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0-2/17-23 - (2011/03/09 (水) 22:50:24) のソース
「もう、それぐらいにしてあげたほうがいいと思うの。建宮さんっていう人がかわいそうなの」 一応、春上が止めに入った だが絹旗と佐天は攻撃を止めるつもりはなかった 「超いいんですよ、建宮だから。こいつは超こういうやつです」 「そうだよ、止めることないよ、春上さん。そういえば、今日はやけに飾利が静か「ふふっ……」ヒッ……!」 佐天が言い切るまえに不気味な笑い声がした 今まで黙っていた初春が動き出した。 そしてどこからともなく取り出した耳栓を絹旗と佐天以外に渡して付けさせるとしゃべりだした 「覚悟はできてますね、最愛さん、涙子さん♪」 「「ヒィィッ!!」」 不気味な宣言と共にこの日、三回目の初春の説教が始まった 「ま、待って下さい飾利! 私、シェリー、春上、建宮、闇咲は耳栓を渡されていますが周りの生徒は……」 「確かにここでは生徒の皆さんに迷惑かかっちゃいますね。だったら周りに迷惑のかからない場所へ移動しましょう」 神裂の助言を受けて食堂から違う場所へ移動することを決めた初春、とりあえず耳栓をしている者達に耳栓を外すように促す。 その後で闇咲の佐天と絹旗をお説教するのに適した場所を聞き、生徒指導室という答えが返ってきたので速やかに移動を開始する初春、神裂、シェリー、連行される佐天と絹旗。 「すみません春上さん。私、これからお二人にお説教をしなくちゃいけませんのでこれで」 「う、うん。初春さんも佐天さんと絹旗さんへのお説教は程々にしてあげて欲しいの……」 春上の頼みに笑顔で返答を返した初春、春上は安心したが初春の裏モードをよく知っている者達は不安を全く拭えていなかった。 初春一行が食堂を去り、変な緊張感が解けると建宮が闇咲が自分を笑ったことへの抗議を始める。 「闇咲、お前さんマジでひでぇのよな! 同じ学校に勤めててわしのこの格好は既に目にしてるだろ! なんで油断してると笑いやがるのよ!」 「む……。す、すまない。確かにその格好が理に適ってるとはいえ……な」 建宮がこの仕事着をチョイスした理由の一つに、侵入者を油断させる為という目論見もある。 忘れがちだが建宮が友愛高校で働いているのは『当麻、ならびに当麻の仲間達の警護』であり、彼の仕事着を見れば油断しない者はあまり居ない。 というわけで侵入者対策でもあるのだが、本人が実は単にお気に入りだからチョイスしたというのは内緒の話である。 「探したぜよ春上ちゃん。まったく一人でうちの高校を出歩くなんて危ないにも程があるぜい」 「そうだよ衿衣ちゃん。私も元春もとっても心配したんだよ」 「土御門さん、白雪さん、ごめんなさいなの。でも心配してくれてありがとうなの。あたし、とっても嬉しいの」 迷子(?)の春上と合流した土白、目の前の少女が自分達の高校の生徒に絡まれなくて一安心していた。 その後で土白は春上が一人で行動していた理由、ついさっきまで初春達と一緒にいたことを聞かされる。 「(初春ちゃんを怒らせるなんて佐天ちゃんと絹旗、一体何やらかしたんだ?)そっか、それは大変だったにゃー。それで春上ちゃんはこれからどうするぜよ?」 「一緒に来た人達で残ってるのは御坂さんだけなの。でも御坂さんは上条さんと一緒がいいと思うから邪魔したくないの。土御門さん、白雪さん。良かったら一緒に帰って欲しいの」 「あー、俺らの方は……いや、何でもない。分かったぜよ、中学生の一人歩きは何かと物騒だからな、寮まで送ってやるぜい。月夜もいいかにゃー?」 「オッケーだよ」 こうして土白は春上と一緒に下校することになり、食堂を後にしようとしたが、 「しっかし建宮のその格好はいつ見ても奇抜にも程があるにゃー♪ 俺らの仲間の誰一人として似合うって言われないのによくやるぜよ」 「建宮さん、悪いことは言わないからそろそろ変えた方がいいですよ? もう少し趣味のいい仕事着に替えることをおススメします」 「なんとでも言いやがれ。