484 名前:
【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦4話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12:07:46.57 ID:a/3ngw9W [8/13]
「っぷはあ」
はぁはぁはぁ、い、息が、酸欠になったのかなんかぼーっとしてる。
「なによぉ~、そっちからもちゃんと返してよぉ~」
「いやあのね、どうしてこうなったのかは聞かないの?」
「なにが~?、そんなのどうでもいいじゃない~」ハァハァ
いやいやいや、聞くでしょ?普通疑問に思うでしょう?
「とりあえずね、一旦落ち着こう?」
「落ち着いてるわよっ!私が冷静なわけないじゃない!」
?
いやそうですね、冷静じゃないですよね、取り乱してますよね。
わかってんじゃん。自覚ありまくり?
「何をいってるか、おわかりでせうか?」
「わかってるわよ、あんたのことが大好きで、好きで好きで好きで、今まで我慢して我慢して我慢して我慢して我慢してえぇぇぇぇ」
いや何もおわかりじゃないですね。
とにかく、理性の防波堤がぶっ壊れ、感情の波があふれ出していることはわかった。
「いやそれはわかったけど」
「わかってない!、私がどれだけ、どんだけ、どんだけぇ~~~」
まあ惚れられてるってのはわかった。
ところどころそんな気がするようなことはあったんだけど、てっきり秀樹に惹かれてるんだと思ってた。
まあ、悪い気はしない。
しないけどなぁ・・・
「ずっとずっとずっとず~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っとよ。どんだけ長かったか」
「気が付いたら好きだった、けどヨシのまわりにはあの二人がいた。かなうわけないじゃない」
「あんなに綺麗で、あんなにかわいくて、おまけにスタイル抜群の優等生、私がかなうわけないじゃないのよ」
「陽子・・・」
「でも、でもね、いつか、いつかは私に振り向いてくれる、きっとヨシは私のこと好きになってくれるはず」
「けれど、いつまでたってもあの二人がまとわりついて、ヨシは振り向いてくれなかった」
「いやでも、陽子」
「いやでもじゃないわよ、・・・そうよね、振り向いてくれるなんてないわよね。あんな二人が傍にいるんだもの」
………。
何も言えなかった。
あいつらのことブラコンブラコンって呼んでたけど、オレだって立派なシスコンだったんよな。
嫌がるそぶりして、結局はあきらめたフリして喜んで受け入れていたんだもの。
陽子をそっと抱きしめた。
陽子は火のついたように泣き出した。
オレの胸のシャツがあっという間に濡れてしまった。
うううううええ~~~~ん、うぇうぇうぇううううう。うわ~~~~~~~ん
オレはだまってやさしく陽子の頭を撫でる。
ぶええええええ、うぼああああああああああ、ぐおおおおおおおおおおおん
ええ?いやあの、なんか違わない?
ここはサメザメと泣いて、いいシーンになって、
お互い見つめて、そのままキスして、
なんじゃかんじゃと朝チュン、事後報告みたいな流れじゃないの?
これじゃ獣の雄叫びだよ。雰囲気台無しだ!
あ~あ~も~なんだかなぁ。オレのまわりはそんなメルヘンは望めないのか?
485 名前:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦4話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12:10:57.64 ID:a/3ngw9W [9/13]
しばらく陽子の魂の叫びは続いた。
そのうちおとなしくなったなと思ったら、泣き疲れてそのまま寝てしまったようだ。
やれやれ・・・
やさしく、そっとソファに寝かせてやる。
陽子の顔を見つめる、顔のアナというアナから、水分が吹き出して、その跡が残っていた。
かわいい顔が台無しだな。
キッチンに行き、タオルを濡らして持ってくる。やれやれと、そっと顔を拭いてやる。
涙と涎と鼻水と汗、百年の恋も冷めちゃうぞ、これじゃあ。
そうだよな、気が付いたら秀樹と3人いつも一緒で、何をするにもどこに行くにも一緒。
光
姉さんや、蛍よりも一緒にいる時間ながかったもんな。
大丈夫だよ、陽子は、光姉さん、蛍と同じぐらい大切な人だよ。
やさしく前髪を上げておでこにキスをする。
けど、なんだかなあ、薄々気づいてはいたけど、まさかオレなんかだとはなぁ。
「そうよねぇ、まさか陽子ちゃんも、ヨシ君好きとはね」
「蛍は知ってたよ。陽子姉ちゃんが、兄ちゃんを好きなこと」
………………………………………………えっ?
