倉間鉄山は、首筋に迫る柳生宗矩の剣を辛うじてかわし、崩れかけた体勢を何とか立て直す。
危うい所だったが、徳川秀忠と家光が同日に死んだと聞かされては、動きが多少乱れるのも仕方ないだろう。
それは、鉄山が知る歴史とは明らかに食い違う流れであり、そうでなくても将軍と大御所が同時に死ぬなど相当の異常事態。
今回の異様な御前試合が開催された原因と何らかの関連があるとみて気を取られるのも当然。
それを見越した宗矩は、更に言葉を継ぐ。
「幕閣の評議の結果、跡目は弟君の忠長公と決まった」
忠長に関しては素行に芳しからぬ噂が多く、御三家等の他の血縁者から英明な者を選ぶ案もありはしたようだ。
しかし結局は、議論はさして紛糾する事もなく、比較的すんなりと忠長が将軍家を継ぐ事が決まった。
まあ、徳川家の天下を長く安定的に保って行こうとすれば、器量より血筋を重視する選択は不自然ではないだろう。
しかし、伝え聞く忠長の行状は限度を越えるものがあったし、何より忠長には兄家光に対する謀反を企んでいたとの噂がある。
特に、今回は秀忠と家光の親子が同日に、しかも家光は七孔噴血し全身が黒ずんで死ぬという異様な死に方をしているのだ。
医師の見立てでは毒殺などの徴候はないと言うが、状況的に疑いを抱いてしまうのが人情というもの。
特に、近頃の忠長は妙な妖術師を側近くに置いて重用していたらしいし……
それにしては話が簡単に決まり過ぎている……それが、宗矩の政治家としての経験に基づく勘であった。
「腑に落ちぬものを感じ調べを進めた結果、浮かんで来たのが駿河城で行われた御前試合であった」

忠長の狂気と乱行はかなり前から聞こえて来ていたが、ある時期からその質に変化が見られたという。
妖術師を重用し、妙な儀式に耽り、今までの側近を遠ざけ、駿府に潜入していた幕府の諜者を悉く見破って斬り捨てたとか。
その変換の境に当たる時期を調査した所、丁度その頃、駿河藩において妙な事件が起きていた事がわかった。
数名の者が藩から脱出しようとし、追手との激しい闘争の末、数十名の死者を出したと言うのだ。
事件の真相は不明だが、当時はまだ駿府に残っていた間者の報告により、ある程度の事はわかっている。
追手として戦って死んだ者については葬儀が行われており、片岡京之助・笹原修三郎というのが追手の頭の名だと知れた。
加えて、戦場となった向田村に住む目撃者によると、追われていた者の一人は隻腕の剣士で、どうも虎眼流を使ったらしい。
虎眼流については宗矩も知っているが、開祖である岩本虎眼が弟子に討たれて以来、この流儀は衰えた筈。
その虎眼流の熟練の遣い手、しかも隻腕となると、駿河城御前試合で師の仇を討った藤木源之助とみて間違いなかろう。
そして、追手側の片岡と笹原と言うのも、同じ御前試合に参加していた武芸者だとか。
御前試合の参加者同士の斬り合い、そしてその直後の駿河藩と忠長の変貌……偶然では片付けられない何かがある、そう思えた。

「とはいえ、幕閣が決を下した案件について、あからさまには調べにくい。そこで、まずは松岡左太夫殿に話を聞く事とした」
駿河城御前試合には様々な武芸者が参加していたが、中でも新当流の剣士は二十二名中四名と、かなり多い。
特に、最後の試合で駿河藩の剣道師範の座を賭けて、かの塚原卜伝の甥である卜部晴家と闘い勝利を納めた水谷八弥と、
その晴家の子であり当初は八弥の相手になる筈だった新太郎、そして試合後に八弥を討った卜伝の後裔である塚原阿由女。
彼等はいずれも御前試合の少し前に江戸に上り、新当流松岡道場に泊まったというのだ。
更にまた、左太夫の弟子である多田右馬之助は、土井大炊頭の間者として駿河に入り、御前試合の少し前に斬られている。
そして、彼が駿府に赴く際、朋輩に告げた表向きの理由は、卜部新太郎に斬られた同門の甲頭刑部の仇討であったとか。
このように左太夫は駿河城御前試合と深く縁を持っており、彼に聞けば何かわかるかと思えたのだが……
「松岡殿は何処までも剣士として生きて来られた方。そのような政治向きの話を持ち込んでも困惑させただけであった」
どうも、左太夫は多田が大炊頭の密偵となった事すらも知らなかったようだ。
新太郎や八弥についても、わかったのは彼等が剣士として相当の技量を持っていたらしい、という事くらい。
「だが、結局、松岡殿のおかげで、かの御前試合が尋常な物ではなかったと、知る事が出来た」

