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ムラマサ - (2009/01/22 (木) 18:35:48) のソース

*ムラマサ
着用アイドレス:高位西国人+ムラマサ+ミフネ+猫柔術家
[[高位西国人を継承>http://www23.atwiki.jp/kinoutun/pages/171.html]]
[[ミフネを継承>http://www23.atwiki.jp/kinoutun/pages/374.html]]
[[猫柔術家を継承>http://www23.atwiki.jp/kinoutun/pages/170.html]]

L:ムラマサ = {
 t:名称 = ムラマサ(職業)
 t:要点 = 日本刀、構え、静かな顔
 t:周辺環境=荒野
 t:評価 = 体格4,筋力4,耐久力4,外見2,敏捷3,器用1,感覚2,知識1,幸運2
 t:特殊 = {
  *ムラマサの職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
  *ムラマサの着用には根源力12万が必要になる。
  *ムラマサは射撃を受けた場合の装甲判定に必ず成功する。
  *ムラマサは白兵戦闘行為が出来、この時、攻撃、防御、移動判定は評価+7され、燃料は必ず-4万tされる。
  *ムラマサは同調判定に必ず失敗する。(摂政の効果に優先する)
 }
 t:→次のアイドレス = 妖刀(マジックアイテム),名刀(アイテム),単独突撃300(陣形),剣投げ(絶技)
}

-プロモ前のデータ
L:ムラマサ = {
 t:名称 = ムラマサ(職業)
 t:要点 = 日本刀、構え、静かな顔
 t:周辺環境=荒野
 t:評価 = 体格4,筋力4,耐久力4,外見2,敏捷3,器用1,感覚2,知識1,幸運2
 t:特殊 = {
  *ムラマサの職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
  *ムラマサは射撃を受けた場合の装甲判定に必ず成功する。
  *ムラマサは白兵戦闘行為が出来、この時、攻撃、防御、移動判定は評価+8され、燃料は必ず-4万tされる。
  *ムラマサは同調判定に必ず失敗する。(摂政の効果に優先する)
 }
 t:→次のアイドレス = 妖刀(マジックアイテム),名刀(アイテム),単独突撃300(陣形),剣投げ(絶技)
}

-評価値
||体格|筋力|耐久力|外見|敏捷|器用|感覚|知識|幸運|
|高位西国人|1|1|1|1|1|0|1|2|0|
|ムラマサ|4|4|4|2|3|1|2|1|2|
|ミフネ|4|3|3|2|3|1|2|1|2|
|猫柔術家|4|3|3|-1|0|0|1|-1|0|
|計|13|11|11|4|7|2|6+1|3|4|
[[高位西国人+猫妖精+猫先生+猫柔術家]]よりHQ継承(第2世代):[[感覚+1>http://p.ag.etr.ac/cwtg.jp/tenryo/1405]]

**設定文
/*/
-ムラマサ-
刀匠・千子村正が拵えた作品の総称、主に日本刀
数々の逸話・噂を残すムラマサだが、近年になって疑問視する声が上がっている
伝説に謳われた、その切れ味を生み出すのは、刀身ではなく、使い手の技なのではないか?
と言う説である
膨大な資料、様々な伝承を元に調査・研鑽が行われ、そして確信した
受け継がれるのは製錬法や鍛冶の技術ではない
斬る為に編み出された斬る為の剣、その業こそを伝える鋼の系譜
身に付けた者が、ムラマサへ至ると

其は、時を越えここキノウツンにて現代へと蘇る


発行・土津恋書房  著・鱧野 月「すぐキレるわ刃物」より抜粋


/*/


「うさんくSEEEEEEEE!!!!!てか、また土津恋書房!?」
「しかし、ムラマサについて書かれている書物が、他に無かったのであります」
読んでいた本から顔を上げ溜息をつく青狸と桜城の2人
「高原もなんでこんな所選ぶんだか、まあ街中で刃物振り回されても困るけど」
自分達のいる場所を見渡す、開拓が進んでおらず岩がゴロゴロしていて、人はおろか草木さえ疎らなだだっ広い荒野
「あの岩を斬ると仰いましたが、可能なのでしょうか?」
「うーん、剣術持ちって言っても、白兵評価って岩にも通用するのかしら」
自分の何倍もある大きな岩を前にたたずむ高原、刀を構えたまま、かれこれ2時間になる
「ねー!そろそろ帰ろうよー!あんまり帰りが遅くなって火焔に疑わ…心配かけたくないんだケドー」
返事が無い、ただの鋼のようだ
「ホントにやる気なのかな」
殺気も雑念もない、穏やかで静かな顔をしている
少なくとも、これから岩を斬ろうとする人間の顔ではない
「いざとなったらコレで・・・権~威の~メ~イ~ス~」
ピッコピッコとメイスを振る青狸
「アレ?始めるみたいですよ」

