10.ハッピーエンド
当麻に待っていろといわれたが、心配なのでみにきてしまった。
わたしからキスをされた当麻は本当に強かった。あのレベル5第1位を圧倒していた。
守るべき者を持つ者の強さというヤツだろうか?でも、一度だけ絶対絶命の時が訪れた…
劣勢に我を失ったアクセラレータがプラズマを作り出し、暴走を始めた。
助けなきゃいけないと思った。でも、わたしの力はアクセラレータに対してはまったくの無力。
わたしからキスをされた当麻は本当に強かった。あのレベル5第1位を圧倒していた。
守るべき者を持つ者の強さというヤツだろうか?でも、一度だけ絶対絶命の時が訪れた…
劣勢に我を失ったアクセラレータがプラズマを作り出し、暴走を始めた。
助けなきゃいけないと思った。でも、わたしの力はアクセラレータに対してはまったくの無力。
プラズマを作り出すには自然の風のベクトルを読まなくてはいけないので、
相当に高度な演算能力が必要とされる。今ならヤツは反射に割ける力はないかもしれない。
一か八か超電磁砲をうってみるか?反射されなければわたしたちの勝ち。反射されればわたしは死ぬ。
やっぱり…わたしが死ぬしかないのかな…オリジナルのわたしが死ねばこの実験は見直されるかもしれない。
相当に高度な演算能力が必要とされる。今ならヤツは反射に割ける力はないかもしれない。
一か八か超電磁砲をうってみるか?反射されなければわたしたちの勝ち。反射されればわたしは死ぬ。
やっぱり…わたしが死ぬしかないのかな…オリジナルのわたしが死ねばこの実験は見直されるかもしれない。
ダメ!わたしが死んだら当麻が悲しむ。死ぬわけにはいかない…!!考えろ!考えろ!どうすれば…そうだ!
妹達と協力して学園都市中の風車をまわし、風の力を乱して、当麻を助ける。
我ながら名案が浮かんだと思った。しかし…よく考えたら、それもダメだ。
この戦いも学園都市の暗部に監視されているはず。
レベル5とそのクローン達が介入したとなれば、この実験はまた再開される…
レベル0がレベル5を倒したという事実がなければ、意味がないのだ。
わたしや妹達が協力したら、またこの悲劇が繰り返される…どうしたらいいの…助けて…
妹達と協力して学園都市中の風車をまわし、風の力を乱して、当麻を助ける。
我ながら名案が浮かんだと思った。しかし…よく考えたら、それもダメだ。
この戦いも学園都市の暗部に監視されているはず。
レベル5とそのクローン達が介入したとなれば、この実験はまた再開される…
レベル0がレベル5を倒したという事実がなければ、意味がないのだ。
わたしや妹達が協力したら、またこの悲劇が繰り返される…どうしたらいいの…助けて…
その願いが通じたのか、アイツは立ち上がった。
「美琴…お前を悲しませるヤツはこの俺が許さない!」
「愛する人が待っていてくれるから俺は死なない!」
そう絶叫した瞬間にアイツの右手は、巨大なプラズマを喰らい尽くしてしまった。
わたし達が助けに入る必要もなく、アイツはアクセラレータをそのまま殴り倒した。
わたし達が助けに入る必要もなく、アイツはアクセラレータをそのまま殴り倒した。
アイツは言ったとおりのことを成し遂げてしまった。愛する人が待ってるから、悲しむから死ねない。
キザなセリフ言ってくれちゃって…バカなんだから。
キザなセリフ言ってくれちゃって…バカなんだから。
アイツと妹が笑いながら、こっちに向かってくる。
本当に誰もが笑って帰ることのできるハッピーエンドは訪れた。とりあえず、お疲れ様…
お帰りなさい、わたしのヒーロー、そして最愛の人、当麻…
本当に誰もが笑って帰ることのできるハッピーエンドは訪れた。とりあえず、お疲れ様…
お帰りなさい、わたしのヒーロー、そして最愛の人、当麻…
美琴「アンタの夢…叶ったね!誰もが笑って帰れる結末…ほんとに…ほんとになんていっていいのかわからない。」