このわしの仕事着を飾利姫だけは似合ってると仰ってくれたのよ! やはりあの方はわしが見初め認めたお人なのよね!」 「初春ちゃんはなんつーかセンスが特殊な子だかぶへらっ!!!!」 建宮に目が行ったこと、土御門が謎の襲撃者に襲われたことで中断されてしまった。 「「3万円の独り占めは絶対にさせんっ!!!」」 謎の襲撃者こと浜面と半蔵、襲撃理由は朝陽からの3万円を独り占めさせない為である(単なる二人の思い込み)。 滝壺、郭も合流して騒ぎ出した土白、浜滝、半郭をとりあえず傍観することに決めた春上、建宮、闇咲なのであった。 ―――――――――― その頃、上琴はというと打ち止めを保護した一方通行と合流を果たしていた。 「おーい!パパ、ママ!ってミサカはミサカは呼んでみたり」 「お、見つかったみたいだな」 上条たちは打ち止めの呼びかけに気が付いた 「どこいってたの、打ち止め?心配したのよ」 「ごめんなさい、ちょっとパパとあの人の学校探検してたのってミサカはミサカは説明してみたり」 「ったく、勝手にどっかいくなよ。学校見回りたいなら今度アクセラと一緒に案内してやるからな」 「わーいってミサカはミサカは喜んでみたり」 今度、一方通行と上条で打ち止めに学校を案内することになった 「ねぇ、当麻。私もそのとき連れっててよ」 「いいぜ、じゃあ美琴も一緒にな」 否、美琴も案内することになった 「終わったかァ?ンじゃァ、帰っかァ」 「アクセラ、今日はどうするんだ?」 「ン、今日は普通に帰るぞ。いっつも世話になっちゃァ悪ィからな」 「そうか。じゃあ途中まで一緒に帰るか!」 そして4人は一緒に下校していった ―――――――――――――――――――――――――――― 一方、土御門を襲った4人はというと、 「結局、俺たちはレベル5には勝てないと言うわけで」 白雪に制裁を受けていた。なぜか土御門まで そして、なぜか白雪の説教を受けていた 「確かに普段から疑われるようなことしてる元春も悪いけど、事実確認もしないで元春を襲う浜面くんと服部くんはもっと悪いよ」 「「「ごめんなさい……」」」 「それから滝壺さんと郭さん。二人は傍観してないで止めないと駄目だよ。まあ、相手が元春だから仕方ないかもしれないけど」 「「気を付けます」」 浜滝と半郭が怒られるなら分かるが自分が怒られてることに釈然としない土御門、しかし相手が月夜ということと普段の自分の行動を顧みると素直に従うほか無かった。 ちなみに浜面、半蔵、そして土御門の頭には月夜の氷のハンマーで殴られ、頭に大きなタンコブが出来ている。 「というわけでお説教はここまで。3万円のことはアクセラくんに聞くようにしてよ。さてっとお待たせ衿衣ちゃん……って建宮さんと闇咲先生は?」 「建宮さんは食堂が忙しくなってきたからお仕事に、闇咲先生は校舎の見回りがまだ残ってるって行っちゃったの」 「ふーん、そうなんだ。じゃあ私達も帰ろっか。空を飛んで帰る? それとも歩いて帰る?」 「歩いて帰りたいの。あたし、土御門さんと白雪さんともっとお話がしたいの」 春上と一緒に下校しようとする土白を見て、浜面が「土御門、またシスコン再発か?」と呟くと、 「「再発してないっ!!」」 土白のWパンチを喰らって吹っ飛ばされて気絶してしまう。 滝壺と半郭は土白と春上が去った後で、気絶した浜面を抱えて下校する為に制服に着替えに行くのだった。 (そういえばむぎのが付いて来てない。きっとどこかではまづらを狙ってる、油断しないようにしよう) ―――――――――― 「ずいぶん探したよ母さん。赤音さんと一緒に居るとは思わなかったけど」 「あんまりウロチョロするなよな母ちゃん。おかげで探すのに手間取っちまっただろ」 「悪い悪い」 こちらは母親の朝陽を探していた井ノ原ツインズ、ようやく朝陽と会えたことに安堵していたが赤音と一緒だったのには少し驚いている。 