(債権の目的)
第399条
債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる。
【解説】
債権の目的の有効要件について、一般的な取引行為以外の約束についてこれを含めるものとした。
(特定物の引渡しの場合の注意義務)
第400条
債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。
【解説】
本条は、特定物債権における債務者の目的物についての善管注意義務を定める。
- 債権の目的が特定物の引渡しであるとき
特定物の引渡しを目的とする債権を特定物債権という。
- 引渡しをするまで
履行期を経過しても、引渡しまでは本条が適用される。ただし、履行遅滞となるときは、債務者は不可抗力についても責任を負い、債権者の受領遅滞となるときは、債務者は責任を軽減される。
- 善良な管理者の注意
善良な管理者の注意(善管注意)とは、債務者の職業、その属する社会的・経済的な地位などにおいて一般に要求されるだけの注意をいう。「自己の財産におけると同一の注意」に対する用語である。
- 本条の効果
債務者が善管注意義務に違反して目的物を滅失・毀損したときは、損害賠償責任を負う(民法第415条)。
第401条
1.債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
2.前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。
【解説】
第1項
第1項は、種類債権の履行に際し、債務者が債権者に対して給付すべき物の品質について定める。
- 「債権の目的物を種類のみで指定した場合」
種類債権を意味する。
- 債務者が債権者に対して給付すべき物の品質
→種類債権の項参照
第2項
第2項は、種類債権が特定する時期について定める。
- 種類債権の特定
→種類債権の項参照
- 債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了したとき
- 債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したとき