笑顔のお前のほうがかわいいと言われた美琴は気丈に笑顔を作ろうとするが、我慢できなかった。
美琴「うぐっ、えぐっ…心配したんだから…バカ…」
当麻「よしよし、泣き虫美琴ちゃん、泣きやんでくれよ…どうしたら泣きやんでくれるの?」
美琴「…スして」
当麻「ん?声、小さすぎてきこえない。」
美琴「キスしてって言ってんの!察してよ、鈍感バカ…さっきは時間がなかったんだから…さっきの続きをするの…」
当麻「えーっと、妹いるんだけどいいのか…ハハハ…わかったよ。」
そういって、当麻はわたしを抱きしめ、そっとキスをした。
さっきの膝枕をしている時のような不自然な姿勢ではなく、抱き合った状態でのお互いの心臓の鼓動が聞こえてくるようなキス。
わたしからの強気な強引なキスと違って、当麻からのキスは優しくて、いままでの悲しみや心に貯まった膿を全て浄化してくれるような
さっきの膝枕をしている時のような不自然な姿勢ではなく、抱き合った状態でのお互いの心臓の鼓動が聞こえてくるようなキス。
わたしからの強気な強引なキスと違って、当麻からのキスは優しくて、いままでの悲しみや心に貯まった膿を全て浄化してくれるような
包み込むようキスだった。
何分そうしていたか、わからない。夜が明けるまでそうしていたかった。しかし、そこに介入する声が。
何分そうしていたか、わからない。夜が明けるまでそうしていたかった。しかし、そこに介入する声が。
妹「お二人ともお楽しみのところ、申し訳ないのですが、ミサカはそろそろ施設へ戻らねばなりません。
体の調整…そして、今後のミサカたちの処遇のこともありますので。
と、いつまでやってんだボケ!とツッコミをいれたくなる気持ちを隠して冷静に語りかけます。」
体の調整…そして、今後のミサカたちの処遇のこともありますので。
と、いつまでやってんだボケ!とツッコミをいれたくなる気持ちを隠して冷静に語りかけます。」
美琴「ハッ…わたし達ったら…ごめん。アンタたちはこれからどうなるのかしら…」
当麻「すまない…つい夢心地で、お前たちのことを考えてやれなかった。
お前たちはまだ学園都市の呪縛から逃れられたわけじゃないんだよな…。
ミサカ妹、ちょっと待ってくれないか?試したいことがあるんだ。」
お前たちはまだ学園都市の呪縛から逃れられたわけじゃないんだよな…。
ミサカ妹、ちょっと待ってくれないか?試したいことがあるんだ。」
妹「はい、かしこまりました。と、素直にお義兄さまの言葉に従います。」
当麻「美琴、鉄橋でお前の電撃を受け続けている時に、俺の心にお前の気持ちが流れこんできたんだ。
そして、俺の心の声もお前に届いて、お前は自分を取り戻してくれたんだと思う…
もしかして、それって生体電流を操って人の感情に訴えかけることができるってことなんじゃないか?
俺に効いたんだから、妹にも効くかも…ちょっと妹にやってみてくれ。」
そして、俺の心の声もお前に届いて、お前は自分を取り戻してくれたんだと思う…
もしかして、それって生体電流を操って人の感情に訴えかけることができるってことなんじゃないか?
俺に効いたんだから、妹にも効くかも…ちょっと妹にやってみてくれ。」
美琴「えっ?よくわかんないけど…妹のこと思い浮かべて、当たってもケガしない程度の電撃うってみるね…」
妹「…っ。漠然としたものですが、お姉さまの感情が伝わってきました。大きな愛情を感じます。と、ミサカは不思議な現象に驚いて
みせます。」
当麻「そうか、やっぱり…さっきもそうだったが、俺がアクセラレータにやられかかった時もお前の声が聞こえたんだ。
悲しむお前の声が。それが俺を動かした。これって、もしかしてレベル6への手がかりになるんじゃないか?
レベル6っていうのは、「神ならぬ身にて天上の意思にたどり着く者」っていうことだよな。
人の心の中ってわからないだろ?