「おいおい。まさかこいつが黒幕なのかよ?」
思わず呟いた坂田銀時の目前に居るのは妖人果心居士……しかし、銀時の言葉は彼に向けられたものではない。
果心の背後、無数の鏡が浮かぶ広間の中央に座る、貴人らしい装束を纏い、侍女を侍らせ黄金の杯で酒を飲んでいる男。
状況からして、この男が御前試合主催者の首領と考えるのが妥当であろう。
「でも、この人……」
「小者だな」
断言する芹沢。それに関しては他の者も同感であった。
無論、人の器の大小など簡単に量れるものではないが、内に何かを秘めた者なら、多少は外面に漏れ出て来る物がある筈。
しかし、目の前の男から感じられるのは、ただ狂気と底の浅い嗜虐心のみ。
はっきり言って、恐るべき力を持った主催者との対決を覚悟して来た彼等にとっては拍子抜けする程度の相手である。
「相手が如何なる者であろうとも、我等の為すべき事は変わらぬ」
「ああ。それに、ボスが雑魚でも、部下には手強そうな奴がいるしな」
そういう訳で気合いを入れ直す一同だが……

「無礼な!」
貴人風の男……徳川忠長は、己を侮る参加者たちの態度に、顔を赤くして怒り出した。
空になった黄金の杯を投げ出すと、もう一つの、酒に満たされた杯から酒を飲みながら喚く。
「果心、そちは紀州の山猿の供の者共を相手せよ。此奴等は、我が力で直々に切り刻んでくれる!」
意外な発言に戸惑う義輝達を尻目に、果心はその言葉を予期していたかのように一礼すると、影と化してその場を去る。
影は広間から繋がる通路の一本に入って行くが、誰も敢えてそれを追おうとはしない。
特に武芸の心得があるようにも見えない忠長が、この場に居る一流の剣客達を討つなと、無謀としか思えないが、
逆にそのあまりの無謀さと、あっさり忠長にこの場を譲った果心の態度が、剣士達を警戒させた。そして……
「気を付けろ!」
神の加護を受ける犬士である犬塚信乃が、突如生じた妖気の塊に真っ先に気付いて仲間達に警戒を促す。
だが、信乃以外の剣士達も、直後に妖気が気配となり風となって渦を巻く頃には、その存在を感知して構えを取る。
そして、風は数瞬の内に固体へと変わり、武器を持った人間……若い娘の姿に変じて行く。
「何だ、こいつは?」
その問いに答えられるものはこの場には居ない。
もしも、参加者の一人である座波間左衛門が健在でこの場に居れば、瞬時にそれが誰であるか見抜いたであろうが。
「行け、切り刻め!」
忠長の意志と言葉に従い、妖気から生まれた女は動き出す。
磯田きぬ……駿河城御前試合参加者の中で最後に命を落とした武芸者の姿を取った妖女は、剣客達に向けて薙刀を振り下ろした。

「ちょうど松岡殿を屋敷に呼んだ日、金沢一宇斎殿が訪ねて参った」
一宇斎は、宗矩の数少ない剣友。
昔、一度立ち合い、軽い助言をしただけだが、その時の事は快い思い出として宗矩の胸の奥に残っている。
だからこそ、宗矩は初め、一宇斎との面会を断ろうとした。
その日の宗矩は邪念なき剣客ではなく、政治家として動いており、一宇斎にそのような己の姿を見せたくなかったのだ。
しかし、同席していた松岡左太夫が剣客として知られた一宇斎に強い興味を示し、宗矩も一宇斎を招き入れる事となる。
左太夫としては宗矩から政治向きの話を振られる事にうんざりしていて、一宇斎はそれから逃げる方便だったのかもしれない。
宗矩もその時点で左太夫が大した情報を持たないと悟っていたし、悪い事をしたとも思っていたので、その要望に応えた。
以後、その日一日は宗矩も余計な事を忘れ、三人で剣談をしたり軽く試合したりして過ごす。
だが、別れ際の一宇斎の言葉が、宗矩を政治の世界へと引き戻す事になる。

「一宇斎殿の夢枕に、弟子であり駿河城御前試合で斬死した黒川小次郎が立ったと言う」
夢の中で小次郎は師に、大納言に仕える妖人に最も大切なものを奪われたと訴え、直後に苦しみ出して急死したとか。
奇妙な夢だが、一宇斎が気にしたのは夢の内容よりも、出て来た弟子の立ち姿。
黒川小次郎と言えば、御前試合では武運拙く敗れたとはいえ、一宇斎の弟子の中でも指折りの剣士。
だが、夢の中に出て来た小次郎は剣の心得など全くないただの男としか見えなかった。
生きている間に如何に剣を磨いても、死して魂魄となれば身に付けた技は失われてしまうのか。
剣技を失って存在し続ける事は剣客にとって非常な苦痛であり、それが死後の運命であれば死を厭わぬ虚心の剣を振うのは困難。
夢がそんな迷いを生み……或いは、元々迷いがあったからそんな夢を見たのかもしれないが、一宇斎は悩んで宗矩を訪ねたのだ。
宗矩や左太夫との語らいで一宇斎は己なりの答えに辿り着けたようだが、宗矩は黒川小次郎の幽霊の言動が気になった。

