とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part09

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9.わたしのヒーロー


8月21日…わたしは死ぬつもりだった。まだまだやりたいことはたくさんある…
不治の病を克服する方法をみつけ、理不尽な悪夢から子供たちを救い出すこと。レベル6への到達。レア物のゲコ太グッズも集めたい。
そして…素敵な誰かさんと恋愛もしてみたかった。綺麗なドレスを着たお嫁さんになりたかったな…でも、それはもう全部かなわない夢。

志半ばで全てを諦めるのは嫌だ。死にたくない。でも、わたしは「死ななければならない。」
この絶対能力進化実験はわたしが引き起こしてしまった罪。もう1万人以上が死んでいる。誰かが罪をあがわなければならない…
なにより、あんないい子たちが死んでいい道理はない。そう、罪人のわたしがあの子たちの身代わりに死ぬことによってこの狂気の実験を終らせる。
128回レールガンを殺害することによってヤツはレベル6に進化する。
妹達の場合は20000回近くの施行が必要だが、オリジナルのわたしなら128回という予測演算がなされた。
科学者たちははわたしにそれだけの価値があるとしているが、あっけなく瞬殺されたとなれば、科学者たちは考えを改めるかもしれない。

と、自分に言い聞かせているが、そうなる可能性は極めて低いと思う。
しかし、ここ数日間、できるだけのことをやったが、解決策は何もなかった…もう自分の命を懸けた最後の一手をとるしかない…
わたしはお姉さんだから、あの子たちを守る義務がある…どうか幸せになってよね…

今のわたしにはこの寂しい鉄橋がお似合い。学園都市のネオンに邪魔されて星空は見えない。
空と川の黒に挟まれた暗黒の領域は業を背負ったわたしにとって最も相応しい場所に思えた。
対照的に遠くに見える街の明かり…妹達にはあの光の世界で幸せに生きてほしい…

人間死ぬ前には、いろいろと思い出が蘇るという。わたしを抱きしめてくれたママ、パパ。ごめんなさい。
受けた愛情をアダで返すわたしをどうか許して…!

黒子、涙子、飾利。本当は弱い先輩にいつも元気をくれてありがとう…アンタたちからももらってばかりで返せなかった。ほんとわたしってダメなヤツ…

最後にアイツ…当麻…

そういえばここはアイツとの因縁の場所でもあるのよね…
この下の川原で、そしてこの場所で…何度アイツとやりあったかわからない思い出の場所。
人通りが少ないこの場所は、わたしが本当の自分をだして、アイツにぶつかっていける撃ってつけの場所だった。
今のわたしにはこういう光の当たらない場所しか居場所がないと思って来たけど、無意識のうちに思い出の場所にきちゃったのかな…
でも、アイツは…アイツは…わたしのこと何でもないと思っていた。それが…一番つらかった。

死ぬしかない。そのネガティブ思考は、8割は妹達のための自己犠牲だが、2割くらいはアイツに拒絶されたショックっていうのもあるんだと思う。
わたしの心安らげる居場所だったアイツ。その居場所はもう存在しない…

大好きな漫画では、ヒロインがピンチに陥るとどこからともなくヒーローが現れ、それまでの悪い夢を終らせてくれる。
わたしが幼い頃のヒーローはママだった…でも、今は…それ以上に大きくなってしまった存在がわたしの中にはあった。
レベル5やどんな強者にもひるまず、立ち向かうアイツのシルエットが頭の中に浮かんだ。おもわず、「助けてよ…」と、搾り出すような声でつぶやいた。

わたしのことを嫌っているアイツが助けにきてくれるはずがないのに。どこまで弱い女なんだろう…
こんな時に期待しちゃってる。ここは科学の最高峰、学園都市。非科学的なヒーローなんてわいて出てくるわけがないのに。

