とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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入れ替わり生活



インデックスが俺の家から去って年が明けた
戦争の後、インデックスは俺の家から出てイギリスで暮らす事になった
もちろん俺はインデックスがそう望むならそうでもいいと思ったし、ステイルや神裂など信用の置ける人物もいる
でも、やっぱり記憶喪失のことを黙っていたことでインデックスがイギリスに渡ることを決意したのは事実だ

戦争後、しばらくしてインデックスの体調が戻った際に俺はこっぴどく怒られた……
そしてインデックスにわんわん泣かれ、ステイルに殺されるかと思った…
「とうまは私を縛りたくない為にやってくれたのはわかってるけど、私はそれでも話して欲しかったかも」
そう言ってインデックスは泣きながらもこう続けた
「私も今回のことで自分も戦わないといけないと思った…だからとうま、私がその力を付けられるまでさよなら」
俺は言われた後もしばらく意味がわからなかったがステイルに引きずられる様にして病室から出されて気付く
「俺はインデックスとはもう会えないのか?」
先ず口から出たのがこの言葉だった
「いや、彼女はそれは望んでいない…それでも今しばらくは会えないだろうけどね…
ボクには非常に残念な事だけど、君はまた会えるんじゃないかな?」
ステイルはそう皮肉りながらも
「でも、彼女が力を付けるまではボクや神裂、君の信用の置ける者達で守ることを誓うよ」
そう言ってくれた
「ありがとう、ステイル」
「………」
ステイルは無言だったが言葉は受け取ってくれた

それから帰国する際にインデックスからの手紙を神裂に手渡され部屋に着くまで読むなと言伝も言い渡された

帰国して部屋に着いた上条は早々に手紙を開けた

とうまへ
とうま、私はね…とうまの為を思ってこの手紙を書くんだよ
とうま、短髪がロシアに来たのはとうまを心配してなのは言われなくてもわかって欲しいけどどうなの?
とうま、短髪のことはどう思ってるの?
ねえ、とうま……とうまは不幸だけど、幸せになる権利はあると思うよ
とうまは短髪がお似合いだよ、家族としての忠告なんだよ
あ…しまってあるビスケットは後で郵送して欲しいかも

で手紙は終っていた、しかも内容はちぐはぐでよくわからない…ので理解できるとこだけ抜粋
理解できたのは美琴をどう思うのか? ということと保存食のビスケットを郵送しろの二つ
「なんか……恋人が出来ない兄を心配する妹か? って言っても妹がいないからわからないが…」
と?マークを頭にたくさん浮かべて手紙を読み返すがそれ以外に情報は得られなかった

しかし、このことがきっかけで上条は年内に御坂美琴という彼女が出来た
それは鈍感な上条にとって素晴らしい進歩であり、インデックスに感謝すらした……
美琴の友人達や上条のクラスメイトからは襲撃されたりして幸せと不幸の割合が両方とも上昇した
そんなある時、事件は起こった

□ □ □

「この状況はなんだ……」
上条は目の前の幻想のような現実を理解し呟く…

この呟きの前、それはほんの少し前に時間をさかのぼる
年が明け、地元で上条・御坂家での懇親会らしきものをやったりした事以外は普通の年始を過ごした上条
その後、学園都市に戻った上条と美琴を待っていたのは幽鬼の様になっている白井……そして嬉しそうな佐天と初春
まあ、皆さんの予想通りだと思いますが上条は白井に追いかけられ、美琴は佐天と初春に回収された

その上条と白井は地獄の空間移動鬼ごっこに突入したわけだが…とある鉄橋の所まで来た時である事が起きた
珍しく白井が大ポカをした…空間移動に失敗したのだ
それは真っ逆さまに墜落の様に飛んだ白井は焦りから回避の空間移動が出来ない…という状況になった
それを見た上条の行動は皆さんもご存知だろう…そう白井を助けるために駆け寄る

