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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/23スレ目ログ/23-244 - (2013/03/03 (日) 11:17:03) の1つ前との変更点

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*とある乙女の小さな願い #asciiart(){{{ 「お姉様、そろそろ門限ですのよ?」 お風呂場にいる美琴に、白井は外から声をかけた。 白井の声が聞こえてるのかいないのか、返事は無かった。 「お姉様?」 もう一度声をかける。 「わかったわ黒子、話は終わったから入ってきてもいいわよ」 「それで何かわかったのかな?」 「・・・・・・」 美琴は何かを考えている、上条達には美琴が何を話していたのか分からない。 「大丈夫か御坂?」 「大丈夫よ」 「どんな話をしたんだ?」 「少しね・・・・・」 「お姉様が鏡とお話されているとき、上条さんとインデックスさんと相談したのですが・・・・・」 白井はインデックスに目で合図を送った。 「私も鏡をもう少し調べて見たいから、今日は鏡を置いていって欲しいかも」 「俺からもお願いするよ、魔術関係のことならインデックスに調べてもらったほうがいい」 「・・・・・・そうね、お願いするわ」 美琴は申し出をあっさり受け入れた。 美琴は自分では鏡についてこれ以上調べることは出来ないと思ったからだ。 「お姉様、急ぎませんと門限が」 「そうね、それじゃ帰りましょ」 「それでは上条さん、インデックスさん失礼しますの」 「ああ、何か分かったら連絡するよ」 美琴と白井は自分の部屋に戻っていた。 ―――彼に嫌われなさい ―――嫌われなければ一生そのまま 鏡の言葉が頭の中でグルグルとずっと消えずにいた。 ―――彼に悟られちゃダメよ、知られたら本当に嫌われることは出来なくなるから。 あの鏡はなぜ親切に教えてくれたのだろうか? 残酷な言葉 (アイツに嫌われるなんて、そんなこと・・・・) そんなこと絶対に嫌だ。 しかし、小さいままでいるのも美琴は嫌だった。 鏡が言ったように、アイツなら小さいままの私でも一生守ってくれるかもしれない。 夏休み最後の日、私のいないところで約束をしたこともある。 ―――だけど 答えの出ない自問自答 私は・・・・・・ (鏡と何を話したかわかりませんが、お姉様は何かを隠している) 白井は鏡と話した後の美琴の様子がおかしいことに気づいている。 (わたくし達には話せないことなのですか?) (例えどんなことがあっても、わたくしはお姉様を守り抜きます) 各々が物思いにふけているときに突然ドアがノックされた。 コンコン 恐怖の寮監の巡回時間だ。 「白井、御坂の姿が見えないがどうしたんだ?」 「お姉様は先に布団に入って寝ていますの」 「まだ起きてるわよー」 「そうか、そろそろ消灯時間だ。早く寝るんだな」 「ふぅ、お姉様のベッドにきるぐまーを潜らせておいたおかげで何とかごまかせましたの、いつまで誤魔化せるか分かりませんが」 (早くなんとかしなければ) 白井は今の自分に何も出来ないのが悔しかった。 「明日になればインデックスさん達が鏡について何か見つけているかもしれませんの」 「・・・・・・そうね」 美琴の返事に力は無かった。 鏡に言われたことが頭から離れない。 ―――彼に嫌われなさい (どうすればいいの?どうすればいいの?どうすればいいの?) 呪文のように繰り返すだけで少しの打開策も思い浮かばない。 助けてよ――― 消灯時間が過ぎても、二人はなかなか寝付けなかった。 一方上条宅 「で、鏡は御坂と何を話したんだ?」 上条が鏡に向かって質問をしている。 『・・・・・・・これが人に物を尋ねるときの態度?』 鏡は鏡面をテーブルに向けられうつ伏せにされていた。 