7.アイツにさようなら…
8月20日
わたしは妹達を救うため、絶対能力進化実験を止める方法を模索した。あのアクセラレータを倒す方法を考えている時間はない。
時間さえあれば…!何か手をみつけて倒せるかもしれない。しかし、そんなことをしている間にも残りの10000人の妹達は殺されていく。
時間さえあれば…!何か手をみつけて倒せるかもしれない。しかし、そんなことをしている間にも残りの10000人の妹達は殺されていく。
時間がない…!がむしゃらに行動するしかなかった。
絶対能力進化実験を阻止するため、関連施設に自分の電子操作能力をつかってサイバー攻撃をしかけたり、自分のできる限界のところまで体をはって妹達を守ろうと努力した。
しかし、目に見えない力によって全てが先回りされ妨害されていく。レベル5の第4位の妨害まであった。レベル5まで動かす力って…!?
木山春生がいっていた「君は私と同じ限りない絶望の運命を背負っている」という言葉は、このことを意味していたのか…敵は学園都市。もう誰も信用できない…
絶対能力進化実験を阻止するため、関連施設に自分の電子操作能力をつかってサイバー攻撃をしかけたり、自分のできる限界のところまで体をはって妹達を守ろうと努力した。
しかし、目に見えない力によって全てが先回りされ妨害されていく。レベル5の第4位の妨害まであった。レベル5まで動かす力って…!?
木山春生がいっていた「君は私と同じ限りない絶望の運命を背負っている」という言葉は、このことを意味していたのか…敵は学園都市。もう誰も信用できない…
ここ数日、奔走していて体は疲れきっていた。
頭では休んではいけないとわかっていても、心は一筋の安らぎを求めていて、無意識のうちにいつも自販機のところへおもむいていた。
なんと…アイツがいた…!自販機に入れたお金が戻ってこなくて困っていた。
なんだかわからないけど、わたしにエネルギーをくれるアイツ。ちょっとくらい休んでもいいよね…
頭では休んではいけないとわかっていても、心は一筋の安らぎを求めていて、無意識のうちにいつも自販機のところへおもむいていた。
なんと…アイツがいた…!自販機に入れたお金が戻ってこなくて困っていた。
なんだかわからないけど、わたしにエネルギーをくれるアイツ。ちょっとくらい休んでもいいよね…
当麻「あ、お前。この前の御坂…だっけ?(なんだ…こいつ今にも死にそうな顔してるぞ…俺まで胸が痛くなる)!!!どうした!!!なんかあったのか!?」
美琴「ん、なんでもないわよ…」
当麻「(8月15日にあったときは、勝気で生意気で突然ビリビリして元気なヤツだなとおもったんだけど、今日は違うな…まるで別人だ。)この前はおちょくって悪かった。俺で良かったら、話をきくぜ?」
美琴「(いつもおちょくってくるアイツが今日は優しい…うれしいかも。ちょっと心配させちゃおうかな?)ううっ、ううっ。アンタみたいなバカにレベル5の悩みをいってもわかってもらえるはずないわ。ほっといてよ…」
当麻「…確かに俺はバカだ。でも、今のお前をほっとくヤツは本当のバカだぜ。俺は本物のバカにはなりたくない…。」
美琴「熱血教師ですか、アンタは…」
涙をさっきからずっとこらえてはいるが、本当は、お節介で優しいコイツの胸にとびこんで涙の枯れるまで泣きつくしたい。
でも、妹達のことはわたしの問題。わたしが犯した問題だから、コイツに甘えていい道理はない。迷惑はかけられない。
この鈍感バカがわたしを心配してくれて嬉しかった。それだけで十分…少し元気になった。
感情を押し殺して、コイツが立ち去るのを待つことにした。作り話を切り出す。
でも、妹達のことはわたしの問題。わたしが犯した問題だから、コイツに甘えていい道理はない。迷惑はかけられない。
この鈍感バカがわたしを心配してくれて嬉しかった。それだけで十分…少し元気になった。
感情を押し殺して、コイツが立ち去るのを待つことにした。作り話を切り出す。
美琴「ふー。テストの成績が悪くてね。初めて主席の座から陥落。わたしっていつも一番で、プライドが高いからあんまり悔しくて、落ち込んじゃっただけ。アンタがそんなに心配することじゃないわよ。」
当麻「…嘘だな。俺がいくらバカでもそんなことは嘘ってわかる。どうしてあんな顔していたんだ!?」
美琴「わたしが心配するな!っていってるんだから、アンタが心配する必要ないの!まったく何様のつもりよ…。まぁ、アンタはわたしより強いから、わたしのことを心配する資格はあるけどさ…。」
当麻「俺がお前より強いって?(やばいな、記憶失う前の俺ってば、こいつとケンカでもしたのか?常盤台の制服きてるからコイツは中学生…しかも女の子。何をしたんだ?俺ーーー!)」
美琴「まさか、さんざんわたしにあんなことしといて、忘れたなんて言うんじゃないでしょうね?アンタは学園都市の第三位のプライドを弄んだのよ。川原とか、路地裏とか…いろんな場所でね。まったく…責任とってよね!」
当麻「(弄んだ?責任とって?記憶を失う前の俺ってもしかしてとんでもない色魔?女の子が責任とってという言葉を口にした場合に考えられることはただ一つ…やばい、やばいよ。…くそ!こうなったら男、上条当麻、責任とってやるぞ!)えーっと…責任とるって結婚って意味かな?アハハ…」
当麻は混乱して、美琴の顔をマジマジと見つめる。
当麻は混乱して、美琴の顔をマジマジと見つめる。
美琴「(なに見つめてんのよ…恥ずかしいじゃない…結婚って…わたしのことそこまで想ってくれてるの?嬉しい…でも、もうちょっと時と場所を選んでよね。こんなムードのかけらもないようなところで。デリカシーのないヤツ!合格点はあげられないわ。出直しといで!)ちょっと!けけけけ、結婚だなんて何様のつもり?美琴センセーをからかってんじゃないわよ!かっ…勘違いしないでよね…」
これまでにないくらい赤面させ、当麻に電撃を放った。当麻が我に返る。
当麻「うわ…あぶね。(電撃を消し去る)そうだな、冷静に考えたら、俺とお前が親しい間柄なわけないな。常盤台って超お嬢様学校だしな。俺はただの落ちこぼれ貧乏学生。親しかったら電撃なんてとばされないし。俺ってお前にそうとう嫌われてるんだな。さっきまでのなれなれしかった態度は改めるよ。で、なんでさっきあんなに落ち込んで…」
美琴の赤面していた顔が、真っ青になる。その「親しい間柄ではない」という言葉はわたしが絶望的な状況にいることを再認識させるのに十分な言葉だった。あんなに毎日追いかけっこして、わたしの電撃受け止めてううん…電撃以外のものも受け止めてくれたのに。
埠頭で映画の真似したあの大切な思い出も…あれもアイツにとっては何でもないことだったんだ…何の記憶にも残らない些細でつまらないことだったんだ!