宗矩は合理的な人間ではあるが、魂魄や亡霊の存在を信じていない訳ではない。
剣の修練をする中で己の内にある神的なものの重要さを痛感していたし、父石舟斎や子の十兵衛は実際に亡霊を見たという。
剣客として宗矩よりも遙かに多く死に接して来た彼等が言うのならば亡霊の存在自体に疑いはあるまい。
ただ、彼等はその亡霊を斬ったとも言っており、剣客の剣が魂魄をも斬るのなら、決闘に敗れた剣士が亡霊となる事はない筈。
とはいえ、黒川小次郎だけは、亡霊となってもおかしくはない特別な理由があるのだ。
報告によると、御前試合で小次郎と闘った月岡雪之介は、峰打ち不殺剣なる、真剣で敵を殺さずに倒す剣を使う剣士だったとか。
だが、不殺ほ通すには小次郎が手強すぎたのか、何らかの事故か、雪之介は小次郎を殺し、その亡骸を抱えて叫んだという。
雪之介が小次郎を斬った剣が、必殺の意志の籠もらないものであったとすれば、身体は滅んでも魂魄は残ったかもしれない。
そして、一宇斎が話した夢の中での小次郎の亡霊の死に様。
「急に苦しみ出し、七孔噴血し、全身が黒ずんで倒れる」……それは、先日の家光の死に方と酷似していた。
あまりに異常な状況であった為、家光の死に関しては厳しい箝口令が敷かれている。
いずれ漏れるのは避けられないかもしれないが、その時点では未だ秘密は守られていた筈。
だから、一宇斎の夢はただの夢ではなく、小次郎が言った妖人が家光の死に関わっている……それが、その時点での宗矩の推理。

宗矩の剣が鉄山の腕を掠め、また一つ傷を付ける。宗矩の思惑通り、鉄山は話に聞き入って動きが乱れ、多くの傷を受けていた。
辛うじて重傷は避けているが、これ以上傷付けば、その戦闘力は腕に重傷を負っている宗矩以上に下がる事になろう。
「それで?」
己の不利を悟っていながら、鉄山は先を促す。それだけ御前試合の真相を探る事を重視していたからだが……
「話はここまでだ」
いきなりの宗矩の宣言に、鉄山は怪訝な顔をする。
「その夜、妖人果心が儂の前に現れてこの御前試合について話して参加を誘い、儂はそれを受けて一介の剣客に戻る事とした。
 ただの剣士ならば、余計な事を詮索する必要などなく、故にそれ以上の探索はしておらぬ」
そう言って剣舞の激しさを増す宗矩。
ここまでで鉄山にかなりの傷を負わせており、御前試合の情報を与えて気を乱す策は成功したと言って良かろう。
だが、鉄山にとっては半ばで話を打ち切られた形であり、悪いと思ったのか、宗矩は小耳に挟んだ情報を付け加える。
「御前試合の参加者を異なる時と世界から集めたのは、果心が作り忠長公が持ちし呪具によるものだとか。
 呪具が死んだ駿河城御前試合参加者の精髄……即ち武技を奪い、それを力として其許等を呼び寄せたそうだ」
参加者を様々な時代から呼び寄せた呪具……それは鉄山にとっては最高度に重要な情報の一つだ。
主催者を倒したとしても、それがなければ各時代から攫われた参加者を返せず、歴史に重大な影響が及びかねないのだから。
「その呪具とは?」
「確か、果心等はこう呼んでいた……聖杯、と」

【へノ壱 森の中/一日目/午後】

【倉間鉄山@バトルフィーバーJ】
【状態】軽傷多数
【装備】 刀(銘等は不明)
【所持品】支給品一式
【思考】基本:主催者を打倒、或いは捕縛する。そのために同志を募る。弱者は保護。
一、柳生宗矩を倒す。
二、にノ参の道祖神から主催を目指す。
三、聖杯を確保する
四、十兵衛、緋村を優先的に探し、ついで斎藤(どの斎藤かは知らない)を探す。志々雄は警戒。
五、どうしても止むを得ない場合を除き、人命は取らない。ただ、改造人間等は別。

【柳生宗矩@史実?】
【状態】腕に重傷、胸に打撲
【装備】三日月宗近@史実
【所持品】「礼」の霊珠
【思考】
基本:?????
一:へノ壱に侵入した者を斬る
二:?????