「しょうがねーだろ、鏡に映ると小さくされるんだから」 『そんなわけ無いでしょ?』 「じゃあ御坂はなんで小さくなったんだ?」 『・・・・・・・知らないわよ』 「あのなぁ、理由も無く人間が小さくなるはず無いだろ?」 『・・・・・・・』 やはり返事は無い、この話は鏡にとって都合が悪いことらしい。 「とうま、私が話すよ」 『へえ、貴方見たところシスターのようだけど』 「私の名前はインデックスって言うんだよ、あなたのお名前は?」 『忘れた』 「さっきとうまに言ってたけど、鏡に映っても小さくならないのかな?」 『・・・・・・そうよ』 インデックスは鏡を持ち上げた。 「ちょっと待てインデックス!」 上条が止めるもの聞かず、インデックスは鏡に自分の姿を映し出す。 鏡面には背景の部屋とインデックスの姿が映し出された。 しかし、インデックスは小さくならない。 「大丈夫なんだよとうま」 「まったくヒヤヒヤさせんなよ」 「それで、改めて聞くけど短髪が元に戻る方法はあるのかな?」 『・・・・・・』 「黙ってるってことは肯定ってことだね」 『なんでそうなるのよ』 「じゃあ戻る方法は無いのかな?」 『・・・・・・』 やはり鏡は答えない。 その鏡の反応にインデックスは、ほっと息をついた。 「とりあえず短髪が元に戻る方法があると分かっただけでも収穫かも」 「そうだな、今日はもう遅いし続きは明日にするか」 (鏡と話してからの御坂の様子がおかしかったのが少し気になるけどな) こうして、上条とインデックスも眠りについた。 翌日、美琴と白井は再び上条の部屋に来ていた。 鏡のことで上条から連絡があったのである。 「昨日インデックスが鏡と話して分かったんだが、やっぱり元に戻る方法はあるみたいだ」 上条の言葉に美琴はギクリとした。 まさかバレた?鏡が話したの?そんな――― 「本当ですの?」 「間違いないかも、鏡は短髪が元に戻る方法を聞くたびに黙り込んでいたけど、黙るということは戻る方法があるってことかも」 「・・・・・・なるほど、確かにそうですわね。戻る方法が無いなら『方法は無い』と答えるだけでいいですものね」 「そういうことかも」 戻る方法がある、これは上条達にとって一歩前進だった。 しかし美琴にとっては、知られたくない、絶対に知られてはならない事実。 「それと、どうやら鏡に映った人間全てが小さくなるということは無いみたいだ」 「どういうこと?」 反応したのは美琴だった。 昨日鏡と話して元に戻る方法は教えてもらったが、何故自分が小さくなったのかはわからなかったからだ。 「ためしに私が鏡に映ってみたんだけど、なにも起きなかったんだよ」 「そんな・・・・・・」 じゃあなぜ? ―――なんで私だけ? 「昨日聞きそびれたんだけど、御坂はその鏡どうやって手に入れたんだ?」 「えっ?そ、それは昨日の夕方に露店で買って・・・・」 別のことを考えていた美琴は、妙にあたふたして答えてしまった。 「どこの露店ですの?」 「いつものファミレスからゲーセンに行く道の途中にあってね」 「その露店に事情を聞いてきますの」 「ああ、頼んだ白井」 白井はテレポートで露店まで向かった。 「ジャッジメントですの、昨日常盤台の生徒に売った鏡について聞きたいのですが」 事件でもないのにジャッジメントの名を使うのは職権乱用なのだがそんなことは言ってられない。 「昨日のお嬢さんの知り合いかい?」 よほど普段客が少ないのか、常盤台の生徒が珍しかったのか分からないが、露店の店主は美琴のことを覚えているようだ。 「それで鏡について聞きたいのですが」 「願いを叶える魔法の鏡のことかい?」 魔法の鏡?と言われて頭の中に疑問符が浮かんだが、事情聴取を続けた。 「何か知ってるんですの?」 「いやー、あの都市伝説は俺が流したものなんだ」 昨日佐天が美琴と初春に話していた都市伝説のことだが、現場に居なかった白井には何のことだか分からない。 