これだけ愛し合っていた俺たちがお互いの感情に気づかなかったくらいだし。
心に触れるっていうのは、神様の領域に踏み込むことだと思うんだよな。」
悲しむお前の声が。それが俺を動かした。これって、もしかしてレベル6への手がかりになるんじゃないか?
レベル6っていうのは、「神ならぬ身にて天上の意思にたどり着く者」っていうことだよな。
人の心の中ってわからないだろ?
これだけ愛し合っていた俺たちがお互いの感情に気づかなかったくらいだし。
心に触れるっていうのは、神様の領域に踏み込むことだと思うんだよな。」
美琴「レベル6…うん、ありがとう!これをヒントにがんばってみるね!当麻、ほんとに感謝してる…好き好き大好き!」
当麻「おいおい…まだ抱きつきたりないのか…でも、心読まれたら怖いな…ハハハ…。
ところでだ…俺はお前達を悲しませたバカヤローどもが許せない。
今はちっぽけな力かもしれないけど、いつかこんな計画たてた奴らをぶっ飛ばしてやりたいんだ。
そうすれば、妹達だって救われるしな…その時は、妹達の力も貸してほしい。
美琴のレベル6の力も必要になるはず…」
ところでだ…俺はお前達を悲しませたバカヤローどもが許せない。
今はちっぽけな力かもしれないけど、いつかこんな計画たてた奴らをぶっ飛ばしてやりたいんだ。
そうすれば、妹達だって救われるしな…その時は、妹達の力も貸してほしい。
美琴のレベル6の力も必要になるはず…」
妹「お義兄さま…そこまでミサカたちのことを思ってくださるなんて…と、ミサカは心からの感謝の意を表します。」
当麻「うわっ、お前まで抱きつくなっ!えーっと…」
妹と反対の方向を向くと焼き餅で顔を真っ赤にした美琴がドス黒いオーラを発していた。
美琴「アンタってヤツは…わたしを愛してるって言っておきながら、いきなり浮気か!このクソバカーーーー!!!」
当麻「うわわ、これは妹からしてきたことで。だー、ごめんなさいでしたー。
(なんで俺が謝ってんの…これから尻にしかれそう。父さんの気持ちがわかるわ…)」
(なんで俺が謝ってんの…これから尻にしかれそう。父さんの気持ちがわかるわ…)」
美琴「ふん!まぁいいわ。でも、レベル6かぁ。もしなれれば、学園都市の暗部なんて敵じゃないんでしょうね。
ふふふ…心が完全に読めれば、アンタの浮気とかもわかっちゃうんだろうし。絶対レベル6になるんだから!」
ふふふ…心が完全に読めれば、アンタの浮気とかもわかっちゃうんだろうし。絶対レベル6になるんだから!」
当麻「なんとも不純な動機ですこと…まぁ、俺はいつ心をお前に読まれても平気だけどな。
俺はお前を一生愛するって決めたんだから。この心は変わらないって確信しているよ。」
俺はお前を一生愛するって決めたんだから。この心は変わらないって確信しているよ。」
美琴「ほんと…キザなんだから…(そうだ、この前の恋愛マル秘テクニックにのってた上目づかいやってみよ!)