妖女の殺気が膨らみ、右から斬り付けられると見た芹沢鴨は防御の構えを取るが、右から来たのは気配のみ。
薙刀の実体は左から芹沢を襲い……
「何なんだ、こいつは?」
あっさりと左からの横面切りを弾き返した芹沢は怪訝そうに呟く。
実際、目の前の女の戦いぶりは奇妙だ。
得物は薙刀だが、妖女は時に剣術・槍術・体術の技法を織り交ぜて闘っており、その全てに関して一流の技を持っているようだ。
しかし、肝心の薙刀は……
妖女の薙刀には天流や一羽流、卜伝流の技が含まれており、それはまあ、それなりの腕ではある。
もっとも、これら新当流系の流派は、戦国期の武術らしく、薙刀を含めあらゆる武器の扱いを併修するのが一般的であり、
この妖女の薙刀術も、新当流の剣を学ぶついでに、余技として身に付けた程度のものだろう。
それとは別に、この女は薙刀術を専門的に学んだ形跡があり、この戦いでは当然、それを主に使っていた。
ところがその主戦力になる筈の薙刀術があまりに拙いのだ。
奥義どころか大抵の流儀で共通の基礎となる部分すら完全には修めていない為、流派を特定する事すら困難な程。
無論、人には得手不得手があり、他の武術では一流の技を身に付けた者が、別の武器・流儀ではまるで駄目という事もある。
だが、それなら何故、わざわざ薙刀を得物としたのか。
この妖女が剣や槍を持っていれば、もう少し苦戦しただろうに。
その奇妙さ故に戸惑っていた一同だが、何時までも様子を見ていても仕方がないと、覚悟を固めた。

「ここは私が!」
千葉さな子が、物干し竿で妖女の薙刀を抑え込む。
それに頷いて彼女の仲間達は側を駆け抜け、五ェ門だけが側に控えて不測の事態に備える。
さな子の剣が妖女の薙刀に勝っているのは無論、さな子が薙刀でも相当の腕である事は、芹沢や桃太郎が説明済み。
皆、妖女が何か仕掛けて来てもまず封殺できるだろうと考え、さな子に加えて五ェ門が残れば戦力としては充分と見なしたのだ。
もっとも、残り全員が忠長に向かった訳ではなく、過半の者はもう一人に対する警戒に向かったのだが。
「ええい、何をしておる!」
女達に怒鳴りざま、忠長が傍に置いてあった大小二刀を抜き放って向かって来る剣客達に立ち向かう。
刃の妖しい光はそれが何らかの曰くある逸品なのであろう事を示していたが、持ち手が素人同然ではどんな名刀も無意味。
「おらよ!」
先頭に立つ銀時が軽い蹴りを放つと、それだけで吹き飛び、刀を放り出して痛みに転げ回る。
拍子抜けを通り越して呆れ果てる一同だが、忠長がどんな人間であろうと、この男が開催した御前試合の深刻さには変わりない。
「この御前試合とやら、中止して戦いを望まぬ者はすぐに帰れるように手配してもらおうか」
忠長に剣を突き付けて静かに告げる義輝。
尋常な人間ならば威に圧されて屈服したかもしれないが、半ば……いや、殆ど狂った忠長にはそのような感性は既にない。
「何をしておる!この無礼者共を殺せ!」
義輝に従うのでも命乞いをするのでもなく、忠長はただ怒りに任せて喚き散らす。
「如何なる願いも適える力を持つのであろう!?ならば、その全ての力を以って、この者共を皆殺しにせよ!」
杯……黄金の物ではない、もう一つの、見た目はごく普通の杯を掲げて叫ぶ忠長。そして……

「な!?」
忠長を見張っていた義輝と銀時が驚愕する。
忠長の叫びと共に杯が光り、それを掲げていた忠長が急激に干からび、老い、枯れ果てて行くのだ。
「た、助けてくれ、友矩い!」
己の身に起きた異変に動転した忠長が傍らの侍女に縋り付くが、侍女は座ったままそれを冷たく振り払う。
振り払われた忠長は空中で更に急激に干乾びて木乃伊の如くなり、地に倒れた衝撃で砕け風化して塵となって消え去る。
あまりの事態にさしもの剣客達も息を呑む中、侍女……いや、侍女に化けていた柳生友矩は、忠長の事など一顧だにせず、
投げ出されたままになっていた金色の歪な形の杯を拾うと、愛おしそうに撫でながら立ち上がった。
「友矩……柳生友矩殿か」
侍女に化けているのが只者ではないとは見抜いて警戒していた芹沢は、忠長の末期の言葉からその正体に辿り着く。
「私よりも……お仲間の身を気になされるべきではありませんか」
言った友矩の視線の先に目を遣ると、そこではさな子に抑えられていた妖女が光り出し、姿を変えようとしていた。
それに一瞬気を取られた芹沢達が気付いて振り向くと、友矩の姿は黄金の杯と共に消え去っていた。