高原がようやく動き出した
何の変哲も無い下段の構えから、斜めに振り上げる一閃
居合いのような速度で斬る技ではない、むしろ動きは遅過ぎる様に感じる
すると驚くべき事に、刃はゆっくりと岩に吸い込まれ、バターにナイフを入れたかの様に滑って行く
刃が完全に通ると、岩は重力に引かれ地面へと落ち、砕けた
残った方の岩の断面は、滑らかを通り越し、磨かれた鏡の様で、とても斬撃に拠るものとは思えなかった
数秒の残心の後、日本刀を持った手を高らかに掲げ、吠える
「俺が!俺達が!ムラマサだ!」

&blankimg(mura.jpg,width=480,height=480)

高原の下へ駆け寄って抱きつく2人
「SUGEEEEEEEEEE!!斬っちゃったよ!これがムラマサか!」
「小生も!!小生もムラマサになりたいのであります!」
目を輝かせ興奮している桜城、鼻息が荒い、しかし
「残念ながら…桜城くん根源力が足りない」
ポムと高原に肩を叩かれ、膝を着いて泣き崩れる
「小生は…ムラマサになれない…or2」
「なあに頑張れば、そのうち着れる様になるさ」


こうしてムラマサは受け継がれていく・・・のか? 


&color(red){#以下はプロモーションのための追加設定文です}
数日後…

キノウツン政庁の一室。はるは桜城キイチからの相談を受けていた。
「紛失したページ?」 
「はい」 
桜城はそういうと、鞄から一冊の本を取り出す。 
「『すぐキレるわ刃物』じゃん。それがどうかしたのか?」 
「実はここなんですが」 
ぺらぺらとページをめくると、いくつかページ番号が飛んでいる部分がある。 
「あ、本当だ。前読んだ時は気づかなかったな」 
「ええ、それで資料室を探して見たところ、こんなものが…」 
再び鞄に手をつっこむと、桜城は古びた何枚かの羊皮紙を取り出した。 
「…普通の出版物だよなこれ。何で羊皮紙?」 
「原本しか存在してなかったんです。たぶん出版した時から抜けてたんだと」 
「それもどうなんだ…」 
ぶつぶつ言いながらはるは、羊皮紙に目を通す― 

ムラマサ心得五箇条 
一ツ・その刃は自らの心の闇を切り、他者を守り、命を慈しむ為にのみ振るうべし 
一ツ・道は孤独なれど嘆くべからず 
一ツ・地に足をつけ、太陽を浴び、心身健やかにせよ
一ツ・力に溺れる事勿れ 
一ツ・根源力は十五万以上でないと使えない。身体鍛えて身につけろ 
以上之心得を守れぬ者、ムラマサに能わず 
心得よ。己の闇に溺れる事なかれ 

「…ムラマサって厳しいもんだな」 
「はい。まあそれはさておいてこちらのページを」
「どれどれ」
そこには刀で滝を切ったり、身体にすさまじい負担をかける構えなど様々な特訓の図が描かれていた。
「これ全部やるのか」
「みたいですね」
「まあ、物は試しか」
羊皮紙を置いてはるは苦笑する。
根源力15万以下とはまた具体的だなあと。

著者には一度会ってみたいものだ。

ムラマサ。妖刀とも言われるカタナの名を冠する存在。
職ではない、強さの称号――あるいは象徴。

――村正が人を斬る妖刀であるという伝説は、のちに後世の創作であると断言されている。
忠臣にも愛用者が多く、かの『蜻蛉切』も村正一派の銘が刻まれていたという。

なぜ、彼は悲運の刃の名を職に冠したのだろう。
そんなことを思いつつ羊皮紙を裏返すと、まだ続きがあった。
どうも、作者の後書きのようだった。

「えっと、ムラマサの剣には~」

&italic(){――ムラマサの剣には速さはいらない}
&italic(){あらゆるを斬る、その意志を刀に託し、身と心を刃に預け、そして振るう}
&italic(){刀の思うまま、進むまま、流れるままに刀を動かす}
&italic(){さすれば、あらゆるものは線を刻み別たれていく}

