とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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初デートを尾行する友人と私達



「あ!と、と・・・当麻!」
「お、おう。待たせて悪かった・・・美琴」
「じゃ、行こっ!」
「行くつってもどこに行くんだ?」
「あ・・・何も考えてなかった」
「まったく・・・とりあえず地下街でも行こうか?」
「うん・・・あのさ、手、繋がない?」
「・・・・・いいぞ」
「やった!えへへ・・・」

なんということでしょう。初々しいカップルになった上条と美琴。本日は二人の初めてのデート。
偽デートをカウントしなければこれが本当の初デートになる。
うわ、見てるこっちが恥ずかしくなるような甘い雰囲気を出して。恋人がいない男性諸君は
見ていられないくらいの桃色空間。女性陣は羨ましがるような二人の笑顔。

「初春、私御坂さんのあんな笑顔初めて見た!」
「私もです。強い御坂さんも恋人の前では猫みたいに甘えちゃうんですね~」
「きぃ~!お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様・・・黒子はこの地獄絵図を見ても
お姉様の幸せのために必死で我慢しておりますわ!!」

初デートをするという情報を美琴に吐かせた白井、初春、佐天はばっちり邪魔をしないよう、
遠くで観察している訳だ。後日美琴と会った時にネタにしようと佐天はカメラまで持参している。


しかしこの初デートはこの三人だけが見ているわけではなかった。
「おい。わざわざここまで来た理由がこれか?」
「いいじゃない。初心忘れるべからずってヤツよ」
「はあ、不幸だ」

そんな事は全く知らないラブラブカップルの上条と美琴は地下街に着いた。
「美琴、どこか行きたい所あるか?」
「えっと・・・あそこ」
美琴が指をさした店は女性専用の下着売り場だった。

「あの・・・さすがに上条さんでもここに入るのは辛いというか」
「だよね。ご、ごめんねこんな所に入りたいって言っちゃって。黒子にそろそろ本気で
ゲコ太パンツやめろって言われて。当麻と付き合い始めたしこれをきっかけに少し大人っぽい
下着を探そうかと思って・・・」
「前言撤回。上条さんはそのためなら喜んで入りましょう」
「ほ、本当にいいの!?」
「もちろん。それに美琴の短パンの下はゲコ太パンツだったなんて驚きだしな。常盤台の超電磁砲が
それじゃ女の子の手本にならねえよ」
「大きい声で言うなバカ!!」
「それに近い将来勝負パンツとか必要になるんじゃないですか?」
「あ、アンタ何考えてんのよ!スケベなんだから!!」
「スケベでごめんなさいね~。いつ狼になってしまうか上条さん本人もわからないもので」
「あう・・・」


おい、テメエら。白昼堂々とそんな会話しやがって羨ましい。みんな黙っていないからな。

「初デートで最初に入った店が・・・」
「下着専門店ということは・・・」
「もしかしてお姉様は既に身も心もあの類人猿に授けたと?」
「体はどうでしょうね・・・初春も大人っぽいパンツ買おうよ?スカートめくられても見せびらかせれるよ!」
「見せたくありません!それに御坂さんよりは普通のパンツ履いてますから!!」
「初春!声が大きいですの!お姉様達に気付かれますわよ!!」
「うーん。でも店の中に入っちゃったからどれを選んでいるのかわからないですね。困ったな~」


一方、
「恥ずかしい。よりにもよって思い出したくないベスト3に入るくらいの所を見てしまったわ・・・」
「何言ってんだ?未だにこの時に買ったヤツ履いてるじゃないか。今でも見るとこの時を思い出しますぞ?」
「・・・・・・殺されたいの?」
「どうせ殺せねえだろ?」