背後から強大な魔力が開放されるのを感じ、果心居士は笑みを浮かべた。
「さすがは忠長殿。貴方なら、必ず聖杯の真価を発揮して下さると見込んでおりましたぞ」
聖杯……それは元々、耶蘇教の伝説に登場する宝貝である。
南蛮人に神の子とも顕現とも崇められる人間が処刑された際、流れる末期の血を受けた杯が聖杯だという。
その伝説は耶蘇教に抑圧され吸収された数多の神々の伝承を取り込み、聖杯は様々な効能を持つと信じられた。
耶蘇の国ではその名声は高く、無数の世界の中には、聖杯を願望実現器を示す一般名詞として使う者達もいたとか。
そうした者達の一部が行っていた聖杯戦争なる儀式……その存在を知った時、果心は己の願いを実現させる端緒を掴んだ。

果心居士に関しては様々な怪しい話が流布しており、正体は見極め難い。
陰陽術や修験道の術を使った逸話が伝わっているし、服装からして道術・仙術をも修めていると考えて良いだろう。
服部半蔵や飛び加藤と交流して忍術を盗んだ、耶蘇教異端の修道士から悪魔の力を借りる技を学んだ、といった話もある。
他にも朝鮮の妖術、婆羅門の呪術、波斯の幻術、更には南海の海底に眠る蕃神の邪術まで、果心が使うと噂される術は数多い。
だが、居士を名乗っている事からもわかるように、果心の術の根本は仏道。
仏道の法術にも様々あるが、その最大の目的は悟りを開いて仏となる事。
もっとも在家の修行者が自力で仏にまでなるのは困難であり、即時の成仏を目指すのなら基本的には他力によるものとなろう。
仏の中でも特に慈悲深く偉大な者は、充分な修行を積まず戒を守っていない者をも、成仏させてくれるという。
遥か十万億土の彼方、或いは遠い未来に現れるという強大な仏の許に赴き、その力で仏になるのが、いわば居士の奥義。
果心も修行の末、時と世界を越えて旅する術を身に付けたが、果心は居士と言っても外道の術師。
修得した術で仏国土を目指そうとはせず、穢土を渡り歩き、その過程で聖杯の事も知った。
時と世界を越えられる果心には、耶蘇教の開祖が処刑される瞬間に赴き、その血を杯に受け聖杯とするのは容易な事。
あの男が本当に神だったのか、或いは多くの人々の信仰の力か、出来た聖杯は神性を帯びていたが、果心の目的にはまだ不足。
そこで、果心は聖杯戦争と同様の儀式を行い、聖杯を強化する事とした。

聖杯戦争とは、歴史上の英雄の一側面を切り出した英霊を互いに戦わせ、敗れた英霊の魔力を聖杯に注ぎ活性化させる儀式。
もっとも、時を越える力があるとはいえ、多数の英霊を召還し制御するような芸当は果心には困難。
そこで、果心は手を下すまでもなく既に行われようとしていた殺し合い、即ち駿河城御前試合を利用する事にする。
様々な時代の多様な英霊ではなく、同じ時代に、多くは元々駿河に居た、武芸者同士の対決。
安易な手法に思えるが、同じ時代の者達を争わせる事による因縁と愛憎の深まりは、聖杯に予想以上の力を与えた。
だが、参加者の英霊という枠を外した以上、効果的に聖杯に力を与えるには別の枠を設定する事が必要となる。
そこで果心が新たに嵌めた枠の一つが、「御前試合参加者が聖杯の力となるには、剣で死ぬ必要がある」というもの。
剣術は当時の武士の表芸と言って良い地位にあった為、多くの武芸者が太刀・脇差・懐剣など剣によって命を断たれはしたが、
御前試合の参加者には槍や薙刀、手裏剣など剣以外を使う武芸者も多かったせいもあり、剣以外で死んだ者も少なくない。

まずは第二番試合において座波間左衛門が、磯田きぬの薙刀によって頭を割られて斃れたのが一人目。
二人目は第四番試合で、笹原修三郎が投げた槍によって貫かれ死んだ屈木頑之助。
また第六番試合の勝者である児島宗蔵は、試合中に重傷を負い、進退もままならぬ所を間者として鉄砲で射殺された。
第九番試合は少々事情が込み入っている。
記録上、九番試合の試合者は芝山半兵衛と栗田彦太郎という事になっているが、駿河城内で闘った二人はどちらも身代わり。
そこでは、彦太郎の父である栗田次郎太夫が、半兵衛の子である芝山新蔵を槍によって刺殺。
公式の参加者である半兵衛と彦太郎の対決は御前試合終了後に城下で行われ、そこでは半兵衛が彦太郎をやはり槍で斃している。
しかし、この御前試合の肝は闘う場所でも試合者の名でもなく、深い因縁と愛憎で結び付いた強者同士の対決という点。
その意味では、御前試合の翌日に行われた芝山半兵衛と栗田次郎太夫の決闘こそが、真の第九番試合と言って良かろう。
この決闘では二人は互いの脇差によって命を落としたので、彼等は果心が決めた条件を満たした事になる訳だ。
よって、果心が設定した「剣による死」という条件から外れたのは、座波・屈木・児島の三人。
彼等の武技を吸収できなかった分だけ聖杯は不完全となった。
それでも残り十九名の力を得た聖杯は大部分完成し、その時点で今回の御前試合を開催するのに充分な力を得ている。