しかしそれ以上に驚いているのは制服姿の井ノ原ツインズを見た赤音だった。 「えっ? どうして二人とももう着替え終わってるの? ずるいっ! みんなで一緒に着替えようって言ったのにー!」 「……赤音さん、堂々と嘘吐かないで」 「ま、積もる話は帰り道ですればいいさ。着替えるのなら早く着替えて来い、赤音。私達は校門の前で待ってるからな」 「はいっ、おばさま」 実は井ノ原ツインズ、朝陽を探しに行く前に帰る準備をしようという真夜の提案もあって既に制服姿だったのだ。 赤音は一人仲間外れになったことをちょっと寂しく思いながらも急いで着替えに行った、後で真夜に今の分の寂しさを埋めてもらおうと思いつつ。 「そういえばお前達が世話になってる木山って先生に一度挨拶したかったんだが」 「また今度でいいんじゃないかな? 母さんのことだから球技大会本番も美咲華ちゃんの付き添いで見に来そうだから」 「さすがわが息子、いい慧眼を持ってるな。でもその時はもしかしたら私のクラスの生徒全員で来るかもしれんがな」 「(母ちゃんのやっかましい生徒どもも一緒かよ……。数、減ってくれりゃいいけどな)頼むから木山先生に変なこと吹き込むのは止めろよな」 朝陽は「分かってるって♪」と軽く言うが、真昼はその軽い返事に不安を覚えずにはいられなかった。 それから井ノ原ファミリーは校門前で赤音を待って合流、そのまま帰宅の途に就くのだった。 ―――――――――― 「はぁ、この子らホンマにどないしよ……」 一方、朝陽に白子と赤見のことを任された青ピ、帰る準備は出来てはいるが未だ気絶してる二人を持て余していた。 「とりあえず起こそうか」 そういいながら青ピは二人を起こそうとした 「え~と、なんやったっけ?赤見と黒井とかいっとったな。おーい、起きろー、赤見、黒井」 「ん~、はっ、ここは!?」 「んあ、……先生に投げられてから記憶ないんやけど……」 青ピが声をかけながらゆするとわりとはやく起きた 「おー、起きたか、君達ー」 青ピはやる気のない声で二人に声をかけた 「「ああ、師匠!」」 「まだ認めてないんやけど……」 青ピは戸惑ったが、朝陽に言われた事を思い出し、二人に問いかけた 「あー、君らの先生にまかせるって言われたんやけど、ウチに来る?下宿先のパン屋やけど……」 「「はい!お供します!」」 二人は元気よく返事をした 「はー……」 青ピは全然乗り気ではなかったが、二人を連れて帰ることにした ―――――――――――――――――――――――――――――――― 一方、結標はわがままな二人のために走り回っていた。別にその日終わらせる必要もないのに 「駄目ね、さすがにうちのクラスの野球組はもう帰ってるか……。ったく他人の皮膚を使わなきゃ成りすませないなんて面倒にも程があるわよ」 「お困りのようね。よかったら力になるけど」 友愛高校に戻って野球組、それも比較的やる気の無さそうなクラスメートから皮膚を剥ぎ取ろうと考えていた結標、しかしクラスメートは全員帰っていた。 そこにいきなり声をかけられたことで警戒を強めた結標だったが、その人物を見て少し警戒を弱める。 「あんた確か……雲川芹亜」 「あら? 私と貴女は初対面のはずだけど。まあ、いいわ。協力してあげるけど。『グループ』の結標淡希」 実は結標、転入して数日経ったある日、土御門から雲川のことを聞かされており油断だけはするなと忠告を受けていたのだ。 結標の警戒心などどうでもいいような感じで雲川は結標に思いがけない提案をする。 「貴女が球技大会に引き込もうとしてる二人、短期留学生として貴女のクラスに入れてあげようと思ってるけど。どう? これなら二人分の皮膚を剥がす必要もないわよ」 「(何でこいつ私のやろうとしてることを……。土御門の言う通り、油断ならないわ。けど)ええ、お願いするわ。余計な被害を出さないならそれに越したことは無いし」 雲川の情報収集能力に驚きつつも、渡りに船の提案だったので素直に受け入れる結標。 