「都市伝説・・・ですの?」 「あれ?知らない?最近ネットでやっと流行ってきたのに」 「それで?」 「商品を売りやすくするためにネットで商品に関係しそうなデマを流してるんだけど」 「それだけですの?」 「それだけだけど・・・・」 「昨日常盤台の生徒に売った鏡について何か知りませんの?」 「あの鏡ねー、ずっと前に祖父の家で見つけたんだけど・・・・普通の鏡だったと思うよ?」 「そうですか、捜査にご協力ありがとうございますの」 「礼を言うなら何か買ってってよお嬢さん」 「残念ですが、わたくしの趣味に合うような物が無いので遠慮しますわ」 「そうか、残念だなー」 情報は得られなかったが、白井は美琴がいる上条の部屋に戻った。 「ただいま戻りましたの」 「おかえりくろこ、何かわかったのかな?」 「収穫はなしですの、露店の店主も鏡については何も知りませんでした」 「そうか・・・・・今わかってる情報をまとめてみよう」 「昨日の夕方、御坂が露店で鏡を購入した」 「その後自室に戻り、鏡を覗くと小さくなってしまいましたの」 「それで短髪たちはとうまの右手ならなんとか出来ると思ってここまできたんだよね」 「でも、俺の幻想殺しでも御坂は元に戻らなかった」 「そして鏡が意思を持っていることを知って、お姉様と鏡で話をしたのですね」 「そのあと私が鏡と話して、鏡に映っても小さくならないって事実がわかったんだよ」 「後はインデックスの推理による、元に戻る方法あるという事実」 3人は各々に情報を整理していった。 美琴はその会話の中には入らず、ずっと何かを考えている。 「ここまでが今俺達が知っている情報だ」 「なぁ御坂、昨日鏡と何を話したんだ?」 「・・・・・・・何も話してないわよ」 明らかにウソだった、鈍感な上条でもウソだと気づいた。 しかし、美琴から話をしようとしない限り無理に聞くことは出来ない。 もしかしたら俺達には話せないことなのかもしれない。 「そうか・・・・」 俺に出来ることは無いのか? どんな幻想でもぶち殺して来たが、今の上条には心配することしか出来ない。 「これからどうするんだ?」 変わって出たのがそんなありふれた言葉だった。 結局これ以上話は進まないまま時間だけが過ぎていった。 「そろそろ門限ですの」 「そうか、それじゃまた明日な」 「そういえば寮の人にはこのこと話しているのか?」 「話してませんの、昨日は何とか誤魔化せましたがバレるのも時間の問題かと・・・・」 「いつ戻れるかわからないんだから、早いうちに話したほうがいいんじゃないか」 「・・・・・こんな事どう説明すんのよ?」 「それもそうだけど・・・・」 「それでは帰りましょうか、お姉様」 「嫌、帰りたくない」 美琴の突然の発言に、上条と白井は戸惑った。 「お姉様?」 「御坂?」 白井は美琴の行動について考えた、普段の美琴ならこんなことは言わないはずだ。 何か理由があるはず。 「わかりましたお姉様、ここはお姉様の意思を尊重しますの」 「白井?お前まで何を言ってるんだ?」 「とうま、短髪の言うことを聞くんだよ」 「インデックスまで・・・・・わかったよ、今日は泊まっていけよ」 「それでは上条さんとインデックスさん、お姉様のことよろしくお願いしますの」 「うん!短髪のことは任せるんだよ!」 「あぁ・・・」   美琴は悩んでいた、このままでは上条に嫌われることが出来ない。二度と元に戻ることは出来ない。 これ以上みんなに心配かけていいのか? これ以上みんなに迷惑かけていいのか? どんどん自分が情けなくなってくる――― 不安でどんどん美琴の心が折れていく、美琴はもう限界だった。 そして、ひとつの決意した。 嫌われよう――― だから少しでも行動をしやすいように、ここに残ろうとそう思ったのだ。 「とりあえずご飯にしようか」 「うん、もう腹ペコなんだよ!」 「私はいらない、食べたくないの・・・」 「御坂?」 心配そうに見ている上条の視線が突き刺さる。 (そんな目で私を見ないで!) 美琴は声に出すことは無かったが全身で叫んでいた。 }}} #back(hr,left,text=Back)