「どっからわいた!」
「わいたなんて、人聞きの悪い、虫じゃないんだから~」
「そーだよ。いったでしょ?兄ちゃんの匂いがわからないわけないって」
もう突っ込まないからな。
「ところでどっから見てた?」
「ん?兄ちゃんが「陽子姉ちゃんは、私たちと同じぐらい大切だって」」
え?オレ口に出してた?
「それぐらいわかるわよ~」
お前らワンコやオオカミどころか、九尾のキツネのような妖怪変化かよ!
それはまあいい、あんまりよくないような気がするけど…
なんかもうどうでもよくなってきた。
「で?」
「なにが?「で?」なの?」
「どーすんの?」
「なにが?」
「いや、これからどうすんの?オレを襲うの?」
「襲うなんて、そんなことしないよ兄ちゃん」
「そ~よ、かわいい弟を傷つけたりしないわよ~」
どの口がほざいてやがりますか、さんざん人を追い掛け回してくれたくせに。
「なんか、走り回ってたら、こ~ムラムラ?っていうの~?」
「そーそー激しい情熱は、激しい運動したら消えちゃった」
なんだそりゃ?情熱ってああいうことを言うのか?
いったいなんなんだよ。
「ちょ~っと、公園の木とか~、街灯とか~」
「ベンチとかー、トイレのドアとかー」
「ヨシ君探してたらね~。まあ、大した問題じゃないけどね~うふふ」
ん?今なんつった?木とか街灯とか、ベンチとかトイレって何をしたお前ら・・・
486 名前:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦4話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12:13:25.21 ID:a/3ngw9W [10/13]
「さあもう、夜があけるし~。お姉ちゃん、さすがにお腹減っちゃった~」
「蛍もー、兄ちゃんの料理食べてないもんね。早く帰って食べよ―よ」
つか、今何時って5時半かよ。どんだけ逃げ回ってたんだ、オレ。
「とにかく、陽子このままじゃ風邪引いちゃうから、ベッドに寝かせてくるよ」
「じゃあ、お姉ちゃんがしてあげるよ」
「蛍がしてあげるから、あ、でもそうなると、兄ちゃん独り占めされちゃう」
「いや~ん、じゃあ蛍ちゃん、陽子ちゃんをお願い~」
「うるさいよ、陽子が起きちゃうだろ?じゃあ二人は、ここを片付けてくれ」
「「は~い」」
やけに素直だな。まあいい
さてと陽子を抱っこして、と。そっとそ~っとね。
勝手知ってる幼馴染の家。陽子の部屋に入る。
久々だな、前は女の子した部屋だったけど、わりかしシンプルになっちゃったな。
そ~っとベットに寝かせ
「ねぇ」
「ん?起きちゃった?ゴメン」
「やっぱり私、二人にはかなわないかな?」
「んん~そんなことないよ」
「そっか、大切な人だもんね」
「・・・聞いてたのかよ」
クスクスと笑う陽子。やっぱ笑顔方が好きだな。
「・・・そんな、好きだなんて//」
あれ?また声に出してたの?オレ
「以心伝心ってやつだよ、兄ちゃん」
「やっぱり~陽子ちゃんも~私達の~『仲間』だよねぇ~」
またお前らは、ん?『仲間』?
「そうよ~『仲間』よ~、ヨシ君好き好き連合の~」
「そうだよ、兄ちゃん大好きっこ倶楽部のー」
なんだそりゃ?いつからオレはアイドルになったんだ?
「そっか、そうだよね、『仲間』なんだよね」
「うふふふ~」
「えへへへー」
「あはははは」
487 名前:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦4話 ◆dtvnEZ7OsY [sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12:14:30.30 ID:a/3ngw9W [11/13]
なんだ?こりゃ?大団円ってやつなのか?
…いや違う、違うよな?
オレはこの3人から襲われて、逃げ回ってたヘタレだよな。
鬼畜な考えかもしれないけど、
1.これから3人で修羅場になって
2.3人が戦っている隙に、オレは逃げ出して、
3.秀樹のところに逃げ込む
それで助かった。ホッ、
てな展開じゃないの?
そういや、ワンコの習性って『群れ』を作って『仲間』を守るんだよな。
一緒に『狩り』をして、『獲物』は均等にわける。
なんだ、そういうことか、こいつら『仲間』ってことは?
3人の目が一斉にオレに向けられた。
その眼は、ギラついた獣の目だった。
最終更新:2012年08月16日 00:38