―ビリビリチョコレートアタック― 1
2月10日
PM3:47
「う~ん。」
御坂美琴は悩んでいた。
それもこれもアイツが悪い。昨日いきなりあんなこと言われるなんて…
「お~い!ビリビリ~!」
「だ~か~ら~アンタは私にケンカ売ってんのか!!」
ガッシャーンと電撃が上条にむけて放たれる。
そして難なく無効化される。
「だからお前、街中でビリビリはやめろって。」
「フンッ。私の事をビリビリって言うからでしょうが!
それに電撃どうせ喰らってないから良いじゃない。」
「お前…そういう問題か?」
といつものように話していたらいきなりアイツが…
「なぁビリビリ?」
「…(バチバチ)」
「スイマセン!御坂美琴お嬢様!」
「よろしい。で、なによ?」
「は?」
「は?じゃなくて。アンタが私に声かけるなんて、何かあるとしか思えないわ。宿題?それともまた食料がないの?少しくらいなら貸せるわよ。」
「いや、とくに用は無いんだが。急にお前に会いたくなってな。」
「なっ!?ななななななななななななななっな、なんですって!?」
「え!?おい、どうした御坂!?顔が真赤だぞっ!」
「な、何でもないわよっ。ちょ、ちょっと風邪気味…そう!風邪気味で。あははは。」
「そ、そうか。それならいいんだが。」
落ち着け~落ち着け~私。コイツは普段からこういう事を平気で言うのよ。
私だけってわけじゃないのよ。落ち着け~落ち着け~。
「なぁ御坂。」
「ひゃ、ひゃい」
しまった。盛大に舌を噛んだ…
「お前、本当に大丈夫か?」
「だ、だいひょうぶ。」
あーもぉぉぉ。また噛んひゃんらった…
「ちょっと、動くなよ。」
「え?」
いきなり、私の額に手を当てて顔を近づけてきた。
「熱は無いな。ホントに風邪か?あれ御坂?おーい?」
(ボンッ!!)という音をたてて美琴は
「にゃああああああああああああああああああああああああ」
と叫びながら走った。というより走って行ってしまった。
「どうしたんだ?アイツ?」
という事があったせいで結局、昨日はたいして眠れず、
さらに聞く事があったことも忘れてしまっていた。
「アイツ…手作りの方がいいのかな?」
聞く事というのはバレンタインチョコの事であった。
昨日はアイツを待っていたら、アイツの方から声を掛けてくるし…
それに…それに…あ、あんなに近くにあいつの顔が…
と考えれば考えるほど、顔が赤くなっていくのに気付いた美琴はブンブンと首を振り、雑念を消した。
「っと、そろそろアイツが来るころね。」
と思っていたところに聞き覚えのある声がした。