&italic(){ただ刀の語るままに}

&italic(){それは幾千の戦いの果てに口を開く}
&italic(){幾千の戦い、幾千の命の流れ、幾千の生、幾千の勝利、}
&italic(){――そして幾千の死}
&italic(){阿鼻叫喚の地獄の白昼に見る悪夢}
&italic(){その死の荒野を越えた果てに現れる、声}
&italic(){「斬れ、刃の意志のままに――」と囁く。}
&italic(){我はその言葉をムラマサと名づけた。}
&italic(){ムラマサとは千の戦いの先に聞こえる刀の言葉}
&italic(){心の光であり、闇であると}
&italic(){声の正体、それはただの幻である}
&italic(){千の戦の蓄積は、時として人ならざる閃きを持って体を動かす。}
&italic(){――人はそれに幻を聴き覚え、刀の「言葉」を発しているかのように錯覚するのだ。}
&italic(){本来のそれは、幾重もの修練の果ての無意識の閃きでしかない。}
&italic(){だが、人の弱き心はそれを「人格」と錯覚し、刀の言葉と受け止めてしまう。}
&italic(){まるで、千の戦いが産んだ非情な現実から逃れるかのように。}
&italic(){ムラマサの正体とはそこである。}

&italic(){刀をまやかして語らい、刀と騙るあやかし――それがムラマサ}
&italic(){ 声を幻と受け止め己の力と運命にうち克つとき、ムラマサの声は止む}
&italic(){消えるのではない、刀に預けていた自分を受け入れて、ひとつとなるのだ}
&italic(){ひとつとなれば、自らの声こそがムラマサとなる}
&italic(){ 身も心も鋼の如く鍛えよ}
&italic(){ 千の戦いを見知り、千の不条理を薙ぎ払い、千の命の定めを背負え}
&italic(){その行く末にムラマサは訪れる}
&italic(){ しかし、努々忘れる無かれ、}
&italic(){その声は妖しであると。その声を越えし先に剣はあるのだ。}
&italic(){――ムラマサに打ち克ち、ムラマサとなれ}


 そこまで読んではるは、羊皮紙を古文書に挟んだ。

「ムラマサに打ち克ち、ムラマサとなれ…ね」
 なんとも気の遠い話に、再度苦笑する。
「どうやら、先はまだまだ長いようだぜ、キイチ君」
「そうですね」
ヒョオオオ、と風が音を立てて流れる。

羊皮紙に書かれた特訓は壮絶を極めた。

「荒野をうさぎ跳びして往復ー」
ぴょん、ぴょん、と高原と青狸はうさぎ跳びで跳ねる。
汗が額からこぼれ、地面に消えていく。
「こ、これは確かにきつい!きついけど!」
「何でこっちはうさぎ跳びでお前は後ろからジープ飛ばして追っかけてくるんだ!」
「いやそう書いてあるしー」
ギュルルルルルル
「畜生、あの野郎アクセル踏みやがった!」
「逃げるんだ高原!」
「うぎゃー!」

「砂の滝を竹刀で1000回切る」
ズズズズズ、という音が回りに響き渡る。西国であるキノウツンには水の滴る滝はなかなかないのだった
「えーと、この明らかに大人の肩幅より広い滝を竹刀で切れというのか」
「そうだな」
「よーし。やってみよう」
ぱしっ、べきっ、どすん
「あ、青狸さーん!」
「砂の重量であらぬ方向に腕が曲がっておまけに落っこちたぞおい…」
「まあ、次行ってみよう」

