とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part01

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匿名ユーザー

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元彼代打


「ふふふ、残り半月を二千円で過ごすことになるとは。さすがの上条さんも乾いた笑いしか出ないのであります」

太陽があっても寒さを感じる日中、銀行から出てきたゾンビもとい上条当麻は例のごとく不幸により金欠であった。
「……いろいろあった事件が『例のごとく』でまとめられた気がする」

「あ、いたいた」

「どうインデックスに伝えれば生還できるかねぇ。あれ、恐怖をまき散らす食欲魔神の姿が目に浮かぶよ?」

「ちょうどよかった、アンタを探し……」

「しかしこれを打ち消すことはできないのです。なぜならこれは幻想ではなく未来に起こる現実だからだー」

「……って相変わらずのスルーか!!ふっざけんなあああ!!!」

上条は例のごとく右手で電撃を打ち消す。
「おーい御坂、お前も『例のごとく』扱いだぞ」

「何のことだ!!だいたいそっちがいつもシカトしてるんでしょうが!!」

「いや、テンプレは必要かなと思案しまして」

「テンプレはいいんかい!」

そんな『いつも』のやりとりに、『いつも』じゃない二つの影が近づく。
「あ、その人ですか?」

「あぁ、借り物競走の時の人ですね」

その発言に対し上条が声を発する前に、御坂美琴はとんでもないことを言ってのけた。
「そう、コイツが私の<元彼>」

上条の時が止まった。



「どもー柵川中学の佐天涙子です」

「同じく初春飾利です。御坂さんとは仲良くさせてもらってます」

「あーこれはご丁寧に、上条当麻っていいます。……ちょっと来い御坂」

佐天たちから顔をそむけ、ひそひそ話を始める二人。余談だが、この時の距離の近さを美琴が気付いたのは夜中の十一時。大規模な漏電をしてしまい、寮監に首を絞められることになる。
「どういうことだ?」

「えーと、ついつい見栄を張っちゃって」

「恋愛経験豊富だと嘘をついたと」

「お願い、元彼の振りをして」

「はぁ、いいかい御坂君『嘘は泥棒の始まり』と言ってね「給料も出すから」そうやってお金で解決しようとするの「二千円」もいただけない。金を出すから共犯者に「五千円」なってくれと頼むっていうのはおかしいでしょう。上条さんは正直に話した方が「五万円」乗った」

背に腹は代えられないのだ。
「御坂の元彼です。こいつと付き合うのは大変でした」

「(何だとコラ!!)これでホントだって分かってもらえたかしら」

佐天と初春は視線を交えた後、二人に向き合う。
「いやいや、二人で嘘を言っている可能性もありますし」

「忘れてませんよね、嘘だったらなんでもお願い聞いてもらいますからね」

再びアイコンタクトをとる二人。
*1

佐天は輝く笑みを浮かべながら考える。
(御坂さんを一日好き放題させてもらおう。着せ替え人形にしたり、昔の事や「アイツ」の事を根掘り葉掘り聞いてやろう。さらに電撃使いを利用して電気代節約としゃれこもうかぁ)

初春は聖母の微笑みで思う
(いちご焼きそばにメロン丼、小豆シチューに栗バーガー、そして特大ジャンボパフェ。よだれが止まりませんねぇ)
「ということで、そこのファミレスでお話ししましょう」

顔が引きつった二人を連れ、笑顔の二人が先を行く。

これより、「生活」「娯楽」「面子」「甘味」を賭けた戦いが始まる。

そして「アイコンタクト」に対する「ひそひそ話」。上条たちはあきらかに劣勢であった。









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注釈

*1 これは間違いなく嘘だ