店に入って数分が経った。
「・・・ダメ。どうしても目がゲコ太やそっち系の方に行っちゃう。当麻はどういうのが好き?」
「ここで俺に聞くのですか!?・・・・そうだな・・・これ・・・とか?」
「っ!!!!どういう趣味してんのよ!!ほとんど紐だけで透明って!」
「どわ!すまん冗談です!じゃあこれは?」
「同じようなモンじゃない!!網だけでできてるパンツってやっぱりこういう趣味なの!?」


少し離れた所で
「でも結局俺が選んだ下着全部買ったんだよな?」
「きいぃ!うるさい!それを言うなぁ!!!」
もうおわかりだろう。この二人は未来からやってきた上条当麻と美琴。初デートをこっそり
見るデートをしているのだ。年齢は今と比べたら10くらいとっているだろうか。上条はさほど
変わってないものの大人の雰囲気を出したいい男になっている。美琴は・・・
やばい。色んな意味で凄いことになんている。成長しまくり。みんなの脳内では余裕でイメージ
できるだろう。それくらいいい女なのだ。上条さんが羨ましい。
下着専門店を出た初々しいカップルの上条と美琴。しかしここで優秀なレベル5の美琴はある事に気付いた。

「美琴、次はゲーセンにでも行くか?プリクラ撮りたいって言ってたよな?」
「う、うん。そうだけど・・・」
「どうした美琴?さっきからキョロキョロして」
「私と同じ電磁波を感じる・・・」
「妹達の誰かが近くにいるんじゃ?」
「違う。私にすっごく似てる電磁波なの。妹達とは比べものにならないくらい私にそっくりな。
あれっ・・・気配が消えた・・・」
「気のせいじゃないのか?」
「違う!本当に感じたの!」


未来の二人はその頃、
「なあ、さっきから周りを気にしているみたいだけど」
「もしかして私の電磁波を感じ取っているかも。当麻、右手で触って!ってどこ触ってんのよ!?」
「あぁ・・・決してわざとではありませんのでどうか怒らないでください・・・」


一方こちらでは
「さっきから御坂さん落ち着きがないというかキョロキョロしてますね」
「私達に気付いたのかも!」
「そんなことはありませんわ。隠れている所はバッチリですし。きっとお姉様は周りの視線
が気になるとかでしょう」
「あ~確かに。常盤台の超電磁砲が男の人と手を繋いで歩いてるからいやでも周りは見ますもんね」
「ってあれ?あそこにいる人たち私達みたいにこっそり御坂さん達をつけているように見えるのは
気のせいでしょうか?」
初春が影でこそこそしている二人に気付く。

「確かに怪しいですわね。ちょっと調べさせてもらいますの」
「充分私達も怪しいと思いますが・・・」

白井は瞬間移動して怪しい二人の近くに移動する。

「ジャッジメントですのっ!!」
「へっ!?」
不意に叫ばれた二人はアホな声を出して振り返ると一人の少女が風紀委員の腕章をかざしながら詰め寄って来たが。

「・・・・お姉様に・・・上条さん?」
逆に少女のほうか驚いていたようだった。

「あれ?つい先程まで二人はランジェリーショップにいましたのに何故ここに?」
「白井さんどうしました?って御坂さん!?」
白井が呆気にとられていた所に初春と佐天がかけつけた。だが二人も反応は白井と変わらない。

「え?おかしくない?次ゲーセンに行くって言っていたのに?」
「佐天さんよく見てください。さっき見た御坂さんは制服ですがこの御坂さんは私服です。
それに大人びたというか・・・もうスタイルが凄いです」
「うわ!!凄い!!モデルみたいなスタイルじゃん!!もしかして御坂さんのお姉さん?」
「それにこの男性も上条さんにそっくりというかそのまんまです」
「お二人共大人に見えるというかなんというか・・・」
「あーもう!!アンタ達のせいで私達を見失ったじゃないのバカー!!」
「私達を見失った?どういうことですの?」
「やれやれ・・・まさか白井達にまで初デートをつけられていたとは・・・不幸だ」
「信じられませんわ。お二人が未来から来たなんて」
「でも来た理由が初デートを見るためとは・・・」
「御坂さんらしい考えですね」
とりあえず風紀委員の白井と初春に誤解を解くために事情を説明した。未来から来たという所は
信じてもらえるか不安だったがなんとかなり、今は何故か上条の奢りで近くのカフェにいるという訳だ。

