「【デルタフォース】クラスの3バカの日常/14-3」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

【デルタフォース】クラスの3バカの日常/14-3 - (2010/04/28 (水) 14:38:04) のソース

「たく、路地裏通ろうと思ったらなぜか半蔵が戦っているからビックリしたじゃねーか!!」

浜面達が路地裏を通って近道をしようとしたら浜面がいるスキルアウトが他のスキルアウトと交戦していたのだ。

「元はと言えばこいつらは浜面を狙いで襲ってきているんだぞ!!」
「そうなのか?でもこっちには上条とアクセラが居るから大丈夫だろ。」

「っておい!俺は全然戦力にならないと思うのでせうか?」
「あ、そうだったな。でもそれでもこっちにはアクセラが居るから平気だろ。」

「なンか、俺を頼りにしてねーかァ?」
「現にそうじゃないか。って向こうが攻撃してきたぞ!!」

四人が話していたら向こうが攻撃してきた。

「ったくしょうがねェなァ。お前らは後ろに居ろ。」
「「「じゃあお言葉に甘えて。」」」

そういうと一方通行の後ろに隠れ、待機した。

「さて、スクラップの時間だぜェ!!」

一方通行は一人で戦い始めた。


「おっ!?コイツ学園都市第一位の一方通行じゃねーかか!?」
「じゃあ一方通行と浜面仕上はツンツン頭の無能力者の使いパシリってのも本当か!?」

どこから流れてくるかは知らないが、あながち間違ってはいないので一方通行は特に反論しなかった。
それと同時に下らないと思い、空高くに吹き飛ばした。

「あー……アイツラ大丈夫か?」
「アァ……ビルの金網に引っ掛かるようにしたから大丈夫だろォ……絶対なァ」
「お前がそう言うなら上条さんは安心しましたよ……いや、何かお前ら俺の使いパシリとか言われてなかったか?そこんとこ大丈夫でせうか?」
「あながち間違っちゃいねェだろ?実際新居に招かれる時、お前の言うことには逆らえねェからなァ」
「そう言うモンか?」
「そう言うモンだァ」

----

とある不良はゴミ箱に隠れていた。

(いやー、白いのをチラッと見たときにとっさに隠れて正解だった)

彼は仲間の中でもセコいと有名だった男。このチャンスは逃すまいとしばらく観察している。

(一方通行は能力に制限が出来たから杖突いてるときはチャンス!!)

一方通行達が何やら話してしばらくすると歩き始めた。しかもゴミ箱の中に入ってる少年の方に。

(ひゃっほう!!今日から俺が学園都市最強だ!!)

だが彼の夢は叶わなかった。
何故ならツンツン頭の少年にゴミ箱のわずかな隙間を完全に塞がれてしまったのだ。

「この中に誰かいるぞ!!しかも何か物騒なモン持ってたぞ!!」
(な、何ーーーーーーーーーーーー!!!???) 


 結局、ゴミ箱に隠れていた不良はナイフを取り上げられ、ゴミ箱から引きずり出された後で当麻に一撃でのされた。
 これで全てのスキルアウト達を片付けたと思っていた当麻達だったが、先ほどの不良とは違い周到な奴等が潜んでることなど思ってもいなかった。
 一方通行はもとより当麻達も油断していた、彼らを狙う拳銃を持ったスキルアウト5名が潜伏してることに気付けないほどに。

「バカが。てめぇらも拳銃の前では無力だろ。こいつで全員ぶっ殺してやるぜ」
「殺してやるとは穏やかじゃねぇよなぁ。それに狙いも甘すぎる」
「なっ、何だてめぇぐえっ!」

 自分達の知らない声が聞こえたことに驚いたスキルアウトの一人は後ろに銃を突きつけるが、長身の剣でバラバラに切り刻まれたことに驚くと同時に蹴り飛ばされてしまう。
 残りの拳銃を持ったスキルアウト達は慌てて現れた男と相対する為に当麻達の前に現れしまうが、彼らには当麻達をすでに意識していなかった。

