とある修羅場騒動
上条 男子寮
「今年も暇だなー。毎年不幸だから今年くらい…無理か」
ピンポーン インターホンが鳴る。
「ん?誰だ」
とりあえずドアを開ける。
「って五和!?なんでお前がここにいるわけ!?」
ここは学園都市であり外部の五和が勝手に入ってくるわけにはいかないのだが…
「えっとですね…プライベートで遊びに来ただけなんです」
「え?それって魔術師が攻め込んできた訳じゃないのか?」
「そうです。今日は遊びに来ました。あれ?インデックスさんはいないんですか?」
「インデックス?あぁなんか小萌先生のところに行ってるから帰るのは昼ごろじゃねぇの?」
「ホッ…」
と安堵の息を漏らす。
「???どうしたんだ五和? あぁ、そういえば御坂がもうそろそろ来るはずなんだけどな」
「御坂さんですか…(せっかく2人きりになれると思ったのに…)」
「???まぁ寒いから入れよ」
「はい。おじゃまします」
とりあえずコタツでみかんを食べながら雑談している最中にインターホンの音が聞こえる。
コタツから出て玄関まで行き、ドアを開ける。
「おっす、御坂寒くねぇか?」
「別に大丈夫よ。 靴があるけど誰かいるの?」
「あぁ、五和が遊びに来てる」
「へぇ…(コイツと2人きりになれると思ったのに…)」
五和とまったく同じことを考えている。
上条を狙うライバルは多いのはうすうす承知したが、やっぱり諦めきれないのが乙女である。
「おじゃまします(五和って誰だろう?靴からみて女性よね…)」
聞こえないようにしてるつもりが少しだけ声が漏れていた。
「ん?どうしたんだ御坂、一人でブツブツと」
「な、なんでもないわよ!」
(とりあえず、落ち着いて挨拶よね…)
「こんにちは…ってえぇ!?アンタって確か…」
「あわわわわわ…」
五和と御坂があたふたしてる中、空気が読めない上条が…
「ん?二人は知り合いだっけ?あぁそういえば俺が御坂に追いかけられてるときに…あぁ」
と勝手に自己納得していく上条。
「ってそれはアンタがコイツの胸を触ってたから裁きを下しただけよ、この変態!」(16巻推奨)
なんだと!?と今度は上条と御坂が言い合いになり、五和がオロオロしてる時、部屋のドアが勝手に開いた。
「とうまただいまー。こもえの作ったおせちがすごくおいしかったんだよ!
とりあえずおなかがすいたからご飯…ってなんで天草式のいつわと短髪がいるわけ!?」
新たな火種が投下された。
たった1人の少年をめぐる戦いの火ぶたが開幕する(?)。
現在の状況 まずインデックスに噛みつかれる。
御坂に電撃を浴びせられる(手加減) 五和がオロオロしている。
そして男上条土下座中。
「1から全部説明してもらうわよ?」ビリビリ
「ええっとですね…とある事件に巻き込まれインデックスを匿うために同居しています。はい。すみません」
この通りボッコボコの上条である。
「ど、ど、同居ですって!?」
ものすごい勢いで口をパクパクさせる美琴。
好きな男の子がほかの女の子と同居してると聞いて驚かないほうが無理なのかもしれない。
この少女と一緒にいるのは何回も見たことがある。まさかとは思っていたが…
「で、短髪は何しに来たの?」
「わ、私はコイツの家に遊びに来ただけよ」
「いつわは?」
「私も同じです」
何故かインデックスがムスっとしてそっぽを向ける。
「まぁいいわ…アンタもう昼食べた?」
「まだ食べてないけど?」
「じゃぁ私が作ってあげる」
一瞬美琴の言ってることが分からなかった。
このお嬢様が料理を作ると言ってるのだ。
「お前料理できるの?」
「失礼ね!料理くらい簡単よ。カレー作りたいんだけど材料ある?」
「えっと、昨日買ったからあるぞ」
「じゃぁアンタ達は休憩してなさい」
と言って台所に向かう。
「とうまこれってどういう状況?」
「さぁ?お前の腹がいっぱいになるんじゃね?」
とりあえずテレビをつける。
年末年始はあまり面白いテレビがやっていない。
「なんにもやってねぇな…で?五和、どうしたんだ?急にうずくまって…」
「いえ…なんでもないです」
実は五和も料理をしようと思ったのだが、美琴に先を越されてしまった。
これでは自分は何のために来てるんだろう?と思ってしまう。
「ん?なんだかすごくいい匂いがするんだよ!」
急に起き上がり台所へダッシュする。
「おい!インデックス!」
上条も起き上がりインデックスを連れ戻しに行く。
「インデックス、邪魔する…」
目の前にはエプロン+制服姿の美琴が立っていた。
(なんですか、この破壊力!?ヤバイ…女の子の料理姿だけでもヤバイのに、これはかわいさのあまり反則です!)
