっと苦しめ!もっと苦しめ!長老様の痛みはこんなものじゃないぞミイ!」
タブフははかいこうせんで何度も吹き飛ばされていた。腕も足も変な方向に折れ曲がり、もう動けないな。
「ミ…グ…」「ミアア…」「ミイ…ミグッ…」
3匹とももう動けない。このまま死ぬだろうな。
「こんな糞豚に、我らの長老様を汚されるなんて、最低ミイ!」「お前たちなんか、糞豚以下だミイ!」「屑にはそうやって這いつくばる姿がお似合いミイ!」「お前たちはミイミイ神の救いも得られないミイ!ミヒャハハハ!!」「屑を殺してすっきりしたミイ!」「そこで苦しんで死ぬのがお似合いミイ!ミャーハハハ!」
糞豚どもが出て行ったあと、例の3匹がやってきた。
「これが当然の報いだミイ!」「ミイ子ちゃんはこれで僕の物ミイ!ミャハハハハ!」「ミイシアちゃんは永遠に僕が頂くミイ!残念だったなミイ!」
本性丸出しの糞豚。同じ森のタブンネに派閥があったこと自体驚きだがね。
「ま…まさか…」「お前たち…わざと…」「罪をなすりつけたのかミイ…?」
さすがに驚くよな。いくらなんでも、身内のはずのタブンネに裏切られて売られるとは思うまい。
「ミヒャハハハ!面白いほど簡単に引っかかったミイ!」「これで僕たちがリーダーミイ!」「そうとも!初めからこういう計画だったんだミイ!」
滅茶苦茶すぎるやり方故に何故か被害者タブンネに同情してしまいます。まあ、関係ないけどね。
「こんなことをしても…救えないミイ…」「生き残るには…力を合わせないと…」「こんなやり方じゃ…タブンネは破滅する…」
ここの罠に気づいていたのか。でもまあ、馬鹿が多いからねえ。無駄だよ。
「うるさいミイ!このどくどくで永遠に苦しみ続けるミイ!」「ミギャアッ…!」「ミヒャハハハ!いい気味だミイ!そのままどくどくで死ぬがいいミイ!」
こうして電算室に追い詰められた3匹は一方的にぼこぼこにされ、どくどくで更に苦しめられてあの状態になっていた。というわけだな。まあ、眠らせた豚にマシン技を与えたのは俺だけどね。やったのは身勝手な豚だ。

醜い嫉妬でリーダー格を殲滅した3匹の糞豚が自分たちのグループに帰ってきたようだな。先ほどは休憩室には1匹しかいなかったが、今は6匹くらい居る。
「どこに行ってたんだミイ?」「リーダーなら下ミイ」「何か見つけたミイ?」「タブフ様、早く帰ってこないかなミイ」「タブリア様、無事であれば今すぐに…」「毒ガスは…酷いミイ…」
何も知らない♀豚6匹。こいつらは先ほどのやつらの恋豚か。
「みんな、落ち着いて聞くミイ」
実行犯の糞豚が自ら湾曲してリーダータブンネの死を伝える。その内容はこうだ。リーダータブンネが別のグループのタブンネに襲われ、殺された。見つけた時にはすでにリーダーは死んでおり、その実行犯は見ていないが、場所は電算室。彼らは自分たちに「お前たちがリーダーとなり、このグループを守ってくれミイ、頼んだミイ」と言い残してこの世を去った。だから、これからは自分たちが彼らの代わりになる。…滅茶苦茶だな。なんで実行犯を見ていないって言ってるのに別のグループの「タブンネ」がやったって言えるんだよ。そもそも、リーダーがすでに死んでいたのに「自分たちが新たなリーダーとして認められた」って矛盾しているぞ。
「…分かったミイ」「不安しかないけど、仕方ないミイ」「どうして、死んじゃったミイ…タブフ…」「タブリア…もう一度、あなたに抱いてほしかったミイ…」
豚の昼ドラなんて誰も望んでないんだが。
「そういうわけで、リーダー様の癒しのために、抱かれるミイ!」「僕たちはリーダーミイ!」「ミイシアちゃん、これからは僕が満足させるミイ!」
まあ、いつか天罰が下るだろうな。それに、お前らはタマンネをいかれさせたからもう子供が作れないようになってたりするんだが。出るのは腐った液体だ。
「タブフ様…」「死んだ奴の事なんか、口にするなミイ!」「タブリア、どうして…」「僕だけを見るミイ!タブリアなんて忘れるミイ!」「……」「せめて、歓喜の叫びをあげるミイ!」
結局、お前らは満たされないんだな。哀れな糞豚だよ。

