御坂家からスーパーまでは、徒歩で10分ほどだった。
道中、上条は転がっていた空き缶に躓いて転びそうになったり、すれ違った人が散歩していた犬に激しくほえられたりした。まぁいつものことだ。
道中、上条は転がっていた空き缶に躓いて転びそうになったり、すれ違った人が散歩していた犬に激しくほえられたりした。まぁいつものことだ。
「年が明けたっていうのに…。新年早々上条さんは例年通りすぎる不幸さ加減にげんなりですよ…」
「前々から思ってたんだけどさ、不幸不幸ってなんでそんなことを口癖みたいにいってんのかなって。実際に見てて単純に注意不足ってだけじゃないの?」
「いや、俺は注意してるんだ。こういうことに慣れてるからこそ、予測して回避使用とした結果不幸なんだよ」
「でもさっきのだって、足元の不注意じゃない」
「お前なぁ…。あれだってよけようとして歩幅あわせたんだぞ?そしたら風が吹いて空き缶が足元にきてだな。あぁ…不幸だ」
「ま、まぁそんな落ち込まないの!スーパーも見えてきたんだし、さっさと買い物済ませて帰るわよ」
「へいへい。わかりましたよーっと」
「前々から思ってたんだけどさ、不幸不幸ってなんでそんなことを口癖みたいにいってんのかなって。実際に見てて単純に注意不足ってだけじゃないの?」
「いや、俺は注意してるんだ。こういうことに慣れてるからこそ、予測して回避使用とした結果不幸なんだよ」
「でもさっきのだって、足元の不注意じゃない」
「お前なぁ…。あれだってよけようとして歩幅あわせたんだぞ?そしたら風が吹いて空き缶が足元にきてだな。あぁ…不幸だ」
「ま、まぁそんな落ち込まないの!スーパーも見えてきたんだし、さっさと買い物済ませて帰るわよ」
「へいへい。わかりましたよーっと」
そんなこんなでスーパーに到着。
御坂家を出てから合計3回転んだりした上条であった。
御坂家を出てから合計3回転んだりした上条であった。
「で、メモにはなんて書いてあるのよ?」
「えっとだな…。白ねぎにしいたけ、春菊に牛肉、糸こんにゃくに焼き豆腐…こりゃすき焼きかな?」
「すき焼きかぁ。それじゃ野菜から順番に見てきましょ」
「そーしますかね」
「それにしても、新年早々スーパーに買出しに行かされると思わなかったわよ」
「まだ気にしてたのかよ。買い物くらい別にどーってことないだろ?」
「えっとだな…。白ねぎにしいたけ、春菊に牛肉、糸こんにゃくに焼き豆腐…こりゃすき焼きかな?」
「すき焼きかぁ。それじゃ野菜から順番に見てきましょ」
「そーしますかね」
「それにしても、新年早々スーパーに買出しに行かされると思わなかったわよ」
「まだ気にしてたのかよ。買い物くらい別にどーってことないだろ?」
美鈴が買出しに上条と美琴を行かせたことの理由が自分のためだと気づいている美琴。
気が付いているからこそ、調子が狂う。
突然すぎて落ち着かない。
気が付いているからこそ、調子が狂う。
突然すぎて落ち着かない。
野菜、肉、こんにゃく等、すき焼きの材料を一通りそろえた2人。次はしっかりとメーカーを指定された調味料を探していた。
「お、あったあった。しょうゆはこのメーカーであってるよな?」
「そうね。それであってるわ。後は…砂糖とみりんね」
「砂糖って上白糖でいいんだよな?メモには砂糖としか書いてないんだけど」
「それでいいはず。あとはみりんは…こっちかしら」
「お、おい美琴!そっちは酒のコーナーだっての。みりんならこの辺にあるだろ?」
「何言ってんのよ。それはみりん風調味料。みりんはお酒のほうにあるのよ。アンタ自炊してるのに知らないわけ?」
「ぜ…ぜんぜん知らなかった。みりん風調味料と、みりんってそんなに違うもんなのか?」
「ぜんぜん風味が違うわよ。ほかの材料は同じでもみりんとみりん風調味料だとはっきり違う味になるの」
「へー。さすが美琴先生はいろいろ知っていらっしゃる」
「自炊してるんだし、覚えときなさい」
「そうね。それであってるわ。後は…砂糖とみりんね」