「???どうしたのアンタ」
「いや、似合ってるなぁと思っただけで…ってインデックスちょっとこいやあああああああああ」
強引にインデックスを引っ張る。
「うわ!?とうまどうしたの!?」
「女の子の料理を邪魔すんじゃねえええええええええ!!!」
前にもこんな展開なかった!?とか言ってるインデックスはほっとく。
「ふふ…これは効果アリかな?(似合ってるって言われた…嬉しい)」
遠くからみるとわからないが近くからみると頬が赤く染まっている。
「できたわよ」
美琴の声が聞こえる。
「んじゃ皿でも配るか…」
上条と五和が起き上がる。
カレーをテーブルに置きそれぞれイスに座る。
「「「「いただきます」」」」
「むっ!?このカレーはとうまのカレーの100倍以上おいしいんだよ!?」
「すごいです、野菜が味を出し、特に隠し味が…御坂さん料理上手なんですね」
「いやー別にそこまで上手って訳じゃないわよ。でアンタはどうなの?」
「なんというか…うまい以外に表現できねぇ!なにこれ?今まで食ったカレーの中で一番うまいだろこれ!
御坂、ありがとうな、もう上条さんは感謝感激雨霰ですよ」
「そんなに褒めないでよ…」ビリビリ
「ちょ!!?御坂、照れ隠しにビリビリしないでぇ!」
とりあえず右手で御坂の額に当て、左手でカレーを食べる。
流石のこの行動は周りが凍りついた。
(御坂さんすごくうらやましいです…)
「ふぇ?な、なにやってんのよアンタ!?」
「うっせぇ!お前の電撃さえ封じれば安心して食べれます!」
「とうまは何時になってもとうまなんだね!もうどうでもいいや、みことおかわりー!」
「なんか短髪から名前で呼ばれてるし!?ちょっと今動けないから残ってるやつ自分で好きなだけ入れてきて」
皿からあふれ出すくらいくらいカレーを入れる。
しばらく食卓がにぎやかになった。
「そろそろ離すか、ごちそうさまでした。御坂、美味かったぞ」
「ええっとどういたしまして…(もう離しちゃうの?)」
ちょっとさびしそうな顔をするが上条は気付かない。
「ごちそうさまでした。皿は私が洗います」
食事が終わってしばらくすると五和の携帯電話が鳴り急用で五和が帰ることになった。
今は上条、美琴、インデックスの3人だ。
インデックスはコタツで眠っている。
コタツはインデックスと猫のスフィンクスが占領してしまい2人はベッドに座っている。
「いやー今日は世話になったな御坂」
「え、別にいいわよ、それくらい…あと寒いわねー」
「あぁ、コタツは使えないし、せめてお前だけでもあったかくなればなぁ…」
「えっと…じゃぁ…くっついてもいい?」
「はい?それはどういうことなんでしょうか?」
「こういうことよ!」
美琴が一気に距離を詰めて、現在密着中。
「うおっ!?これはまずいです御坂さん!いろんなとこが当たってるッ!」
「寒いんだから仕方ないじゃない、それとも嫌…なの?」
涙腺を操作し、しまいには上目遣いという、究極技を実行する。
「いえめっそうもございません!どうぞご自由に!(上目遣いは反則だろ!)」
「じゃぁ…」
上条の腕に抱きつく。簡単にいえば腕枕だ。
「うう…これは効くかも…(相手は中学生であるから…せめて理性は保たないといけないわけでしてry)
「暖かい…」
「それは良かったですね…(ヤバイ…胸とか当たっていろいろヤバイ…)」
「そういえば五和さんってアンタの彼女?」
「は?なワケねぇだろ」
「へぇ…アンタの好きな女性のタイプは?」
「んー年上のお姉さんあたりがストライクゾーン、まぁ年下でも大して変わらないけど」
「ふむふむ」
「ってなんの参考なんだよ。念のために聞くけど御坂の好きなタイプは?」
「え…ええっと私は…そのぉ…年上で…優しい…人かな?(アンタに決まってるじゃない、この鈍感…)」
だんだん恥ずかしくなって、頬が赤くなる。よく見ると上条も少し赤い。
「ええっと…そのう…あの…当麻って呼んでいい?」
「はいぃ!?ちょっと御坂サン、それは急すぎるというかなんといか…」
「駄目…かな?私のことは美琴って呼んでいいから…駄目?」
「ううううう…(もう無理!)」
流石の上条でもそろそろ限界が来ている。
「あーわかった!もう好きにしてください!」
「ねぇ当麻…」
「なんだ、御坂」
「美琴って呼んでよ」
少し頬を膨らませる。なんというかすごくかわいらしい。
「み、美琴どうした?(なにこの御坂…お前はもっとツンツンしててここまで甘えん坊(デレデレ)じゃないだろ!)」
「ちょっと寝ていい?」
「マジですか?」
「いいじゃない…駄目?」
「別に…どうぞ(この御坂…やばいぞ…)」
しばらくすると美琴が本当に寝てしまった。
これから辛い理性との他他愛が始まる。
「うう…なんというか腕をガッチリつかんで寝ている…」
髪からは甘いにおいが漂う。上条の嗅覚が急激に反応する。
「こっちがこんなに頑張っているのにお昼寝ですか?(てか寝顔が…かわいい。って何考えてるの!?俺!?)」
「上条さんはストライクゾーンが年上、年上…」
念仏みたいにずっと唱えている。
いろいろ柔らかいものが当たったりするので理性が危ない。
「ここで手を出したら中学生に手を出したすごい人に…」
数分後
「あー眠くなってきた…俺も寝るか…」
疲れていたのかすぐ眠りについた。
しばらくすると美琴が目を覚ました。
「あれ当麻は…?寝ているの?」
「幸せそうに寝てる…」
クスッと笑いほっぺにキスをする。
「おやすみ…当麻」
と言いまた眠ってしまう。
この後インデックスが目を覚まし大変なことになるのはまた別のお話
完