そんなことを考えていたとき、アイツはわたしの横にたたずんでいた。
本当にヒーローはいるの?一瞬、心に安堵の情が沸いて、救われたと思ってしまった。
今までの悲しいことは全て悪い夢で、優しい元の世界にわたしを連れ戻しにきてくれたんだ。
と、都合のいい勝手な解釈に身を委ねてしまったが、それと同時にわたしの中の責任感が、妹達を救えと告げてきた。

そうだ…アイツを巻き込んでいいわけがない。心を鬼にするしかなかった。

当麻「探したぞ…御坂!」

美琴「なんでアンタがこの美琴センセーを探してるわけ?昨日、責任とっていったら何を勘違いしたか、結婚とかほざいていたけど、わたしにプロポーズでもしにきたとか?だったら笑っちゃう。アンタなんかに手が届く安い女じゃないっつーの!まったく…いつにないマジな顔しちゃって、アンタの熱血ぶりには呆れかえるわ、ほんと…。(こんなことを言うのはつらい…でも帰って!お願い!)」

当麻「御坂!憎まれ口を叩くのはやめろ!」
闇夜を貫くアイツの気合に気おされ、意思が揺らぎそうになった。

御坂「ふ…ふん!な…なによ!怒ったって何もでないんだからね!こんな暗くて何もない橋おもしろくもなんともないでしょ?さぁ、良い子は寝る時間!帰った!帰った!」

当麻「…………。お前…悲しすぎるぜ…そんなに必死に誤魔化そうとするんじゃねぇよ…」
厳しかったアイツの顔が悲しみに歪む。それに呼応するかのようにわたしの心もきしむ。

美琴「う…うるさい!な…なんも誤魔化してないわよ!なんなの?アンタは!さっきからしつこい。アンタにとって、わたしはどうでもいい存在なんでしょ!」
それを口にした時、わたしの目から涙があふれかかった。でも、アイツなんかに弱みをみせられるもんか!必死にこらえる。

当麻「……昨日、俺がお前とは親しくないって言ったとたん、お前は様子がおかしくなった。俺はお前を傷つけた…今さら謝ったところでどうにもなるもんじゃないかもしれないが…」

美琴「………………………………………………。」

美琴「あんなに…あんなにいっしょに毎日追いかけっこして遊んだ思い出をあんたは何でもないかのようにとらえていた…埠頭の思い出…あの時は本当にうれしかったんだから!わたしがどんな気持ちだったのかわかってんの…バカバカ!!!」

当麻、絶望にうずくまる美琴の頭を右手でなでる。
当麻「今の俺には、こうすることしかできない…(うっ!なんだこの感覚?右手が御坂にふれた瞬間、コイツとの思い出が蘇る…!!??街で、川原で、路地裏で、鉄橋で、ファミレスで、セブンスミストで、公園で、盛夏祭で。御坂とは、いつでもどこでもやりあっていたっけ…映画を観に偽デートをした日、埠頭で俺は御坂のことを好きなんじゃないか?と気づいたんだ…それまで俺は御坂に嫌われているとばかり思いこんでいた。こんなかわいい子が俺なんか相手にするわけないし、会うたびに電撃とばしてくるし。しかし、昨日白井からきいた話…今までの行動は全部、愛情の裏返しだったってわけか…クソっ!俺はなんでそれに気づいてやれなかったんだ!)」

美琴「ハッ…!何わたしに触ってんのよ!」

つきとばされた当麻の瞳から涙が頬を伝う。
当麻「ごめん…お前の気持ちがわかった。お前が昨日、どんな気持ちで俺から離れていったか理解できた。昨日、白井から寮でのお前のこときいたんだ。俺のことよく話してくれたんだってな…」

美琴「黒子!アンタに話したのね!」

当麻「アイツは言ってたよ。お姉さまが死にそうな顔してるって、何かを抱えて必死に戦ってるって…上条さんだけがお姉さまの力になれるって言われたよ。だから、俺はお前を全力で守りたいんだ!」