でも、そんなこと言ってくれるなんて嬉しい。うるうる…」
でも、そんなこと言ってくれるなんて嬉しい。うるうる…」
その大きな瞳に見つめられた当麻はたじろぐしかなかった。
当麻「その顔、やべーくらいかわいいんですが…お前のキャラっぽくないけどな。
いや、でもお前も逆にそういうこと敢えてやっていったほうがいいのかもしれないな。
お前ってさ…レベル5の名前を守る為に今までいろいろと抑圧されていたと思うんだ。
そうやって甘えた顔なんて、やりたくてもできなかったんだと思う。
なにかっていうと、すぐ顔を赤くしちゃって、勘違いしないでよ…って否定してさ。
俺たちはもう恋人同士なんだから、恥ずかしがることは何もない。
もっとお前のそういう新しい面もみてみたいから。かわいい顔をもっとみせてくれよ。」
いや、でもお前も逆にそういうこと敢えてやっていったほうがいいのかもしれないな。
お前ってさ…レベル5の名前を守る為に今までいろいろと抑圧されていたと思うんだ。
そうやって甘えた顔なんて、やりたくてもできなかったんだと思う。
なにかっていうと、すぐ顔を赤くしちゃって、勘違いしないでよ…って否定してさ。
俺たちはもう恋人同士なんだから、恥ずかしがることは何もない。
もっとお前のそういう新しい面もみてみたいから。かわいい顔をもっとみせてくれよ。」
美琴「うん…嬉しい。アンタが望むんならこんな上目づかい攻撃いつだってやってやれるんだから…
…そうだ!当麻もわたしがレベル6になることに協力してくれる?きっとわたし一人の力じゃ実現できない…」
…そうだ!当麻もわたしがレベル6になることに協力してくれる?きっとわたし一人の力じゃ実現できない…」
当麻「おうよ!その調子だ!もっと人のことを頼っていいんだぜ!いつもお前は一人で抱え込むからな!
できる限りの手伝いをしてやるよ。そうだな、まずはお前の心を溶かすところからはじめないといけないな。
鉄橋で電撃を受けていた時に、お前の俺への愛情を感じたとともに、お前の孤独感も俺は感じたんだ。
お前は根は明るいと思うんだけど、あれは…レベル5という孤高の存在ゆえの孤独感ってやつか…
もっと、心の壁とっぱらってさ…他人を信じたり、他人を頼ったりしてみろよ。手始めに俺からでいいからさ…」
できる限りの手伝いをしてやるよ。そうだな、まずはお前の心を溶かすところからはじめないといけないな。
鉄橋で電撃を受けていた時に、お前の俺への愛情を感じたとともに、お前の孤独感も俺は感じたんだ。
お前は根は明るいと思うんだけど、あれは…レベル5という孤高の存在ゆえの孤独感ってやつか…
もっと、心の壁とっぱらってさ…他人を信じたり、他人を頼ったりしてみろよ。手始めに俺からでいいからさ…」
美琴「うん…ありがとう。大好きよ、当麻…いっぱい甘えさせてもらうからね…」
そういって、美琴が当麻の胸に顔をうずめたそのとき…!
一方「バカップルさンたちよォ…人の目の前でみせつけてくれるじゃねェか!」
上琴「…!」いきなりの出来事に二人は身構える。
一方「安心しろ…もう戦う気はねェ。お前らの姿みてたらバカバカしくなっちまった。
(絶対的な力を得れば、誰も悲しませず、傷つけないで済むと思っていたんだ…
しかし、こんなことは間違っていた。あんなクローンでも死んだら悲しむ人間がいた…
悲しみや優しさを知ったヤローはつえェ。最強ってェのはそういうところにあるのかもしれねェな…)
ただ…さっきの学園都市のバカヤローどもぶっちめるってェのはおもしろそォだな。」
(絶対的な力を得れば、誰も悲しませず、傷つけないで済むと思っていたんだ…
しかし、こんなことは間違っていた。あんなクローンでも死んだら悲しむ人間がいた…
悲しみや優しさを知ったヤローはつえェ。最強ってェのはそういうところにあるのかもしれねェな…)
ただ…さっきの学園都市のバカヤローどもぶっちめるってェのはおもしろそォだな。」
そういって、アクセラレータは去っていった。
美琴「今、アイツの心の声が聞こえたよ…アイツは二度とこの実験に加担しないよ。」
当麻「そっか…よかった。アイツも苦しんでいたのかもしれないな…」
妹「お義兄さま、お姉さま。それではミサカもそろそろ…本当にありがとうございました。ごきげんよう。」
美琴「妹、お義兄さまっていったわよね。こ…こここ…これって、ふ…夫婦?ってことかしら…ふにゃー」
当麻「おい!どうした、なんか猫みたいになって気失っちまったな、ハハハ…」
こいつもいろいろ疲れてるんだろうな。妹達を救うために何日もろくに寝ないで走り回ってたみたいだし。
ご苦労さん、俺の大好きなお姫様…美琴…
ご苦労さん、俺の大好きなお姫様…美琴…