とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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ラブ美琴



「あっ!見つけた!」
御坂美琴は学校帰りに公園で上条当麻を待ち伏せしており奇襲・・・ではなく話をしたいと
思って上条を追いかけた。上条は小さい本みたいなのを見ながら公園の前を通り過ぎ、
見事に美琴もスルーして行った。

「ちょっと!アンタ待ちなさい!」

いつもこの言葉と同時に電撃をお見舞いするのだが、さすがに学習して普通に追いかけた。
美琴が叫んだ事に気付いた上条は足を止め、くるっと美琴の方を向いたのだが、

「あっ、悪い御坂。お前と話はできないんだ」
「えっ・・・・?」

それだけ言葉を残して上条は「んじゃ」と去って行った。
美琴は上条が見えなくなるまでただ立って見送る事しかできなかった。

信じられない・・・私と話はできないってどういう事?私の事が嫌いだから?それとも
中学生だから相手にしてられないの?もしかして彼女がいるの?
彼女がいるなんて考えられない。確かにフラグメイカーと呼ばれている事は知っているが
上条本人が気になっている女性がいると聞いた事がない。

色々考えているうちに勝手に涙が出てきた。私の初恋が終わった。美琴はその場にへたへたと
崩れ地面に手をついた。

「う・・・うっ・・・私の初恋・・・」
涙ってこんなに出るものなのかと思いながらただひたすら泣いていた。公園には誰もいなかった
ので運が良かったなとも思った。
寮に帰りたいけど帰りたくない。きっと同僚の白井が自分の泣きはらした顔を見て心配して
くれるだろうし事情を話せば上条を殺しに行きかねない。でもそんなことはしてほしくないから
とりあえず今は思いっきり泣こうとしたが、美琴の背後から誰かが話しかけて来た。

「あれ?短髪?」
「えっ?」
振り向いた先に白い修道服を着た少女がいた。



「インデックスだっけ・・・」
「どうしたの?こんな所で泣いちゃって?シスターである私に言ってみるんだよ!」

美琴はコイツと犬猿の仲じゃなかったっけ?と思いながら心配してくれているインデックスの目を見た。
その目はなんてことない、ただ本当に心配してくれて助けてあげたいと思ってくれている
目だった。

「あのね、アイツ・・・上条当麻からお前と話はできないっていきなり言われちゃって」
「とうまがそんな事を!?」
「うん・・・いきなりすぎて頭が真っ白になったからこうなって・・・」
「短髪はとうまが好きなんだね」
「な、何言ってんのよ!私があんなヤツ好きになるわけ・・・」
「顔に書いてるんだよ」
「・・・・・あう」
「確かに最近のとうまは様子がおかしいかも。私の相手してくれないでずっと何かやってるし。
けーたいでんわーじゃない違う機械にずっと囁いているし・・」
「何やってるかわからないの?」
「うん。新発売だー!って言ってず~っといじってる」
「理由はともかく、アンタもアイツの事で悩んでいるって事ね・・・」
「よし!じゃあ今からとうまに聞くんだよ!短髪、こっち!」
「ちょっと!引っ張らないでよインデックス!」

インデックスは美琴の手の手を引いて走った。


インデックスに連れられた美琴はある部屋の中に入れられた。
「ここは?」
「とうまの部屋だよ」
「え?え?アイツの?なんでアンタこんなとこに!!」
「だって私鍵持ってるもん」
「・・・・ということはここに住んでんの?」
「うん!でも最近とうまはご飯作ってくれないから小萌の家にお邪魔してる」
「その小萌というアンタの友達が可哀相だわ。私もアイツに怒りたい事も増えたって訳ね」
「とりあえずとうまが帰って来るのを待っていようよ。ジュースはあるけど食べ物は食べちゃ
ダメだからね!」

キリっとした表情で美琴に注意を促すインデックス。上条が帰ってくるまでは二人でここに
いなければならない。それにしてもここは上条の部屋。まさかこんな事で始めて部屋に入る
事になるとは思いもしなかった。
美琴はインデックスに色々問い詰めようとしたが先程の上条から言われた一言が効いており
自分から話しかける事はできなかった。
インデックスは美琴が落ち込んでいる事情を簡単に知っていたのか、美琴を楽しませてくれる
ように明るく振る舞ってくれた。