生き物は生きている限り腹が減る。それは生物としてあたりまえのことだ。当然、ここの豚も(生命じゃなくて生きているゴミだけど)同じこと。食料のある部屋がほとんど裏切りタブンネによって奪われた以上、奪い合いは避けられまい。
豚が入ってから6時間後
「腹減ったミイ…」「メシまだかミイ…」「何か食べ物は無いかミイ…」
飢えた豚が不満を訴え始めた。残っている食料庫は鍵付きの警備室だが…。
「聞いたかミイ」「なんだミイ?」「上の奴らは食料庫を確保したらしいミイ」
確かに低温実験室にも餌をばらまいたな。でも、確かそれは豚どもが持って行ったんじゃないか?
「そこに行くミイ!」「同じタブンネなら、オレンの御裾分けくらいしてくれるはずミイ!」「なんてったって、同じ森の、同じタブンネなんだからミイ!」
さすがに無理だろうな。普通は、自分たちの物は自分たちだけで使うだろ。そんな俺の予想をよそに、低温実験室に向かった豚ども。そうだ、そろそろこいつらに毒ガスをまかせてみるか?
「なんだミイ?」「ここは食料庫ミイ?」「僕たちにお恵みくださいミイ!」「おなかがすいたミイ!」
本当に低温実験室にやってきた豚ども。でもそう簡単に門番はここを通すわけないか。
「ダメミイ」「どうしてだミイ!」「僕たち同族じゃないのかミイ!」「同じ森の仲間だろうミイ!」
サバイバルにおいて重要なのは食料や水。渡すわけないよな。
「族長の許可なしにここは通せないミイ!」「酷いミイ!」「なんの騒ぎだミイ!」「族長!」
都合よくやってきた「族長」は口にオレンの食べかすをつけてやがる。
「食料を分けてほしいミイ!」「同じタブンネのためだミイ。協力してくれミイ!」「族長様、お願いしますミイ!」
いくらなんでも無理だろ。普通は。
「断る!」「な、なんでだミイ!」「お前たちのようなよそ者にやる分は無いミイ!」「ふざけんなミイ!」「族長様の意思は絶対ミイ。帰れミイ!」「…ふざけるなミイ!」

「…なんだと?誰に向かってふざけるなとか偉い口を利いてるんだミイ!」
族長がキレた。で、アホ豚もキレた、と。そこに待っているのは…
「何が族長ミイ!ふざけんなミイ!(捨て身タックル)」 ドン! 「ミッ…!貴様…!」
当然殺し合い。キレた豚と族長の一派が戦いを始めた。仲間を大切、優しいなんてイメージとは裏腹の腐った本性だ。
「殺してでも奪い取るミイ!」「殺せミイ!」「皆殺しだミイ!」
殺す気まんまんの3匹の糞豚。
「族長である私に手を出す糞豚なぞ、生かして帰すなミイ!」「殺せミイ!」「殺害してやるミイ!」
そして始まる大乱闘(笑)。しかも族長(笑)よりも糞豚sの方が強かった。周りの豚はこの解説の間に戦闘不能になっていた。
「吹き飛べミイ!」「ミギャアアア!」「族長様ああああ!」
こんなに弱い豚がリーダーでいいんでしょうかね?
「さあ…そこを退くミイ!」「退きますミイ退きますミイ!命は取らないでくださいませミイ!」
あっさりと捨て身タックルで弾き飛ばされた族長一派。こいつら弱い。
「飯だミイ!飯だミイ!」「やっとありつけるミイ!」「さっさと渡せばいいんだミイ!」
族長は動かない。死んだか?とおもったら違った。
「おのれ糞豚め…よくもわしに恥をかかせたなミイ!」 カチャ
低温実験室のドアを施錠しやがった。まさか…
「ここのスイッチを押せば…お前たちなぞおしまいじゃあ…ミヒャハハハ!」 カチッ
毒ガスのスイッチを入れやがった。しかもレベルは6。低温実験室の食料はどうする気なのやら。
「ミギャアアアア!?」「毒ガスミイ!逃げ…開かないミイ!」「出せ!出せミイ!」 ドンドン
毒ガスから逃れようにも、出られない。解毒剤など、その部屋にはない。
「ミヒャハハハハハ!死ねミイ!死ねミイ!わしよりも偉い生き物なぞここにはおらんミイ!ミャーハッハッハッ!毒ガスさえあれば、わしは一番偉いタブンネなのじゃ!ミャハハハハ!」
タブンネの信頼を破壊し優しさを消し去り醜い本性のままになったタブンネを観察しつつ自滅させる物語。それが今回のタブンネハザード。