「もう、黒子が邪魔しなければ見失うことなんてなかったのに」
「未来のお姉様に怒られるとは夢にも思いませんでしたわ!!お姉様、もっと黒子を叱ってくださいまし!!
できればその体をじっくり堪能してからが都合が良いのですが」
「黒子、アンタが知っている私より能力強いから体が持たないわよ?」
「おほほ・・・・私はまだ生きていたいですの・・・」
「でもどうします?二人を見失ったし捜すのも大変だし・・・」
「佐天さん、この二人はしっかり覚えているハズですの。ささお二方、ゲーセンに行った後は
どちらへ行きましたか?」
「確かカラオケに入ったよな?」
「違うわよ。カラオケ入る前にクレープ買ったじゃない。私はキャラメルチョコ味で当麻が
抹茶クリーム味!」
「美琴おまえ・・・秒単位で覚えていそうだな」
「そこまではないわよ。でも何をしたかはきめ細かく覚えているわ」
「じゃあ御坂さん、ゲーセンでの様子見れなかったのでゲーセンではどんな事したんですか?」
「確か最初にレースゲームして格闘ゲームしてその後にプリクラ撮ったわ」
「そこをもっと詳しく!!」

佐天が手を合わせてお願いをして、そこで何故か上条が言葉を発した。

「ゲームの結果は全部俺の負け。あとはず~っとプリクラ撮影でしたよ。美琴が「私が全部出すから」
とか言って100円玉ガンガン入れやがってよ。10回くらいは撮ったな。あの時は疲れましたぞ美琴さん!」
「悪かったわね!当麻だって「チュープリでも撮るか?」ってノリノリだったじゃない!」
「言うなぁ!!見なくて済んで若干安心していたのにー!」

美琴のカウンターに上条は大きい声で叫び顔を赤くしてウネウネしながらテーブルに伏せる。

「これは是非とも写真に納めたかったな~」
「ダメですよ佐天さん。御坂さんからプリクラを見せてもらってそれをコピーしたほうが
弱みというものを掴めるじゃないですか」
「初春も黒いね~。目の前には未来の御坂さんとその旦那様がいるんだよ?」
「あっ!!御坂さんごめんなさい!今のは嘘ですから!!」
「いいのよ。みんなに私と当麻が付き合った事知られてから今もずっと冷やかされてばっかりだから」
「い、今もですか!?」
「そうよ。佐天さんなんか夜の営みはどうですか?しか聞いて来ないし」
「・・・以後気をつけます、御坂さん・・・」

その言葉に佐天はあたふたしてそれだけしか言えなかった。色々知っていそうだがまだ中学一年生だという所が見えた一瞬。

「んで、みんなこの世界の俺と美琴をつけてたんだろ?この後カラオケに行く予定だがどうするんだ?」
「「そりゃあもうご一緒します!!」」
上条がどうせ美琴は見に行くだろうしと付け加えた所で初春と佐天は食いつくように反応した。
同じ目的なら別に一緒にいてもいいかと思って言ったがここまで食いつかれると多少困った気もする。
「まあいっか。今日の不幸はこの世界の俺達に委ねよう」

そしてカラオケハウス。未来の上条、美琴、白井、初春、佐天の五人は案内された部屋に入ったのだが
なんと奇跡的に初々しい上条、美琴カップルの隣の部屋に案内された。

「う~ん。でも何をしているのかわかりませんの」
「テレポートしちゃダメよ黒子。それにカラオケなんだから歌うに決まってるじゃない」
「しかし音楽も聞こえないですよ?」