自分の提案を素直に受け入れた結標に対して満足気な笑みを浮かべた後でいくつか注意事項を告げた。 「制服を準備する必要はないわ。なにせ球技大会の期間中だけの留学生扱いだから。それと男の子の方に素顔で来るように言っておいて欲しいのだけど」 「了解、とにかく感謝しておくわ。でも最後に一つだけ聞かせて。どうして私に協力してくれるの?」 「この学校は、いろんな刺激に溢れているから。その刺激をもっと強く激しく楽しいものにしたいと考えるのは当然のことだと思うけど」 結標は呆れた、目の前の少女の愉快犯的思考に。 そして用事を済ませた雲川が踵を返した後で結標が雲川に告げる。 「楽しそうねアンタ。この学校を滅茶苦茶にでもしたいつもり?」 「そんなつもりは無いわ。貴女がどう思おうが、私は今の生活を愛してるけど」 「あっそ、ならいいわ。そういえばアンタは球技大会、参加するの?」 雲川は決して振り返らず「まさか」と一言、参加しない意向を示した後で手を振って去って行った。 結標はすぐさまこのことをエツァリとショチトルに連絡をするのだった。 一方、生徒指導室では初春の説教が終わったところだった 「どうしましょう、火織お姉ちゃん。二人とも気絶しちゃいました」 絹旗と佐天の二人は初春の説教が終わった事に気が抜けて気絶してしてしまったのである 「(……どんな説教を……)私が二人を担ぎますから、とりあえず寄宿舎に帰りましょう」 「わかりました、後の事は寄宿舎についてから考えましょう」 「よし、神裂、さきに帰ってろ。私は飾利と一緒に「シェリーさん」……はい、神裂と仲良く帰ります」 シェリーは神裂を帰らして初春を独り占めしようとしたが初春の言葉に負けてしまった 神裂はその光景をいい気味です、と思いながら見ていた 「じゃあ、帰りましょうか♪……みんな、仲良く♪」 初春の最後の言葉に二人はおびえながら頷き初春と供に帰っていた その帰る途中、絹旗と佐天が起きたが、初春の顔を見てひどくおびえていたらしい 時間は少し進んで夜、黄泉川のマンションでは打ち止めと芳川が晩ご飯を作っていた。 「ねえ美咲華、味付けはこれで大丈夫かしら?」 「どれどれ……ウン、充分おいしいよってミサカはミサカはお母さんの料理の上達ぶりに感心してる!」 「まあ、戸籍上とはいえ貴女のお母さんになったんだからこれくらいは、ね。とはいえ先に料理を作り始めた美咲華には敵わないけど」 「でも近いうちにミサカはお母さんに抜かれるよってミサカはミサカはそのことを喜んでみたり♪」 打ち止めが小学校に行くにあたって彼女の母親になった芳川、あれ以来打ち止めの母親らしくなろうと頑張っているのだ。 とはいえまだまだ始めたばかりなのでぎこちない所は多々あるが、少しずつ親子らしくはなっている。 「いやー、実に微笑ましいじゃん♪ 桔梗と打ち止め、いい感じに親子っぽくなってるじゃんよ。一方通行もあの二人に混ざったらどうじゃん?」 「そこまで野暮じゃねェよ。芳川の健気な頑張り、見てる方が面白れェだろ。つーかてめェは手伝え、黄泉川よォ」 「私もお前と同じで野暮なことはしない主義じゃん。っとそうだ、お前に渡すものがあったじゃんよ。ホラ、ちゃんと読めよ」 親子歴が一ヶ月にも満たない打ち止めと芳川を見守ってる一方通行と黄泉川、結構ダラダラしてる感じである。 そのダラダラから抜け出した黄泉川、一方通行用の球技大会マニュアルを渡し、彼の反応を待つことに。 「……オイ黄泉川。『反射』の使用厳禁、打球による相手への攻撃厳禁、ホームラン厳禁……厳禁ばっかりじゃねェかァ!」 「当ったり前じゃんか。走塁中は『反射』設定にしてクロスプレーとかで相手を吹っ飛ばすだろ? 絶対。打球による攻撃は相手を即入院する威力は確実じゃん」 「グッ……伊達に同居歴が長いわけじゃねェってわけか。けどホームラン厳禁はやり過ぎだろォ! うちの高校の教師どもは俺らのクラスに恨みでもあるンですかァ!」 