「お前さん方、そいつを突きつけるってことがどんな意味を持ってるのか、分かっててやってんだよな?」
「あぁ? 何言ってんだてめぇ!」
「……やれやれ、恨まれる覚悟も殺される覚悟も持ってねぇタダのガキか。まあ、命日にするのは勘弁してやる。その代わり、この建宮斎字がきつーいお灸を据えてやるから覚悟するのよ」

 現れた男、建宮が悠然とこちらに向かってくるのを受けてスキルアウト達は一斉に発砲する。
 しかし建宮にとって、闇雲に撃つ銃撃など避けるのは難しくないので、全弾全て回避すると全員の銃を、フランベルジェで使い物にならないくらいに切り刻んだ。
 その後で四人全員の顔面を殴打、一人漏らさず気絶させたことで今度こそ浜面狙いのスキルアウト達は全滅した。

「た、建宮、どうしてあんたがここに?」
「それはこっちのセリフよな。ここらで乱闘があるって聞いて駆けつけてみれば……」

 当麻の質問に真っ当な答えを返した建宮は、当麻達に呆れるとやや怒った感じで彼らを嗜める。

「あのなお前さん方、毎回毎回学生が嬉々として喧嘩するなんざ何考えてるのよ! 今回は事情が事情なだけに深くは咎めんがわしらアンチスキルに任せてようと思わんのか?」
「ンなことしてたら半蔵の奴がやられちまうか知れねェだろ。迅速に動いて敵をボコる、それの何が悪いってンだァ?」

 一方通行の居直った態度に建宮は静かに、それでいて圧倒するほどの雰囲気を纏ってぶち切れた。

「するってぇと何か? てめぇらは我らが姫に迷惑をかけても構わねぇ、そう言いてぇのか?」
「ひ、姫ってま、まさか飾利か?」
「考えたことは無かったか? 喧嘩しても停学もお咎めも無しの状況に。全部、飾利姫が裏で情報操作して何とか誤魔化してるからだぞ」

 初春は魔術絡みの仕事が無い時は、こうやって当麻達の喧嘩の揉み消しに奔走していたのだ。
 そのことを知って当麻達が反省したかのような表情を浮かべたのを見た建宮は、ようやく怒りを収める。

「まあ何だ。お前さん方が無事で良かったのよ。飾利姫に会ったらお礼の一つくらいは言うんだぞ、特に白いの」
「何で俺だけ念押しすンだァ! てめェに言われるまでもねェ、ちゃんと感謝の一つはしてやンよォ」
「とにかくありがとな建宮。後のことはお前に任せても大丈夫だよな?」
「ああ、こいつらの検挙はこっちでやっておく。だからお前さん方が今から先輩からタップリと絞られて来るがいいのよ」

 建宮が指差す方を見た当麻達、それを視界に入れた途端、彼らは絶句した。

「よお悪ガキ共。ここまで派手にやらかしやがったんだ、説教とお仕置き受ける覚悟は充分じゃん?」

 そこにはぶち切れ寸前の黄泉川が怒りの形相で立っていたのだから。 


「ンだよ黄泉川?俺達ゃァ正当防衛だぜェ?ナァ?」
「そうです黄泉川さん!!コイツラいきなり襲ってきてアクセラが来なかったら今頃病院行きですよ!?」

じとー、と。しばらく悪ガキ共の目をみると何やらため息をついた。

「今回は許してやるじゃん」
「「「ありがとうございます!!」」」

ここで無能なレベル0達は一斉に頭を下げるが、一方通行はいっこうに頭を下げようとしない。
まあ正当防衛で頭を下げる理由など無いが……と言うか下げられるべきの方である。
そんな冷静に考えている一方通行は何故レベル0達が頭を下げてるか不思議で仕方ない。

「でも本当にこれ以上知名度上げないでほしいじゃん……ああ、勉強面や部活面は違うじゃん?
ケンカの方面で有名になるなんて、うちはケンカをするための高校じゃないじゃんよ。
こんなのに興味を向けるガキ共もガキ共じゃん、それに常盤台のお嬢様も三分の一も……
て!?コラー!!待てー!!」