「砂糖って上白糖でいいんだよな?メモには砂糖としか書いてないんだけど」
「それでいいはず。あとはみりんは…こっちかしら」
「お、おい美琴!そっちは酒のコーナーだっての。みりんならこの辺にあるだろ?」
「何言ってんのよ。それはみりん風調味料。みりんはお酒のほうにあるのよ。アンタ自炊してるのに知らないわけ?」
「ぜ…ぜんぜん知らなかった。みりん風調味料と、みりんってそんなに違うもんなのか?」
「ぜんぜん風味が違うわよ。ほかの材料は同じでもみりんとみりん風調味料だとはっきり違う味になるの」
「へー。さすが美琴先生はいろいろ知っていらっしゃる」
「自炊してるんだし、覚えときなさい」
自炊しているはずの上条が、女子中学生からいろいろと教わっている姿がそこにあった。
2人の関係を知らない人がみたら、どう見てもカップルにしか見えないようなやり取りである。
2人の関係を知らない人がみたら、どう見てもカップルにしか見えないようなやり取りである。
その後必要なものを買い揃え、レジを通る。
荷物は上条が持つと言ったが、先ほどのように転んだりしたら悲惨なことになりかねないので、割れ物なのが入ったものは美琴が持つことに…なったのだが。
荷物は上条が持つと言ったが、先ほどのように転んだりしたら悲惨なことになりかねないので、割れ物なのが入ったものは美琴が持つことに…なったのだが。
「私がこっち持つから、アンタは落としても大丈夫なそっちお願いね」
「でもそれ、結構おもくねぇか?」
「んーこのくらい大丈夫でしょ。よっと…うわわっ」
「おいふらついてんじゃねーか」
「でもそれ、結構おもくねぇか?」
「んーこのくらい大丈夫でしょ。よっと…うわわっ」
「おいふらついてんじゃねーか」
調味料が美琴の思っていたよりも重かった。持ち上げた瞬間、ふらついてしまい、上条に支えられる形になった。
ふらついた美琴の肩をしっかり支えている上条。
支えられているほうは、瞬間的に顔を赤く染めた。
ふらついた美琴の肩をしっかり支えている上条。
支えられているほうは、瞬間的に顔を赤く染めた。
「あ…ありがと」
「無理すんなって。やっぱり俺がこっち持つよ」
「で、でもそれで転んだら…!」
「無理すんなって。やっぱり俺がこっち持つよ」
「で、でもそれで転んだら…!」
どちらも譲れない。上条の不幸を予想して回避しようとする美琴。美琴には重過ぎるからと荷物を持とうとする上条。
作苛台から動かない2人を見かねた店員が、声をかけてきた。
作苛台から動かない2人を見かねた店員が、声をかけてきた。
「それでしたら、彼女さん、彼氏さんにバッグの片方を持ってもらえば大丈夫じゃないでしょうか?」
「えっ!あ、いやコイツとは…まだ…そういう関係じゃ…」
「えっ!あ、いやコイツとは…まだ…そういう関係じゃ…」
思わぬ店員からの一言にテンパる美琴。まだ、と言うあたり、そうなりたいというのがよくわかる一言だった。
しかし上条は聞こえていないのか、持ち前のスルースキルにより
しかし上条は聞こえていないのか、持ち前のスルースキルにより
「あーそっか。そういう風に持てばいいのか」
と、一人で納得していた。
なるほど。ありがとうございます。と丁寧に店員さんにお礼を言っていた。
この時ばかりはいつも通り過ぎる上条がいけなかった。
というか大体上条の鈍感っぷりや、スルースキルのレベルが高すぎることが問題なのだが。
なるほど。ありがとうございます。と丁寧に店員さんにお礼を言っていた。
この時ばかりはいつも通り過ぎる上条がいけなかった。
というか大体上条の鈍感っぷりや、スルースキルのレベルが高すぎることが問題なのだが。
「いつだかあのシスターが言ってたけど、当麻はやっぱり当麻なのね…」
「?どういう意味だ?とりあえず買い物すんだし、帰るぞー。ほら、鞄のそっち側持てって」
「う、うん。この状況は、思ったより荷物が重かったから、仕方なくこういう持ち方をしてるだけなのよね!」