美琴「…どうして…どうしてそんなに優しいの?でも!わたしは、そんな優しい言葉をかけてもらえる人間じゃないの!10000人の人間を殺した大悪党なの!どう?10000人殺したってきいて驚いたでしょ?わたしに興味なくなったでしょ!怖くなったでしょ!わたしとは係わり合いになりたくないって思ったでしょ!もうこれはマトモな世界の話じゃないの。狂気の、非日常の世界。アンタみたいな善良な一市民が関わっていい話じゃないの!アンタにはあっち側の明るい世界で生きてほしいの…わたしの分も生きてほしいのよ…」

当麻「全部知ってるよ…今日一日かけずりまわって俺もいろいろ調べた。でも…10000人殺したってのは嘘だ。お前は優しすぎる人間。後輩からあれだけ慕われて、裏ではあんなに頑張って…今もこうして、残りの10000人の為に命を張ろうとしている。8月15日。俺はお前から逃げた後、双子の妹と遊んでいるのを見たんだ。お前は、普段俺と追いかけっこやってた時にはみせない、慈愛に満ちた笑顔をしていた…あれは人殺しの顔なんかじゃねぇ!」

美琴「アンタ、あの子達のこと知ってるのね…いいわ、教えてあげる。わたしが過去に犯した過ちであの子たちを10000人殺したの…そして、さらに10000人がこれから死ぬことになる!わたしのせいで…この殺人地獄の連鎖を止めるためにわたしは決着をつけにいく。」

当麻「お前…死のうとしてるんだな…」

美琴の顔がこわばる。

当麻「レベル5最強が相手なんだろ。お前の能力は全て反射される。勝ち目がない。」

美琴「例え勝ち目がなくても…わたしが死んであの子たち10000人が助かるなら安いもんでしょ!全てが優しくて、誰もが笑って暮らせる世界があったとしても…そこにはわたしの居場所なんてないんだから…!!!わたしが死ぬのが一番いいのよ…お願い…?そこをどいて…」

当麻「なんでそんなこというんだ!!!お前を生んでくれた親や白井みたいにお前を心配してくれる後輩がいるじゃねえか!」

美琴「わたしが言ってるのはそういう意味じゃない!そういうことを言ってるんじゃないのよ!鈍感なアンタにいってもしょうがないか…」

当麻「いや、今の俺ならわかる…俺が…お前の居場所になってやる…!!!だから死ぬな!」

仮にアイツがそう言ったならば、それはわたしの決意を揺らがせるのに十分な材料だったに違いない。
でも、アイツは違った。そんなことは言わなかった。それ以上の選択肢を選んだ。
わたしだけを救うのではなく、みんなが笑って帰れる結末を目指すと言った。

当麻「とにかく、ここをどくわけにはいかない!」

美琴「誰もが幸せになるハッピーエンドなんて頭おかしいんじゃない?アンタ…やっぱり妹達が死んでもいいとおもってるんでしょ!」

当麻「そうじゃない!でも、お前が傷つくのは我慢ならない!俺はお前のことを知っている。あんなに頑張って、レベル1からレベル5になるまで懸命に生きてきたお前がなんでこんなところで死ななくちゃならない…!そんなの悲しすぎる…そんなことがあっていいわけがないんだ…」

美琴「もういい…どかなければ、電撃でアンタをぶち殺す!!!」

当麻「さっき、右手でお前にふれた時わかったんだ。お前がどれだけ苦しんで、孤独に戦ってきたんだってことが。人の心の傷は人の優しさでしか癒えないって誰かが言ってた。だから、俺が癒してみせる!そして、もう一つお前に触れてわかったことがあるんだ…それは俺の中に潜んでいたお前への感情…愛だ。」

美琴「こ…こんな時に変なこと口走らないでよ……どうせ熱血当麻先生の博愛主義でしょ!そんなものいらないんだから。わたしがほしいのは…」

当麻「お前のことが好きなんだ!御坂!」

その言葉をどれだけ待っていたことか。当麻のバカ…こんな時じゃなかったならば、人生最高の一時に浸れたに違いない。

美琴「ありがとう…わたしも大好きよ、当麻…」

もし、わたしがズルい女だったら、妹達を見捨ててこのままコイツの胸の中に逃げ込むってこともできたかもしれない。でも、妹達は見捨てられない…!憎まれ口を叩いて、進むしかない。

