608 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17:34:11 ID:AtGQRRn4
わっ私、青木麻奈は今日とっても大変でした!!!
ま、まず、お昼ご飯の時に桜が一人くんに抱きついたりそれはもういつもとは違いすぎたり
なんか私もお菓子あげたりしたら一人くんに頭をなでられたりして…あぁああああもう!!!思い出しただけで恥ずかしいいぃいよおぉおお。
なんなんでしょうこの気持ちは!?恋なのですか(>o<)!!!!!!
(回想)
一人くんたちとお昼ごはんを食べているのですがすごく視線を感じます!!どうやら一人くんを見にきている女子が原因だからだと思うんだけど…
それでも多いですよ!!多分他のクラスからもきているんじゃないかというほどです!!!それもひとりひとりが
「はぁあ~~ん」
「きゃぁあああ!!!一人くんが食べているわ!!!」
「カッコイィぃイィっぃ!!」
とかすごく黄色い声援です!!!確かに一人くんはひきこもりだったのが信じられないほどイケメンさんです!!!
ですが、その黄色い声援で気まずいかというとそんなじゃなくて桜が一人くんに、な、な、な、なんていうかその、あ~んをしているからだと思います!!
桜は私と結構仲がいいんですけどこんな桜は初めて見ましたよ!!それに男子たちが阿鼻叫喚状態です!!!
一人くんは一日にして学校の男子の殆どを敵に回してしまったようです!!!
一人くん自身気づいていないと思いますが………まぁ一人くんですからね。桜も学校でお兄さんとご飯を食べれて嬉しそうですし別にいいのかな!?
ってそんなことよくないぃぃいいいい!!!!!
目の前でイチャイチャされたら私だってむかっーっときますよ!!!紗耶ちゃんもなんか目がギラついています!!!
なんか一人くんも驚いているみたいですし、桜が暴走しています!!お兄さんなのに押し負けているってなんか変ですね(笑)
「兄さん、はい食べてください。あ~んです。」
「さ、桜?兄さんちょっと困るかな……?いつもはこんなことしないよな?な?、なんで今日に限ってなのかな?!」
「別にいいじゃないですか兄さん。たまにこういうのアリですよ?」
「い、いやぁ~?そういうことはだね、えぇっとその、彼氏とか彼女さんのいる人がやることでして、ね?なんか周りの空気もおかしいから、ね?」
「そこまで兄さんが言うなら無理はしませんが……その、すみませんでした…。」
「ま、まぁ桜?落ち込まないでくれよ…ちょっと心が痛むからさ。」
「あ…兄さん…すみません。…私は、その、いつも兄さんに迷惑かけていますから…。」
「あぁあああもう!!!桜!そんなに落ち込まないでくれよ。ほら…その、あーんしてもいいからさ……。」
「…あぁ兄さぁん!ガバッ!!!」
うわぁあああ!!!桜が一人くんに抱きついてます!!!!これはだめですーーーー!!兄妹でやることじゃないですーーーー!!!
桜がうらやましいぃいいよぉおおお!!!!ってそんなことじゃないー!!もうだめです!!!私がガツンと言わないとです!!!
「桜!!!一人くん困っているです!!!!それにいつもと違いすぎです!!!!」
「スリスリスリスリ……むぅ、せっかくいいところでしたのに…麻奈は空気を読めないのですか?」
「そ、そんなことないもん!!!さっきから空気読めていないのは桜のほうだよ!!一人くんが困っていますよ!!!」
「兄さんは照れているだけです。だから困ってはいないんです。兄さんのそういうのは昔からのことです。」
「そ、そんなこと言ったって…。」
「…プルプル…ちょっとアンタたちいい加減しなさいよね!!!昼ごはんを食べているときに目の前でイチャイチャされたらムカつくじゃない!!!
それに一人さんもちゃんと言いなさいよ!!!男なんだからガツンと言わないと威厳ってものがないでしょ!!?」
「はっはい?!すみまえんでしrた!!!!」
(回想終了)
なんてことがありました!!!!!もう本当に大変だったんですよ!!?
帰るときにもまた一悶着ありましたしもうなんていうか大変だったんです!!!!