「それ以外にどういう説明ができるのか、上条さんは気になるんですがね」
「なっなんでもない!さー帰るわよ!」
「?どういう意味だ?とりあえず買い物すんだし、帰るぞー。ほら、鞄のそっち側持てって」
「う、うん。この状況は、思ったより荷物が重かったから、仕方なくこういう持ち方をしてるだけなのよね!」
「それ以外にどういう説明ができるのか、上条さんは気になるんですがね」
「なっなんでもない!さー帰るわよ!」
上条は両手に荷物を持っている。その右側の鞄のもち手の片方は、美琴が持っていた。
身長の差があるので、上条は美琴の高さにあわせていた。
美琴にとっては、このさりげない上条の優しい行動がとてもうれしかった。
身長の差があるので、上条は美琴の高さにあわせていた。
美琴にとっては、このさりげない上条の優しい行動がとてもうれしかった。
当然、そんな状況で帰宅すればはしゃぐ人間、というか母親がいるわけで。
「あっれー?美琴ちゃん、いつの間に当麻くんとそんなに仲良くなっちゃったのかなー?荷物を二人でな・か・よ・く持ってくるなんて思わなかったわねー」
「こっ!これは荷物が重かったり当麻が転んだりしたから仕方なくよ!…別に…なかよくなんて…」
「美鈴さん。あんまり美琴をからかわないでやってくださいね」
「こっ!これは荷物が重かったり当麻が転んだりしたから仕方なくよ!…別に…なかよくなんて…」
「美鈴さん。あんまり美琴をからかわないでやってくださいね」
帰宅して荷物を持っていったらいきなり美鈴にからかわれる。
上条がそれとなく美琴をかばうようなことを言った。が、そこで終わらないのがこの男。
美鈴に近づき耳打ち。
上条がそれとなく美琴をかばうようなことを言った。が、そこで終わらないのがこの男。
美鈴に近づき耳打ち。
「そいういうので漏電したり、電撃とかで、俺にとばっちりくるんですから」
「ハァ…当麻くんは相変わらずすぎね…こりゃ厳しいかもしれないわね」
「だーれーのーとばっちりが行くのかしら!?」
「い、いや、何も言ってないぞ俺は!美琴から理不尽な理由で電撃が飛んでくるなんて……あ」
「へぇ…理不尽?いくら呼んでも返事してくれなかったり、目の前にいるのにスルーされたり、話してる最中で突然走ってどっかいったりするのに?これで怒るのって理不尽なのかしらねぇ?」
「あーもう!悪かったって!頼むからここで電撃はやめてくれ!できる限りで言うこと聞くから!」
「言ったわね?今、自分から言うこと聞くって。いまさら取り消しは聞かないわよ?証人もいる状況なんだし」
「え…美鈴さん…いまの「ばっちり聞いてたわよ」ですよね…不幸だ」
「ハァ…当麻くんは相変わらずすぎね…こりゃ厳しいかもしれないわね」
「だーれーのーとばっちりが行くのかしら!?」
「い、いや、何も言ってないぞ俺は!美琴から理不尽な理由で電撃が飛んでくるなんて……あ」
「へぇ…理不尽?いくら呼んでも返事してくれなかったり、目の前にいるのにスルーされたり、話してる最中で突然走ってどっかいったりするのに?これで怒るのって理不尽なのかしらねぇ?」
「あーもう!悪かったって!頼むからここで電撃はやめてくれ!できる限りで言うこと聞くから!」
「言ったわね?今、自分から言うこと聞くって。いまさら取り消しは聞かないわよ?証人もいる状況なんだし」
「え…美鈴さん…いまの「ばっちり聞いてたわよ」ですよね…不幸だ」
新年早々美琴の言うことを聞くことを自分から言い出してしまった上条。
美琴にとって今回の帰省は、収穫が多いものとなった。
上条と名前で呼び合うこと、電撃なしなら勝負を受けてくれると言うこと、何でも言うことを聞いてくれること。
学園都市に戻った後の上条はどうなるのだろうか。
美琴にとって今回の帰省は、収穫が多いものとなった。
上条と名前で呼び合うこと、電撃なしなら勝負を受けてくれると言うこと、何でも言うことを聞いてくれること。
学園都市に戻った後の上条はどうなるのだろうか。