ここにいるのは自分のチカラを使えば警備員などふりきれる者達だ。
彼らは逃げ切った後、浜面の家に集合である。


 さて今までも当麻や一方通行が度々喧嘩をしても厳しいお咎めが無かったのはアレイスターや土御門のおかげだった、彼らがつるむようになるまでは。
 当麻達がつるむ人間の中には彼のプランに無関係(無価値ともいう)な者、浜面のようにプランの妨げにしかならない者もいるわけで。
 プランに必要な当麻や一方通行はともかくプランの妨げになる浜面、その他の者達にまで彼なりの慈悲を与えるほどアレイスター=クロウリーは甘くは無い。

―どうして私がプランに不要な者達の保護をする必要があるのかね? そんなにやりたければ土御門、君がするといい。その分なら私は口出しはしない。

 というわけでアレイスターは土御門に自由にさせるように取り計らったが、単なる厄介ごとの押し付けに他ならない。
 土御門は土御門でバカップル同士でつるむようになって最初は頑張っていたが彼らの喧嘩の頻度、結果はひどいもので正当防衛だとしても目に余るほどなのだ。
 それにより月夜といちゃつけないことを危惧した土御門は魔術側の事情を知って以来、正しくは2月に入ってから、初春にその手のことをやってもらうように頼み込んだ。

―悪いな初春ちゃん。俺一人じゃああいつ等の面倒を見切れなくてな、お前さんならその点は安心だから任せてもいいかにゃー?
―そのくらいなら別に構いませんけど、出来れば、出来ればですよ? 当麻お兄ちゃん達に喧嘩は控えてもらうように言ってもらえれば助かるんですけど……
―それが出来れば苦労は無いぜい。まあ何だ、ガキの喧嘩の揉み消し程度だ、そんなに気張らすやってくれたらいいぜよ。

 このようなやり取りの末、初春が当麻達の喧嘩の揉み消しを行っているのだ。
 アレイスターが黙認しているのは初春が『上条当麻の仲間全員』のフォローという至極面倒なことをやってくれているからに他ならない。

―あの少女は私のプランの妨げになる要素は持ち合わせていない。仮にプランの妨げになったとしても消すのはた易い。泳がせておいても問題は無いだろう。

 こんな黒いことを考えているアレイスターだが数年後、初春飾利という少女を甘く見ていたことを後悔することになることなど知る由も無いことである。
 以上が初春が当麻達の為に奔走している件の真実である(喧嘩方面で)。

----

 話は現在に戻り、こちらは当麻達と交戦していたスキルアウト達の拘束を始めてる建宮と黄泉川。
 人数は40名ほどだったが、建宮の迅速な措置のおかげで時間はそれほど掛からず、後は護送車ならびに救急車を待つばかりである。

「ったくうちのバカ生徒どもめ、これは過剰防衛ってやつじゃんよ……」
「確かにそうなのよね。相手を骨折させるまでやるとはいくらなんでもやり過ぎよな。あいつらならここまでやらずに片を付けられそうなもんだろうに……」

 二人がうんざりするものも無理の無いことで、スキルアウト達の中には顔面が変形するまで腫れ上がったり、腕や足があらぬ方向に曲がってる者もいたのだ。
 それらは主に一方通行がやったことだが、彼の場合は今までの人生が人生なだけにやり過ぎのラインが他の人間と大きく逸脱しているのだ。

「今度あいつにそこら辺をちゃんと注意しないとな。心配してくれる奴らのこともそろそろ考えて欲しいじゃんよ」
「全くよな。だが、そんなガキ共を教え、諭し、導くのもわしら大人の務めだと思うのよ。そうは思いませんか? 黄泉川先輩」
「……ホントお前はアンチスキルとして行動してる時はまともだよな、建宮。食堂でのお前とは大違いじゃんよ」

 食堂のおじさんとしての建宮は生徒と親しげにしてるどころか、多少なめられてる感があるので黄泉川はこのギャップに毎度驚いていたりする。
 そこへ護送車ならびに救急車が到着すると建宮と黄泉川は合流した鉄装達と共にスキルアウト達の搬送を始めるのだった。
目安箱バナー