とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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猫の行動の意味




頭に三角形の耳が生えた。
耳4つじゃん!!とかはいいっこないしだ。
手はもふもふになり、肉球がついた。
指がなくなり、不安で仕方ない。
歯が鋭くなった。
舌を噛みそうで心配である。
しっぽも生えた。
どう生えたのか、皆さまの想像力の見せどころだ。

簡潔にいうと猫化していた。






































上条が。

「需要はどこ!!? 迷子センターであってます!!?」

さて、必死に働かせた想像力をもう一回使ってみてください。
気分わるくなったらお手洗いへ。

「んー、実験は失敗だったか」

頭をひねるのは木山春生。
高額のバイト代につられて来てみたら、人体実験の標本でござった。

「大参事すぎる!! どういった実験をしたの!!?」

効果音は、フシャーという威嚇。

「………正直にいうと、猫の日にかこつけてイタズラがしたかっただけだ」

「よくぞ正直にいった。だが許さん!!」

マッドサイエンティストというには平和的イタズラだ。

「安心してほしい、ちゃんと道連れも用意している」

道連れがいても、安心できるって話じゃねーよ!! というツッコミの間に、
目の前の食器洗い乾燥機に似た、等身大の装置がものものしい音を響かせながら開く。

「今日は食器洗い乾燥機の日でもあるらしいよ」

知らんがな。

モクモクと立ちこめる煙の中には、
上条同様猫化した美琴がいた!!

さぁ!! 今度こそ想像力をフルで稼働させるのだ!!
鼻血対策も忘れるな!!

「み、美琴?」

「にゃんでアンタ………にゃ、にゃんで猫語ににゃってんの!!?」

「それ猫語っていうのか!!?」

慌てふためく2人をみていた木山は大きく頷く。

「私は結果報告のために出かけるよ。今日の夕方にはもとに戻るから安心してくれ」

結果報告?
つまりは黒幕がいるはずだ。
上条達が視線を相方から敵に移すと、前時代的な携帯がどこかにつながった直後のようだった。

「こちらはうまくいったよ。しかし、君はこんなことで私がしたことを許してくれるのか?」

耳を傾けると聞こえる、元気な明るい声。
美琴には聞き覚えがありすぎるトラブルメーカーがその主。

(黒幕佐天さんかーーーーーーーーー!!!!!)

「では、依頼人の期待通り仲良くしてくれたまえ」

((逃がすか!!))

電撃をまとう美琴と、駆け出す上条。
あわてず騒がず木山は内ポケットから毛糸玉を取り出し、
放り投げたのちに悠々と外出したのだった。



(ちくせう)

上条は顔を真っ赤にしてしかめっ面。
さっきまで美琴とともに毛糸玉にじゃれていた。
美琴はまだしも、自分のそんな絵は需要がないはずである。
そんな感情は押し殺し、目下の問題である脱出法を探る。

「……無理だな」

扉にはとって1つない。
毛玉で遊んでいたとき、視界の端にポケットからリモコンのようなものを取り出す木山が見えた。
きっとあれがないと開かない。

「こっちもダメ」

押して開くタイプのドアがあり、
その先を確認してきた美琴。
まぁ、案の定ただのお手洗いだったようだ。

「ったく」

ドカリ、と座り込む上条。
尻尾は太くなり、イラダチを隠せない。
右手は先程の毛糸玉をいじってるけども。
ちょっと遠くにいくとまた少し移動する。

そんなとき、ふと気づいた。
目の前に、美琴がいる。
疑問に思ったとき、美琴は鼻をコツンとぶつけてきた。さらに頭を胸にこすり付ける。

「………にゃんじゃらほい?」

「あ、え、えーっと、か、体が勝手に………」////////

ちなみに、尻尾はピーンと立っている。
上条の隣に正座した美琴は、膝を軽く押す。
フミフミ。

「………?」

自分の膝から、美琴の顔へと視線を移す上条。
美琴は顔を真っ赤にしながら少し距離を取った。

そんで仰向けに寝転がった。

「いや、どうしたん?」

「えっと、その、体が勝手にその………………」

目線をあちこちにやった美琴は、どうしても上条の視線から逃げられない。

やけくそだった。

「………にゃ、にゃお~ん」

赤面でのにゃんにゃんポーズ!!!

ピンッと上条の尻尾が立った。
猫の本能なのか、体が言うことを聞かない。

ペロッ

美琴のおでこを舐めた。

「にゃ、にゃににゃににゃんにゃの!!?」

「読みづらっ!! す、すまんペロッ、なんかペロッ、と、とまらペロッにゃいペロペロッ」

「ふ、ふにゃ!! まって!! いやっ、ふぇ? あんっ、しょ、そんにゃとこまでぇぇ?」

なにこれエロい。

「って、まて! おま、にゃに!!?」

「アンタペロッ、ばかりペロッ、ずるい、のよ、わたペロッしも、負けペロッにゃいんペロペロッだかりゃペロッ」

ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
にゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃん

ちょっと見ていられない。
しまいにゃ、

「イテッ!!」

美琴が上条の手に甘噛みする。

ペロペロの応酬に、モグモグも加わった。

そして、

「はぁ、はぁ」

「はぁ、はぁ、ふにゃあ」

美琴を組敷くかたちとなった上条。
目線の先には、身動きの取れない、赤面するメス猫。
生唾を飲み込み、
そのまま、上条は美琴の首すじにかぶりついた。


その翌日。
美琴はファミレスのテーブルに突っ伏していた。もちろん猫化は治まっている。
顔は信号機より赤い。

「御坂さん、聞いてください!! 猫って甘えたいときは、鼻でキスしたり、体をこすり付けてくるらしいですよ!!」

元気よく話す佐天に対し、
もちろん返事はない。
ツッコミ役の2人は、今日に限って風紀委員のお仕事だ。

「ほかにも、尻尾をピンッとたてたり、ムニムニ押すのは甘えたい証拠ですし、おなかを見せるのは、構ってほしいって合図らしいです!!」

なんか美琴から煙が出てきた。

「さらに!! 毛繕いは、親しい猫同士でしかしないらしいですよっ!!」

どこかから、あうあう聞こえる。

「さらにさらに!! 甘噛みは一種の、愛情表現らしいですね!!」

今日はいやに静電気が多い。

「極めつけは………なぜか御坂さんの首にもくっきり残っている跡。オス猫が首を噛むのは『ネックグリップ』っていう特別な意味がありましてね………」

その内容を美琴が聞いた瞬間、
ファミレスの中で猫のような大きな声が響き渡り、
ものっそい電撃を浴びた佐天は少し、美琴いじりを自重した。

3日間だけ。










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