「麻奈~!!いつまでお風呂に入っているの~。早く出てきなさい~。」
あ!!!お風呂に入っていたことを忘れてしまいました(笑)
「母さんわかったよ~!!!」
609 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17:34:58 ID:AtGQRRn4
(一人side)
足が重い、それと呼吸も少し荒い。心臓の響きが全身を激しく巡っている。
なんだろう、痛いわけではないが胸がどくどくする……違和感を感じるけれども特に体に問題はない。
運動不足は本当に恐ろしい。少しの期間でも体はすぐに鈍るものだ。
今は家に帰ってすぐに風呂をすませてベッドで横になっている。なんていうか……疲れたって言葉が似合うのかもしれない。
夕飯の時間までは結構あるはずだから少し休むことにする。
ここ数日学校に行くための仕度とか色々忙しかったし、なにより昼の桜の抱きつきが精神衛生上非常に良くない。
桜はあんなことは家でもしないはずだ。やっぱり嬉しかったのかな……。
中学校の時のあの日からずっと迷惑をかけている。妹に苦労をかける兄なんて駄目な兄だ。
両親がいないのにずっと俺が桜を苦しめていた……。
だから桜が大人になるまでは俺がしっかり支えてやらないといけない。
俺もこれから少しずつ料理とか裁縫を勉強していこうと思う。
ちょっとずつ覚えていけば2年もかからないだろうし桜の負担にならなくてすむ。
桜の誕生日にケーキを作ってみたりしたら喜んでくれるかもな。桜のことだ、目を大きくして喜んでくれるはずだ。
口は達者な妹だけど心は子供のままだもんな、今日のお昼みたいに我を忘れて抱きついてきそうだ。
桜の嬉しそうな顔が浮かんだ。想像の中でも妹の笑顔というのは可愛くてつい頬が緩んでしまう。
桜はあまり
プレゼントとか欲しいものはないらしい。毎年訊いているけれど大体「いらないです。」と言われてしまう。
桜なりにお金とかそこら辺のことを考えて遠慮しているのかもしれない。
しかし青春の中でそういったモノを与えられないのは兄としても一個人としても情けないしかわいそうに思えてくる。
たしかに両親の保険のお金でまだ生活には困ってはいない。だがそれでは駄目だ。
バイトでもしてコツコツと貯金して桜に立派なプレゼントをあげれるようにしないとな。
といっても桜の好きな物とかは正直良くわからない。
部屋は共同だからゲームに良くある女の子の部屋という感じでもない。それとなく時計とタンスなんかが置いてあるだけだ。
ぬいぐるみとかが女子では流行っていると思っているのだが妹からはそんなことは微塵も感じさせない。
昔はもっと女の子って感じだったんだけどいつからか今みたいな性格になった気がする。
こうなると俺のセンスが試されるわけで、俺にとってはそういう物を売っている店すら知らないわけだからほとんど詰んでいる状態だ。
コンコンッ!
「兄さん。ご飯できました。いつでも用意出来ていますから温かいうちに来てください。」
「わかった、今いくよ。」
610 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17:37:35 ID:AtGQRRn4
「兄さん今日のご飯どうですか?結構自信があります。」
「いつもより美味しいよ。で、桜?」
「なんですか兄さん?」
「もう少し先に誕生日あるけど欲しいものある?」
「兄さんいくらなんでも早くないですか?私は12月生まれですよ?あと3ヶ月くらいあるじゃないですか。」
「いや、そうだけど今年は盛大にしたいからさ。何か欲しいのある?」
「ないといえばないですけど…あるといえばあります…。」
「なんだ…?遠慮しなくていいんだぞ。」
「あの…兄さんと…買い物がしたいです…。」
「買い物?本当にそんなのでいいのか?」
「はい、そろそろ服の買い替え時ですし兄さんも服を買わないと困ると思います。」
「そっか…俺も外に出たりするかもしれないからか。気を利かせて悪いな。」
「大丈夫です。それが私のお仕事みたいなものですから…(それにデートができるんですから私が感謝しないといけません)。」
「ならいいけど別に遠慮とかいらないからな?桜にはいつも悪いと思っているんだから誕生日くらいはいい思いさせてあげたいんだ。」
「兄さん…私は遠慮なんかしていません。いつも楽しいですから大丈夫です。それに兄さんはもっと自分の魅力に気づくべきです。」
「魅力…?」
「いえ、なんでもないです。それよりお買い物ですけど12月になると服買っても遅いですから今度の休みにでも行きましょうか?。」
「そのほうがよさそうだな。」
(桜side)
夏も過ぎたはずなのにやけに暑く感じます。
ベッドのフカフカが肌に心地良くて落ち着けます。
このベッドの下には兄さんが寝ています。二人の部屋です、あの頃と変わらない、何も変わらない、二人だけの世界です。