但し、それで果心が聖杯を完成へ近付ける事を放棄した訳ではなく、座波と屈木をこの御前試合に招いたのは、聖杯の補完の為。
彼等に関しては、他の者と違い、死んだ時にはまず聖杯にその力が行くように特別な仕掛けが施されていた。
この二人がこの島において剣で死を迎えた事により、聖杯の力は更に増し、ほぼ完成形となっている。
だが、もう一人の児島宗蔵は呼ばれておらず、その力を得られない以上、聖杯が完全なものとなる事はない。
それは果心が敢えてした事。
完成した物は衰退するのみである事から、一点だけ未完成な部分を残しておくのが良いとする呪術的な思想による仕掛け。
伝承によればこの呪術の始まりは古く、例えば秦の始皇帝が中華を統一した際、この考えによって衛という小国を残しておき、
二世皇帝が父の考えを理解せずに衛を滅ぼしてしまった為に、間もなく秦も滅亡する事になったという。
また、日光東照宮に一本だけ逆柱があるのも、南光坊天海がこの呪術を採用して考案したものだと言われ、
その為か幕府が滅んだ時にも東照宮は豊国大明神のように破却される事もなく、数百年を経ても栄え続けたとか。
果心が聖杯を未完成としたのも、この考えに従って聖杯の機能を強化する為。
実際、聖杯の力は未完成な事によるただ一点の瑕疵を除けば、完璧なものとなっている。
その瑕疵もごく些細な物……聖杯の力を全開にすると、不完全さを補う為に使用者の精気が吸われる、というだけの事。
そして、この小さな瑕疵を補う為に果心によって選ばれた使用者が徳川忠長。
普通の人間ならば、聖杯の全ての力を使おうとすると、命の危機を本能的に感じ、思い留まってしまう公算が高い。
対して、果心の見込みどおり、狂気に侵された忠長の生存本能は麻痺しており、躊躇なく聖杯の力を使ってくれた。
果心は初めて忠長に感謝する。これで、果心がその全てを賭けた儀式の成否がはっきりするだろう。

背後での事態の成否が気になる所だが、そろそろ前方に注意を向けねばなるまい。
辻月丹や秋山小兵衛達、旅籠の抜け道に入った剣士達がそろそろ果心のところに辿り着く頃だ。
その中には富田勢源もいる、と思うと、治り切っていない背中の傷が疼く。
意趣返しをしようという訳ではないが、多少は驚いてもらおうか。
そんな事を考えながら、果心は懐に隠し持っていた武器を取り出した。

聖杯によって生み出された妖女の変貌に驚愕する剣客達。
中でも、妖女を直接抑え込んでいた千葉さな子の動揺は大きい。
何故なら、変身後の女の姿は紛れもなく、彼女の仲間である筈の……
「薫さん!」
のものであったのだから。

聖杯によって作られた戦士が神谷薫の姿を取ったのは、何もさな子を驚かす為ではない。
元々、それが磯田きぬの姿をしていたのは、彼女が駿河城御前試合の参加者の中で最後まで生き残った武芸者であったからこそ。
そして、神谷薫は、磯田きぬの異なる世界における写し身……二人は所謂、平行存在と呼ばれる関係にあるのだ。
きぬと薫では容姿も性格も流派も生涯も生きた時代も大きく違うが、世界が違えばその程度の差は当然。
共に座波間左衛門を強く惹き付けた事に見られるように、魂の奥底には似通った物があるのだろう。
そして、それこそが、他の参加者と比べれば大きく腕が劣る神谷薫がこの島に呼ばれた理由であった。