美琴「つり橋効果ってあるでしょ?今のわたしたちの気持ちは一時の感情なのかもしれない。それに死のうとしてるわたしを止めようとする哀れみの愛だったら…そんなものはいらない…!!!!」

当麻「哀れみなんかじゃない!本気だ!」

美琴「ありがとう…哀れみでも好きっていってくれて嬉しかった。わたしの最愛の人、さようなら…アンタがどんだけ強かろうと、今回だけは負けられない。わたしは進まなくちゃならないの…」

そういって、美琴は電撃を放つ。

脅しの一発のつもりだったが、当麻にクリーンヒットする。なんてこと!いつもなら消してしまうのに。

当麻「俺の大好きな御坂なら、そうすると思った。お前は止まらないはずだと…優しいお前は妹達を優先すると。そして…さっきの俺の言葉が哀れみじゃないってことみせてやる…」

美琴「もういいでしょ…やめて…」

電撃を放つ。もう眠ってほしかった。当麻には生きて元の日常に戻ってほしかった。
当麻「ぐわっ…」

美琴「バカ!(大好き!)」うねりをあげる電撃が当麻を襲う。

当麻「うっ…」

美琴「アンタはいつもわたしの気持ちを無視して!(もっとわたしのことをみて!)」2撃目の電撃にたまらず、当麻もよろける。

当麻「うぐぐ…」

美琴「かっこつけすぎなのよ!(優しすぎるのよ!)」当麻の体から煙が立ち昇り、皮膚の焦げる臭いがする。

当麻「ぐう…まだだ!」

美琴「わたしのことはもうほっといて…(わたしを愛して!)」当麻、吹き飛ばされる。

当麻「………………」

美琴「これで…これでいいのよ…」

やっと眠ってくれた…鉄橋をあとにしようとしたその時…ついに動かなくなったとおもわれた当麻が立ち上がる。

当麻「…ほんと、素直じゃねえな、お前…電撃を通して、お前の気持ちずっと伝わってきてたぞ……はきだしてスッキリしたんじゃねぇか…どうした?まだまだこれからだぜ……」

美琴「やめて…もうやめて…」

当麻のボロボロの姿に…自分のしてしまったことに…妹達のことに…当麻の優しさに…
いろいろな感情がないまぜになって、今まで溜めに溜めていた涙が堰を切ってあふれだす。
それと同時に、自分の中の悪い感情もいっしょになって外に流れ出ていくのも感じた。
自分の心の中に立ち込めていた暗雲がいつのまにか晴れていたのがわかった。なぜ…?
当麻に全てを受け止めてもらえた。右手を使えば電撃はなんなく打ち消せた。それなのに、敢えて当麻はそれをしなかった。
右手の力ではなく、「上条当麻」そのもので自分と向き合ってくれた。
その瞬間、美琴は当麻の嘘いつわりない愛情を信じることができるようになった…

しかし、その感情が芽生えたことに反して無情にも当麻はその場に倒れこむ。

美琴「当麻!当麻!当麻ぁぁぁ!!!わたしやっとわかったの!!ごめん!許して!死んじゃ嫌!うわーん!!!!」

美琴の涙が当麻の顔に滴ったその時、当麻は目を覚ました。

当麻「…死な…ねぇよ、俺は…愛する人ができちまったんだ。だから、死んでやることは絶対にできない。もう俺だけの体じゃないんだからな。美琴、お前だって俺のもんだ。だから、お前ももう死ぬなんていっちゃダメだぞ…」