五人はテレビを消して部屋を無音状態にして全員で壁に耳を当てた。

~♪~♪~

「あっ!流れたって・・・この曲は」
「日本人なら誰もが知っている・・・」
「・・・童謡ですわね」

『ある~日森の中~美琴に~出逢った~花咲くも~り~の~み~ち~美琴に~で~あ~った~♪』

森のくまさん ~愛する美琴へ・・・バージョン~  歌.上条当麻

白井、初春、佐天は黙って未来の上条を見た。上条もしまったという顔をして赤くなっている。

「上条さん・・・」
「何も言わないでくれ。言い訳は山ほどあるんだが今は何も言わないでください・・・」
「センスの欠片もないですね」
「だから言うな!!センスがないのは認める!!でも美琴が黙って動かなくなったから笑わせようと
思ってふざけたんですよ!」
「でもウブな御坂さんにはかえって逆効果じゃ・・・」
「そうだったわね。もう嬉しさと恥ずかしさとバカらしさで固まってしまったんだから」
「光栄です美琴たん・・・」

しばらく五人はまた壁に耳を当てるがどうやら美琴も調子を取り戻したらしく歌い始めた。
美声が壁を伝わって聞こえてくる。

「隠れて聞いていてもやっぱり御坂さんは歌も上手いですね。バイオリンといいなんでも
パーフェクト超人みたい」
「いや~ね、佐天さん。これでもこの時は当麻の前でもあって凄く緊張して声が震えてたんだから」
「本人がそう言っても私達は全然気づけないレベルの上手さですよ。あぁ、上条さんが羨ましいです・・・」
「ん?どうしてだ?」
「だって今はカラオケで二人きり。そして御坂さんの歌声を間近で独り占め。こんな羨ましい
シチュを見せつけられて悔しがる人はたくさんいるはずです!」
「そう言われるとこれは不幸な俺にとっては贅沢すぎるな。・・・て白井、なんだその鉄の槍は・・・」

上条は隣でカチャカチャ言わせている白井をジト目で見た。

「おっと失礼しました。つい考えている事が行動に出そうでしたわ。にしてもあの類人猿が
お姉様をここまで独占していたとは黒子一生の不覚でしたわ」
「類人猿って白井さん・・・」
「しかもこの隣で聞こえるお姉様の楽しそうな声を類人猿が独占していると考えるだけで余計腹が
立ってきましたの。でもこの怒りを類人猿か目の前にいる上条さんにぶつけても結果は見えておりますわ・・・」
「あ~ら、よくわかってるじゃない黒子。アンタだからって容赦しない所は昔から変わってないからね」

未来の美琴は白井にトドメを刺すように言葉を投げつけた。それに対して白井は
「きいいぃ!!お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様・・・こうやって
黒子はお姉様の幸せを思って必死で堪えておりますわ!!!」

ゴン!ゴン!と奇声を挙げながらテーブルに頭を打ち付けた。
「白井さん!音が大きいです!」
「こんな音くらいでお姉様が黒子の思いに気付くハズがありませんの!フンッ!フンッ!!」
「にしてもとんでもなく鈍い音なんですが・・・」
「黒子~?いい加減にしないと焼くわよ?」
「このままだとデート中のお姉様達に気付かれてしまうかもしれないですの!未来のお姉様、
黒子はもう自分で止められません!!」
珍しく(というより今日ずっとなのだが)白井はデートの邪魔をしていない。絶対邪魔する
性格の人間なのだがどこでセーブできていたのだろうか。目の前にいる未来の上条と美琴を
見てストップできたのかもしれない。まあ、誰が見ても二人のラブラブっぷりは止められないのだが。

「じゃあ悪いけど、少し寝てもらうわよ」
躊躇なく未来の美琴の電撃が白井を襲う。
「あっはあぁぁぁん!!お姉様!あぁ~激しすぎますの・・・でも・・・幸せ・・・ですの」