共に徳川忠長に主催された武芸者同士の殺し合いという点で、今回の御前試合と駿河城御前試合には似た点がある。
そこで、果心は駿河城御前試合をこの御前試合の前哨戦として組み込む事で、儀式の効果を高めようと目論んだ。
座波と屈木に加えて、藤木源之助、伊良子清玄等を参加させたのは、駿河城御前試合との縁を更に強固にする目的もあった。
もっとも、剣によって死んだ藤木や伊良子の術技は既に聖杯の中にあり、取り出せば聖杯が弱体化するので、
虎眼流の面々は、この御前試合の主催者である忠長が居たのとはよく似た別世界から呼んだのだが。
だが、駿河城御前試合を前哨戦と位置付けるには、誰よりもその最後の生き残り、即ち優勝者である磯田きぬの参加が必須。
そうなると、問題となるのはきぬの心根。
前述したように、駿河城御前試合で参加者の力を得る為に、参加者が剣で死なねばならないという制限を設けた。
しかし、今回の御前試合の場合、参加者の殆どが剣を第一芸とする剣客であり、そのような環境ではこの条件は緩過ぎる。
代わりに果心が決めた条件が、「参加者は自死ではなく、他者によって殺されねばならない」という枠。
そして、駿河城御前試合最後の武芸者である磯田きぬは、忠長の伽を拒む為、自害によって人生を終えたのだ。
他の参加者に比べれば大きく腕が劣るとはいえ、きぬとて一通りの技は身に付けた武術家。
懐剣を持ち込めたのなら……いや、素手であっても忠長を捻り殺すくらいの事は容易かった筈。
それを試みもせず死んだきぬの心は、戦国期の、松永弾正のような癖のある武士を間近に見て来た果心には柔弱に見えた。
そこで、果心と聖杯はきぬの平行存在を探り、武芸は似たような物でも、心の強さでは上回ると思えた神谷薫を発見。
つまり、神谷薫は、自身では何も知らない内に、磯田きぬの身替りとして呼ばれたのだ。
ただ、自ら死を選ぶのではなく、恋人と共に生き延びようと足掻き、殺される事だけを期待されて。

聖杯の化身が姿を磯田きぬから神谷薫に変えたのも、やはり二人が平行存在である事による。
きぬと薫、腕前には大差ないが、聖杯に記録された技の多くは剣技であり、剣士である薫の身体の方が効率的と判断したのだ。
そして、神谷薫に化けた事で、聖杯の計算にはなかったもう一つの効果を生む。
この場に居た他の剣士達とは違い、妖女と対峙していた千葉さな子にとって、神谷薫は島で出会った仲間。
もう一人、芹沢鴨も薫とは面識があるのだが、芹沢にとっては印象の薄い経験だったようで、反応は他の者と変わらない。
だが、さな子は薫が三合目陶器師に攫われて以来、ずっと気にかけていたのだ。
目の前の敵がいきなりその姿になれば驚愕で動揺は倍化し、不穏な動きを見せても斬る気にはなれなかった。
妖女はさな子の心の隙を突いて素早く腕を交差させ、物干し竿を白羽取りに掴む。
その体勢から石突きで襲い、さな子が咄嗟に剣を放し倒れ込んでかわすと、妖女は薙刀を捨てて物干し竿を奪う。
さな子も逆に妖女が捨てた薙刀を空中で掴み、妖女の追い打ちを防ぐが……
(この技は、座波さんの……)
腕の痺れと共にさな子は見抜く。それは確かに、昨夜さな子が死闘の末に破った座波間左衛門の天流の一撃。
しかも、太刀筋は確かに座波のものでありながら、膂力・脚力・剣速は明らかに彼を上回る。
さな子が座波との対決を通して天流への対処を学んでいなければ、今の一撃も凌げたかどうか。

「拙者が相手だ!」
さな子の危機を見た石川五ェ門が割って入り、斬鉄剣による渾身の一撃を、妖女に繰り出した。
二本の剣が絡み合い、火花を散らす。二人が繰り出した必殺の一撃のぶつかり合いは、まず互角。
無論、物干し竿とて並の剣ではないが、切れ味という点では、やはり斬鉄剣には一歩も二歩も譲るだろう。
そして、本来の持ち手である五ェ門の手に戻った今、斬鉄剣はその能力を余す所なく発揮できている筈。
にもかかわらず五分という事は、剣の切れ味を、その本来の潜在力を超えて引き出す技では、妖女が一歩優っているという事。
加えて、剣が絡み合って引く事もできず、普通ならその切れ味を発揮できない状況にありながら、
妖女は更に剣に力を加え、斬鉄剣ごと五ェ門を圧し切りにしようとして来る。
その鋭さには、斬鉄剣に絶対の信頼を置く五ェ門ですら危惧を感じ、咄嗟に拳撃を放って事態の打開を狙う。
だが、無理な体勢からの一撃がそうそう通じる筈もなく、あっさりと外され、直後に五ェ門は敵の姿を見失った。