しかし、ギリギリのタイミングだったので上条は白井の方に飛び込んだ
…のだがそれがいけなかった、ガンッ!「きゃっ!」「いつっ!」盛大に二人は頭をぶつけ意識を失った

それから数分後、ツインテールの少女は目が覚め倒れているツンツン頭を見てこう言った
「おい、上条当麻起きろ…ってなんかおかしくねえか?」
ツインテールの少女は見た目に似つかわしくない言動を取る
立ち姿はまるで男のような体勢で先ほど言った口調はお淑やかな見た目に反するような感じだった
ツインテールの少女は倒れている上条当麻を見て、その後に自分の手から足元、髪なども触って確認していく…

「この状況はなんだ……俺が白井の体ってどういうことだ」
上条が現状を理解するまでそう時間がかからなかったが夢であって欲しいとさえ思った
これが今までの現状だ

「うっ…あれから一体どうなったんですの…」
どうやら白井も起きた様だ

「大丈夫か白井?」
白井はそう言ってきた鏡を見てる様な自分の姿を確認して「へ?」という呆け顔になる
「あー、驚くなよ? どうやら俺とお前の体が入れ替わったみたいでな…」
と自分に自分自身が説明していると一瞬思ったが白井はその内容を思い出す
どうやら俺とお前の体が入れ替わったみたいでな……という事は目の前の自分は上条さんですの?
という結論が出て目の前の上条と思われる自分に確認を取る前に自分の姿を見る…
確かに常盤台の制服ではなく至ってシンプルな冬の男物の私服

「ということは今の私は上条さんなのですね?」
「そういうことになる…」
「あんまり驚かないんですのね」
「まあ、ここ半年くらい色んな体験を繰り返しましたからね…体が入れ替わる事くらい気にならないというか…」
と話を続け、最後には上条ががっくりと肩を落とし話す
「まあ、それはいいとして…これって治るのか?」
白井にそう聞くが
「さあ…私も聞いた事がない状況ですので」
知らない事なので白井はスッパリとそう告げ、二人でハァ…と溜息をついた
「こりゃあ…一旦美琴達の所に戻るしかなさそうだな…」
少なからずとも白井もそれに賛同した
とある鉄橋から二人は去って行く…これからどう過ごすか不安になりながら

□ □ □

白井がメールで佐天と初春に連絡を取り居場所に向った結果
「で…それを私達に信じろと?」
「「はい…」」
美琴に半ば呆れられながらそう問われ、上条と白井は力なく「はい」とだけ答える様な反省会になった

それを見て美琴は「なにやってんのよ…もう…」と片手を顔に当てる
「ってことはですよ、もしかして今の上条さんは空間移動が使えるんじゃないですか?」
少し目をキラキラさせた佐天が上条の方に顔を近づけて鼻息荒く迫る
「ちょ、ちょっと! 近いって顔が近いです! 」と上条はバタバタと慌てふためく

「でも、白井さんの声でそれ言われるとなんか不気味ですね」
初春がそう言うと白井は
「あら、初春…そんなことを言ってるってことはいつもの私はどの様に映ってるのか気になりますの…・・・」
と言って初春の頬を左右にグイグイと引っ張る
「ふぃたい…ふぃたいでふよ、ひらいさん…」
涙目で何を言っているのか若干わからなくなってしまった初春を三人は放っておく

「うーん、でも元が良くても俺がバカだからな…使えないんじゃないか?」
上条はそう美琴と佐天の二人に言う
「確かに身体自体は能力を有していても演算が出来なければ只のレベル0と変わらないでしょうね」
「えー、なんか少し残念だなー…私もそういうことになれば能力使えるかも、とか思ったのに」
と美琴は結論を佐天は希望を言って再度白井と初春を見る
周りから見れば高校生男子が中学生女子4人に囲まれている環境で一人の女の子の頬を引っ張っているという場面