「ミガアアアアアア…苦しい…苦しいミイ…」「身体が…内側から腐っていくみたいだミイ…」「なんで僕たちが…こんな目に…」
毒ガスによって処刑される3匹の豚。そこに誰かがやってきた。
「力が欲しいか?」「だ…誰だミイ…?」「おかしくなったミイ?」「幻聴ミイ?」
ミイミイ神が何やら囁いている。そういえば電算室のタブンネの遺体が無い。
「ここで死ぬのは嫌じゃろう?悔しいじゃろう?醜い糞豚に、卑怯な手で、殺されて無様に死んでいくのは悔しいじゃろう?」
えっと、今回干渉しない予定なんだけど。いったい何してるんすかミイミイ神。
「死にたくないミイ!」「タブンネなんて、最低ミイ!この姿も、捨ててしまいたいミイ!」「もういやだミイ!タブンネを辞めて、別の生き物になりたいミイ!」
おいおい、鍵を開けちゃったし、何より、ドア開けっぱなしだし。ちょっと、何してるのミイミイ神。
「液体化し、精神を浄化し、別の生命体にしてやろうではないか」
言うが早いか、液体化ボトルに入れて持ち去ってしまったミイミイ神。困るな~、毒殺寸前にこんなことされたら。ミイミイ教はいったい教祖様を普段どうしてるのよ。で、当然廊下は毒ガスまみれ。もうスイッチは切らない。レベルだけは3に下げてやるが。
「なんだミイこれは!」「毒ガスが充満しているミイ!」「早くドアを閉めるミイ!」
ドアを閉めた。が…。「全エリア、毒ガス噴出開始」
「ミイイイイイイイ!?」「大変ミイ!あっちの部屋でも毒ガスが出たって…」「こっちも突然毒ガスが噴き出て…」
ミイミイ神は元愛誤さんにあげちゃったけど、ちゃんと管理していないのは問題でしょ。でもまあ、これで他のエリアも混乱するだろ。後は、解毒剤をばらまいておこう。
「なんだったミイ!あの大きなタブンネは!」「さっき、廊下を通って行ったミイ!」「あいつのせいかミイ!ふざけんなミイ!」
本当だよ。こんなことをされたら毒殺の意味が無いじゃないか。全く。ミイミイ教に抗議のメールを送らないとな。

毒ガスがエリア全域にまかれたため、豚どもは大混乱。ある豚は「ミイミイ神を殺せ!」と叫び、別の豚は「助けてミイ創造神さま…」とかほざいてる。
「とにかく、一刻も早く毒ガスを止めないとまずいミイ」「解毒剤が無いとまずいミイ!」「苦しいミイ…」「ぼうやが!ぼうやが!」「落ち着くミイ!」
あちこちでタブンネが廊下に飛び出してきた。その数は150体あたりか?
「とにかく、安全な場所を探すんだミイ!上に行くミイ!」
地下の研究室の豚は一斉に上をめざし、
「地下なら、絶対安全ミイ!」
上の方の豚は一斉に下を目指す。…と、ここで1つ細工をしておくかな。
「なんだミイ?これは?」「張り紙かミイ?」
一部の豚が張り紙に気づいた。そこには…
「毒ガスが発生しても安全なエリア…電気機関車。施錠してある場合、解除できる場所は動力室。解除された場合、15分は施錠できない」
そう、最初に毒ガスをまいた豚が逃げたあの場所だ。残念ながら、逃がしてはやらない。毒ガスをまいた張本人だしな。
「これは張り紙かミイ?」「こっちにもあるミイ!」
上の豚にも張り紙で手助けをしてやる。助けるだけ助けて、最後は毒殺するのだ。
「安全場所である培養実験室のシャッター解除方法…電算室にてパスワード入力。入力コード…糞豚王タブンネ。解除後のシャッター再使用は30分不可能」
さあ、やってみな。その先に、あんたらが会いたくて仕方なかった奴らが居るぜ?最初に裏切ったタブネー、長老を毒殺した豚どもがな。どういう反応するかな。

当然のようにシャッターを解除し、避難所に乗り込んでいった豚ども。そこには大量のオボンやオレン(こいつらから取り上げたもの)と毒ガス用の中和剤、そして裏切り者が居た。
~電気機関車~
「な…なんでお前たちがここに居るんだミイ…」
最初に毒ガスをまき散らして逃げ出した豚は、被害豚たちに囲まれていた。
「初めから僕らを殺す気だったのかミイ!」「おまえのせいで、一族が混乱に陥ったんだミイ!」
当然のように罵倒され、非難の的になる。安全地帯に豚が集まったがこれも作戦のうち。最後はどのみち全員殺すしな。
「…こんなところで死にたくないミイ!」
突然毒ガスをまいた豚が突進で前の豚を押しのけて奥の部屋に逃げ込み、閉じこもってしまった。…そんな簡単に逃がしてどうする。鍵がかかって開かなくなった。…そこもどのみち終わりだが。
~培養実験室~
「長老様を殺したのはお前たちかミイ!」「よくも長老様を殺したなミイ!」「あんな糞豚殺して何が悪いミイ!」「死んでせいせいしたミイよ!」
こちらでも同じように言い争いが。その奥では
「飯だミイ!」「食べるミイ!」「勝手に取るなミイ!」「それはミイのだミイ!」「ふざけんなミイ!」
腹を減らした豚どもがひしめき合って食料を食い荒らしている。食欲旺盛で結構なことだが、もうお前たちは明日を見ることは無い。もう終焉が近づいている。
最終更新:2015年01月03日 01:05