「下です!」
さな子の言葉に反応して跳躍した五ェ門の足元を剣が通り過ぎた。
長剣による大降りのお蔭で脛斬りはかわせたが、続いての跳躍しながらの突き上げではその長さが武器となる。
五ェ門とて跳躍力や空中戦では滅多に後れは取らないが、ここは天井のある室内。
広間ゆえに天井は低くないが、彼等の跳躍力からすれば決して高くもない。
天井付近まで上がっての戦いでは、明らかに下から突き上げる妖女が有利。
「!?」
五ェ門もどうにか迎撃しようとするが、妖女の顔に似合わぬ鬼のような眼光に曝されて半瞬だけ動きが鈍る。
そこを妖女が貫くかと見えた瞬間、その体躯が横に吹き飛ばされた。
異常事態を悟った仲間達が駆け寄り、桃太郎が氣を放って五ェ門に加勢したのだ。
だが、岩をも砕く暹氣虎魂を受けながら、妖女はダメージを受けた様子もなく軽やかに着地。
華奢なようでありながら、その身体には上質の甲冑に匹敵する防御力を秘めているらしい。
「こいつは、面白くなりそうだ」
先程までは相手が碌な心得もない狂人という事で拍子抜けしていた者も、この敵は全力で闘うに値する相手だと悟る。
もっとも、主催者の首領と見えた忠長があっさりと死んでしまっては、この妖女を倒しても御前試合中止への道は険しいが。
しかし、目の前の女は先の事を思案しながら戦うには危険な相手。
とりあえずは余計な事は忘れ、一同は妖女との勝負に集中する事とした。

【???/主催者の本拠/一日目/午後】

足利義輝@史実】
【状態】打撲数ヶ所
【装備】備前長船「物干竿」@史実
【所持品】支給品一式
【思考】基本:主催者を討つ。死合には乗らず、人も殺さない。
一:主催者を討つ。
二:信綱と立ち合う。また、他に腕が立ち、死合に乗っていない剣士と会えば立ち合う。
三:信乃の力になる。
四:次に卜伝と出会ったなら、堂々と勝負する。
【備考】※犬塚信乃が実在しない架空の人物の筈だ、という話を聞きました。

【犬塚信乃@八犬伝】
【状態】顔、手足に掠り傷
【装備】小篠@八犬伝
【所持品】支給品一式、こんにゃく
【思考】基本:主催者を倒す。それ以外は未定
一:毛野の死の真偽を探る。
二:義輝を守る。
三:義輝と信綱が立ち合う局面になれば見届け人になる。
四:村雨、桐一文字の太刀、『孝』の珠が存在しているなら探す。
【備考】※義輝と互いの情報を交換しました。義輝が将軍だった事を信じ始めています。
※果心居士、松永久秀、柳生一族について知りました。
※自身が物語中の人物が実体化した存在なのではないか、という疑いを強く持っています。
※玉梓は今回の事件とは無関係と考えています。

剣桃太郎@魁!!男塾】
【状態】健康
【装備】打刀
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者が気に入らないので、積極的に戦うことはしない。
1:銀時、義輝、信乃に同行する。
2:向こうからしかけてくる相手には容赦しない。
3:赤石のことはあまり気にしない。
※七牙冥界闘終了直後からの参戦です。

【坂田銀時@銀魂】
【状態】健康 額に浅い切り傷
【装備】木刀、
【道具】支給品一式(紙類全て無し)
【思考】基本:さっさと帰りたい。
1:当面は桃太郎達に付き合う。
2:主催者から新八の居所を探り出す。
※参戦時期は吉原編終了以降
※沖田や近藤など銀魂メンバーと良く似た名前の人物を宗矩の誤字と考えています。

【芹沢鴨@史実】
【状態】:健康
【装備】:新藤五郎国重@神州纐纈城、丈の足りない着流し
【所持品】:なし
【思考】
基本:やりたいようにやる。 主催者は気に食わない。
一:とりあえずは義輝に協力する。
二:五ェ門を少し警戒。
【備考】
※暗殺される直前の晩から参戦です。
※タイムスリップに関する桂ヒナギクの言葉を概ね信用しました。
※石川五ェ門を石川五右衛門の若かりし頃と思っています。

【石川五ェ門@ルパン三世】
【状態】腹部に重傷
【装備】斬鉄剣(刃こぼれ)、打刀(刃こぼれ)
【所持品】支給品一式
【思考】
基本:主催者を倒し、その企てを打ち砕く。
一:主催者を倒し、芹沢の行動の記録を探す。
二:千葉さな子を守る。
三:芹沢を警戒
四:ご先祖様と勘違いされるとは…まあ致し方ないか。
【備考】※ヒナギクの推測を信用し、主催者は人智を越えた力を持つ、何者かと予想しました。
※石川五右衛門と勘違いされていますが、今のところ特に誤解を解く気はありません。

【千葉さな子@史実】
【状態】健康
【装備】物干し竿@Fate/stay night 、童子切安綱
【所持品】なし
【思考】基本:殺し合いはしない。話の通じない相手を説き伏せるためには自分も強くなるしかない。
一:目の前の女と薫の関係を探る。
二:主催者から仲間達の現状を探り出す。
三:芹沢達を少し警戒
四:間左衛門の最期の言葉が何故か心に残っている。
【備考】
※二十歳手前頃からの参加です。
※実戦における抜刀術を身につけました。
※御前試合の参加者がそれぞれ異なる時代から来ているらしい事を認識しました。

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最終更新:2014年04月03日 22:29