*とある乙女の小さな願い #asciiart(){{{ 2章 乙女の苦悩 「お姉様、そろそろ門限ですのよ?」 お風呂場にいる美琴に、白井は外から声をかけた。 白井の声が聞こえてるのかいないのか、返事は無かった。 「お姉様?」 もう一度声をかける。 「わかったわ黒子、話は終わったから入ってきてもいいわよ」 「それで何かわかったのかな?」 「・・・・・・」 美琴は何かを考えている、上条達には美琴が何を話していたのか分からない。 「大丈夫か御坂?」 「大丈夫よ」 「どんな話をしたんだ?」 「少しね・・・・・」 「お姉様が鏡とお話されているとき、上条さんとインデックスさんと相談したのですが・・・・・」 白井はインデックスに目で合図を送った。 「私も鏡をもう少し調べて見たいから、今日は鏡を置いていって欲しいかも」 「俺からもお願いするよ、魔術関係のことならインデックスに調べてもらったほうがいい」 「・・・・・・そうね、お願いするわ」 美琴は申し出をあっさり受け入れた。 美琴は自分では鏡についてこれ以上調べることは出来ないと思ったからだ。 「お姉様、急ぎませんと門限が」 「そうね、それじゃ帰りましょ」 「それでは上条さん、インデックスさん失礼しますの」 「ああ、何か分かったら連絡するよ」 美琴と白井は自分の部屋に戻っていた。 ―――彼に嫌われなさい ―――嫌われなければ一生そのまま 鏡の言葉が頭の中でグルグルとずっと消えずにいた。 ―――彼に悟られちゃダメよ、知られたら本当に嫌われることは出来なくなるから。 あの鏡はなぜ親切に教えてくれたのだろうか? 残酷な言葉 (アイツに嫌われるなんて、そんなこと・・・・) そんなこと絶対に嫌だ。 しかし、小さいままでいるのも美琴は嫌だった。 鏡が言ったように、アイツなら小さいままの私でも一生守ってくれるかもしれない。 夏休み最後の日、私のいないところで約束をしたこともある。 ―――だけど 答えの出ない自問自答 私は・・・・・・ (鏡と何を話したかわかりませんが、お姉様は何かを隠している) 白井は鏡と話した後の美琴の様子がおかしいことに気づいている。 (わたくし達には話せないことなのですか?) (例えどんなことがあっても、わたくしはお姉様を守り抜きます) 各々が物思いにふけているときに突然ドアがノックされた。 コンコン 恐怖の寮監の巡回時間だ。 「白井、御坂の姿が見えないがどうしたんだ?」 「お姉様は先に布団に入って寝ていますの」 「まだ起きてるわよー」 「そうか、そろそろ消灯時間だ。早く寝るんだな」 「ふぅ、お姉様のベッドにきるぐまーを潜らせておいたおかげで何とかごまかせましたの、いつまで誤魔化せるか分かりませんが」 (早くなんとかしなければ) 白井は今の自分に何も出来ないのが悔しかった。 「明日になればインデックスさん達が鏡について何か見つけているかもしれませんの」 「・・・・・・そうね」 美琴の返事に力は無かった。 鏡に言われたことが頭から離れない。 ―――彼に嫌われなさい (どうすればいいの?どうすればいいの?どうすればいいの?) 呪文のように繰り返すだけで少しの打開策も思い浮かばない。 助けてよ――― 消灯時間が過ぎても、二人はなかなか寝付けなかった。 一方上条宅 「で、鏡は御坂と何を話したんだ?」 上条が鏡に向かって質問をしている。 『・・・・・・・これが人に物を尋ねるときの態度?』 鏡は鏡面をテーブルに向けられうつ伏せにされていた。 「しょうがねーだろ、鏡に映ると小さくされるんだから」 『そんなわけ無いでしょ?』 「じゃあ御坂はなんで小さくなったんだ?」 『・・・・・・・知らないわよ』 「あのなぁ、理由も無く人間が小さくなるはず無いだろ?」 