最後は白井らしい言葉を残してパタリと倒れた。

「にしても結構長い時間カラオケにいますね。ここには何時間いたんですか?」
佐天のふとした疑問に上条はさらりと返す。

「5時間は歌っていたな」
「ご、五時間!?」
「段々二人ともテンションが上がって歌いまくってさ。気付いたら5時間経っていたんだよ」
「無理無理!そんなあと数時間も壁に耳をあてる事なんてできない!」
「御坂さんごめんなさい、私もです・・・」
「いいわよ。私達も5時間ずっといたくないし。それにそろそろ・・・」
「そろそろ?」
「あっ!何でもないから!お腹空いたでしょ?ご飯でも行きましょっ!」
どこかはぐらかした様子で未来の美琴はカラオケの伝票を持ってさっさと部屋を出た。

「上条さん、この後何かあったんですか?」
未来の美琴と同じように早く出ようとする上条を引き留め質問したが、
「・・・・そのことは俺達じゃなくてこの世界の俺達に聞いてください。俺からは何も教えられません」
怪しさ満点の返事に佐天と初春はニヤリと笑い

「では私達だけ残って二人を観察してもいいですか?」
「そんなことしたら多分美琴からの電撃が来るぞ。俺はともかく美琴はそれくらい知られたくない
事なんだよ。・・・・・・・・・・・・・・特に君たち三人にはね」

出たフラグ男。佐天と初春に背中を向けていい言葉を吐きやがった。最後の・・・・・・
の間はなんだよ。今の二人の顔を美琴が見たら確実に怒る。「アンタ、よりにもよって若い頃の私の友達にいぃぃ!!」みたいな感じで。


まだ気を失っている白井を上条がおんぶしてエレベータを降りた時には未来の美琴は既に
会計を支払って入り口に立っていた。
「さあみんな、行くわよ!」

美琴のかけ声に初春と佐天は美琴の近くに駆け寄って「御坂さん、ちょっといいですか?」と
切り出していた。上条は少し離れて歩く。美琴が二人に挟まれ話しているのを上条視点で見ると
頼れるお姉さんみたいに見えたりして少しキュンとしたりしなかったり。

「御坂さん、未来の私達ってどんな風になってますか?」
未来の上条と美琴に出逢って一番聞きたかったのは実はこれかもしれない。もちろん美琴の
恋愛沙汰も気になるが自分の未来も知りたいのは当然でもある。

「そうね~・・・二人とも今とほとんど変わってないかも。黒子はそのまんま」
「性格じゃなくてどんな事をやっているのかですよ。何の仕事をしてるのか、彼氏はいるのかとか知りたいんですよ」
「それは教えられないわよ。知ってしまったらどうせそうなるからって思って怠けちゃうじゃない。
もし私と当麻をこの世界の私達が見たらそうなるかもしれないでしょ?だから悪いけど教えてあげれない」
「今の御坂さんの言い回しだと私達は結構いい線行っているかもよ初春?」
「せめて何かどうでもいい情報などでもいいですから教えてください!」
「だったら・・・初春さんの頭のお花は今より凄いわね」
「うわ、本当にどうでもいい情報ですねそれ・・・」
「何の事ですか御坂さん、佐天さん?」
「あんな美味しい料理をご馳走までしてもらって・・・本当にありがとうございました御坂さん」
「黒子もあんなに美味しい料理は初めてでしたわ。是非これはお姉様に勧めて二人でディナーを・・・」
「いいのよ。大した金額でもなかったし。それに当麻が最近私より稼いでいるから」
「今のは絶対この世界の俺と美琴に言うなよ。特に俺には。聞いたら卒倒するかもしれないしな」
「あはは、わかりました。では私達はそろそろ門限なので」
「うん、私もこの世界のあなた達に会えて楽しかったわ。いい女になりなさいよ!」
「ところで御坂さん、今日の出来事はどこまで話してもいいですか?」
「私達に会った事以外なら全部話してもいいんじゃない?そもそもみんな私達のデートをつけていた訳だし」
「わかりました!御坂をおちょくります!」
「・・・程々にね」
「じゃ、俺達そろそろ未来に戻らないといけないから。これでお別れだな」
「名残惜しいですが・・・御坂さん、上条さん、未来で会いましょう!!」