美琴「ぐすっ、ぐすっ。やっと、美琴っていってくれたね。この前の偽デートと違って、本当の美琴だから嬉しい…」

当麻「ハハハ…さっきからお前が当麻、当麻いうからお返しさ。いつからアンタから当麻に格上げしたんだよ、ハハ…」

美琴「(赤面)うるさい…もう死ぬなんて言わないね。死んだあの子たちの分もわたしは生きぬいてみせる。アクセラレータなんかに負けない…」

当麻「お前さ…自分のミスで妹達10000人を殺したと思いこんでるけど、アイツらはお前のことを恨んじゃいないよ。それはいっしょに遊んだお前が一番わかってることだろ?アイツらが自分の痛みを他人に押し付けて恨むような小さな人間じゃないってこと。たとえ、お前の中の責任感がそれを許さなくて、それがお前の心の枷になっているとしたら俺が何年かけてもそれを癒してみせる…だからさ…笑ってくれよ。涙よりも笑顔のお前がいちばんかわいいんだから。」

美琴「ありがとう…でも、今のこれは嬉し涙なの…うえーん…嬉しすぎてとまらない…」

当麻「ハハハ…わかってるって。お前、今膝枕してくれてるんだよな…これって、男としては夢のシチュエーションなんだけど…柔らかいな…受けたダメージなんて吹っ飛ぶぜ。」

美琴「何よ…あんだけかっこつけといて、このヘンタイ!」

当麻「よかった。いつもの元気なお前に戻ったみたいだ…」と、微笑む当麻。

美琴「アンタの微笑む顔…大好き。こんな膝枕だったらいつでもしてやるわよ…」

当麻「そっか…ありがとな。お前の笑顔を守りたいから…また膝枕してもらいたいから…さっさと問題を片付けて帰ろうぜ!」

美琴「片付けるってそんな簡単に…」

当麻「お前はここで待っていろ。レベル0がレベル5を一人で倒したっていう事実があれば、学者どもは、アクセラレータの価値を過小評価して実験を見直すかもしれない。だから、俺一人でいく!」

美琴「ダメ!あんな反則超能力者と戦って生きて帰れるわけがない!アンタが死んだら、わたしだって…バカなまねはやめて…」

当麻「お…おい、お前ってほんとはすごい泣き虫だったんだな…かわいいヤツ。(しょうがない、得意のハッタリでもかますか)隠してたけど、俺って実は神様の化身なんだよね。だからお前の電撃くらったって平気だったし、アクセラレータの超能力だって効かない。お前が心配することなんて何もないんだ。いるだろ?ヒーローって。お姫様がピンチの時にかけつけて、わるものをバッタバッタと薙ぎ倒す。あれは全部神様が困ってる人のために誰かの体に自分を宿らせた化身なんだ。今日は美琴姫が泣いてたから、神様が上条当麻の体に力を宿らせたんだ。」

美琴「バカ…もうちょっとマシな作り話できないの?でも、間違いなく言える…アンタはわたしのヒーロー。わたしにできないことでも、アンタなら解決できる気がする。ヒーローってのは、味方から信頼の力をもらうと、パワーアップするんだよね?」

その言葉を告げた瞬間、美琴は強引に自分の唇を当麻の唇にかぶせた。
不器用な、そして二人にとって初めての甘いキス。お互いの心と心が触れ合った瞬間だった。
二人の顔がみるみるうちに赤面していく。

美琴「これ以上の信頼の力なんてないんだからね!…バカぁ…」
当麻「ありがとう!これで俺は本当の不死身のヒーローだあああ!!!」
美琴「帰ってきたら、もっともっとキスしてあげるんだから…早く帰ってきなさい!」

恥ずかしかったのか、人間技とはおもえない速度でアクセラレータの元へ当麻は走り去っていった。
今のアイツの様子をみたらアクセラレータに負けるわけがないと思った。
愛の力ってすごいのね…あいつは言った。「愛する人が待っていてくれるから絶対に死なないと」
その言葉を今はなんの疑いもなく、信じられる。

ピンチを察してかけつけてくれる…わたしのヒーロー…当麻…大好きよ…


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