(私に気兼ねなく話してくれるのアイツとインデックスだけかもね・・・)
もちろん友人の白井や初春、佐天もだがお姉様、常盤台のエース、レベル5の超電磁砲
という肩書きを自分でも忘れるくらいインデックスといる事が楽しかった。

しばらくして玄関の前から物音が聞こえてきた。
「とうまが帰ってきたんだよ。短髪、ここはさっきの事を問い詰めるチャンスだからね!」
「わかってるよ・・・でもあんな事言われた後だしどう接すればいいかわかんない・・・」



ガチャっ
「ただいま~。インデックスいたのか・・・・・て何で御坂がここに?」
「・・・・とうま。自分の罪の重さがわかってるのかな?かな?」
「ど、どうしたんだ急に。それと違うキャラになっているのは気のせいでせうか?」
「女の子を、短髪を泣かせたんだよ!!」

インデックスの言葉に上条は恐る恐る美琴の方を向いた。
「・・・・御坂、いつ上条さんは御坂さんを泣かせました?」
「・・・・・・・・・・・ついさっき」
「・・・・どのようにして?」
「・・・・お前とは・・・話すことはできないって」
「・・・確かに言いました。でも理由があるんです」
「何?ここまで来たらはっきり教えて」
「え~っと、彼女に釘を刺されてまして。女の子に話しかけちゃだめだって」

「「か、彼女ぉ~!????」」
始めて美琴とインデックスの声がハモった。お互い驚きとショックを隠せない表情だった。

「あっ、彼女見たいか?」
それとは裏腹に上条はあっけらかんとして女の子二人が悲しんでいる顔をしているのにも
関わらず楽しそうだった。

「さっきまでデートしてたんだけど。ちょっと待ってろよ」
ゴソゴソとポケットから何か取り出した。それは美琴が声をかけた時に上条が持っていた
小さな本みたいな物。
インデックスもさっき言っていた。けーたいでんわーじゃない機械にずっと囁いている。と。

ニンテン○ーDSだった。上条は笑顔のまま、
「先週発売したんだぞ!見てみろ!可愛いだろ!?」
美琴とインデックスに画面を見せて来た。その画面の中にひとりの少女がいてこう呟いた。

『当麻くん、だぁい好き♪』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


しばらくの沈黙だったがそれを破ったのはインデックス。

「か、可愛いかも~!小さいテレビの中の女の子が私に話しかけてるんだよ~!?はぅ、
はうぅ~!おんもち帰りぃ~!」
美琴は確信した。インデックスはよっぽど機械に弱いかただのバカだと。


「アンタ、まさかこの子から釘を刺されたと?」
「そうだけど?」

どこまでもきょとんとした顔をした上条。しかし美琴の殺気を感じた瞬間玄関から出て行き逃げて行き、美琴当然のように追いかけた。


「二次元のヤツに言われた事鵜呑みにして行動すんなや逃げるなゴルァァ!!」
「ぎゃああ!どちらかと言うと俺達も二次元の部類だろー!?」
「だったら同じ二次元の奴らと恋するのが普通でしょ!?私とか私とか私とか!!」
「御坂しかいねえのかよ!」
「ほら!さっさとタッチペンで私をナデナデしてスキンシップとりなさい!」
「えぇ!?これゲームの世界にいるんですか!?」
「一緒に登下校したり彼氏力上げて私をデートに誘っていきなりのプレゼントで私を喜ばせるのよ!」
「俺に見返りねえだろそれ!!」
「アンタが仕掛けてくるスキンシップに嫌がる事なんて絶対にないんだから!エンドレスキスできるわよ!!!
あと今回からお泊まりイベントもあるから私凄く楽しみにしてるんだからね~!!」

「だったらバチバチ鳴らしながら追いかけるのやめてください~!!」



結局いつの日かのように一日追いかけっこした二人でした。


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