美琴「アンタは…いつもわたしをスルーして!!!埠頭でのあの言葉…本当に嬉しかったのに…(涙があふれそうになる)アンタにとっては、あれはどうでもいいことだったのね!もう、わたしの居場所なんてどこにもないんだから・・・!」
当麻「あっ、ちょっと待てよ!(なんだ?埠頭って?記憶失う前の俺とアイツの関係って…?)」
美琴「今までありがとう…さようなら…」
当麻「御坂ー!!!!」
追っかけておいついて、抱きしめてほしかった。
でも、もういいんだ…少しでも甘えたいという気持ちをもった自分をふっきるかのように電磁力を足に集中させて、空を飛ぶように飛び出した。
これならアイツがいくら足がはやくても追ってこられない…
でも、もういいんだ…少しでも甘えたいという気持ちをもった自分をふっきるかのように電磁力を足に集中させて、空を飛ぶように飛び出した。
これならアイツがいくら足がはやくても追ってこられない…
わたしはアイツにいろいろと感情を持っていた。アイツからも恋人未満でも、因縁のライバルくらいには認識してもらってると思ってたのに…
アイツはわたしのことなんとも思ってなかったのね…そりゃぁ、毎日電撃浴びせられたら嫌いになっちゃうよね…わたしが悪いんだ!
アイツはわたしのことなんとも思ってなかったのね…そりゃぁ、毎日電撃浴びせられたら嫌いになっちゃうよね…わたしが悪いんだ!
テレスティーナとの戦いでかわいい黒子たち後輩には絆の力を教えてもらったばかり…
絆…いつも一人で突っ走るわたしにもっと仲間を頼っていいんだよ!と後輩たちは言ってくれた。実際、一人の力ではわたしはテレスティーナに能力を封じられ、やられていただろう。
でも、やっぱり…あの子たちをこんな10000人以上が殺されている地獄に巻き込んでいいわけがない…
絆…いつも一人で突っ走るわたしにもっと仲間を頼っていいんだよ!と後輩たちは言ってくれた。実際、一人の力ではわたしはテレスティーナに能力を封じられ、やられていただろう。
でも、やっぱり…あの子たちをこんな10000人以上が殺されている地獄に巻き込んでいいわけがない…
今、この状況で頼れる人間をただ一人しかわたしは知らなかった。このわたし、レベル5を簡単にあしらうアイツ…当麻…
でも、アイツはわたしのことを何ともおもっていなかった…フフッ…もう味方なんていない。わたしは全て一人で片付ける!
でも、アイツはわたしのことを何ともおもっていなかった…フフッ…もう味方なんていない。わたしは全て一人で片付ける!
その決意、奮闘もむなしく、絶対能力進化実験阻止への妨害は果てしなく続く…
これ以上妹達が死ぬのを指をくわえて見ているわけにいかなかったので、いっきに片をつけるべく、最後の手段をとることにした。
この手段をとれば、わたしは学園都市から完全にお尋ね者となり、もう黒子たち後輩や、当麻と遊べる日々には戻れなくなる…
でも、もういいんだ。わたしの居場所はもうないから。さようなら…みんな!
これ以上妹達が死ぬのを指をくわえて見ているわけにいかなかったので、いっきに片をつけるべく、最後の手段をとることにした。
この手段をとれば、わたしは学園都市から完全にお尋ね者となり、もう黒子たち後輩や、当麻と遊べる日々には戻れなくなる…
でも、もういいんだ。わたしの居場所はもうないから。さようなら…みんな!
その手段とは、絶対能力進化実験の預言者へのハッキング…!学園都市最高のスーパーコンピュータ、つまり世界一のコンピュータへの攻撃。
…それも、失敗に終った。預言者は既に死んでいた。記録をみると、7月某日に何者かによって撃墜されていた。
全ての手段を失ったショックと数日間走り回ったツケがまわってきてわたしは意識を失った。
…それも、失敗に終った。預言者は既に死んでいた。記録をみると、7月某日に何者かによって撃墜されていた。
全ての手段を失ったショックと数日間走り回ったツケがまわってきてわたしは意識を失った。
眼前には…真っ暗な絶望の平原だけが広がっていった。
平原には血まみれになった10000人の妹たちが横たわり、わたしに恨み言をつのらせていた。
平原には血まみれになった10000人の妹たちが横たわり、わたしに恨み言をつのらせていた。
「お姉さまがわたしたちを殺したのですね」
ごめん…!許してよ…!もう…わたしが死ぬしかないのね…