『・・・・・・・』 やはり返事は無い、この話は鏡にとって都合が悪いことらしい。 「とうま、私が話すよ」 『へえ、貴方見たところシスターのようだけど』 「私の名前はインデックスって言うんだよ、あなたのお名前は?」 『忘れた』 「さっきとうまに言ってたけど、鏡に映っても小さくならないのかな?」 『・・・・・・そうよ』 インデックスは鏡を持ち上げた。 「ちょっと待てインデックス!」 上条が止めるもの聞かず、インデックスは鏡に自分の姿を映し出す。 鏡面には背景の部屋とインデックスの姿が映し出された。 しかし、インデックスは小さくならない。 「大丈夫なんだよとうま」 「まったくヒヤヒヤさせんなよ」 「それで、改めて聞くけど短髪が元に戻る方法はあるのかな?」 『・・・・・・』 「黙ってるってことは肯定ってことだね」 『なんでそうなるのよ』 「じゃあ戻る方法は無いのかな?」 『・・・・・・』 やはり鏡は答えない。 その鏡の反応にインデックスは、ほっと息をついた。 「とりあえず短髪が元に戻る方法があると分かっただけでも収穫かも」 「そうだな、今日はもう遅いし続きは明日にするか」 (鏡と話してからの御坂の様子がおかしかったのが少し気になるけどな) こうして、上条とインデックスも眠りについた。 翌日、美琴と白井は再び上条の部屋に来ていた。 鏡のことで上条から連絡があったのである。 「昨日インデックスが鏡と話して分かったんだが、やっぱり元に戻る方法はあるみたいだ」 上条の言葉に美琴はギクリとした。 まさかバレた?鏡が話したの?そんな――― 「本当ですの?」 「間違いないかも、鏡は短髪が元に戻る方法を聞くたびに黙り込んでいたけど、黙るということは戻る方法があるってことかも」 「・・・・・・なるほど、確かにそうですわね。戻る方法が無いなら『方法は無い』と答えるだけでいいですものね」 「そういうことかも」 戻る方法がある、これは上条達にとって一歩前進だった。 しかし美琴にとっては、知られたくない、絶対に知られてはならない事実。 「それと、どうやら鏡に映った人間全てが小さくなるということは無いみたいだ」 「どういうこと?」 反応したのは美琴だった。 昨日鏡と話して元に戻る方法は教えてもらったが、何故自分が小さくなったのかはわからなかったからだ。 「ためしに私が鏡に映ってみたんだけど、なにも起きなかったんだよ」 「そんな・・・・・・」 じゃあなぜ? ―――なんで私だけ? 「昨日聞きそびれたんだけど、御坂はその鏡どうやって手に入れたんだ?」 「えっ?そ、それは昨日の夕方に露店で買って・・・・」 別のことを考えていた美琴は、妙にあたふたして答えてしまった。 「どこの露店ですの?」 「いつものファミレスからゲーセンに行く道の途中にあってね」 「その露店に事情を聞いてきますの」 「ああ、頼んだ白井」 白井はテレポートで露店まで向かった。 「ジャッジメントですの、昨日常盤台の生徒に売った鏡について聞きたいのですが」 事件でもないのにジャッジメントの名を使うのは職権乱用なのだがそんなことは言ってられない。 「昨日のお嬢さんの知り合いかい?」 よほど普段客が少ないのか、常盤台の生徒が珍しかったのか分からないが、露店の店主は美琴のことを覚えているようだ。 「それで鏡について聞きたいのですが」 「願いを叶える魔法の鏡のことかい?」 魔法の鏡?と言われて頭の中に疑問符が浮かんだが、事情聴取を続けた。 「何か知ってるんですの?」 「いやー、あの都市伝説は俺が流したものなんだ」 昨日佐天が美琴と初春に話していた都市伝説のことだが、現場に居なかった白井には何のことだか分からない。 「都市伝説・・・ですの?」 「あれ?知らない?最近ネットでやっと流行ってきたのに」 「それで?」 「商品を売りやすくするためにネットで商品に関係しそうなデマを流してるんだけど」 「それだけですの?」 「それだけだけど・・・・」 「昨日常盤台の生徒に売った鏡について何か知りませんの?」 