とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ あのさぁ頼みがあんだけども



「あれ」
「おう、メリークリスマス」

私は今、街中にいて、偶然、アイツに出会った。
アイツって誰か、言わなくてもいいわよね。

「め、メリークリスマス…ってアンタキリシタン?」
「いんや、こういう慣習は従ってなんぼ、つかこんな状況、仏教徒でもヒンドゥー教でも伝染するって」

確かに。今商店街にいるけど、どーやって掛けたのか、天井から電飾が垂れ下がっている。
まだ明るいので無灯だが、太陽光で様々な色の電飾がまた別に綺麗に光ってる。

「ふぅん。相変わらず一人なのね」
「悪いか」
「べっつにー。今日び、あのシスターと一緒にいるのかと思ったからさ」

首に巻いたマフラーを巻き直す。

「アイツは今家でスフィンクス…猫とお昼寝中だ。っと、そうだ、今お前暇か?」
「へっ?いや…まぁ暇といえば暇だけど…プレゼント買いに来ただけだし」

実は夕方から黒子達と一緒に小さなパーティーを開く事になっていた。
その為にプレゼントを買おうと思って一人でこうしていたわけなのだが。

「おっ、ちょうど良かった。あのさぁ頼みがあんだけども」

「…なんとなく察しがついたけど、何?」
「インデックスに何か買ってやろうかと思ってな」
「シスターなのに?」
「いーの。細かい事は気にするな。郷に入っては郷に従えだって」
「で、私に見繕えって事?」
「そうそう。なっ、頼むよ。俺女の知り合い少なくて、ここに会ったのも何かの縁だし!」

私はワザと少し考慮したような時間を取って、

「…まぁついで、だからね」

と言った。

「サンキュ!さっすがレベル5のお嬢様だ。話がよく分かるっ」
「…そういうおだて方すんのやめてくれない?」
「っと、す、すまん…」
「私が正直なトコ、お嬢様とかに見える?」
「…全然」
「でしょっ。今はアンタはとあるフツーの女子と一緒に肩並べて歩い…て……?」

…え、今私何て?何て言おうとした?
コイツが?私と?肩並べ、て…って…で、デートっ!!?
ち、違う違う!

「いや、それは違うだろ」
「そ、そうよね。違う…って…え?」

真っ向否定された?…はは、そりゃ…そうよね。


「俺とお前、肩の高さ違うのにどーやって並べんだよ」
「…は?」
「いや、だからお前の目の高さに俺の肩あるのに"並べて"って表現はおかしうおわっ!?」

ちっ。避けられた…

「ちょ!おい、そんなん零距離だと流石に上条さんも防げませんて!」
「うっさいなっ!表現をまともに受け止めんな!察しろばかっ!!」

顔が紅潮してるのが熱で分かっていく。
なんとなく、言っといて察して欲しくなくて、そっぽ向いてマフラーに顔を埋めた。

「はぁ? …お前、顔赤くない?」
「っ!う、うっさいな!ほら、さっさと行くわよ!」

思わず手を取って、足が先々前に進んでいく。
もうやだ、こんなヤツ。ホントばか。私だって…。

「…ったく。お前はクリスマスでも相変わらずなんだな」
「! あ、相変わらずって何よっ!」

私は足を止め、振り返って、きっ、と睨み付ける。

「あのなぁ、こーやって街中が平和なんだ。ちょっとくれー…よっと」
「きゃっ」

握っていた手を引っ張られ、隣に連れて来られる。

「停戦協定つーかさ、まぁお前が俺に向かって来てるだけだけど、ちったー仲良くしようぜ」
「え、あ… う…」

どうしよう、声が出ない…。

「あ…と…」
「んじゃ、エスコート頼むぜ。御坂サン?」
「は、はひっ…」

アイツの笑顔が、かっこよかった。


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