「あー、それな。簡単な話じゃん。お前らのチームの相手になりそうなのがどのクラス見ても居なかった、それだけじゃんよ」 自分の厳禁項目が多いことに納得していなかった一方通行だが、野球に自分達の相手になりそうなチームが居ないと聞いて納得せざるを得なかった。 サッカーは心理掌握、バスケは郭ならびに一年生達、バレーは結標が率いるチームが本命と言われているが、野球は自分達のクラスに敵いそうなのが居ないのだ、たとえ一年生達でも。 しかし一方通行も黄泉川も思いもしないだろう、結標のクラスにアステカな二人が球技大会中限定で短期留学して来ることなど。 「ほらほら二人ともその話は後で聞くから食器並べるくらいは手伝ってよ」 「お母さんの言う通りだよってミサカはミサカはあなたとヨミカワにテキパキ働けって命令してみたり!」 「「はいはい」」 黄泉川のマンション、今日も今日とて暖かい雰囲気である。 ―――――――――― 「なあ春上ちゃん、ホントのホントに俺の部屋に泊まるつもりなのかにゃー?」 「うん♪ あたしもっともっと土御門さんと白雪さんと仲良くなりたいの。お兄ちゃんとお姉ちゃんが出来たみたいで嬉しいの。……ダメ?」 こちらは土御門の部屋の前、自分の寮の部屋に帰ったと思った春上がお泊りの準備をして付いて来たのだ。 春上に懐かれたことに関しては歓迎している土白、しかし球技大会中は同棲シミュレーション中なので思う存分いちゃつきたいのである。 かといって春上にきつく断ることなど出来ない土白、どうすべきかを相談し合うことに。 「う、上目遣いはきついぜい。お、俺のシスコン魂に火が……」 「も、元春、我慢して。私も我慢してるんだから」 「と、とりあえず、今日は泊めて、一日がんばってみるぜい」 「うん、そうしよう、耐性をつけるのにもいいかも」 とりあえず春上を泊めることに決めたが、土御門となぜか白雪のシスコン魂に火が点こうとしていた 「……?どうしたの?白雪さん、土御門さん」 「きょ、今日だけね、衿衣ちゃん。」 「他の日はいそがしいからにゃー。今日だけで勘弁してくれにゃー」 「うん、わかったの。……でも、ひとつお願いがあるの」 「なにかにゃー?」 「遠慮いらないよー。さ、言ってみて」 土御門と白雪は春上のお願いを素直に聞く事にした それが自分たちを苦しめるとは知らずに 「今日から、元春お兄ちゃん、月夜お姉ちゃんって呼んでもいい?」 「「グオォッ!!」」 土御門と白雪の二人はあまりの事に衝撃を受けてしまった。二人のシスコン魂に火が灯るのも限界だった そして、断ろうにも断れないので苦しみながら受け入れてしまった その後、春上が寝るまで土御門と白雪は苦しんだとか ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 一方、滝壺たちは着替え終え、浜面を担いで帰ろうとしていた そして、その近くには麦野が潜んでいた 「んふふのふー♪ 滝壺が浜面を担ぎ上げる前に私のアームで浜面ゲットォ♪ さーて浜面キャッチャーの」 一瞬の隙を突いて浜面を閃光のアームで掴み上げて、そのまま即お持ち帰りの態勢に入っていた麦野。 しかし後頭部に何か固い感触を“ゴッ”という音と共に感じた麦野、それが彼女にとっての今日という日の終わりだった。 「衝打の弦」 「ピギャッ!!!」 麦野が感じた固い感触は闇咲の拳で、彼女が気付けなかったのは浜面ゲットに夢中だったこともあるが闇咲が『透魔の弦』で近づいたからに他ならない。 校舎の見回りを終えて職員室に戻ろうとした時、目に飛び込んできた麦野を不審者と認識、悟られないように『透魔の弦』で接近し『衝打の弦』を喰らわせたのだ。 麦野の断末魔+床に“ゴドンッ!”という派手な音を立てて打ち付けられたことで滝壺と半郭は気付き、浜面も目を覚ます。 「どうしたのやみさか? 何でむぎのを気絶させたの?」 「む? 君達の知り合いだったのか。