小ネタ バカは風邪をひきました。
「うーーーーさみぃ。なんでこんな時誰も来ないんでしょうかね・・・」
「来ないほうが嬉しんだけど、来たらきたでそれもな」
「飯食う気力がないな。もう少し寝てようかね」
―――ピンポン!―――
「(だれだ?そうだ!このときは居留守を使うことにしよう。上条家直伝居留守!!)」
上条は寝たふりをした。
―――ピンポンピンポン!―――
「(今日は寝るって決めたんだよ。新聞の勧誘でも何でもさ。受付ねーぞ。土御門もシカトしよう)」
上条は寝たふりをした。
―――ピンポンピンポンピンポン!―――
「だぁあぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ!(誰だぁ?)」
「私よ?さっさと開けろこのバカ!寝てるならさっさと起きなさいよ!」
「(寝たふり寝たふり!)」
上条は来客に対して寝たふりを決行。
「あー!アンタね、そんなことするならここからでもドアぶっ壊して入ってやるからね。10秒数えてあげる。」
「10!」「9!」
上条はここで思った。自分はもう長くないと。ここで人生が終わると。
「8!」「7!」
上条はここで腹を決める。来客を招きいれようと。ベッドから立ち、玄関へ向かう。
「6!」「5!」
上条はふらふらした足取りで玄関へ向かう。
「4!」「3!」「2!」
上条は玄関のドアを開ける。
「いるんだったらさっさと出なさいよ。」
「・・・もうだめ・・・だ・・・」
上条は力尽きた。その場に倒れ込む。
「あれ?アンタ熱あるじゃない?どうしよう・・・こいつを部屋に戻して、っと・・・」
隣の土御門に助けてもらって上条をベッドの上に運んだ。美琴は、そのあと土御門兄妹にお礼を言って上条の部屋で看病をする。
「アンタさ、なんでこんなに無理するのよ。ひとりで」
「いつ倒れるかって心配してたのに。何でよりによって今日なのよ」
「あ・・・でも、寝顔可愛い」
「眠くなってきちゃった。寝よ・・・。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ん?あれ?俺ベッドだ。え?御坂さん?何でここにいるのでしょう?」
「あ。起きた?」
「起きた?じゃねえよ。何でいるんだよ?」
「なんでってアンタがそこで倒れてるから悪いんじゃない・・・グスッ」
「そこで泣かれても上条さんは責任が取れないんですが。」
「ちょっと、おでこ・・・」
美琴は上条の額に自分の額をくっつける。優しく。
「熱は、なんとか下がったみたいね。でも、今日は絶対動かないでよ?」
「あ・・・さんきゅーな」
「ご飯作っといたんだ。おかゆ。食べる?」
「悪いな。ここまでやってくれるなんて、美琴さんは神様ですか?」
「具合悪いのにそんなにしゃべんなっての。ほら。あーんして」
「あーん。ん・・・ん・・・これうめぇな。うん。うめえ」
「しょうがないから作ったんだからね。感謝してよね」
「ありがとうな。美琴!」
「(今、名前で呼んでくれた!)・・・美琴センセーにかかればこんなもの朝飯前だからね」
「そろそろ俺の上から下りてくれないか?トイレに行きたいので」
「あ!ごめんごめん。ついついアンタが逃げるかもって思ったから」
「そんなんで上条さんはあなたの目の前から消えませんよ?」
「・・・ありがと。当麻。」