「あの鏡ねー、ずっと前に祖父の家で見つけたんだけど・・・・普通の鏡だったと思うよ?」 「そうですか、捜査にご協力ありがとうございますの」 「礼を言うなら何か買ってってよお嬢さん」 「残念ですが、わたくしの趣味に合うような物が無いので遠慮しますわ」 「そうか、残念だなー」 情報は得られなかったが、白井は美琴がいる上条の部屋に戻った。 「ただいま戻りましたの」 「おかえりくろこ、何かわかったのかな?」 「収穫はなしですの、露店の店主も鏡については何も知りませんでした」 「そうか・・・・・今わかってる情報をまとめてみよう」 「昨日の夕方、御坂が露店で鏡を購入した」 「その後自室に戻り、鏡を覗くと小さくなってしまいましたの」 「それで短髪たちはとうまの右手ならなんとか出来ると思ってここまできたんだよね」 「でも、俺の幻想殺しでも御坂は元に戻らなかった」 「そして鏡が意思を持っていることを知って、お姉様と鏡で話をしたのですね」 「そのあと私が鏡と話して、鏡に映っても小さくならないって事実がわかったんだよ」 「後はインデックスの推理による、元に戻る方法あるという事実」 3人は各々に情報を整理していった。 美琴はその会話の中には入らず、ずっと何かを考えている。 「ここまでが今俺達が知っている情報だ」 「なぁ御坂、昨日鏡と何を話したんだ?」 「・・・・・・・何も話してないわよ」 明らかにウソだった、鈍感な上条でもウソだと気づいた。 しかし、美琴から話をしようとしない限り無理に聞くことは出来ない。 もしかしたら俺達には話せないことなのかもしれない。 「そうか・・・・」 俺に出来ることは無いのか? どんな幻想でもぶち殺して来たが、今の上条には心配することしか出来ない。 「これからどうするんだ?」 変わって出たのがそんなありふれた言葉だった。 結局これ以上話は進まないまま時間だけが過ぎていった。 「そろそろ門限ですの」 「そうか、それじゃまた明日な」 「そういえば寮の人にはこのこと話しているのか?」 「話してませんの、昨日は何とか誤魔化せましたがバレるのも時間の問題かと・・・・」 「いつ戻れるかわからないんだから、早いうちに話したほうがいいんじゃないか」 「・・・・・こんな事どう説明すんのよ?」 「それもそうだけど・・・・」 「それでは帰りましょうか、お姉様」 「嫌、帰りたくない」 美琴の突然の発言に、上条と白井は戸惑った。 「お姉様?」 「御坂?」 白井は美琴の行動について考えた、普段の美琴ならこんなことは言わないはずだ。 何か理由があるはず。 「わかりましたお姉様、ここはお姉様の意思を尊重しますの」 「白井?お前まで何を言ってるんだ?」 「とうま、短髪の言うことを聞くんだよ」 「インデックスまで・・・・・わかったよ、今日は泊まっていけよ」 「それでは上条さんとインデックスさん、お姉様のことよろしくお願いしますの」 「うん!短髪のことは任せるんだよ!」 「あぁ・・・」   美琴は悩んでいた、このままでは上条に嫌われることが出来ない。二度と元に戻ることは出来ない。 これ以上みんなに心配かけていいのか? これ以上みんなに迷惑かけていいのか? どんどん自分が情けなくなってくる――― 不安でどんどん美琴の心が折れていく、美琴はもう限界だった。 そして、ひとつの決意した。 嫌われよう――― だから少しでも行動をしやすいように、ここに残ろうとそう思ったのだ。 「とりあえずご飯にしようか」 「うん、もう腹ペコなんだよ!」 「私はいらない、食べたくないの・・・」 「御坂?」 心配そうに見ている上条の視線が突き刺さる。 (そんな目で私を見ないで!) 美琴は声に出すことは無かったが全身で叫んでいた。 }}} #back(hr,left,text=Back)

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