すまない、何やら潜んでいたものだからつい不審者と思い……」 「大丈夫。それだったらむぎのは間違いなく不審者。きっとはまづらをそっと連れ去ろうと企んでいたに違いないから」 「そうか。なら彼女のことは君達に任せて良さそうだ。私は職員室に戻らなくてはいけなくてね。頼めるか?」 闇咲の頼みにすんなりと頷いた滝壺を見て、闇咲は職員室へと戻って行った(麦野が売店の売り子だと思い出すのは帰ってから)。 気絶した麦野を浜面がおんぶするが、そこでようやく自分がまだ着替え終わっていないことに気付く。 「な、なあ滝壺。せめて着替えさせてくんねーかな? なんつーかホラ、汗かいて匂いが……」 「心配要らない。私ははまづらが少しくらい臭っても構わない。それにむぎののことを考えてるなら無駄。現にホラ」 「す、すげぇなその女……。汗臭い浜面におんぶされて幸せそうにしてやがる……」 「浜面氏もとんだヤンデレ……というよりエロデレな麦野氏に惚れられてご愁傷様です」 麦野に惚れられた浜面に改めて同情した半郭、しかしこれ以上一緒というわけにもいかないので一足先に下校していった。 一方の浜滝は麦野を連れて浜面の部屋へと向かうことにし、滝壺もそのまま浜面の部屋へとお泊りすることを伝える。 「なぁ滝壺。俺なら別に麦野に誘惑されたりしねぇからさ、自分の部屋に帰ってていいんだぞ」 「はまづらのことは信頼してる。けどむぎのは信用できない、きっと無理矢理はまづらを襲うもの。だから今日はむぎのを見張る為にはまづらの所にお泊り」 「……そ、そりゃあそうだよな」 闇咲の『衝打の弦』で気絶してる麦野を見た浜滝、どうして自分達の元リーダーがこうなったのかと考えながらため息を吐いて下校するのだった。 なお麦野だが、浜滝の心配をよそに翌日の日の出前まで目を覚ますことはなかったりする。 ――――――――― こちらは上琴ハウス、すでに晩ご飯を終えた上琴が仲睦まじく食器を洗っている所だ。 本当なら洗い物とかは学園都市製の超万能全自動食器洗い機があれば10分もかからないが、上琴はこうゆう時でも愛を深めたいのだ。 「ねえ当麻。明日の放課後も練習見に行ってもいい?」 「おうっ♪ 美琴が応援に来てくれりゃあ上条さんはいつでも元気全開で頑張れるってもんですよ!」 「あ、うん、もちろん当麻の応援はメインよ。私だって当麻のカッコよく頑張る姿、見たいもん♪ でもね、もう一つ理由があるの」 「ん? もう一つ?(な、なんだろう、俺の不幸センサーがけたたましく鳴ってる感じが……)」 明日も美琴が応援に来てくれる、それだけだったら嬉しかったのだが理由がもう一つあると聞かされて嫌な予感を感じる。 いつの間にか皿を洗う手が止まっていたが当麻にそんなことに気付く余裕は無く、美琴の答えを待っていた。 「吹寄って女と話したいから」 (何で俺の不幸センサーはこうも的中率が高いんだーーーーーーっ! 不幸だーーーーーっ!) 当麻は嘆いた、美琴と吹寄がぶつかり合うことを避けられないことに。 念の為、当麻は美琴に吹寄と話をしたい理由を尋ね、そして美琴はその理由を皿を洗う手を全く止めずに話し出した。 「まず、当麻を攻撃した事。これをやめさせる」 「ほうほう、それは上条さんとしてはうれしいですな」 上条は吹寄の攻撃がなくなるならそれはそれでうれしいと感じていた しかし、それだけでは終わらないだろうなぁ、と考えていた 「そして、私を怒らせたことを思い知らせてやる」 「な、なるべく穏便にお願いします」 上条の予感【不幸センサー】はあたりそうだった そこで上条は被害を最小限に抑えれそうな事を思いつく 「そ、そうだ!一応、あいつには弱みがあるぞ」 「え?どんな?」 「俺の口から言った事がばれたら俺が殺されるから、明日、土御門に聞いてくれ」 「うん、わかった。さ、洗い物も終わったからお風呂入りましょう」 「おう!」 二人は洗い物が終わったので風呂に入る事にした 上条は、土御門、うまくしのげよ、と心の中で思うのだった