バイバイと手を全員手を振ってそれぞれの帰路に別れようとしたその時
「黒子、初春さん、佐天さん。ずっと私のこと御坂さんって呼んでくれてたけど私の名字、
上条になっているからね♪」
「ぬっふぇ!?」
「・・・マジで?」
「・・・あの類人猿めがああああ!!!」


こうして未来の上条、美琴とこの世界の白井、初春、佐天のこの世界の上条、美琴の初デートをつける物語は幕を閉じた。



数日後
「どうしたのみんな・・・当麻も一緒に来いだなんて」
某ファミレスにて。初デートを終えた上条と美琴を呼び出した3人はうずうずしながら(白井以外)
あれよこれよと質問しまくった。

「御坂さん、初デートで最初に入った店が下着専門店だなんてやりますね~」
「んな!何でそれを!」
「プリクラも10回程撮っていましたね」
「絶対プリクラなんか見せないからね!」
「わかってますよ。チュープリもされたみたいですし」
「ふにゃっ・・・」
「カラオケも5時間もいるなんて。それに上条さん?センスのない替え歌はやめましょうよ。
御坂さんには色んな意味で逆効果なんですから」
「ちょっと待ちたまえ君たち!!カラオケでどうこうしたのも知っている訳なのか!?」
「どうやらその様子だと何かあったみたいですね。さあ、白状してください!ネタはあがって
いるんですからね!」
「嘘つけ!監視カメラでもチェックしない限り見えないだろ!」
「あっ・・・それを忘れてました。初春という人物がいたのになぁ」
「「・・・・・・・」」

(言えない。カラオケでピンク色の空気になって危うく始まりそうになったなんて。しかも
俺の部屋で続きをやろうとしたらインデックスが帰ってきて上条さんの人生で一番の修羅場が
あったなんて絶対に言えない・・・)


(言えない。カラオケでキスだけじゃ終わらなくなって・・・当麻の部屋でいよいよだと覚悟
していたのにちびっ子シスターが入ってきて邪魔されたなんて絶対に言えない・・・)

「もう二人とも、そんな顔真っ赤にしちゃって。『未来の二人』がすぐ目に浮かびますよ」

その言葉に上条と美琴は余計赤くなって縮こまることしかできなかった。


とある未来
「初春さん、佐天さん久しぶり~!」
「御坂さん、私も佐天さんもその名前じゃなくなったんですから」
「あら、なら私だってもう御坂じゃないわよ?」
「「「あははははっ」」」
「二人にいい物見せてあげる!これ見て!」
「写真ですか?ってこれ昔の私達と上条夫妻が写ってる!!」
「えへへ、私と当麻の初デートの日に偶然会っちゃったから記念に」
「私達もデートを尾行していましたからね~。それでバッタリ会ったんですか?」
「そっ。これカラオケで撮ったヤツね」
「でも私達カラオケに行ってなんか・・・てあれ?行った気がする」
「私もそんな気がするというかうっすらと覚えているような・・・」
「実際は私達がカラオケにいたなんて知らなかったのね。私と当麻が連れて行ったのよ」
「んで御坂さん、あの時カラオケの中で何があったんですか?」
「えっ!?なんでそこをピンポイントに!?」
「ん~、御坂さんと上条さんに何回も問い詰めてもこれだけは話してくれなかったような記憶があるような・・・」
「私もそんな気がします!」
「あ、あははは」
「さあ、もう過去の話です。今更驚きませんからこの場で話しちゃってください!」
「教えてくれないと白井さんにも問い詰めてもらいますからね?」
「あははは・・・・不幸だわ」


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