とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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もし、ベランダに引っかかっていたのが美琴だったら




第三章 つかの間の休息~teacher~


「はいですー、上条ちゃん?」
アパートのチャイムに反応して出てきたのはピンクの髪の小さい人だった。
「子供?」
その姿に思わず美琴は口に出してしまう。
「むっ、私はこれでもお酒も飲めるしタバコも吸える年齢なのですよ」
「えっ、嘘でしょ!?」
「御坂、これでも俺の担任の先生なのだぞ」
「これでもとは何ですか!それで上条ちゃん、どうしたのですか?」
「小萌先生、理由は聞かず、一晩泊めてください」
「泊めるのはいいのですが・・・ちょっと待っててください、お部屋を片付けてくるのですー!」
そう言うと、小萌先生は部屋へと戻っていく。
少ししてから小萌先生に呼ばれて、2人は部屋へと入っていく。
中はいかにも『客人が来るので急いで片付けました』というような感じだった。
「それで上条ちゃん、そちらの子は?」
「御坂美琴です」
「え!?御坂ってあの、常盤台の!どうしてそのような人が上条ちゃんと・・・」
小萌先生が驚くのも無理はない。
常盤台のお嬢様。それも超能力者が無能力者の上条とともに自身の部屋に来たのだから。
「それについてはまた今度聞くことにするのです。それでは上条ちゃん、」
「小萌先生、それは・・・・・・」
『殺されそうになって逃げてるから匿って』などと言えるわけがない。
そもそも上条にも詳しい事情がわかってないのだから。
「小萌先生、どうか」
小萌先生は立って玄関へと向かう。
「先生、お買い物に行ってくるのです」
靴を履くと振り返る。
「それと、先生はお買いものに夢中になってしまうと忘れっぽくなってしまうのです。帰ってきたら、ちゃんと言うのですよ」
小萌先生はそう言うと出かけていった。
「いい先生ね」
「ああ、俺たちの最高の先生だ」

1、2時間くらいで小萌先生が帰ってきた。
その手にはスーパーの袋と洋服店の袋があった。
「それでは2人とも、お出かけの準備をしてください」
「?あの、小萌先生、どちらへ?」
上条が尋ねると、小萌先生は風呂桶を持って答える。
「もちろんお風呂ですよ」
「「え?」」
つい2人して同じ反応をしてしまった。



現在、美琴は小萌先生とともに銭湯にいた。
小萌先生のアパートにはお風呂が無いという話だ。
「はぁ、お風呂に入ると一日の疲れが抜けるのですー」
「・・・・・・そうですね」
(何なんだろう、この気持ち、なんだかモヤモヤする)
何か考えことをしている美琴に小萌先生は尋ねる。
「御坂ちゃんが悩んでるのは、上条ちゃんのことですか?」
「・・・それも、ありますけど」
言えるわけがない。
あんな恐ろしいことを、何も知らない、こんな優しい人に。
彼にだって、まだ言えないことを。
「では、上条ちゃんのことでないか相談がありましたら」
美琴は、他人に範囲で思いを打ち明ける。
「私、わかんないんですよ。どうして事情も知らないのに助けてくれたのか」
事情も言えず
突然殺されそうになって
それでも見捨てずにここまで来てくれた。
「御坂ちゃん、上条ちゃんは馬鹿です」
「わかってますよ。馬鹿で、お人好しで、すぐ私のことビリビリ言って」
でも、と美琴は続ける、
 「優しくて、人助けを当然のようにやったり、そのことを決して誇示しないし、それに何より、私を命懸けで助けてくれた」
19「それがわかってるのなら十分ですよ」
「それだけ・・・・・・か」
ただそれだけ。
そう思ったら、美琴の中のモヤモヤが少し晴れた気がした。
それでもまだ・・・
(なんでだろ、まだ・・・何か・・・)
何故だか上条のことが頭から離れない。
「御坂ちゃん、上がりますよ?」
「あ、はい」
とりあえずこの問題は置いておくことにした。

そして帰り道、上条は先に帰っているらしい
「先生、タバコを切らせてしまったのです。コンビニに行ってくるので先に帰っといてください」
小萌先生は1人でコンビニへと行ってしまった。
(今なら・・・・・・)
美琴は帰り道から少し外れた道へ向かう。

周囲に人影のない公衆電話へと、彼女は入っていく。








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