今日は私にとってとても心に残る日でした。
兄さんが学校に通うようになって麻奈や紗耶ともそれなりに仲良くなっていました。
それに兄さんが私の誕生日のことをこんなにも前から考えてくれているとは思いませんでした。
兄さんに愛されていると実感できます。私はなんて幸せなのでしょうか。
お昼の兄さんの言葉を思い出します。
思い出すだけでも興奮してくるのが分かります。
兄さんのことを想うと独りで慰めることが多くなった気がします。
兄さんが引き篭っていたときはほんのちょっとした時間で兄さんの服の匂い嗅いだりしていました。
今日のお昼だってあんなことを言われてしまっては絶頂しそうでした。
兄さんの困った顔はとてもかわいいです。あんな顔で言われてしまったら私は為す術もないです。
611 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17:38:23 ID:AtGQRRn4
兄さんははしたない女性は嫌いですからこんなことをしていてはダメです。
ですが兄さん、私は兄さんとの関わりがないと死にそうです。
今すぐにでも兄さんと交わりたいです。兄さんに愛の言葉を囁かれたいです。
幼い頃みたいに二人でひとつのベットを使って寝たいです。
兄さんにたっぷり甘えたいです。いつもはできないことをいっぱいしたいです。
しかし兄さんのことがこんなにも好きなのに兄さんは振り向いてくれません。
やはり昔のことで避けているのでしょうか……。
今でも兄さんはあの頃の話は一切喋りません。
不思議なのはまるで本当になかったかのように接してくれているところです。
ですが兄さんのことです、私を気遣っているのかもしれません。
あの事件以来私は兄さんを普通の兄としてみようと努力しました。
けれどそれは無理なことでした。
あんなに愛している人をどうみたって普通になんか見れません。
だから私は兄さんが私を好きになってくれるように努力しました。
料理に洗濯、家事全般は完璧と言っていいくらいにまで上手になりましたし
兄さんが好きそうな髪型やキャラをパソコンから探してマネするようになりました。
だから私は兄さんが兄さんの口から本当に愛していると言ってくれるのを信じています。
兄さんを信用できずに愛しているだなんて矛盾しています。愛しているから信用しているんです。
兄さんに死ねと言われたら迷いなく死にます。
裸になれと言われてたら大通りでも裸になります。
セックスをしろと言われたら兄さんが納得するまでします。
いわれたことなら何だって喜んでやります。
奴隷の扱いでも私は兄さんの隣にいれたらいいんです。
はぁ…熱くなりすぎてしまいました。
612 キモウトとひきこもり兄Ⅲ sage 2010/09/06(月) 17:39:04 ID:AtGQRRn4
(翌日)
「えぇ~!!?私が一人くんにですか!!!」
「ちょ!!ちょっと麻奈ちゃん声大きいよ!!!」
「あぁ!!!すいません!!!」
「で、ホントナンデスカ?」
「うん、だって昨日のお菓子って手作りでしょ?」
「そうですけど~私なんかでいいんですか?」
「俺…男の友達がいないしなにより名前知っているのが紗耶ちゃんと麻奈ちゃんしかいないんだ…。」
「す、スミマセンっ!なんか聞いちゃダメでしたね…。」
「い、いや別にいいけどさ…。で、大丈夫かな?」
「大丈夫ですけど…味は保証しないでくださいよ?私も人にケーキの作り方教えるのは初めてですから。」
「よかったーホッとしたよ。ありがとね麻奈ちゃん。」
「いえいえ、どういたしましてです。それでは週末にやってみますか?」
「そうだね、そうしよっか。」
スタスタッ
「どうしたんですか兄さん?」
「おお、桜か。特に何でもないよ、ちょっと麻奈ちゃんに学校のこと聞いてただけだよ。」
「そうですか、別に私に聞いても良かったんですよ?」
「桜がいなかったから私がやったんですよ~だ。(チラッ 話はあわせておきますよ)」
「麻奈ありがとう。兄さんこの後暇ですか?」
「ん、なんかあるの?」
「私一人だと重たいので夕食の食材を持っていただけないですか?」
「今日は飯が豪華なのかそっか、じゃあ手伝うよ。」
「ありがとうございます。では早速行きましょうか。麻奈、また明日です。」
「それじゃ麻奈ちゃん気をつけてね。ばいば~い。」
「お二人ともこそ気をつけてくださいねー!!!」
(麻奈side)
ふぅ~それにしても桜と一人くんはお似合いですね~。
一人くんとお菓子づくりか~楽しみです。
はっ!?そうしたら家に一人くんが来ることになるよ!!!!
部屋とか片付けとかないと!!!!それに部屋に男の人をつれるのとかって初めてだ!!!
あぁダメです、興奮してきました…。と、とにかく準備はしとかないとっ!!
早く週末になってくれないかな。
最終更新:2010年09月12日 21:18