「あの…お二人さん、そろそろそれを止めてもらわないと上条さんの評判が大変な事になりそうなのですが・・・」
上条はやっとそのことに気付き放って置けなくなる
「いいじゃない別に…当麻を見る女性が減るのは嬉しい事だし…」
「いや、デートとか妨害をしてくる奴らも増えると思いますが…」
その方がむしろフラグが立ち難くなって良いと思う美琴だが、上条の一言で
「や、やめなさい二人とも!」
「あー…御坂さん、変わり身早すぎです…」
一瞬で立場が変わる、そして佐天に盛大に呆れられるのであった

そして、いつまでも止めない白井に美琴が電撃を飛ばした
「いい加減にしなさい黒子っ!」バチバチバチッ
「ちょっお姉様!」サッ
反射的に身をかがめようとする白井であったが肉体は癖なのか右手を出す、結果その雷撃を打ち消す事になった
「「「「「…………」」」」」
それを見て五人(白井自信を含む)は白井の右手を唖然として見ていた

□ □ □

それからしばらくして我に返った一同はこれからのことを話し始める
「で…これからどうするのよ」
美琴が切り出す
「俺としては早く元に戻りたいが…どうすればいいんだ?」
「それは私とて同じ意見ですが……確かにどうすればいいんでしょうか」
どうしようもない現実に二人は暗くなる
「でも、漫画とかだとこういうネタって結構ありますよね」
と、佐天が言い
「確かにネット上でも人と人が入れ替わるとかありますよね」
と、初春もそういえばと述べてこう続ける
「なんにせよですけど結果的にはしばらく上条さんと白井さんには入れ替わりで生活して貰うしかないですよね」
「「………ええっー!!!」」
二人は絶叫する
「という事は私はこの類人猿の部屋で暮らさないといけないんですの!」
「俺は美琴と一緒に常盤台の寮かよ…つかそれって危なくねえか……」
と各々の意見を言ったところで
「それにあたって白井さんは上条さんの能力を先程使用してましたけど…
白井さん、今軽くでいいので上条さんに演算して教えてあげてください」
と初春が遮る様に言ってきたのでしかたなく白井は演算を上条に教える…が
「さっぱりわからん…」
「「ですよね…」」
「「はぁ…」」
と五人の反応は残念な方向であった
その時、白井の携帯がなり…しかたがないので上条が出る
「はい…え? これからですか…はい、わかりました」ピッ
ハァ…と上条は溜息をつき
「初春さん…これから風紀委員の支部に一緒に来いって連絡が…」
「ハァ…それじゃ御坂さん、上条さんを一旦預かりますね…」
「え、ええ…初春さん、当麻のサポート宜しくね」
「はい! 任せてください!」
と口早に話を済ませ上条と初春は行ってしまった
残された美琴と白井、佐天はどうしたものか……と溜息をつき
「一旦、あの病院に行ってみましょうか…知り合いの医者ってあの人しかいないし」
と美琴が言うと「そうですね」と佐天が頷き、「それしかありませんわね」と白井も頷くのであった

□ □ □

しばらく上条は移動しながら先程教えてもらった演算方を試すがほぼ理解が及んでいないため空間移動は発動しない
それに空間移動は失敗すると大惨事になるという事でこれ以上は試さない様にと初春に言われた
「うーん、これじゃあ俺が白井の代行なんて無理だろ…」
上条はそう呟き、溜息をつく
現在上条は初春と共に風紀委員の支部に向って駆けている
「それでも白井さんの格好ですし、来ないと色々とまずいんですよ」
初春はそう言って上条に困った顔をする
「それはそうだが・・・実際、今の俺は完全な無能力者だぞ」
「はい、その為に内勤を頑張ってもらおうと思います、そしてみっちりと私が教え込んであげますよ!」
初春は上条の横で拳を握って何かに燃えている
「……あのー初春さん? ほどほどでお願いします」
上条はまだこの時、初春のノリが非常に恐ろしいものだとは理解はしていなかった


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