そして更に数日が過ぎた―

「うーん」
羊皮紙を手に、はるは悩んでいた。
「更なる訓練を積んでみたけど、何かあと一歩な気がするなあ」
「大分身体を虐めてましたよね」
「よく入院しなかったと思うよ」
「しかしこー特訓の方法だけしか書いてないし」
ひらひらとはるが、羊皮紙を振る。当たり前の事ながら何かが出てくるわけでもない。
が、遠巻きにその様子を眺めていた高原が、はるに声をかける。
「……その羊皮紙、ちょっと透かして見てくれないか」
「何でまた」
「いや、根源力が15万以上ないと使えない、っていうのは他の職業でもあるからわかるんだけど、なんでそのことを古文書を書いた人は知ってたのか気になってな」
それを受け、はるは羊皮紙を上に掲げてみる。
「おお、表面裏面以外の部分でも文字が重なってるな」
「と、いうことは―――」
「紙同士がくっついてるみたいだな。古いからか、カルピスでもこぼしたのか」
「川べりに捨ててあるビニ本じゃないんだから……」
「とにかく、確認してみよう。そっと剥がすんだぞ、そっと……」
丁寧に剥がされた羊皮紙、そこに書かれていた内容とは。
「この文章を記した人の心得に関する注釈みたいですね……。」
青狸が文字を覗き込みながらつぶやく。
「して、何と書いているのでありますか」
桜城の声に応えるように、誰からともなくその内容を読み上げる声が響く。

&italic(){ムラマサを目指す後世の者たちへ。ムラマサの持つ力は非常に大きい}
&italic(){我が時代において修練が不十分なままムラマサとなり、力に溺れ、心の闇に囚われる者は後を絶たなかった}
&italic(){その結果、多くの民の命が失われた}

「……今の僕たちみたいですね……」

&italic(){傷つき倒れる民を、そして自らの無力を嘆いた我が王は、世界樹に働きかけ、ムラマサに一つの枷を与えた}
&italic(){私はムラマサ心得を記すことにより、その枷のあらましを後世に残す。枷、その名を「根源力」という}
&italic(){我が王はムラマサに、己を律する強き心と、強き心を宿すための頑強なる器を求めた}
&italic(){多くの戦に出で、数多の敵と闘い、無数の友と力を合わせた経験こそが、己の攻撃衝動を押さえ込む秘訣である}
&italic(){よって我が王は、根源力15万を超えるほどに戦場に慣れ、己を保つことの出来る強さをムラマサの枷とした}
&italic(){この枷に耐えうるだけの強さを持たぬ者は、枷の重みにより身動きが取れなくなるのだ}
&italic(){だが後世の統治者たちよ}
&italic(){枷を必要とするまでに国情を悪化させたのは、我々統治者の不覚である}
&italic(){貴方方は枷を必要とせずとも善政を敷くことを切に願う}

「力不足……申し訳ないです……」
「結局、どういうことだったのでありますか?」
疑問の表情を浮かべる桜城に、高原が答える。
「この文書を書いた人の時代にもムラマサがいて、俺たちのときと同じように暴れまわって大変な状況だった。
そこでその当時の藩王様は、世界樹…(イグドラシル)に働きかけて、ムラマサに着用制限を付与したんだと思う」
「それがムラマサ心得にある『根源力15万』……?」
「ああ。そして根源力15万に満たない者がムラマサを着用すると身動きが取れない、つまり低物理域で高物理域の機械が止まるようなことをペナルティにしたんだろう」
「しかし、俺たちの代のムラマサは15万以下が着用しても特に動きが止まってないみたいだが」
「当時のムラマサだって最初は枷が存在してなかったんだから、俺たちも枷をつけるようにイグドラシルに働きかけないとダメだってことだろうな」
「要はプロモするって働きかけないと制限はつけられないってことだな」
「そういうことだ。……さあ、ムラマサ問題を解決するために古人の知恵を借りよう」
「この文章を残した人は枷がなくても大丈夫な政治を…って願ってたみたいですけど、すいません力不足でした……。今はお知恵をお借りするほかありません……」
「嘆いていても仕方ない。これからしなくちゃならないことはたくさんあるんだからな。さあ、まずはムラマサ問題に決着をつけよう……!」

「「「応ッ!」」」

彼らはそれから更なる修行を積んだという。
程なくキノウツンでムラマサと呼ばれる人間は、数えるほどになった。その理由は定かではない。
だが判明している限り、その後ムラマサと呼ばれた人間は鍛え上げた根源力と肉体、そして鎖で戒められた刀を持っていたという。
苦悩をその胸に秘め、彼らの表情は見る限り静かであった。
その生き様は命をやり取りするだけでなく、己自身とも戦う厳しくも果てしない戦いが行われているのだと。

近代の研究においてムラマサとなるには、果てしなく厳しい修練の末に己の力を高め、根源力十五万以上ないと不可能という事が明らかになった。 
ムラマサ-悲運の刀と同じ名を持ったこの職業の真実は、人の命の尊さを守る為だったのかも知れない。 

(文章:桜城キイチ、高原鋼一郎 イラスト:比野青狸)
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